日本消化器外科学会雑誌
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9 巻, 4 号
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  • 本邦例36例の検討
    岩間 毅夫, 具 栄作, 松村 寿太郎, 木村 信良
    1976 年 9 巻 4 号 p. 397-401
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 田中 忠良, 石上 浩一, 山崎 武伍, 津江 満麿
    1976 年 9 巻 4 号 p. 402-408
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ブレオマイシン (BLM) の術前使用によつて手術根治性の向上が期待されるが, BLM療法の重篤な合併症として肺線維症がある. とくに, 食道癌は高齢者に多発し, しかも食道癌術後には肺合併症が発生しやすく, BLMの術前の使用が躊躇される. また術中に撒布されるか取り残された癌細胞を撲滅するためには術中・術後の投与が望ましいが, 一部の制癌剤には創治癒障害がみられ, 縫合不全発生の危険が懸念される. このような観点から, 犬の頚部食道を利用しBLMの創治癒に及ぼす影響をbursting strengthの測定および病理組織の面から検討した. その結果, BLMの創治癒に及ぼす影響はみられなかつた.
  • 渡部 仁
    1976 年 9 巻 4 号 p. 409-423
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆道の機能と形態との両面の情報を同時に入手するため, つぎのごとき新しいRadiomanometryを創案した. すなわち胆道内圧を圧力変換器を介して自動記録せしめ, 術中X線テレビの映像を電動式カメラで連続撮影しそのシャッターシグナルを内圧記録紙上に同時記録する方法である. 75例に術中観察を施行しつぎのような結果を得た.
    1) 胆嚢内結石嵌入例の胆嚢内静止時圧は結石浮遊例のそれより高値を示し, 胆嚢管出現時圧は胆嚢管の閉塞の有無に左右された. 2) 総胆管内静止時圧では総胆管有石群が胆嚢結石群より高値を示した. 3) 経十二指腸括約筋形成術の適応決定にあたり内圧のみならず末端部の動的変化を詳細に観察することが重要である.
  • 木下 巌, 大橋 一郎, 中川 健, 梶谷 鐶, 金田 浩一, 津屋 旭
    1976 年 9 巻 4 号 p. 424-430
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれの施設で取扱つた食道癌例を対象として, 食道癌の淋巴節転移とくに上縦隔転移とその治療対策について検討した. 5年生存率では耐術治癒, 準治癒例で28%を示したが, Iuの成績が不良であつた. 5年生存例43例の中n+例は26例あるが, いずれも局所か下縦隔か腹腔転移例で上縦隔転移はわずか2例のみであつた. 上縦隔転移の実態をつかむため, 縦隔鏡による傍気管転移の検索と手術例における上縦隔最上部淋巴節転移の検索とから上縦隔最上部淋巴節転移の有無が予後に密接な関係をもつことを知つた. 従来術後照射の適応に関し判然としなかつたが, この結果に基づいて上縦隔最上部淋巴節を規準に決め, 当所のn+例に上縦隔と両側鎖骨上窩を含めたT字型照射を行い, 小数例ではあるが好結果を得ている.
  • 真辺 忠夫, 鈴木 敞, 本庄 一夫
    1976 年 9 巻 4 号 p. 431-436
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝壊死に合併する上部消化管障害の成因を血行動態面より解明すべく家兎を用い肝20%葉の結紮壊死を作成し, 上部消化管各部各層の血流量をradioactive microsphere法により測定した. 肝壊死作成24時間後, 約24%の家兎胃粘膜には糜爛ないし潰瘍がみとめられ, 食道, 胃体部, 前庭部, 十二指腸各部粘膜は著明な血流減少を来した. この血流減少傾向は, 肝壊死除去6日後も同様にみとめられ, 同12日後なお, 食道, 前庭部, 十二指腸の血流は低下していた. さらにこれらの血流減少傾向は正常家兎において脱血後, 肝壊死家兎血を輸血した場合にもみとめられ, 肝壊死時の上部消化管障害の発症原因として, 壊死肝より血中に逸脱する物質による上部消化管粘膜の著明な血流低下が示唆された.
  • 加部 吉男, 木戸 晴雄, 岡村 治明, 菅原 恒星, 鈴木 時雄, 森田 建
    1976 年 9 巻 4 号 p. 437-442
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    最近増加する傾向にある結腸憩室性疾患経験例43例につき臨床的検討を加えた. 右側例31例, 左側例7例, 全結腸例5例であり, そのうち右側結腸憩室炎が19例でとくに多かつた. 右側結腸憩室炎は急性虫垂炎との鑑別が難かしいが, 診断がつけばまず保存的に治療し, 手術の適応は再発例や進行例にとどめるべきである. 右側結腸憩室の成因に関しては単発性真性憩室は先天性であるとの説以外明確な説明はみられない. しかし, 小児の結腸憩室例は極めて稀であり, 小児注腸例の検討でも結腸憩室はみられず, 憩室の局在位置を検すると左側と同様に自由紐と大網紐との間には憩室はみられず, 右側結腸憩室の発生も後天的機序を考慮すべきであろう.
  • 食道浸潤例の切除線決定に対する検討
    白鳥 常男, 高橋 精一, 中谷 勝紀, 小西 陽一
    1976 年 9 巻 4 号 p. 443-449
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    A clinico-pathological studies were made to analyse the invasive patterns of the esophagus on 50 cases of the cardiac carcinomas in the 1st department of surgery during 1970 to 1974. The following results were obtained:
    1) Macroscopically, the esophageal invasion of cardiac carcinomas was seen in 23 cases, while microscopically, it was seen in 28 cases out of 50.
    2) Sixteen out of 28 cases which were invasive cardiac carcinomas showed ow (+), inculuding 12 ow (+) out of 24 OW (-) cases.
    3) The distances from the esophago-cardiac junction to the margin of cardiac carcinomas were measured macroscopically and microscopically.The difference between them was that 19 cases showed longer and 9 showed shorter in microscopic distance than macroscopic one.
    4) In the studies on the comparison between the invasive patterns of the cardiac carcinomas and eliminated error.It was shown greater eliminated error that of cancer cells invaded in the sm to pm or in the whole layer at the esophago-cardiac junction than in other layers of esophagus.While at the margin of the cardiac carcinoma, it was shown greater eliminated error that of cancer cells in sm and pm than in other layers of the esophagus.Further, 2 out of 4 which cancer cells invaded in pm were shown 1.7cm or 2.5cm in the eliminated error.
    5) In the studies on the comparison between Borrmann's classification and eliminated error, all of Borrmann I or II types namely localizing type showed less than 0.5cm in eliminated error, and about 69% of Borrmann III, IV types namely infiltrating type showed more than 0.5cm in eliminated error.
    6) In the studies on the comparison between the distance from the magin of the carcinomas to the transection line and Borrmann's classification in the cases of Borrmann I or II type when the distance was longer than 2cm, and in the cases of Borrmann III or IV types when the distance was longer than 4 cm, no ow (+) cases were seen.
    The present results are supporting that in the cases of Borrmann I or II types, the transection line should be determined at more than 2cm far, and in the cases of Borrmann III or IV types, at more than 4cm far from the margin of carcinomas, when surgical operation was performed for the patient of the esophageal invasive cardiac carcinomas.
  • 樺木野 修郎, 栗林 信介, 重藤 紘, 松本 秀章, 脇坂 順一
    1976 年 9 巻 4 号 p. 450-455
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    成人における乳糖不耐症あるいは牛乳不耐症に注目し, 私どもは今日まで最大血糖上昇度Clinitestによつて, 胃切除前後の乳糖吸収状態を吟味してきたが, 今度は胃切除後の乳糖吸収を14C-lactoseにより呼気中のCO2を測定するとともに, 小腸におけるLactase活性値を十二指腸ならびに空腸で測定した.
    胃切除後には術前に比較して乳糖不耐症例の頻度が増加し, また, 臨床的にも下痢・腹痛を訴えるものが多いが, 日本人における小腸のLactase活性値は欧米人に比べて非常に低値であり, また, 胃切除後の再建方法によつても乳糖吸収に差異を生じた, しかし不耐症状の有無にかかわらず, Lactase剤投与は乳糖吸収に充分なる効果があることを報告するとともに, 小腸におけるLactase活性値が低くとも, 下痢などの不耐症状のない人もあることを述べた.
  • 胃全摘後のmalignant gastrinomaの消長ならびに血清ガストリン値について
    古味 信彦, 渡辺 英生, 櫛田 俊明, 蔵本 守雄, 宇高 英憲, 木下 真人, 藤野 良三, 高橋 正倫
    1976 年 9 巻 4 号 p. 456-465
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝転移を伴うZollinger-Ellison症候群患者に胃全摘出術を施行することにより, 術後3年6ヵ月の現在経過良好である1例を報告する. 同時に, 本邦で報告されているZollinger-Ellison症候群51例について集計し, 胃全摘出術の効果について検討した. その結果, 転移のある症例においても胃全摘出術を施行する必要がある.
    また, 胃全摘出術後の腫瘍の消長ならびに血清ガストリン動態とセクレチン, Ca負荷との関係について文献的考察を加えた.
  • 永川 宅和, 薬袋 俊次, 浅野 栄一, 泉 良平, 佐々木 紘昭, 山崎 軍治, 高島 茂樹, 小西 孝司, 倉知 圓, 宮崎 逸夫
    1976 年 9 巻 4 号 p. 466-473
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍による閉塞性黄疸は, 腫瘍の形態, 浸潤度, 転移の有無などによつてその病態が異なり, 手術法の選択などに苦慮することが多く, しかも, 胆汁路は充分確保されていると思われるにかかわらず, 黄疸軽減効果がえられず, 肝不全, 腎不全, 消化管出血などの重篤な合併症をひきおこして死に至つてしまう場合がある.
    著者らは, 過去14年間, 教室において手術が施行された胆・膵系悪性腫瘍患者について, その黄疸軽減効果と予後ならびにP.T.C.ドレナージの検討を行い, 教室における悪性閉塞性黄疸患者に対する治療方針について言及する.
  • 電子線1回大線量照射による組織学的変化
    轟 健, 恒元 博, 碓井 貞仁, 岩崎 洋治
    1976 年 9 巻 4 号 p. 474-481
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝門部術中照射療法における照射線量を決定する目的で, 家兎肝門部に開腹したまま, 電子線を1回に3000radおよび5000rad照射した.照射後2日から4週間までの急性期について, 照射野に含まれた, 肝臓, 肝外胆管, 肝固有動脈, 門脈の照射による影響を組織学的に調べた.実験成績から, 肝門部電子線3000rad 1回照射は, 組織耐容線量内にあることがわかつた.
  • 尿糖排出量とN-balanceを中心としたmaltose輸液とglucose輸液の比較
    山光 進, 相川 真, 鍋田 光一, 早坂 滉
    1976 年 9 巻 4 号 p. 482-489
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    栄養輸液の糖質としては, glucose使用が最も多く, ときにfructoseが使用されているが, 近年maltoseが同一滲透圧で2倍のカロリーを供給できることで注目された.今回われわれはmaltoseの連日投与と術後栄養管理におけるmaltoseとglucoseについて検討した。その結果, maltose 100g連日投与でも異常過血糖や血清maltose消失速度の変化はなく, 尿中排出量の減少傾向が認められた.しかし家兎を用いた実験では, maltose連日大量投与による組織内maltase活性の上昇は認められなかつた.また術後使用ではglucose (5%, 10%, 20%) に比べmaltose (10%) 使用の尿糖排出が著明に多く, maltose投与方法についての検討の必要性が感じられた.
  • 佐竹 克介, 内間 恭堅, 土肥 浩義, 梅山 馨
    1976 年 9 巻 4 号 p. 490-495
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵障害時に血液凝固能の異常が合併することはすでにいくつかの報告があるが, 最近, 激症膵炎患者および実験的急性膵炎時に, consumption coagulopathyあるいはDisseminated intravascular coagulation (以下D.I.C.) と呼ばれる症候が併発するとの報告もある.
    われわれは, 自家胆汁, トリプシン, エラスターゼによる膵炎を作成した犬について血液凝固能を中心に検索し, 併せて, 膵外分泌酵素および組織学的検索を行つた.
    種々の膵炎犬の血液凝固線溶系の検索では, 程度の差こそあれ, 血小板数の減少, 血中Fibrinogen量の減少, Prothrombin timeおよびpartial thromboplastin timeの延長, F.D.P.の著明な増加ならびにE.L.T.の短縮がみられた.
    かかる膵炎犬の病理組織学的所見では, 膵は全例に出血性壊死性膵炎像を示した.同時に, 肺, ならびに腎において無数の小血栓の形成が認められた.
    このような急性出血性壊死性膵炎にみられる血液凝固能異常の所見は, Disseminated intravascular coa.gulationによるConsumption coagulopathyと理解されるもので, 興味ある所見と考えられる.
  • 芳竹 敏郎
    1976 年 9 巻 4 号 p. 496-506
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    近位迷切術のみでは, 胃液胃酸分泌の減少は見られたものの, 血中ガストリン値は逆に増加し, 幽門成形術を併設することによつて, 血中ガストリン値の上昇が抑制されることが証明された.また幽門洞枝を幽門輪枝を含めて切断した場合には, 胃液胃酸分泌ともに増加し, 同時に血中ガストリン値も上昇する.この場合にも幽門成形術の併設によつて, 両者の減少が認められた.さらにこの場合, 幽門洞部および幽門輪の迷走神経支配を断つことで, 著明なdistensionが認められたが, 幽門成形によるdrainageでこの状態を解消できるという結果は, 迷走神経幽門洞枝がガストリン分泌を抑制するものでないことを証明している.
    さらに予め近位選迷切術を施行して後, 幽門成形術を併設すると, 胃液胃酸分泌および血中ガストリン値の低下が認められることが判明した.この事実も幽門洞部に神経支配が残存していても, drainageを付加すると, ガストリン値の低下が認められるという証明で, 壁細胞領域がdenervateされているとはいえ, 近位選迷切術にとつて, 幽門成形術は合目的な方法であるという確証を与えたものである.
  • 堀 雅晴, 中島 聰総, 高木 国夫
    1976 年 9 巻 4 号 p. 507-512
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 山田 明義, 小林 誠一郎, 榊原 宜, 木下 祐宏, 荻野 知己, 大森 尚文, 福島 靖彦, 遠藤 光夫
    1976 年 9 巻 4 号 p. 513-519
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 島津 久明, 安達 秀治, 富山 次郎, 丸山 寅巳, 草間 悟, 石川 浩一
    1976 年 9 巻 4 号 p. 520-526
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    過去12年間に当教室において施行した胃全摘症例の総数は190例で, その手術死亡率は3.7%であった.初期にはBillroth II法型吻合やRoux-Y型端々吻合などを実施したが, その後の大多数の症例にはρ吻合を採用した.全症例の93.7%の原疾患は胃癌で, これらの症例の累積5年生存率は25.6%であつた.ρ吻合施行症例においても, 体重の回復状況は不良で, 調査した2/3の症例が術前の入院時体重よりも5%以上の減少を示していた.これに対して, 各種の愁訴の発生頻度はあきらかに改善され, とくにρの長さを30cm以上にするようになつて以来, 重症の逆流性食道炎が発生することはきわめて稀になつた.なお術後3年以上を経過すると, 徐々に無胃性貧血が出現する傾向が認められた.
  • 永津 正章, 広本 秀治, 稲積 恒雄, 光野 孝雄
    1976 年 9 巻 4 号 p. 527-532
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • Ileocolon Interposition法を中心として
    小玉 正智, 柴田 純祐, 藤田 政良, 田中 承男, 筒井 信正, 角田 冨士男, 山岸 久一, 稲葉 征四郎, 橋本 勇, 篠田 正昭
    1976 年 9 巻 4 号 p. 533-538
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • Rupert B. Turnbull
    1976 年 9 巻 4 号 p. 539-540
    発行日: 1976/07/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 松永 藤雄
    1976 年 9 巻 4 号 p. 541-542
    発行日: 1976/07/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 9 巻 4 号 p. 543-573
    発行日: 1976/07/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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