人文地理
検索
OR
閲覧
検索
最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
論説
  • 近藤 祐磨
    69 巻 (2017) 3 号 p. 279-302
    公開日: 2017/10/20
    ジャーナル 認証あり

    本稿は,福岡県福津市の海岸林を事例に,土地所有形態が保全活動や関連する公的管理をどう規定しているかを検証した。その結果,国有林は,国の管理方針と異なる植生を望む住民が活動する際にその障壁が高く,国の管理方針の制約を強く受けていた。加えて,国有林では地方自治体が独自の公的管理を行うことを消極的にさせていた。一方,公有林では,住民の意思に基づく保全活動が円滑に進行していた。さらに,所在不明の不在地主が所有する私有林では,公益を理由とした専権的な公的管理や保全活動がみられた。これらの所有形態の違いが,海岸林の景観のミクロな差異を作り出している。しかし,所有形態による影響の程度は,海岸林における保全活動の主体間関係のあり方によっても異なっていることから,所有形態は,主体間関係と連動しながら保全活動のあり方を規定する大きな条件になっている。近年の日本では,森林の管理不全が深刻化し,所有者以外の住民による保全活動が増えてきた。そのため,保全活動の分析視角として,従来指摘されてきた主体間関係に加えて,土地所有形態に着目することが重要である。これによって,①保全活動のメカニズムや実態をより詳細に解明すること,②地理学などにおける林野を対象にした研究や,政治生態学的なアプローチの研究を,現代的な文脈で再評価することが可能になる。

    抄録全体を表示
展望
研究ノート
  • 中川 祐希
    69 巻 (2017) 3 号 p. 373-394
    公開日: 2017/10/20
    ジャーナル 認証あり

    本稿は,近代期における天皇の即位大礼を契機とした京都駅前の変容過程を,「景観形成」という分析視角から検討した。大正天皇の即位大礼(大正大礼)においては,京都駅前に恒久的な建造物は建設されなかった。大正大礼後には,商業的競争を通じて京都駅前に洋風建築が建設された。昭和天皇の即位大礼(昭和大礼)では,この洋風建築の建設が進展する一方で,これと対立する風致保全という景観認識が生まれた。こうして,駅前の景観をめぐる葛藤が顕在化した。昭和大礼後では,複数の主体がこの葛藤に対処する過程を通じて,駅前の景観が形成された。以上の過程から明らかになったのは次の2点である。第1に,国家儀礼を契機とした「観光都市京都」の形成過程は,調和的なものではなく,葛藤に満ちたものであった。この過程においては様々な利害が交錯し,様々な実践が空転した。第2に,このような葛藤を通じて「観光都市京都」の特異性が形成された点が明らかになった。諸主体は,この駅前の景観をめぐる葛藤に巻き込まれながら,駅前の景観形成を進展させた。その過程で,駅前には,京都という地域ゆえの特異性と評価できる景観が形成された。

    抄録全体を表示
書評
学会情報
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top