患者は69歳の男性で,かかりつけ医での血液検査で肝胆道系酵素の上昇を認め,精査・加療目的に当院へ紹介となった.精査の結果,右肝管優位で肝門部胆管に15 mm大の腫瘍を認め,生検にて神経内分泌細胞癌と診断された.左内側枝胆管(B4)にも浸潤があり,肝予備能も合わせて評価した結果切除不能と判断し,CPT-11:70 mg/m
2(day 1,day 15)とCDDP:80 mg/m
2(day 15)を28日毎,合計3クール施行した.その結果,腫瘍は9 mm大に縮小し,左肝管への浸潤も消失したため,尾状葉切除を含む拡大右葉切除術,2群リンパ節郭清,胆管空腸吻合術にて根治手術を施行しえた.肝門部原発の神経内分泌細胞癌はまれな疾患であり,文献的考察を加え報告する.
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