Wistar系雄性ラットにN-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidineを50mg/
l濃度に溶解した飲料水を20週間投与し, 以下の手術を行った. 第1群は十二指腸液が肛門側より, 第2群は口側より腺胃に逆流する手術, 第3群は対照としての単開腹術である. 50週後の胃癌発生率は第1群96%, 第2群55%で, 第1群は第3群の22%より高かった. 多発胃癌頻度は第1群74%, 第2群83%, 第3群0%で, 胃癌の大きさは, 第1群6±7mm, 第2群4±3mm, 第3群11±7mmで, 十二指腸液胃逆流群では小胃癌が多発性に発生した. また第1群では逆流する十二指腸液が高濃度に触れる幽門輪近傍に胃癌が多く見られた. これらの成績は, 十二指腸液胃逆流が胃発癌を促進することを示している.
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