内視鏡超音波検査と超音波検査による食道表在癌の術前進行度診断を組織診断と臨床経過より評価した.検討対象は66例 (切除55例, 非観血的治療11例) である.55例の深達度診断の正診率は80%であった.リンパ節転移を一定の基準に従って診断すると正診率は, 頸部は91%, 腹部は97%, 後縦隔は98%であった.進行度診断の正診率は61%であった.治療経過からの評価は, 早期癌と診断した切除例34例中2例に肺転移, 非観血的治療でcomplete responseであった6例中1例に局所再発を認めたが, リンパ節再発はみられなかった.転移陽性表在癌と診断し切除した17例は, 転移を疑ったリンパ節は郭清したが, 3例にリンパ節再発が確認された.
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