当科では口腔中咽頭癌に対する再建手術の際,気管切開を併施している。術後喉頭所見を参考にカフ付きカニューレをレティナに変更していたが,客観的な基準がなかった。そこで,再建術後の喉頭所見のスコア化を考案した。
対象と方法:対象は2016年7月から2017年12月まで口腔中咽頭癌に対して再建手術を行った51例である。スコア化以前の2015年1月から2016年6月までの48例と比較した。声帯麻痺,喉頭浮腫,唾液貯留の3項目を3段階(0, 1, 2点)で評価し合計点を求めた。
結果:スコア化前後で症例の差はなかった。スコア化後はレティナ変更日中央値8日,肺炎3例(6%)であった。スコア化前はレティナ変更日中央値8.5日,肺炎2例(4%)であった。
考察:スコア化前後でレティナ変更日や入院日数などに悪化はなかった。経験的に行っていたカニューレ交換は客観的になり,スコア化は有用と考えられた。
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