目的:市中病院におけるCDDP 100mg/m
2同時併用CRTの安全性,およびMg補充による腎保護作用について明らかにする。
対象と方法:本治療を行った中下咽頭・喉頭癌13例のうち,Mg補充を行わずCDDP 80mg/m
2で投与した初期の6例(80mgMg-群)とMg補充を行いCDDP 100mg/m
2で投与した7例(100mgMg+群)の2群について後方視的に調査した。当院では市中病院における安全性を鑑み慎重に治療継続可否を判断している。両群のCDDP総投与量及び腎機能障害をはじめとする有害事象について比較検討した。
結果:Grade 3の有害事象は口内炎5例(38%),白血球減少3例(23%),血小板減少1例(8%),発熱性好中球減少症1例(8%)。Grade 4以上はなし。CDDPを200mg/m
2以上投与出来たのは,80mgMg-群1/6例に対して100mgMg+群7/7例であり,市中病院における安全性に配慮をしつつ有意(p=0.0097,Wilcoxon順位和検定)に総投与量を多くすることが出来た。
結論:Mg補充で腎毒性が軽減され,市中病院でもCDDP 100mg/m
2を用いたCRTが施行可能であった。
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