日本消化器外科学会雑誌
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44 巻, 1 号
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原著
  • 丸山 起誉幸, 本山 悟, 宇佐 美修悦, 吉野 敬, 中津 敏允, 小川 純一
    原稿種別: 原著
    2011 年 44 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     はじめに:胸部食道癌の腹部リンパ節(lymph node;以下,LNと略記)転移陽性例の予後は悪いとされている.腹部LN転移を有する食道癌の予後について報告する.方法:1995年から2005年に根治切除術を行った胸部食道扁平上皮癌332例中,腹部LN転移を有した121例を対象とした.臨床病理学的背景,LN転移部位と個数,予後について検討し,予後因子解析を行った.結果:腹部LN転移部位は,右噴門LNが最多で57例(47%)あった.総転移個数は1個が28例(23%),2個が26例(21%)と多く,半数近くを占めた.5個以上のLN転移を有するものは49例(40%)あった.腹部LN単独転移は51例(42%)あった.縦隔LN転移合併例が68例(56%),頸部LN転移合併例が31例(26%)あった.全症例121例の3年生存率と5年生存率はそれぞれ53%と39%であった.腹部単独LN転移51例と頸部あるいは縦隔にLN転移を合併した70例の5年生存率は,それぞれ56%と27%であり有意差があった.65歳以下と病理学的壁深達度T1/T2,LN転移個数4個以下が良好な独立予後因子となった.考察:腹部LN転移を有する食道癌でも,腹部単独LN転移症例や,総LN転移個数が4個以下,病理学的壁深達度T1/T2であれば予後が期待できるものと考えられた.
症例報告
  • 宮田 一志, 井垣 弘康
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 10-15
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は67歳の男性で,2008年7月に右開胸開腹食道亜全摘術,3領域郭清術,胸骨後経路頸部胃管吻合術を施行した.術後3日目に腹痛出現し,術後4日目の検査にて胸骨後経路に横行結腸が陥入した内ヘルニアによるイレウスと診断した.術後6日目に緊急開腹手術を施行し内ヘルニアを修復した.術後は経過良好にて再手術後39日目に退院した.現在までに7か月経過も再発の所見はない.食道がん術後にはまれに再建経路を通って内ヘルニアが起こることが知られているがその頻度は極めて少なく,本邦では今症例を含めて報告があるのは8例を数えるのみである.そのうち7例は後縦隔経路に陥入したもので,胸骨後経路に陥入したものは我々の報告が初めてであり,極めてまれな症例であったため報告する.
  • 尾本 至, 奥村 浩, 松本 正隆, 内門 泰斗, 瀬戸山 徹郎, 有上 貴明, 上之園 芳一, 石神 純也, 上野 真一, 夏越 祥次
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は55歳の男性で,1996年胃潰瘍穿孔にて幽門側胃切除,ビルロートII法再建術を施行された.2008年2月嚥下困難のため近医で上部消化管内視鏡検査を施行された.食道狭窄を指摘され,当科紹介入院.精査の結果,胃切除術後残胃空腸吻合部狭窄症,輸入脚症候群および逆流性食道炎に起因する食道良性狭窄症と診断,外科的治療適応と判断された.術前合併症は低栄養,肺気腫,糖尿病で,空腸瘻造設による栄養状態改善の後,2期的に胃空腸吻合部再建術を施行した.術後重篤な合併症は見られず,食道狭窄部に対し内視鏡的バルーン拡張術を行い改善した.本症例のような良性食道狭窄の治療では,全身状態を考慮した計画的な治療戦略を構築することが重要である.
  • 渡辺 卓央, 佐伯 博行, 青山 徹, 韓 仁燮, 樋口 晃生, 玉川 洋, 藤澤 順, 松川 博史, 湯川 寛夫, 利野 靖
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は67歳の男性で,1995年10月胸部食道癌(扁平上皮癌,Lt,pT1b,pN0,M0,pStageI)に対し,胸部食道亜全摘,後縦隔経路胃管再建を施行した.術後6年9か月目の上部消化管内視鏡検査で,再建胃管内に4cm大の2型の腫瘍を認めた.生検の結果低分化腺癌であり,胃管癌と診断し胃管全摘術を施行した.術後の病理組織学的検査でN/C比の高い異型上皮細胞を認め,免疫染色検査でChromogranin A,NCAM,synaptophisinが陽性で,胃管原発の小細胞癌でpT2(SS),pNX,sH0,sP0,pM1(LYM),fStageIVと診断した.多発肝転移を来し化学療法を行ったが,術後11か月目に死亡した.再建胃管原発の小細胞癌の報告は極めてまれであり,若干の文献的考察を加えてこれを報告する.
  • 山村 明寛, 三浦 康, 唐澤 秀明, 柴田 近, 木内 誠, 西條 文人, 佐瀬 友彦, 石田 和之, 佐々木 巖
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     胃癌胆嚢転移は非常にまれであり,本邦では過去11例が報告されているに過ぎない.症例は66歳の女性で,体重減少,食欲不振を主訴に前医を受診,4型胃癌の診断にて当科を紹介された.精査にて非治癒因子なく,TS-1/CDDPによる術前化学療法施行後,胃全摘・脾合併切除術と予防的胆嚢摘出術を施行した.肉眼的に切除胆嚢に病変を認めなかったが,病理組織学的に胆嚢筋層に広がる胃癌細胞を認めた.直接浸潤や腹膜播種からの浸潤所見なく,胆嚢転移の診断となった.病理組織学的検査所見はpor2,T2(SS),ly1,v0,N1,H0,P1,CY0,M1(胆嚢),Stage IV,術前化学療法の組織学的効果判定はGrade 2であった.食欲不振により補助化学療法を開始しえないが,術後1年を経過し無再発生存中である.同時性胃癌胆嚢転移は非常に珍しく,また術後1年以上の無再発生存もまれであるためここに報告する.
  • 門脇 晋, 三浦 文彦, 天野 穂高, 豊田 真之, 和田 慶太, 加藤 賢一郎, 渋谷 誠, 前野 佐和子, 高田 忠敬, 浅野 武秀
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は77歳の女性で,スクリーニング目的で施行したCTで肝内胆管後区域枝の拡張を指摘されたため,精査目的で当科に入院した.肝内胆管癌の診断で,肝右葉切除術を施行した.術後19病日に右横隔膜下膿瘍に対して,経皮的ドレナージを施行した.CTでは右胸腔と横隔膜下との交通を有する液体貯留を認めた.さらに胆汁様喀痰の排出を認め,ドレーン造影で右肺下葉の気管支が造影され,bronchobiliary fistulaと診断した.保存的に経過をみていたが十分なドレナージは困難と判断したため,再手術を行い瘻孔を切除した.再手術後胆汁様喀痰は消失し,再手術後46日目に軽快退院した.Bronchobiliary fistulaの報告は少なく,文献的考察を加え報告する.
  • 後藤 直大, 松本 逸平, 新関 亮, 外山 博近, 味木 徹夫, 具 英成
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 44-50
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は64歳の女性で,48歳時に膵頭部腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術(pancreaticoduodenectomy;以下,PDと略記),今永法再建を受けた.術後8年目から年に数回,胆管炎を繰り返していた.2006年5月(術後16年目),急性閉塞性化膿性胆管炎から敗血症性ショックを来し来院した.内視鏡的逆行性胆管造影では胆管空腸吻合部の狭窄はなく,食物残〓の肝内胆管内への著明な逆流を認めた.胆管炎は胆道ドレナージにて一時的に軽快したが,チューブトラブルで再燃を繰り返すため,消化管経路変更手術を施行した.胃空腸吻合部から約20cm肛側で空腸を切離し,胆管空腸吻合部から40cmの肛側空腸と端側吻合を行い膵空腸吻合部口側は盲端とした.術後第3病日から経口摂取を開始し,第12病日退院となり,その後3年になる現在まで胆管炎の再発は認めていない.本例のようにPD後難治性の胆管炎では,病態に応じた外科治療を積極的に考慮すべきと考えられた.
  • 木下 博之, 山出 尚久, 中井 博章, 松村 修一, 木村 有成, 嶋 廣一, 森 一郎
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は63歳の女性で,閉塞性黄疸で当院に入院となった.黄疸は保存的治療にて軽快するも,腹部CTで肝側の胆嚢内に淡く造影効果を受ける45×50 mmの乳頭型腫瘍とNo.12c,No.13aに著明に腫大したリンパ節を認め,胆嚢癌の診断で手術を施行した.膵頭部領域のリンパ節は膵実質との線維性癒着のみで剥離が容易であった.胆嚢床切徐を伴う胆嚢摘出術,肝外胆管切徐とD2リンパ節郭清,肝管空腸吻合術を施行した.胆嚢内には多量の粘液を認め,病理組織学的には,pap,mp,medullary type,INFα,ly0,v0,pn0,pHinf0,pBinf0,pPV0,pA0,pBM0,pHM0,pEM0,n2(+),(2/13,No12c,13a),fStageIIIであった.消長した閉塞性黄疸は産生された粘液によるものと考えた.粘液産生胆嚢癌はまれであり,文献的考察を加えて報告する.
  • 青松 直撥, 竹内 一浩, 木村 健二郎, 大北 仁裕, 平田 啓一郎, 李 友浩, 小坂 錦司, 内間 恭武, 花井 淳, 田中 肇
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     Intraductal papillary-mucinous neoplasm(以下,IPMNと略記)に由来した膵腺扁平上皮癌の1例を経験した.症例は79歳の女性で糖尿病にて通院中,平成16年に主膵管型IPMNと診断されたがその後の経過観察は行われていなかった.平成20年1月末より下腹部痛が出現し,精査にて膵尾側に辺縁が造影効果を受ける3 cm大の腫瘤を認めた.IPMN+膵尾部癌の診断にて膵体尾部切除術を施行した.切除標本上,膵尾部に20×24mmの灰白色,充実性の腫瘍を認め,主膵管は径11mmに拡張しておりゼリー状の粘液で満たされていた.術後病理組織学的検査にてIPMNに由来する膵腺扁平上皮癌と診断された.腺癌部分はCA19-9やCEAが陽性であったが,扁平上皮部分もごく軽度染色され,免疫染色上,共通表現形質が確認された.すなわち,IPMNが浸潤性膵管癌となり扁平上皮化生を起こしたと考えられた.
  • 野渡 剛之, 酒向 晃弘, 河口 義邦, 青木 茂雄, 清松 知充, 上田 和光, 奥村 稔, 菊地 文史
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 64-71
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     コレステロール塞栓症(cholesterol crystal embolization;以下,CCEと略記)は血管内粥腫の破綻,飛散による,まれな全身性塞栓症である.症例は78歳の男性で,腹痛,下痢,足趾の疼痛を主訴に来院した.CT上腹腔内遊離ガスを認め,消化管穿孔の診断で手術を要した.小腸に多発潰瘍,穿孔を認め,小腸部分切除を施行した.術後37日目,経過良好にて独歩退院した.病理組織学的検査でCCEによる小腸潰瘍穿孔と診断された.その約半年後,前回同様の診断で緊急手術が施行された.術後9日目に縫合不全もしくは小腸再穿孔を来し,術後44日目に死亡した.CCEによる小腸潰瘍穿孔はまれであるが,その診断がなされた場合,穿孔再発の可能性を念頭におき,適切な術式選択や長期的な全身管理が必要である.
  • 塩入 誠信, 清家 和裕, 亀高 尚, 牧野 裕庸, 三浦 世樹, 大久保 嘉之, 藤咲 薫, 小山 隆史, 長谷川 章雄
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 72-77
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は79歳の女性で,下血を主訴に当院を受診した.大動脈弁置換+冠動脈バイパス術の既往のため抗凝固維持療法中であり,PT-INRは3.03と延長していた.大腸内視鏡,注腸造影検査ではS状結腸に腫瘤性病変を認め,これが下血の責任病変と考えられた.入院後腸閉塞が進行し,また内視鏡的止血術が困難なため,S状結腸切除術を施行した.病理組織学的検査では粘膜下血腫と診断された.自験例の入院時PT-INR値は目標値上限を超えており,外傷などの他の血腫発生因子を有していなかったことから,抗凝固療法の出血性合併症として粘膜下血腫が生じたと推察した.抗凝固療法に関連した大腸粘膜下血腫の本邦報告例は自験例を含め2例のみでまれではあるが,抗凝固療法がさまざまな消化器疾患の成因の一つになりうることを認識する必要があると考えられた.
  • 山野 智基, 由谷 親夫, 新井 勲, 高田 俊明
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 78-83
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は82歳の女性で,食欲不振と体重減少を主訴に近医にてCTを受けS状結腸癌を疑われた.精査目的で注腸検査を受け,検査後に腹痛が出現し翌日の画像検査でS状結腸穿孔によるバリウム腹膜炎の診断で当院紹介となった.緊急開腹術の所見で後腹膜腫瘍のS状結腸への浸潤と穿破によるバリウム腹膜炎,腫瘍による左尿管・左総腸骨動静脈の途絶,後腹膜腔に膿瘍形成を認めた.ハルトマン手術と左腎瘻造設を施行した.病理検査で後腹膜腫瘍は高分化扁平上皮癌であり原発巣を検索した.原発部位としては腎盂尿管が最も強く疑われたが確定診断には至らなかった.
  • 中島 紳太郎, 諏訪 勝仁, 北川 和男, 藤田 明彦, 山形 哲也, 岡本 友好, 柏木 秀幸, 矢永 勝彦
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 84-91
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     今回,我々は脳転移を契機に発見されたS状結腸癌に対し転移巣および原発巣切除を行い,長期生存を得た症例を経験したので報告する.症例は54歳の女性で,2005年11月に頭痛と右上下肢の痺れ,脱力を主訴に当院脳外科を受診した.造影MRIで造影効果を伴う直径15 mm大の円形腫瘍と周囲の広範な浮腫を認めた.腫瘍マーカーはCA19-9が58 U/mlと軽度上昇していた.腹部CTでS状結腸の壁肥厚と所属リンパ節の腫大を認め,S状結腸癌とそれによる脳転移が疑われた.同月,神経症状の増悪のため脳外科での腫瘍切除を先行し,高分化型腺癌の診断に至り外科転科となった.同12月に高位前方切除D2郭清を施行,最終診断はS/C,type2,tub1,53×45 mm,pSS,ly1,v1,pN1,sH0,cP0,cM1,fStageIVであった.UFT+LVによる追加治療を1年継続し,現在51か月の無病再発期間を得ている.
  • 加藤 健, 本郷 麻依子, 若林 俊樹, 粕谷 孝光, 吉岡 浩, 丹羽 誠
    原稿種別: 症例報告
    2011 年 44 巻 1 号 p. 92-99
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     症例は65歳の男性で,2003年5月に排便困難を主訴に当院を受診した.下部直腸gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の診断で同年7月に経仙骨的直腸切除術を施行した.39か月後の骨盤部MRIで直腸左前壁と前立腺との間に2.3 cm大の腫瘤を認め,経直腸的USでも低エコー腫瘤として明瞭に描出された.経直腸的針生検ではGISTの局所再発の診断であった.臓器機能温存を意図し,全身麻酔下に経直腸的USガイド下ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation;以下,RFAと略記)を行った.Cool-tip針を病巣内に刺入し,RFA出力15~40 Wで5分間の焼灼を2回行った.施行後合併症を認めず,第12病日に退院した.RFA後40か月の現在,再々発徴候は認めていない.直腸GIST局所再発に対し多くは手術が行われており,RFA施行例の報告はない.また,骨盤内腫瘍に対するRFAは経皮的CTガイド下に行われることが多い.直腸GIST局所再発に対し経直腸的RFAを施行し有効であった1例を経験したので報告する.
臨床経験
  • 瀬尾 智, 濱口 雄平, 奥田 雄紀浩, 馬場園 豊, 藤本 康弘, 光吉 明
    原稿種別: 臨床経験
    2011 年 44 巻 1 号 p. 100-107
    発行日: 2011/01/01
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
     体外式超音波検査の大腸癌深達度診断における有用性を明らかにするために以下の検討を行った.2007年6月から2009年5月の間に術前体外式超音波検査を施行した大腸癌82例を対象とした.超音波検査は術前点墨施行時に行った.正診率は内視鏡検査所見,造影CT所見,術中所見と比較した.病変検出率は75.6%(62/82)で,結腸癌は88.5%(46/52),直腸癌は53.3%(16/30)であった.深達度診断の正診率は体外式超音波79%(49/62),内視鏡51.2%(42/82),造影CT 38.2%(29/76),術中所見51.2%(42/82)であった.深達度別正診率は,pSMが100%(2/2),pMPが66.7%(4/6),pSSが82.6%(24/29)であった.体外式超音波検査による大腸癌深達度診断は,低侵襲で有用であると考える.
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