頭頸部腫瘍
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19 巻 , 3 号
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  • 阿部 薫
    1993 年 19 巻 3 号 p. 305-309
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部がんの治療について medical oncology の立場から述べた。medical oncology とは, 日々の臨床において, 抗がん剤を上手に副作用をわきまえながら使用し, また新しい抗がん剤の適応, 効果, 副作用などを明確にする学問ということができる。ここでは, 新しい抗がん剤の phase study について簡単に, そして, 頭頸部がん化学療法の中心となっているCDDP+5-FUそして新しい抗がん剤が導入された場合対応, 問題点などについてを述べた。
  • 遠藤 光夫, 吉野 邦英, 河野 辰幸, 井上 晴洋
    1993 年 19 巻 3 号 p. 310-315
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頸胸部食道癌の外科治療を食道外科の立場からみてみた。luCe 癌では, リンパ節郭清は No. 106と No. 101, No. 102 (中・下部), No. 104 の郭清が重要であった。切除に際し, できるだけ喉頭を温存するようにしている。高位吻合による誤嚥の問題も慣れてくるとおこらなくなる。喉頭温存のために, シスプラチン, 5-Fuのネオアヂュバンド療法も1つの手段である。なお, 咽頭吻合を行う症例で, 頸部まで伸展不良例には, 胃と空腸との複合再建を行っている。食道癌と頭頸部癌との重複癌は最近増加している。同時性重複癌の治療として, 食道癌が表在癌の場合, 非開胸食道抜去による食道全摘を行ってきたが, 最近は, m癌予測のものには, 胸部食道をのこし内視鏡的粘膜切除術を行い, QOLを高めている。
  • 飯田 太
    1993 年 19 巻 3 号 p. 316-318
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    甲状腺癌は組織型によって生物学的性格が異るので, 治療法の選択にはこのことを考慮しなければならない。乳頭癌の術後生存率はきわめて良好であるが, 主な進展様式は腺内転移とリンパ節転移である。濾胞癌はリンパ行転移の他に血行転移も併い易く, 悪性リンパ腫は lymph node involvement を起こすこともまれでない。未分化癌は進行がきわめて急速で, 予後不良であるが, 早い時期に治療する機会が得られれば治療は必ずしも不可能ではない。
    以上, 甲状腺癌では組織型別特徴を踏まえた治療法が必要である。
  • 堀内 正敏, 田村 嘉之, 飯田 政弘, 秋田谷 直, 坂井 真, 三宅 浩郷
    1993 年 19 巻 3 号 p. 319-324
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部癌症例における多重癌は最近10年間に増加の傾向が見られ, その頻度は10%を越していると報告されている。頭頸部癌症例における第2癌は頭頸部・食道・肺・胃に多い。
    今回我々は内視鏡を用いた多重癌の検索を施行した。Flexible fiberscope は早期の消化管の癌の診断に有効な方法である。この方法で11年間に673症例の頭頸部癌症例を対象として25例の食道癌と12例の胃癌を診断した。発見された同時食道癌の頻度は, 一般人口における食道癌の頻度の180倍であった。食道癌の頻度が高かったのは, 50歳以上の男性・口腔または咽頭癌症例および飲酒歴であった。
    25例の同時食道癌のうち22例は深達度がsm以下 (UICCではT1) の症例であった。16例は2病変ともに根治的な癌治療を受けた。2年以上の観察期間のある症例の13例のうち6例が再発なく生存している。最近早期の表在癌の治療として内視鏡下粘膜切除術が開理され, ep/mm 癌の治療として有効であり, 頭頸部癌症例に重複した食道癌の治療に応用しうる方法である。
  • 永原 國彦, 山根 康隆, 山本 一宏, 南 八王, 塚本 哲也
    1993 年 19 巻 3 号 p. 325-329
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    他領域の癌に比して治療成績の良い頭頸部癌の治癒率を, 一層向上させるために残された重要な問題に遠隔転移と多重癌の制御がある。そこで過去10年間に治癒切除を含む治療を施行した悪性リンパ腫を除く頭頸部癌344症例について検討を加えたところ多重癌は7.9%に認めた。これを扁平癌上皮癌175症例に限れば10.9%の頻度であり, なかでも中下咽頭・頸部食道癌が54例中の12例 (22%) と最も高率であった。また, 口腔, 咽頭, 食道, 胃, 喉頭, 肺など多重癌の発生し易い multicentric zone 内に出現した場合の予後は明らかに悪い。zone 外の多重癌16名においては3名しか死亡していないのに対して, zone 内では11名中8名が既に遠隔転移を主因として死亡している。また, 消化器系に出たものや, 同時癌の予後は悪い。異時癌12名中では4名が死亡し8名が生存中であるのに対して, 同時癌15名では既に大半の9名が死亡している。予後をより改善するためには, multicentric zone 内の多重癌, 特に上部消化管における合併の検索が大切で, これにはファイバー内視鏡検査が必須である。また, 術後数年間に亘る系統的かつ強力な予防的免疫科学療法の効果が期待される。
  • 斉川 雅久
    1993 年 19 巻 3 号 p. 330-336
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    口腔扁平上皮癌1026例中23例 (2.2%) および中咽頭扁平上皮癌224例中15例 (6.7%) に同時多重癌を認めた。中咽頭癌症例の同時多重癌発生率は最近5年間で急増していた。同時多重癌の発生部位は頭頸部・食道・胃が多く, 全体の84.1%を占めた。
    同時多重癌症例の治療方針はあくまでも各々の癌に対する根治治療をめざすことが基本と考えられた。自験例の78.4%で全癌の根治治療が可能であった。全癌を根治治療できた場合, 口腔癌症例でば48.1%, 中咽頭癌症例でば71.6%の5年累積生存率が得られた。同時多重癌の確実な診断・他癌の部位に応じた治療法の選択・患者の一般状態の考慮により確実な治療が行えると考えられた。
  • 小池 聰之
    1993 年 19 巻 3 号 p. 337-341
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    四国がんセンターでは, 1983年から原則として男性の下咽頭・頸部食道癌症例では非開胸食道全抜去を行っている。本術式の有用性について臨床病理学的に検討した。症例は下咽頭癌 (男性12例), 頸部食道癌 (男性7例, 女性3例) で, 摘出食道を10%ホルマリンで固定後, ルゴール染色像を参考に5~7mm幅で全割し, HE染色後, 組織学的に異型上皮や多発癌の有無及び分布について検討した。
    その結果, 男性の19症例中12例 (63%) の胸腹部食道に多発癌を, 異型上皮は17例 (89%) に認めた。女性には多発癌はもちろん, 異型上皮も認めなかった。
    食道抜去の術式は男性の高危険群症例には必要と考える。
  • 真崎 規江, 茶谷 正史, 又吉 嘉伸
    1993 年 19 巻 3 号 p. 342-347
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1967~1991年の間に放射線治療が行われた頭頸部癌5448例について retrospective に検索した。同時多重癌は107例で, 全例の1.96%である (2部位: 102例; 3部位: 3例; 4部位: 2例)。42例では重複部位が頭頸部のみに限られる。このうち26例 (62%) は全部の重複癌に放射線治療単独または化学療法 (ブレオマイシン, ペプロマイシン, またはシスプラチン) 併用が行われ, 11例 (26%) には一方に放射線治療が他方には術前照射後に手術, 5例 (12%) では術前照射後に手術, または手術単独で行われた。これらの2年, 5年生存率はそれぞれ61%, おむび38%である。口腔内の同時多発癌治療例の大半の死因は局所再発ではなく, 第3, 第4癌の発生である。65例では第2癌が頭頸部以外の部位にみられた。第2癌に対しては23例 (35%) では手術, 24例 (37%) では姑息的放射線治療, 18例 (28%) では無治療である。これらの2年, および5年生存率は, それぞれ28%, 25%である。第2癌が胸部, 腹部にある例の死因のほとんどは第2癌である。
  • 井上 要二郎, 田井 良明, 藤田 博正, 田中 信三, 平野 実
    1993 年 19 巻 3 号 p. 348-352
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年, 頭頸部との多重癌が, 多く報告されている。胸部食道を含む重複癌の再建法と, 食道再建の問題点について述べた。1988年より5年間に, マイクロサージャリーを用いた腸管による食道の再建を83例行った (壊死2例, 生着率97.6%)。そのうち, 胸部食道癌を含む重複癌は12例であった。さらにこのうちで, 同時性重複癌は8例であった (7例は胃管と遊離空腸の同時作成, 1例は有茎結腸に血管吻合を追加)。この8例は, 全例生着した。
    気管壊死による合併症の予防のため, 遊離空腸の腸管膜 (3例), 大胸筋皮弁 (1例), 有茎大網 (5例) を使用し, いずれも重大な合併症は予防できた。
    移植床の血管として, 頸部: 頸横動脈・外頸静脈, 胸部上部: 胸肩峰動脈・橈側皮静脈, 胸部中部: 内胸動・静脈が有用であった。
    また, チーム医療の重要性と, 形成外科医の役割についても述べた。
  • 中島 格, 檜垣 雄一郎, 宮城 千里, 矢野 玄, 益田 明典, 安元 和彦, 野村 和
    1993 年 19 巻 3 号 p. 353-359
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    過去20年間に九州がんセンターにて入院・治療を行った頭頸部悪性腫瘍患者を対象に, 年齢と治療の関連について検討した。年齢構成は後半の10年間に高齢者の増加傾向を認めたが, その治療は放射線が主体であった。頸部リンパ節郭清を行った患者については年代別に死因を解析した。高齢者群では術後合併症や他因死 (心不全など) が多かったが, 若年者群では再発転移部位の制御不能による死亡が多かった。従って頭頸部がんの治療では, 若年者と高齢者の全身および局所免疫能の違いを考慮に入れる必要が示唆された。現在われわれは郭清リンパ節内の局所生体反応について検索を続けている。
  • 安藤 俊史, 埜口 五十雄, 佐藤 泰則, 黒川 英人, 高橋 雅幸
    1993 年 19 巻 3 号 p. 360-365
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    口腔扁平上皮癌104例を49歳以下を若年齢群, 50歳から69歳までを中年齢群, 70歳以上を高齢群として分類し, 累積生存率で治療成績を検討した。
    舌癌 (44例) の治療成績は, 病期別にみると, 若年齢群では, I, II期の3, 5生率は良好で, 中年齢群ではI, II期の3, 5生率は, 若年例群とほとんど変化はなく, 高齢群では, I期の3, 5生率は40.0%, 25.0%であり, II, III, IV期の3, 5生率は0%と不良であった。
    口腔底癌 (17例) の治療成績は, IV期において, 若, 中年齢群は高年齢群より不良であった。
    頬粘膜癌 (9例) の治療成績は, IV期の3, 5生率で, 高年齢群が不良であった。
    上顎歯肉癌 (8例) の治療成績は, 高年齢群のIII期が5生率50.0%であった以外は, 各年齢群とも, 不良であった。
    下顎歯肉癌 (18例) の治療成績は, I, II, IV期では, 高年齢群が不良な成績を示した。
    上顎洞癌 (5例) は, 高年齢群の1例が5年以上生存し, 中年齢群の2例が2年以上生存し, 軟口蓋癌 (2例) および口唇癌 (1例) も2年以上生存した。
  • 長山 郁生, 田中 佐一良, 室野 重之, 古川 仭
    1993 年 19 巻 3 号 p. 366-371
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1983年から1992年の10年間に当科において加療を行った, 超高齢者 (80歳以上) 悪性腫瘍患者について統計的な分析を行った。患者数は34人で喉頭癌15例, 舌癌8例, 悪性リンパ腫5例などが主な疾患であった。喉頭癌と舌癌は増加傾向がみられ, 両者は超高齢者の主疾患であり, 前者は男性, 後者は女性に多くみられた。内科的合併症としては高血圧, 心疾患, 糖尿病などが主なものであった。治療はCS2以下は放射線療法, を行った。CS3以上の喉頭癌において根治手術を行いよい結果を得た。内科的合併症はしばしば余命を制し, そのため姑息的治療を選択せざるをえないことがあった。
  • 竹田 正宗, 渋谷 均, 松本 悟
    1993 年 19 巻 3 号 p. 372-376
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    初診時の年齢が80歳以上の口腔領域がん患者110例の放射線治療成績を検討した。
    根治照射が81例に行われ, その他は姑息照射と術前照射などであった。根治照射例では, 1) 舌や口底の stage I・II症例に対する組織内照射や電子線腔内照射例, 2) 上顎歯肉や硬口蓋の早期例に対するモールド治療例, 3) 上顎癌では三者併用療法施行例, などで局所制御率が高かった。下顎歯肉では, 骨への進展例が多く放射線治療の有効例は少なかった。根治照射例の5年粗生存率は30%であり, 密封小線治療例に限れば40%であった。5年以上生存した16例には, 頸部転移出現例は無かった。
    以上の結果より, 高齢者といえども長期生存可能例があり, より侵襲の少ない治療法で根治治療を模索すべきものと思われた。
  • 宮原 裕, 松永 喬, 田中 治, 家根 旦有, 上田 隆志, 小川 佳伸, 鶴田 至宏
    1993 年 19 巻 3 号 p. 377-382
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    我が国における高齢化は益々進んでおり, 頭頸部癌患者の高齢化についての実態を調べるとともに, 高齢者群における診断, 治療上問題となった症例について検討を加えた。
    我が国における甲状腺癌を除く頭頸部癌のうち高齢者 (70歳以上) は30年前は17.7%であったが, 近年は26.8%と増加しており, 当施設では35.9%に達していた。
    高齢頭頸部癌患者の治療にあたっては, 呼吸器, 循環器系合併症や各種治療への耐容性を配慮し, さらに本人及び家族へのインフォームド・コンセントを十分に行ったのち, きめ細かい, QOLの保たれる治療を行う必要性を強調した。
  • 吉積 隆, 佐竹 文介, 松浦 鎮, 宇留間 哲也, 中川 雅裕, 境野 宏治, 前原 康延, 橋田 巌, 片野 進, 松本 寛子
    1993 年 19 巻 3 号 p. 383-388
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1972年から1991年までの20年間に診療を行った初診時年齢40歳未満の舌癌未治療症例は36例であった。最若年者は18歳で, 男性22例, 女性14例であった。病期分類ではI期10例, II期9例, III期14例, IV期3例であった。初回治療法としてはRa針による組織内照射21例, 手術14例, 放射線外照射1例で, 前半10年では19例中16例に組織内照射, 後半10年では17例中12例に手術が行われた。全36例の累積生存率は5年80.6%, 10年69.4%で40歳以上の群と比較して有意に良好な成績であった。前後半10年あるいは初回治療法別の生存率には有意差はなかったが治療成績の向上傾向がみられた。若年者舌癌症例に対しては今後も積極的に手術を取り入れるべきであると考えた。
  • 荻野 尚, 清水 わか子, 海老原 敏, 斉川 雅久, 浅井 昌大, 柄川 順, 眞島 一彦
    1993 年 19 巻 3 号 p. 389-393
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1962年より1990年までの間に, 国立がんセンター中央病院において根治的目的の放射線治療が施行された50歳未満の頭頸部扁平上皮癌患者のうち, 喉頭, 中・下咽頭癌症例の治療成績を検討した。対象症例は喉頭癌59例, 中咽頭癌32例, 下咽頭癌15例で, 根治的放射線治療の施行された全症例のそれぞれ12, 20, 10%を占めた。対象の年齢は26~49歳で中央値は45歳であった。5年生存率は喉頭癌, 中咽頭癌, 下咽頭癌それぞれ88, 62, 40%であった。また, 5年局所制御率はそれぞれ, 72, 71, 52%であった。生存率, 局所制御率共に全年齢層のそれと有意な差はなかった。一方, 異時性重複癌が8例に, また放射線治療後5年以降の再発が喉頭癌において5例認められた。若年者頭頸部癌患者に放射線治療を適応しても治療成績が劣ることはないが, 重複癌発生と晩期再発の両方の観点から長期の経過観察が重要と思われた。
  • 今野 昭義, 三浦 巧, 沼田 勉, 鈴木 晴彦, 岡本 美孝, 寺田 修久
    1993 年 19 巻 3 号 p. 394-402
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部癌切除・再建後の問題症例について, 特に各種移植組織の生着障害の頻度と原因を秋田大学 (1982-1984) における有茎組織移植59例と千葉大学 (1989-1993)における有茎組織移植51例, 血管柄付遊離組織移植99例を対象として検討した。全期間を通して有茎移植組織の全壊死, 大壊死, 小壊死, 辺縁壊死, 縫合不全による瘻孔形成の頻度はそれぞれ0.9%, 1.8%, 1.8%, 4.5%, 1.8%であり, 遊離移植組織ではそれぞれ7.0%, 0%, 0%, 1.0%, 5.0%であった。有茎組織移植例における全および大壊死の原因は特定でき, 再建術の基本を守る事によって避けえるものが多いのに対して, 血管柄付遊離移植例では少数例を除き, 原因を特定できないものが多かった。対策と移植組織選択の適応を含めて報告した。
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