日本消化器外科学会雑誌
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9 巻, 5 号
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  • 米澤 健
    1976 年 9 巻 5 号 p. 575-582
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胸骨前皮下経路によつて胃管を用い食道再建を行う術式は, 最も安全な食道再建術式とされながら, 頚部における食道胃管吻合の縫合不全発生の多いことが欠点とされている. そこで, 縫合不全発生因子の1つと考えられている胃管血流障害について, 実験犬に3種類の胃管を作製, Sr85-Microsphere法により血流を測定し, 比較検討した. 胃管の血流は胃小弯側を大きく切除し大弯側に沿つて可及的胃管を細くすることにより良好となる. また大弯側形成胃管を十二指腸から切離し, 右胃大網動静脈によつてのみ血行が保たれる形のものにしても胃管血流には著変なく, この方法も必要によつて奨用されて良い術式と考えられた.
  • 中川 昭一
    1976 年 9 巻 5 号 p. 583-590
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    雑種成犬に胃切除術を合併しない各種迷切術を段階的に施行し, この間の血中ガストリンの変動をインスリンおよび試験食刺激を用いて検討した. さらに試験食刺激では幽門形成術の有無の影響をガストリン面から検討した.
    インスリン刺激によるガストリン分泌は, SPVで高値の傾向を示し, SV+Pでは刺激による反応は消失した. 試験食刺激によるガストリン分泌は, SPVで有意の高値を示し, SVおよびTVではSPVより有意の低値を示した. SPV, SV, TVに幽門形成術を追加すると, ガストリン分泌は低下傾向を示したが, 有意差は認められなかつた. 迷走神経幽門洞枝はガストリン分泌促進作用を有すると考えられた.
  • 特に膵炎ショックにおける副腎の役割について
    田中 紀男
    1976 年 9 巻 5 号 p. 591-603
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    急性膵炎ショック発現に及ぼす副腎の役割について実験的研究を行つた. すなわち, ヒトの膵, 後腹膜神経叢, 副腎はたがいに隣接していることより, 解剖学的にヒトの膵臓に類似させるため, 予めイヌの膵臓を左副腎領域に限局性に縫着固定し, 膵炎発生による動脈血圧等の循環動態の変動と副腎Catecholamines分泌速度の変動, ならびに, IRI値と血糖値の変動を測定し, 膵炎ショック発現の機序について検討した.
    急性膵炎ショック発現には, 膵滲出液の副腎への直接の波及が主役を演じており, 予め副腎を摘出しておくとショック発現が遅延した. なお, 後腹膜神経叢も独立して膵炎ショック発現に寄与した. 急性膵炎ショック発現時には, 副腎Catecholamines分泌速度は有意に増加するが, 他の種々のショックと比較して増加の程度は低かつた. ところが, 動脈血圧低下時にadrenalineならびにnoradrenalineを経静脈的に投与しても回復は見られなかつた. したがつて, 副腎Catecholamines分泌速度が遅いことが, 重篤なショックに移行する原因とは考えられなかつた. 中心静脈血中IRI値と血糖値は同時に増加し, インシュリン・ショックとは異なる態度を示した. さらに, Catecholamines, 血糖, IRIの相互制禦機構が見られなかつた. 以上より, 副腎は急性膵炎ショックの悪循環の一翼を担い, 膵滲出液の副腎への波及をブロックする事は, この悪循環を断つと推測された.
  • 土肥 浩義, 佐竹 克介, 内間 恭堅, 梅山 馨
    1976 年 9 巻 5 号 p. 604-610
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    急性膵炎の発生機序に関しては, trypsinを中心とした活性化膵酵素の間質内逸脱による自己融解がその本態をなすと考えられてきたが, 最近, trypsinによる急性膵炎発生に疑問がもたれてきた. われわれはすでに膵外分泌液中にはelastaseが豊富に存在することを証明しその重要性を指摘してきたが, 今回は, 従来の自家胆汁性膵炎を対照として, elastaseの膵管内注入によつて作成した急性膵炎犬についてその病態を中心に検索した. elastase注入群の膵組織像は比較的早期から小葉間間質の細動脈壁の破壊, 膵実質および小葉間間質の出血像がみられたが, 対照群では早期より膵実質細胞の変性壊死が強く, 出血像は著明でなく, 小葉間間質の細動静脈はよく保もたれていた. しかし膵炎発生5時間後では, ともに出血性壊死性膵炎像がみられた. また, かかる膵組織中のelastase含有量は著明に減少した. これらの成績から, 浮腫性膵炎の出血性膵炎への進展に膵elastaseが何らかの役割を演ずるものと解され, 一方, 急性膵炎における血中膵elastaseの測定は膵炎の激症化への予測に役立つものと考えられた.
  • 空腸切除と回腸切除による比較検討
    梶原 建煕, 田村 勝洋, 小原 弘, 松岡 国雄, 鈴木 敞, 本庄 一夫
    1976 年 9 巻 5 号 p. 611-621
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    実験的に空腸および回腸切除犬を作製し, 同一犬の切除前と切除後3週間の膵内外分泌動態を比較検討した. SecretinとCCK-PZ混合刺激下での膵液量, 重炭酸濃度はいずれの切除群においても減少し, とくに回腸切除後にはAmylale分泌量も減じた. Glucose, 粗SecretinおよびL. Arginineそれぞれの静脈内投与に対するInsulin分泌反応は小腸切除後にいずれも低下し, L. Arginine刺激下での膵Glucagon分泌反応も低値であつた. これらの傾向は回腸切除後により著明であつた. またL. Arginineに対するGastrin分泌反応はいずれの群においても高分泌反応を示し回腸切除後により著しい傾向を示した. 胆汁分泌量は回腸切除後にとくに著減した. 一方光顕的に膵・肝に変化を認めなかつた.
  • 岩月 淳
    1976 年 9 巻 5 号 p. 622-630
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸時および閉塞解除後の肝の病態を検討するために, ラットを用いて機械的に発症させた閉塞性黄疸を任意の閉塞期間後に解除しうる新たな術式を考案した. この実験モデルを用いて閉塞性黄疸時および閉塞解除後の肝の病態を肝ミトコンドリア (Mtと略) の機能面から検討した. 総胆管閉塞5日後の黄疸肝Mtは, 呼吸曲線の分析, 呼吸酵素の測定, 内膜Mt ATPaseの検討から酸化的リン酸化反応の脱共役を主とする障害をうけていることを認めた. 総胆管閉塞5日後に閉塞解除を行うと, 血清総ビリルビン値は円滑に正常値に低下したにも拘らず, 肝Mtの機能障害の回復は遅延した. このことは外科臨床上術後管理の上で留意すべき事実と考えられた.
  • 武藤 良弘, 内村 正幸, 脇 慎治, 林 輝義, 鮫島 恭彦, 門野 寛, 石垣 実弘, 室久 敏三郎
    1976 年 9 巻 5 号 p. 631-637
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆のう造影で胆のう体部の狭窄を示すHG型胆のうを3亜型に分類し, これら形態とその成因および胆石との相互関係を検討した結果, (1) 分離型は壁内結石, 隔壁型は隔壁形成に原因することが多く, 砂時計型は種々の成因による内腔狭窄を認めた.(2) 分離型および砂時中型は全例胆のう結石を認めたが, 隔壁型では62%に胆石を伴つていた.(3) 壁内結石やR-A sinus増殖等の後天性原因の全症例に胆石の合併をみたが, 隔壁形成やserosal typeの先天性原因による症例では76%に胆石が合併していた. 以上の成績より単一胆のうにみられる二房性胆のうの1つであるHG型胆のうは胆石を起しやすく, 臨床上重要な疾患と考える.
  • 河野 岩造, 谷川 尚, 秋田 八年
    1976 年 9 巻 5 号 p. 638-643
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    諸種胆道内圧測定法の中でも, 造影剤を潅流液として用い, 胆道造影と内圧測定を同時に行うCaroliのラジオマノメトリー法は機能と形態の正しい対比照合が可能であり, 潅流液の高圧注入を避ける点において危険性の少ないすぐれた方法である. しかしCaroliの原法では内圧曲線を連続記録する上で難点があるため, 今回マリオット瓶の昇降装置を試作し, さらに0点設定に自動レベル観測機構を導入して胆道内圧の測定および記録を正確かつ容易に行えるよう工夫し, 実地臨床に用いた結果, その有用性を認めたので報告した.
  • 術後経口栄養および中心静脈栄養で管理した場合の相違について
    高橋 秀禎
    1976 年 9 巻 5 号 p. 644-656
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    成犬を用いて, 小腸広範切除を施行し, 術後それらを3群に分けて栄養管理を行つた. すなわち (1) 中心静脈栄養法のみで管理した群, (2) 経口栄養法のみで管理した群, (3) 中心静脈栄養法と経口栄養法を併用して管理した群の3群である. これら3群で術後経時的に腸管粘膜を採取し, 組織計測を行つた. その結果, 中心静脈栄養群は経口栄養群より小腸の代償性の変化が明らかに劣つていた. 併用群はこれら2群の中間的な変化を示した. 結腸においては, 中心静脈栄養群および経口栄養群でいずれも代償性の変化を示したことから, 小腸広範切除に結腸が代償に関して重要な役割を果していることが示唆された.
  • 岡 直剛, 杉町 利喜雄
    1976 年 9 巻 5 号 p. 657-660
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれは, さきに杉町, 井口らにより実験的に開発されたところの, 粘膜筋板の強い抗張力を利用ししかも消化管内腔に糸の出ない新しい内翻一層吻合法をはじめて臨床に応用する機会を得た. すなわち, 11例の胃切除術あるいは胃全摘術に際して行つた結腸前腸々吻合 (Braun吻合) にこの一層吻合法を応用したが, 縫合不全や吻合部狭窄などの合併症は全くないという満足すべき結果を得た. 従つて, 本法は腸の吻合の場合には臨床的にも広く安全に用いられる方法と考える.
  • 山口 敏朗, 近藤 孝, 遠藤 篤, 勝部 宥二, 森本 悟一, 河野 暢之, 勝見 正治, 宇多 弘次
    1976 年 9 巻 5 号 p. 661-664
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 三穂 乙実, 佐々木 優至, 松島 孝雄, 川村 統勇, 鈴木 博昭, 長尾 房大
    1976 年 9 巻 5 号 p. 665-671
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 鎌谷 正博, 吉川 和彦, 青木 豊明, 紙野 健人, 梅山 馨, 小林 庸次
    1976 年 9 巻 5 号 p. 672-676
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 脇坂 順一
    1976 年 9 巻 5 号 p. 677-685
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • Charles F. Code
    1976 年 9 巻 5 号 p. 686
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
  • Changing Trends in Gastrectomy
    Horst Hamelmann, Hans Troidl, Henning Rohde
    1976 年 9 巻 5 号 p. 687
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 中村 輝久, 井口 潔, 杉町 圭蔵, 八板 朗, 嶺 博之, 奥平 恭之, 松坂 俊光, 副島 一彦
    1976 年 9 巻 5 号 p. 688-694
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
  • 掛川 暉夫, 中川 自天, 島 伸吾, 納賀 克彦, 古屋 正人, 高橋 啓泰, 別所 隆
    1976 年 9 巻 5 号 p. 695-699
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 五島 英迪, 和田 達雄, 小泉 博義, 天野 富薫, 土谷 隆一, 鈴木 元久, 金 正出, 須田 蒿, 麻賀 太郎
    1976 年 9 巻 5 号 p. 700-705
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 木下 祐宏, 遠藤 光夫, 山田 明義, 井手 博子, 林 恒男, 吉田 操, 矢川 裕一, 安田 秀喜, 中山 恒明
    1976 年 9 巻 5 号 p. 706-714
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 猪口 吉三, 武田 仁良, 武岡 有旭, 吉村 雪雄, 福島 駿, 平山 長一郎, 枝国 信三, 岩本 元一, 脇坂 順一
    1976 年 9 巻 5 号 p. 715-720
    発行日: 1976年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 9 巻 5 号 p. 721-760
    発行日: 1976/09/30
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
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