T3以上の局所進行癌において,1999年までの旧治療47例と2002年以降の超選択的動注化学療法施行12例で治療成績を比較検討した。旧治療群では27例に原発巣の手術が行われ,全例に再建術を用いた広範切除が行われていた。残る20例には放射線を主体とした治療が行われていた。動注群では外照射と平行して,CDDPを1回量100mg/m
2で1~2週に1回投与した。旧治療群の原病5年生存率はT3非手術例が33.3%,T3手術例が62.2%,T4非手術例が25.4%,T4手術例が48.6%であり,無病5年生存率はT3非手術例が20%,T3手術例が27.2%,T4非手術例が20%,T4手術例が31.3%であった。動注群における原発部位の治療効果はCR率91.3%,奏効率100%で,1例が腫瘍死,2例で再発がみられたが,再発例にはsalvage手術を行い,現在11例が非担癌生存している。
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