日本消化器外科学会雑誌
Online ISSN : 1348-9372
Print ISSN : 0386-9768
ISSN-L : 0386-9768
21 巻, 7 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
  • 新津 頼一, 石田 薫, 岡本 和美, 鈴木 俊輔, 村上 弘治, 大津 友見, 鈴木 克, 大浪 優二, 菅原 智, 小保内 寿人, 寺島 ...
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1919-1923
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    相対的非治癒切除以上の根治度が得られた食道癌31例を対象に術後補助療法の完遂率と治療中の栄養学的, 免疫学的指標の推移について検討した.術後補助療法は無作為に照射群と化学療法群に分け, 栄養管理は経腸栄養を主体に経口摂取, 高カロリー輸液のカロリーを合わせて40Kcal/kg以上投与することを目標とした.補助療法の完遂率は照射群88%, 化学療法群87%と満足な結果が得られた.栄養学的指標では血清総蛋白, アルブミン, 総鉄結合能は両群とも補助療法期間中も正常範囲内で推移した.白血球数, 末梢血リンパ球数は特に照射群において, 補助療法期間中に減少したが, このために補助療法を中止せざるをえない症例は認められなかった.
  • 北村 道彦, 西平 哲郎, 平山 克, 河内 三郎, 加納 正道, 赤石 隆, 標葉 隆三郎, 関根 義人, 実方 一典, 樋口 則男, 増 ...
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1924-1929
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    X過去10年間の胸部食道癌277例のうち術後の腎機能障害 (血清クレアチニン2.0mg/dl以上) は15例 (5.4%) に発生した. 15例中9例は第1病日に異常値を示した. 70歳以上と未満 (10.9: 4.3%), 高血圧の既往の有無 (8.0%: 3.7%) について発生率に約2倍の差がみられた. 術前の腎機能では, 血清クレアチニンが1.5mg/dl以上と未満 (35.7%: 3.8%, p<0.01), PSP試験15分値が20%以上と未満 (20.7%: 3.0%, p<0.01), Fishberg尿濃度試験で500mOsm/kg以上と未満 (17.4%: 4.0%, p<0.05) についてそれぞれ発生率に有意差がみられた. 腎機能障害の原因となった合併症の治療が困難であった3例を除き, 他の12例では保存的治療により腎機能障害は回復した.
  • 鳥居 治文
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1930-1938
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ストレス潰瘍の発生機序を知る目的でラット (n=120) を用いて実験的に検討した. その結果, 酸分泌は熱傷負荷群, H2受容体拮抗剤 (cimetidine) 投与群, 全幹迷走神経切離術 (以下迷切術) 群で低下 (p<0.01) したが, ペプシン活性は熱傷負荷群で高値 (42μg/ml/min) を示した. 一方粘膜エネルギー代謝, 胃粘膜組織PO2mmHg値は熱傷負荷により低下 (p<0.05) したが, H2受容体拮抗剤投与により維持された, 壁細胞の微細構造は熱傷負荷, H2受容体拮抗剤投与, 迷切術により分泌細管の壁細胞比減少と管状小胞の増加が認められ, adenosine triphosphate (以下ATP) 産生能をもつミトコンドリアは熱傷負荷により低機能状態となりATP産生能低下が生化学的, 形態学的に認められた.
  • 小澤 正則, 三上 泰徳, 杉山 譲, 羽田 隆吉
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1939-1945
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    腺胃胃空腸吻合を施行したWistar系雄性ラット36匹を検討した. 胃摘出標本の組織学的観察では50病変がみられ, うち31病変は小腸上皮型胃腺腫であった. 腺癌は高度の炎症を随伴し12病変, 10匹からなり発癌率は27.8%であった. また他部位の胃粘膜では粘膜高の平低化がみられ, 胃液pHも上昇するなど萎縮性胃炎が起こっており, 同時に胃内細菌叢は口腔細菌叢から腸内細菌叢へと変化がみられた. 以上の結果から, 胃腸吻合後の粘膜には, まず萎縮性胃炎が先行し, これを母地として腸上皮化生が現れ, これとともに腺腫の発生することが示唆された. さらに腺腫より異型腺管形成への変化は炎症が促進的役割を果たすものと判断された.
  • 加藤 道男, 船坂 真里, 島田 悦司, 吉川 恵造, 中村 毅, 斉藤 洋一, 片山 和夫
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1946-1952
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    昭和40年7月から昭和61年6月までの21年間の胃癌初回切除例で単発であった1,225例を対象とし, この全体例とBorrmann 4型胃癌111例とを臨床的および病理学的項目について比較検討した. 4型胃癌では男女比1: 1.31と女性が多い, 組織型ではporとsigの未分化型が85.7%と多い, stage III, IVの病期の進行した症例が両者で97, 3%と多い, 非治癒切除例が55.8%と多く, さらに同一のstageにおいて対照例と比較しても術後遠隔成績が不良であり, 4型胃癌そのものが悪性度を示すと考えられた.
    また4型胃癌の術後遠隔成績に影響を与える因子についてCoxの比例ハザードモデルを用いて検索した結果, 根治度, 漿膜面浸潤の程度, 性別, 術中輸血の有無の4因子が重要な予後因子であった.
  • 古澤 毅, 松本 興三, 藤富 豊, 穴井 博文, 友成 一英, 柴田 興彦, 内田 雄三
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1953-1959
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    若年者胃癌22例23病巣について胃癌取扱い規約に基づいて臨床病理学的検索を行った. 年齢は20歳から29歳, 平均26.3歳で, 男女比は1.4: 1であった. 頻度は切除胃癌の2.9%で, 初発症状では消化性潰瘍を示唆するものが多かった. 占居部位はMが78.3%を占めた. 肉眼型分類では0型が52.2%で, 3, 4型は合計30.4%と低率であった. 組織学的分類では低分化型が87%と多かった. 組織学的進行程度はstage Iが50%, IVは13.6%と低率であった. 手術成績は切除率100%, 治癒切除率86.4%であり, 遠隔成績は切除例の実測5生率は76.5%で, 治癒切除例のそれは92.9%であった. 若年者胃癌治癒切除例の予後は一般胃癌よりも優れた成績であった.
  • 中根 恭司, 広実 伸郎, 岡村 成雄, 小島 善詞, 朴 常秀, 大草 世雄, 駒田 尚直, 田中 完児, 今林 伸康, 土井 康生, 日 ...
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1960-1963
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    リンパ節郭清の立場から早期胃癌193例 (m癌86例, sm癌107例) とpm癌81例み対象として, 深達度および組織型別に転移リンパ節の個数ならびに転移リンパ節の浸潤様式にどのような差があるかについて検討した. m, sm, pm癌のリンパ節転移率はそれぞれ7%, 19%, 44%であった. 平均転移リンパ節数は深達度に比例して増加し組織型別では早期胃癌に関しては分化型に多い傾向がみられた. また転移リンパ節の浸潤様式については深達度が増すにつれて1型 (辺縁洞型) が少なくなりII型 (髄内洞型), III型 (全域型) が増加した. 組織型別では分化型に1型は少なく, II, III型が高率であった. 以上の成績より早期胃癌のうち分化型癌は転移リンパ節数が多く, リンパ節転移程度も強いため術中操作の際には転移リンパ節からの2次的波及予防に注意を要する.
  • 神野 弥生, 宮崎 勝, 菅沢 寛健, 寺本 修, 志村 賢範, 高橋 修, 栗原 正利, 河田 滋, 宇田川 郁夫, 越川 尚男, 伊藤 ...
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1964-1969
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝障害を合併した腹部外科手術前の63例につき, 血清rapid turnover protein (RTP) のprealbumin (PA), retinol binding protein (RBP), α2HS glycoprotein (α2HS) 値を測定し, その意義を検討した. PAは肝硬変群 (p<0.001), 閉塞性黄疸群 (p<0.05) で, RBPでは肝硬変群 (p<0.001) のみが正常群に比べ有意の低下を示した. α2HSでは各肝障害群と正常群の間に差異を認めなかった. 耐術能との関係を検討すると, PA (p<0.001), RBP (p<0.01) では死亡群 (肝不全死) が生存群に比し有意の低下をみた. また13C-アミノピリン呼気テストによる肝マイクロゾーム機能総量とPA値 (p<0.001) およびRBP値 (p<0.05) は有意の相関を示した. 肝障害例において, 血清RTPのPA, RBPの測定は, 術前肝機能予備力評価の一指標として有用と考えられた.
  • その特徴とdobutamine・dopamineおよびmethylprednisoloneの効果について
    笠井 保志, 野浪 敏明, 加藤 俊之, 朝日 憲治, 原田 明生, 中尾 昭公, 高木 弘
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1970-1978
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝硬変症185例の呼吸循環動態をSwan-Ganzcatheterを用いて明らかにし, 循環改善アミンであるdobutamine (DOB)・dopamine (DA) と速効性ステロイドであるmethylprednisolone (MP) を負荷し, その効果について検討した.
    肝硬変症では, 高度肝障害例において全身・肺循環動態はよりhyperdynamicstateを呈し, 動脈血酸素分圧 (Pao2) は低下した. 次に, DOB負荷では肺動脈圧 (PAP), 肺動脈喫入圧 (PWP) は有意に低下し肺血管抵抗 (PAR) も低下傾向を示した. しかし, DA負荷ではPAPは有意に上昇しPWP・PARは上昇傾向を示し, 肺循環に対しては異なった作用を有していた. また, MP負荷では特に高度肝障害例でPao2上昇を認め, 酸素交換障害の改善効果が示唆された.
  • プロトロンビン時間による判定
    武田 成彰, 田代 秀人, 阿部 祐治, 岡本 好司, 加藤 秀典, 高木 輝, 大里 敬一
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1979-1984
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝切除術後のfresh frozen plasma (FFP) の適正な使用基準について肝細胞癌切除66例を2期にわけ検討した. 前期29例にはFFPを制限を設けずに使用し, 後期37例にはprothrombin time (PT) を指標にできる限り使用節減の方向で術後管理を行った. その結果, 後期ではFFPの1人あたり使用総量で前期より約40%節減でき, FFP非使用例は前期2例より後期14例に増加した. 後期にPT延長例が増加したが出血傾向の発生に差はなく, 肝不全などの致命的合併症は前期3例 (10%), 後期2例 (5%) にみられ, いずれも術後1週間以内にPTが15秒を越えた症例であった. 以上の成績から, 凝固因子補充を目的としてFFPを輸注する場合, 術後1週間以内にPTが15秒以上に延長した時使用を考慮すればよいと考える.
  • 青木 秀樹, 初瀬 一夫, 安富 元彦, 横山 茂, 柿原 稔, 玉態 正悦
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1985-1988
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃切除後胆石症の成因を考察する目的で, 胃切除後胆石症22例を臨床的に検討し, さらに胃癌患者の術前, 術後胆嚢収縮能を経時的に超音波画像下に検討した. 原疾患, 術式に一定の傾向はみられなかった. 結石としてはビリルビン石が41%と通常の胆石よりも多く, 胆汁内細菌陽性率も78.6%と高率であった, 胃切除後の胆嚢収縮能の検討では, 術後1ヵ月で有意に胆嚢収縮能の低下 (39.3%) がみられ, 中には6ヵ月以内にデプリスや結石の存在する症例もみられたが, 術後2~3年で術前の胆嚢収縮能 (52.8%) に回復した.
    以上より胃切除後胆石症の成因としては胆嚢収縮能の低下による胆汁欝滞と胆道感染が重要な因子であることが示唆された.
  • 脇正 志, 錦野 光浩
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1989-1994
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌の占居部位別の臨床像の相違を知る目的で, 過去7年間の胆嚢癌自験79例の各種画像診断と切除標本の結果を用いて, 年齢性, 有結石率, 初発的早期の症例の割合, 生存期間などを比較検討した. 症例数では底部癌が最も多くを占めた (40.5%). ステージIVの症例は70.9%を占め, とりわけ全体癌と頸部および胆嚢管癌はその割合が高かった. 頸部および胆嚢管癌は性比, 結石保有率, 症状, 先行因子などに他部位のものとの相違が認められ, 切除後の生存期間も短く, 治療にあたって留意すべきものと考えられた.
  • 胆管系の容積と弾性の胆道内圧測定に及ぼす影響について
    窪田 敬一, 柴山 和夫, 伊藤 徹, 野村 祐二, 島田 和明, 小菅 智男, 出月 康夫
    1988 年 21 巻 7 号 p. 1995-2001
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆嚢結石症例において, 術中にバルーン付き胆道カテーテルを使用し胆管の容積と弾性が胆道内測定にどのような影響を与えるのか検討した. 胆道内圧測定はバルーン収縮時と拡張時に行った. その結果, 静止圧, 残圧, たちあがり時間および回復時間は胆管系の容積と弾性の影響を受け, 乳頭部機能の指標になりにくいと考えられた. 一方, 灌流圧は胆管の容積と弾性の影響を受けず, 胆管末端部出口抵抗により規定され, その通過性をよく表現すると考えられた.
    乳頭部機能を選択的に評価するには胆管の容積と弾性の影響を除くことが必要であり, バルーン付き胆道カテーテルの使用は有効であることが示唆された.
  • 森脇 稔
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2002-2010
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸時の耐糖能, 膵内分泌機能を研究する目的で, 閉塞性黄疸患者18例に経静脈的ブドウ糖負荷試験, 16例にarginine負荷試験を施行した.これらの症例を血清総bilirubin 10.0mg/dl以下と10.1mg/dl以上に分け, 比較検討し, また, 10.1mg/dl以上の3例と10.0mg/dl以下の4例では, 減黄後の変化についても検討した.その結果, 血清総bilirubin 10.0mg/dl以下でも耐糖能の低下とinsulinの低分泌を認め, 黄疸が高度になるとこの傾向はさらに著明となったが, 膵glucagonは血清総bilirubin 10.1mg/dl以上になってはじめて高分泌反応を示した.減黄後は膵glucagon分泌の正常化に比べて, insulin低分泌の回復は遅延する傾向がみられた.
  • 松下 昌裕, 蜂須賀 喜多男, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 加藤 純爾, 神田 裕, 小田 高司, 原川 伊寿, 久世 真悟, 真弓 俊彦, ...
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2011-2018
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    X小腸潰瘍切除例34例を病理組織学的に検討した. 小腸潰瘍を, 1) 確診例, 2) 疑診例, 3) 原因推定因難例の3群に分類し, 確診例では結核4例, Crohn病5例, 結節性動脈周囲炎1例, 回腸末端炎2例, Behcet病1例, 外力による潰瘍7例であり, 疑診例では結核疑診例8例, 虚血性腸炎疑診例1例であり, 原因推定困難例は5例であった. 潰瘍の数は単発11例, 多発23例であり, 発生部位は回腸末端12例, 回腸24例, 空腸2例で, それぞれ疾患別に大きな差はなかった. 主な肉眼型は輪状潰瘍15例, 縦走潰瘍7例, 円形あるいは多角形潰瘍5例, 不整形潰瘍7例で, 結核は輪状潰瘍, Crohn病は縦走潰瘍, Behcet病, 成因不明の潰瘍は円形あるいは多角形潰瘍という特徴が認められた.
  • 東郷 杏一, 奥野 匡宥, 池原 照幸, 本吉 宏行, 加藤 保之, 大平 雅一, 長山 正義, 由井 三郎, 梅山 馨
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2019-2024
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    当科で外科的治療が行われたCrohn病9例の手術適応および手術成績について検討した, 病型分類は小腸型3例, 小腸大腸型5例, 大腸型1例であり, 手術適応は穿孔2例, 瘻孔2例, 難治性狭穿2例, S状結腸癌疑診1例, 盲腸単純性潰瘍1例, 内科的治療抵抗1例であった, 手術術式は全例に主病巣の腸管切除がなされた. 穿孔2例はともに術前1ヵ月以上におよぶtotal parenteral nutritionを受けていたが, 病態の改善をみることなく穿孔した. 瘻孔2例は1例が回腸臍瘻であり, 1例が回腸S状結腸瘻および回腸膀胱瘻であった. 痔瘻を有する症例では再発率, 再手術を要する率が高かった. 術後は7例においてほぼ満足する社会生活を営んでいた.
  • 沼 謙司, 塩貝 陽而, 竹下 和良, 蔦本 慶裕, 岡 浩, 小杉 厚, 寺田 信国, 柴田 純祐, 小玉 正智
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2025-2028
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれは最近6年間に9例の完全直腸脱に対し, Ripstein手術を施行し, 良好な結果を得ている. 症例は男性3例, 女性6例, 年齢は41歳から79歳, 平均61歳. 直腸脱出を訴えて来院した症例が多く, 病悩期間は2ヵ月~20年と種々で, 脱出直腸の長さは17cmにおよぶものも認めた. その他には便通異常6例, 出血4例, 疼痛3例であり, またほぼ全例に肛門括約筋緊張低下を認めた. Ripstein手術は, 経腹腔的に腹膜翻転部を切離後, 直腸を授動し, メッシュにて仙骨に挙上固定する術式である. 手術成績は, 術後6年を経過した症例もあるが, 再発は1例もなく, 2例に軽度の便通異常を認めるが, 全例に高い満足が得られている.
  • 木村 文子, 磯部 義憲, 上野 恵子, 五十嵐 達紀, 秋本 伸, 山田 明義
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2029-2037
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    直腸癌の局所再発腫瘍の診断, とくに再発腫瘍と瘢痕組織の鑑別におけるmagnetic resonance imaging (MRI) の有用性を知るため, X線computed tomography (CT) の診断能と比較検討した. 対象は局所再発の疑われた18症例である. MRIのT2強調画像において再発腫瘍9例は全例筋肉より高信号強度を示し, 瘢痕組織6例中5例は筋肉より低信号強度を示し, 両者の鑑別は可能であった. 残り3例は精嚢および腫大した子宮頸部でありT2強調画像で高信号強度を示すことより再発腫瘍と誤認した. X線CTでは全例均一な軟部組織腫瘤として描出され再発腫瘍と瘢痕組織の鑑別が困難なことが多かった. MRIは局所再発の診断に有用でありT2強調画像が有効であった.
  • 川口 学永, 仲原 正明, 大口 善郎, 真島 敏光, 北川 悟, 荻野 信夫, 西村 正, 越智 昭博, 大下 征夫, 小林 春秋男
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2038-2041
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 掛谷 和俊, 木下 忠彦, 桑原 亮彦, 斉藤 貴生, 小林 迪夫
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2042-2045
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 川崎 勝弘, 宮田 幹世, 西 敏夫, 畑田 率達, 成子 元彦, 相澤 青志
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2046-2049
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 森崎 隆, 伊藤 隆康, 岸川 英樹, 岩下 俊光
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2050-2053
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 指宿 一彦, 久本 寛, 香月 武人
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2054-2057
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 工藤 通明, 武川 啓一, 加藤 良二, 鈴木 丹次, 中野 眼一, 長町 幸雄
    1988 年 21 巻 7 号 p. 2058-2061
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
feedback
Top