頭頸部腫瘍
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20 巻 , 1 号
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  • 立川 拓也, 熊澤 博文, 堀 芳朗, 原田 成信, 山下 敏夫, 河本 圭司
    1994 年 20 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    CDDPの細胞障害性はDNA合成障害と考えられているが, 近年CDDPが情報伝達経路にも影響を与えている報告もなされている。今回我々はCDDPの膜への反応, CDDP耐性細胞の機序解明の目的で高濃度CDDPを細胞に接触させた際の細胞内遊離カルシウムイオン濃度 (〔Ca2+〕i) 動態の検討を口腔癌由来株化KB (KB) 細胞とCDDP耐性KB (KBrc) 細胞を用いて行った。高濃度CDDPを接触させた際, 急激な〔Ca2+〕i 上昇が観察された。一方CDDP濃度の低下に従い緩やかな〔Ca2+〕i 低下が観察された。この〔Ca2+〕i上昇は大部分がカルシウムチャンネルを介した細胞外からの外部動員であり, CDDPの濃度依存性が認められた。また高濃度CDDPを接触させた際の細胞障害に〔Ca2+〕i の上昇の関与が考えられた。KB細胞とKBrc細胞の〔Ca2+〕i 動態を比較したところ, KB細胞ではKBrc細胞と比較してピーク, プラトー状態の〔Ca2+〕i が有意に上昇していた。一方KB細胞の〔Ca2+〕i 低下はKBrc細胞と比較してそのスピードが緩やかであった。さらにこの際の細胞生存率もKB細胞ではKBrc細胞と比較して有意に低下していた。KB細胞とKBrc細胞ではCDDPに対する膜の反応に違いがあり, その結果両細胞株間で〔Ca2+〕i 変化に違いが認められ, かつ情報伝達経路にも影響を与えた為, 細胞生存率にも違いが生じたものと推察した。
  • 杉本 千鶴, 松川 茂, 藤枝 重治, 野田 一郎, 田中 信之, 斎藤 等
    1994 年 20 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部腫瘍細胞株 (KB細胞) を用いて細胞内GSH量がCDDPによる細胞死の過程に対して与える影響について検討した。CDDP処理によってアポトーシスが誘導され, BSO前処理で細胞内GSH量を低下させると細胞死は促進されたが, その主たる原因はアポトーシスの促進よりも壊死の促進であった。一方, OTZ前処理で細胞内GSH量を増加させると細胞死は抑制され, アポトーシスも抑制された。従って, KB細胞におけるCDDPによるアポトーシスの誘導には, GSHの細胞内至適濃度が存在すると考えられた。
  • 久保田 彰, 榎本 浩幸, 古川 まどか, 青木 文彦, 矢野間 俊介, 新井 泰弘, 佃 守
    1994 年 20 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    26例の新鮮頭頸部癌症例に対して, 術前OK-432の連日皮下注を行った。OK-432連投により末梢血単核球 (PBMC) の自己腫瘍細胞傷害活性 (ATK活性), NK, LAK活性の有意な増強効果が観察された。連投後にCD8とCD16細胞の有意な増加と, 4/8比の有意な低下が認められた。さらにNK細胞の中で高いNK活性を有する細胞群であるCD57-CD16+, CD57+CD16+細胞, CD8細胞の中でNK活性を有するCD8+CD11b+細胞の有意な増加が観察された。OK-432の連投はPBMCのNK細胞数を増加させるだけではなく, NK細胞の中で高いNK活性を有する細胞群をも誘導していることが判明した。
  • 小勝 敏幸, 佃 守, 持松 いづみ, 作本 美樹, 久保田 彰, 古川 滋
    1994 年 20 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Cisplatin (CDDP) と5-Fluorouracil (5-FU) を組み合わせたCF療法は頭頸部癌に対して奏効率と Complete response (CR) 率が最も高い化学療法として繁用されている。われわれは in vitro の感受性試験の結果から, 5-FUで先行処理した方が抗腫瘍性が高いことを見いだし, 5-FU先行の modified CF療法を臨床に応用し従来のCF療法よりも優れた結果を得た。しかし長期予後の向上を目指すにはそのCR率は未だ十分とは言えず in vitro の感受性試験においてさらに1剤を加えて検討し, modified CF療法に cyclophosphamide (CPM) を加えた3者併用療法を臨床に応用した。5-FU: 1000mg/m2を持続点滴静注し (day1-5), CPM: 400mg/m2 (day3), CDDP: 60mg/m2 (day4) の順に3者併用化学療法を頭頸部癌50例に施行した結果, CR率22%, 奏効率74%であり従来の modified CF療法と比べ有意の差は認めないものの若干上回る奏効性を得た。
  • 長原 昌萬, 奥村 隆司, 服部 賢二, 久保 武, 執行 昭男, 河野 幹子, 有田 裕信, 有賀 秀治
    1994 年 20 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    現在, CDDPを含む多剤併用療法のなかでCDDP+5-FU併用療法 (CF療法) は高い臨床効果を示し, 広く用いられている。しかし, 従来のCDDP先行投与より5-FU先行投与の方が理論的に効果があると判断し5-FU先行投与のCF療法を試みた。さらに, 5-FUの biochemical modulator として leucovorin を併用した。対象は19例の頭頸部癌再発症例並びに根治不能例でCDDP先行群10例, 5-FU先行群9例である。抗腫瘍効果はCDDP先行群PR5例, NR5例で奏効率50%, 5-FU先行群CR1例, PR6例, NR2例で奏効率77.8%となった。また, 副作用は2群間で差はなかった。
    以上の結果より5-FU先行型CF療法の有用性を認めた。
  • 保喜 克文, 鎌田 信悦, 川端 一嘉, 高橋 久昭, 中溝 宗永, 苦瓜 知彦, 八木 克憲, 高砂 江佐史, 大崎 政海, 足立 雅利, ...
    1994 年 20 巻 1 号 p. 28-31
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部進行癌は手術可能例においても一次治療後に再発, 転移が起こることが多く, その予後は良いとは言えず治癒させることが難しいのが現状である。今回我々は一次治療後に補助化学療法を行い。生存率の向上の可能性を検討した。CDDP, 5-FUまたはCDDP, PEPを中心とした化学療法を61例に施行した。結果として, 下咽頭癌のpN 4個以上症例, 舌口腔底癌の Stsge IVでAC施行例の方が非施行例より予後が良い傾向がみられた。今後さらに Adjuvant chemotherapy の有用性を検討するため症例を重ねる必要がある。
  • 上松 隆司, 浦出 雅裕, 山岡 稔, 吉岡 済
    1994 年 20 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    血清ジペプチジルペプチダーゼ (DPP) IVの口腔癌マーカーエンザイムとしての可能性について, 口腔癌モデルとしてジメチルベンツアントラセンで誘発したハムスター頬嚢発癌系を用いて検索した。その結果, 上皮内癌あるいは初期浸潤癌形成期から DPP IV活性が低下しはじめ, 扁平上皮癌形成期には, 正常の1/2以下の酵素活性値となった。また, 本酵素活性値は, 腫瘍切除により上昇し, 再発や転移により再び低下し, 腫瘍死が近づくにつれてさらに低下した。以上の結果より, 血清DPP IV活性は発癌の初期段階より変化する有用な腫瘍マーカーであることが示唆された。
  • 川尻 秀一, 熊谷 茂宏, 児島 伸也, 山本 悦秀, 横井 敏一
    1994 年 20 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    われわれは口腔扁平上皮癌の浸潤と転移の機序を解明する目的で, 新しいin vivo 浸潤・転移モデルを開発した。すなわち, 4種類のヒト口腔扁平上皮癌細胞 (OSC-19, OSC-20, FA, TT) を用いて, それぞれヌードマウスの口腔内 (舌または口底) に移植したところ, 口腔内に形成された腫瘍は対照の皮下移植腫瘍ではみられなかった深部組織への浸潤増殖像が観察された。しかも, その組織像は各々の細胞の由来する原発腫瘍でのものと極めて類似していた。さらに頸部リンパ節や肺への転移も認められたことより, この実験系は再現性があり, 口腔扁平上皮癌in vivo 浸潤・転移モデルとして有用であると考えられた。
  • 遠藤 光宏, 中山 温史, 福田 喜安, 斎藤 恒夫, 瀬川 清, 横田 光正, 大屋 高徳, 工藤 啓吾, 佐藤 方信
    1994 年 20 巻 1 号 p. 44-49
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    5′-Nase-ALPase 二重染色法の開発により, 毛細リンパ管と毛細血管の光顕的識別が可能となった。この方法を口腔癌の臨床病理学的研究の分野へ応用できないものかと考え, 基礎的実験データに基づき, 標本作製条件について検討した。対象は1992年12月から1993年1月までの2カ月間に当科外来を受診し, 口腔癌が疑われた一次症例5名で, 生検時, 標本の1/2に通常のHE染色, 残りの1/2に5′-Nase-ALPase 二重染色法を施した。検討の結果, 冷ホルムアルデヒド塩化カルシウム固定液の濃度は4%で, 前固定, 後固定を各30分間施行し, 一定の反応液濃度で30分間反応させると, 口腔癌における毛細リンパ管を容易に同定することができた。
  • 小村 健, 武宮 三三, 嶋田 文之, 牧野 修治郎, 片橋 立秋, 本田 武司, 林 升, 岡村 博久
    1994 年 20 巻 1 号 p. 50-56
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    舌癌311例中4例 (1.3%) で舌リンパ節転移を確認した。これら舌リンパ節転移はT2もしくはT3の扁平上皮癌症例で, その転移部位は外側舌リンパ節3例, 正中舌リンパ節1例であった。またこれら4例中3例は他の頸部リンパ節転移を伴っていた。
    舌リンパ節転移の術前診断は舌リンパ節が小さく, 原発巣と近接しているために困難であるが, 今日ではX線CTやMRIなどの画像診断により診断される。
    本リンパ節は通常の頸部郭清術の範囲外にあり, 治療としては転移巣がしばしばリンパ節被膜外進展を示すことから, pull-through 手術や composite 手術により摘除すべきものと考えられる。
  • 田中 彰, 土川 幸三, 土持 眞, 又賀 泉, 加藤 譲治
    1994 年 20 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    顎口腔領域における重複癌症例47名に対し Retrospective な検討を加えた。内訳は二重癌35名, 三重癌9名, 四重癌3名であった。重複癌発生部位としては, 62.4%がいわゆる Multicentric zone 内に発生した。顎口腔領域を先発癌とする25例に対し, 先発癌治療後の経過観察の在り方を再検討することを目的に臨床的検討を加えたところ, 経過観察中の自覚症状の発現を契機として後発他領域癌の発見がなされていたものが18例 (72.0%) で, stage III, IVが66.7%と進行癌である傾向が伺われた。顎口腔領域癌治療後の経過観察において長期にわたる高頻度発生領域の定期的精査の必要性を再認識させられた。
  • 池田 恢, 井上 俊彦, 山崎 秀哉, 手島 昭樹, 井上 武宏, 村山 重行, 大谷 雅俊, 古川 惣平, 清水谷 公成, 小塚 隆弘
    1994 年 20 巻 1 号 p. 63-66
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    舌可動部癌T1-2N0症例に対する高線量率組織内照射単独治療での臨床適用の可能性, および低線量率組織内照射からの代替性について検討するため, 経顎下的ガイド挿入にて線源を誘導する連結ダブルボタン法を開発し, 適用した。総治療期間 (5~6日) および急性粘膜反応を低線量率照射の場合と適合させ, 投与線量は線源中心から5mm離れた面で60Gy/10回/5~6日とした。1991年10月~1992年8月までの間に10例に対して治療を行った。年齢40~68 (中央値57.5) 歳, 男女比9:1, 組織分化度はいずれも中等度-高分化扁平上皮癌, T1: 4例, T2: 6例。1例は舌背に, 1例は舌腹に, 他の8例は舌側縁部に発生した。白板症合併の1例では局所再発を認め, 9か月後に手術救済された。他の1例で頸部再発を認めた。他には4-13か月 (中央値8か月) の観察で原発・頸部とも再発を認めていない。一般病棟での患者管理ができ, 医療従事者の被曝のない本法は, 低線量率照射の代替となり得る。今後は晩期障害の面からも検討を要するので, prospective randomized controlled study を推進し, さらに長期的に観察を行う。
  • 大田 洋二郎, 海老原 敏, 真島 一彦, 中塚 貴志, 羽田 達夫, 平野 浩一, 原口 秀俊, 緒方 寿夫
    1994 年 20 巻 1 号 p. 67-71
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    国立がんセンター中央病院で1962年から1992年までに治療された口唇扁平上皮癌症例, 44例 (一次症例: 30例, 2次症例: 14例) を対象とし治療成績を検討した。
    性差に関しては, 男性31例, 女性13例, 2.4:1の比率で男性が多かった。年齢は38歳から85歳にわたり, 平均年齢は63.1歳であった。発生部位は上口唇5例, 下口唇34例, そして口角部5例であった。一次症例の他病死を除く5年推定生存率は80%, 2次症例で67%であった。治療後の障害は, 放射線治療では放射線性口唇炎, 手術では進行癌で口唇変形, 口唇閉鎖不全が認められた。
  • 佐藤 光, 岡野 篤夫, 土川 幸三, 加藤 譲治
    1994 年 20 巻 1 号 p. 72-77
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    顎・口腔領域への転移腫瘍10例について検討し, 以下の結論を得た。
    転移腫瘍の部位としては下顎骨4例, 上顎骨歯槽部2例, 上顎歯肉1例, 耳下腺1例, 顎下腺1例, 顎下リンパ節1例であり, その組織型は, 腺癌が7例と最も多かった。原発腫瘍の部位としては肺4例, 乳房3例, 胃2例, 直腸1例であった。肺・乳房腫瘍は顎骨へ転移をきたしやすく, 特に肺腫瘍は全身他臓器へ転移を認める前に口腔転移をきたしやすいことが多いことが示唆された。また, 従来の口腔転移腫瘍診断基準に口腔腫瘍の好発部位ではないこと, 組織型が極めて稀であること, コントロール不良の原発腫瘍を有すること, 項目を追加し, 総合診断することが有用であることが示唆された。
  • 山形 和彦, 兵頭 政光, 湯本 英二, 佐伯 忠彦, 有友 宏
    1994 年 20 巻 1 号 p. 78-83
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1976年から1993年までに経験した8例の頭頸部悪性黒色腫について治療成績を報告した。7例は鼻副鼻腔, 1例は歯肉原発であった。治療の主体は手術であり, 化学療法, 放射線療法, 免疫療法は補助的治療である。しかし, 顔面中央部に好発するため, 安全域を大きく確保して腫瘍を摘出することは困難である。そこで従来の方法よりも広い術野を確保し, 術後の機能障害や醜形を少なくするために, 経前頭蓋窩法や顔面正中切開法を用いて腫瘍摘出を行った。腫瘍の発生部位により適切な方法を選択することが必要であるが, これらの方法を用いて手術を行い, 生存期間を延長させ, QOLを保つことができた。
  • 奥村 隆司, 服部 賢二, 久保 武, 塩崎 均, 井上 雅智, 吉田 淳一, 有賀 秀治
    1994 年 20 巻 1 号 p. 84-88
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    180例の頭頸部癌患者に上部消化管スクリーニング検査として上部消化管造影検査とルゴール染色法を用いた食道内視鏡検査, 並びに胃内視鏡検査を施行した。結果, 17例の食道癌と2例の胃癌を発見できた。19例の重複癌症例のうち13例は造影検査では正常であったことより, スクリーニング結果での内視鏡検査の必要が考えられた。1次癌として, 下咽頭癌8例, 中咽頭癌3例, 口腔底癌3例, 舌癌3例, 喉頭癌1例, 上咽喉癌1例であった。重複癌群の Brinkman 指数, Sake 指数は非重複癌群に比較すると有意に高値であった。また, 食道癌重複例17例中8例に癌病変部以外にも異型粘膜を認めたことより, 頭頸部癌に重複する食道癌は multicentric な発癌形態を取りやすいのではないかと推察した。
  • 坂田 耕一, 菅沢 正, 浅井 昌大
    1994 年 20 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1978年より, 1989年まで当科で経験した嗅神経芽細胞腫7例について, 検討した。初期治療は, 手術単独が2例, 照射単独が1例, 照射と手術併用が4例であった。照射線量は, 30から62Gyに分布し, 手術はデンケル法により2例が, 外側鼻切開法により3例が, 頭蓋底手術によるものが1例であった。
    7例中4例に局所再発がみられた。他の3例は, 初期治療から1年以内に遠隔転移にて, 死亡した。局所再発がみられた4例中3例は長年にわたり, 再発を繰り返した。治療後6年で再発がみられた症例もあった。照射の効果は不定で, 顕微鏡的残存腫瘍に対して, 60Gy照射しても再発がみられた症例もあった。2例に, 骨髄転移がみられ, 汎血球減少がみられ致命的であった。1例には, 脳転移がみられた。
    Hyams の病理組織分類は, 患者の予後と相関しているように思われた。
  • 鎌田 信悦, 川端 一嘉, 高橋 久昭, 中溝 宗永, 苦瓜 知彦, 保喜 克文, 八木 克憲, 大崎 政海, 高砂 江佐央
    1994 年 20 巻 1 号 p. 94-98
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    海綿静脈洞浸潤を伴う鼻副鼻腔癌は, これまでは手術適応はないものとされてきた。しかし, われわれは8例の海綿静脈洞浸潤癌症例に手術を試みたところ, 4人の生存例をえた。8例のうち, 内頸動脈に浸潤し, 非治癒率切除に終わった4例は術後6日から93日目に死亡した。再発無く生存している4症例は, いずれもかろうじて頸動脈から腫瘍を剥離することができた症例で, 脳神経2番から6番を切除したため視力障害が残った。海綿静脈洞に浸潤する症例でも, 頸動脈
  • 西川 邦男, 西岡 信二, 青地 克也, 小池 聰之
    1994 年 20 巻 1 号 p. 99-104
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    上顎全摘出後の再建は, 豊富な筋体量を有する腹直筋皮弁が死腔充填に適しているが, 筋体萎縮に伴う顔面変形や眼窩内容および再建口蓋の下垂がしばしば著明となる。これらの術後変形を防ぐためには, 骨性支持組織が必要である。
    我々は, 眼球を温存する上顎全摘出術を施行した2症例に対し, angular branch を温存した血管柄付き分割肩甲骨皮弁を用い, 眼窩下壁および頬部~顔面口蓋骨の同時骨再建を行い, 良好な顔面形態を得ることができたので, 再建術式を報告する。
  • 田原 真也, 高木 正, 石田 春彦, 天津 睦郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 105-109
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍摘出に際して外鼻の欠損を生じた場合, その再建は患者の社会復帰の観点から整容的に優れたものでなければならない。外鼻の全欠損またはそれに準ずる欠損の修復には古くから様々の方法が報告されている。中でも scalping flap は優れた方法である。
    我々は悪性腫瘍摘出後の外鼻欠損3症例に対して scalping flap による再建を行った。うち2例には同時に腸骨移植を行って外鼻形態の支えとした。欠損程度の高度であった1例には nasolabial flap を用いて鼻腔粘膜側の裏打ちとした。いずれの症例も整容的に許容できる結果を得た。
    本法は手術が二期的になり, 前額に植皮の瘢痕を残すという欠点を有するが, 長所として, 1) 皮弁の色調, 質感が外鼻のそれに類似していること, 2) 充分な大きさの皮弁が得られ外鼻の外表だけでなく粘膜側も同時に再建できる。3) 血行面でも広く頭皮を茎とするため安全で届きやすい。4) 外鼻の形態を模した細工がしやすい。これらのことから外鼻再建の第一選択になりうると考えられた。
  • 山本 祐三, 伊藤 尚, 坂倉 淳, 牧本 一男, 高橋 宏明
    1994 年 20 巻 1 号 p. 110-115
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    声門上癌15例におけるp34cdc-2とp53の発現を組織切片上で免疫組織化学的に明らかにし, 両者の関連性および DNA ploidy pattern, AgNOR数さらに臨床病期との関係について検討した。p34cdc-2(+)は80%, p53(+)は53%, p34cdc-2(+)p53(+)は33%で, 両者の同時発現性は有意でなかった。p34cdc-2およびp53の発現の有無とT, N分類, 組織学的分化度, AgNOR数さらに DNA ploidy pattern との間に有意な相関はなかったが, 腫瘍内で発現される陽性細胞比率の程度が高くなるに従って, aneuploidy の出現率が高く, 臨床病期の進行例が多い傾向が認められた。以上より, 癌の増殖, 進展は細胞周期調節機構の破綻の程度と関連していると考えられた。
  • 井上 武宏, 井上 俊彦, 山崎 秀哉, 手島 昭樹, 大谷 雅俊, 池田 恢, 村山 重行, 小塚 隆弘
    1994 年 20 巻 1 号 p. 116-119
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1967年から1985年までに94例のT3, T4喉頭癌に対して大阪大学放射線科で放射線治療が行われた。92例のうち14例のT3, 29例のT4症例は60Gy以上の照射が行われ, 14例のT3, 21例のT4症例は40から58Gyの術前照射が行われた。残りの14例に対しては60Gy未満の姑息照射が行われた。T3, T4の根治照射例の5年局所制御率は48%と24%であった。T3の根治と術前照射例の cause-specific survival (CSS) は48%と71%であり, T4では52%と43%であった。両群間に有意の差を認めなかった。T3とT4根治照射例の喉頭温存率は約1/2と1/4であり, 患者のQOLを考慮すれば進行喉頭癌, 特にNO症例ではまず放射線治療を考えるべきであろう。T3症例はT1-2と同様な治療中の効果判定と局所制御の関係を認めたがT4では喉頭鏡では粘膜下の病変の判定ができず予後予測に有効でなかった。
  • 金子 省三, 島田 士郎, 三谷 浩樹, 斉藤 孝夫, 加藤 孝邦, 森山 寛
    1994 年 20 巻 1 号 p. 120-124
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    喉頭を保存し前腕皮弁で再建した梨状陥凹癌16症例 (TIN1-1例, T2N0/1-14例, T3N1-1例) の治療成績を報告した。いずれも両側声帯が保存できた症例であるが, 両側声帯運動が維持されれば術後の音声と嚥下機能に障害はないが, 患側声帯運動麻痺が生じる症例には誤嚥防止に声帯内転術と頸部食道筋切開 (ミオトミー) が有効であった。3年累積生存率は38%であったが原発巣再発はなく, 死因は遠隔転移と気管傍およびルビエールリンパ節転移であった。梨状陥凹癌における喉頭保存手術の適応は今後拡大されると思われる。
  • 高崎 宗太, 窪田 哲昭, 田中 裕之, 宮尾 源二郎, 西村 達也, 幕内 幹男, 生田目 公夫
    1994 年 20 巻 1 号 p. 125-129
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部領域は重複癌症例が比較的多いとされ, とりわけ下咽頭癌は上部消化管に重複癌, 多発癌を合併する頻度強が高い。このため下咽頭癌患者に対しては, 上部消化管内視鏡検査をルーチンに施行し第二癌の早期発見に努める必要がある。そして各々の癌の病期, 進行度により適切な治療法を選択しなけれぼならない。
    今回我々は, 胸部食道表在癌を重複した下咽頭癌症例を経験した。手術に際して, 縦隔鏡を使用し非開胸食道抜去術を試み良好な結果を得た。内視鏡下に様々な外科手術が行われ, その適応が拡がりつつある今日に於て, 従来からの食道抜去術に内視鏡手術を組み合わせて行うことは副損傷の予防, 手術侵襲の点で有用であると思われた。
  • 日野 剛, 安倍 由美子, 谷川 博一, 今野 昭義, 金子 敏郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 130-134
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    現在下咽頭癌症例に対し当科では術前化学・照射療法後に切除術, 即時再建術を組み合わせた集学療法を基本とし治療を行っているが, 手術拒否および全身状態不良例などでは化学・照射療法などの保存的治療に終始する場合がある。これらの保存的療法を行った症例につき, その背景と予後について検討した。最近17年間の間に当科にて治療をした下咽頭癌症例105例の内, 保存的治療を行った症例は40例であった。Stage IおよびIIの症例は4例で, 残りの36例は Stage III以上であった。保存的治療とした理由は, 全身状態不良または根治切除不能が21例, 手術拒否が14例, 根治照射が4例, 治療拒否が1例であった。また予後に関しては Kaplan-Meier 法による5年生存率は17.5%であった。また5年以上非担癌生存した症例が4例であった。
  • 都築 秀明, 斎藤 等, 今村 好章, 福田 優
    1994 年 20 巻 1 号 p. 135-139
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    HE染色で浸潤像を示し境界病変と考えられた多形腺腫8例を中心に, 良悪性唾液腺腫瘍について, 抗単鎖DNA抗体免疫染色, PCNA, AgNORs, およびFINORs染色を用い, 総合的にその本質的悪性度について検討した。浸潤性のみならず非浸潤性であっても抗単鎖DNA抗体免疫染色が陽性であった多形腺腫は陰性多形腺腫に比べ, PCNAインデックスの増加, 大型でいびつなNORsの出現, それにともなう最大いびつ度値および1NORs最大面積値の有意な上昇を認め, 悪性腫瘍と同等の生物学的特性を有する結果を得た。従って抗単鎖DNA抗体免疫染色陽性多形腺腫は十分厳重な取り扱いおよび経週観察が必要であると考える。
  • 本城 祐一郎, 奥村 隆司, 吉田 淳一, 服部 賢二, 川嵜 良明, 久保 武, 有賀 秀治
    1994 年 20 巻 1 号 p. 140-144
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    大唾液腺腫瘍201例のうち耳下腺腫瘍161例, 顎下腺腫瘍41例, 舌下腺腫瘍3例であった。耳下腺腫瘍では良性131例, 悪性30例で, 顎下腺腫瘍では良性26例, 悪性15例で, 舌下腺腫瘍では3例とも悪性であった。耳下腺腫瘍に比べて, 顎下腺腫瘍, 舌下腺腫瘍は悪性の比率が高かった。悪性腫瘍について手術単独群と術後放射線照射群を比較してみると, 手術単独群9例では局所制御は77.8%, 5年生存率は44.4%であり, 術後放射線照射群13例では局所制御率は92.3%, 5年生存率は61.5%であった。症例が少ないため有意差は認めなかったが, 術後放射線照射の有用性が示唆された。
  • 澤田 裕久, 亘理 勉
    1994 年 20 巻 1 号 p. 145-148
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    今回は左顔面巨大血管腫の生後3か月の女児で, 治癒までに再燃を繰り返し, 治癒と判断されるまでに結局6か月を必要とし, その後順調に成長し, 10年を経過した現在, 左下顎骨の発育不全以外, 機能障害は, なにも認められないという Kasabach-Merritt syndrome 例を呈示し, その放射線治療の関与と問題点について考察した。
  • 勝野 哲
    1994 年 20 巻 1 号 p. 149-153
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    耳下腺癌外頭蓋底部進展例に対し, 中大脳動脈とのバイパスによる頸動脈血行再建術及び, 頭蓋内 petrosal portion での内頸動脈クリッピング術を併用した。本術式により, 脳血流を確保したまま外頭蓋底部で内頸動脈を剥離することなく切断することができる。これによって, 外頭蓋底直下まで郭清が可能になり, 内頸動脈を含めた en bloc 切除による根治性の向上が期待できる。
  • 小池 修治, 鈴木 守, 佐竹 順一, 大井 聖幸, 松浦 一登, 高橋 明, 高坂 知節
    1994 年 20 巻 1 号 p. 154-159
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部癌放射線照射後再発例で, 頸動脈浸潤が疑われる場合, 血行再健術なしで頸動脈切除が可能であるか, つまり頸動脈の結紮切除により, 重篤な神経症状が出現するかどうかを, 事前に予知する必要がある。頭頸部癌放射線照射後再発例で頸動脈浸潤の疑われた5例について, 頸動脈の結紮切除が可能であるかどうかを検討するため, Balloon occlusion test を施行し, 各種モニターを用いて検討した。全例とも血行遮断が可能と判断された。うち2例に対し頸動脈の結紮切除術を施行したが, 特に重篤な神経症状の出現を認めなかった。
  • 真島 一彦, 海老原 敏, 中塚 貴志, 浅井 昌大, 羽田 達正, 平野 浩一, 静 隆雄, 大田 洋二郎
    1994 年 20 巻 1 号 p. 160-164
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1962年から1991年までに国立癌センター中央病院で上縦隔の手術を必要とした甲状腺腫症例は16例であり, 癌腫では一次例・6例, 二次例・6例, 良性腫では4例であった。
    頸部皮膚切開のみは3例, 胸骨正中切開は9例, 胸骨・鎖骨部分切除は2例, 右開胸が2例であった。
    大血管を切断あるいは切除を必要とした症例が多かったにもかかわらず, 重篤な術後合併症は認められなかった。胸骨正中切開あるいは胸骨・鎖骨部分切除によって上縦隔へ到達する方法は安全な手技と考えられる。二次症例の予後は悪い。しかし, 気道狭窄を解除するためには縦隔手術の適応があると考えられる。
  • 高橋 健夫, 早川 和重, 玉木 義雄, 斉藤 吉弘, 三橋 紀夫, 新部 英男
    1994 年 20 巻 1 号 p. 165-169
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    群馬大学放射線科で131I内部照射を施行した甲状腺癌転移症例36例について検討した。組織型は乳頭腺癌18例, 濾胞腺癌16例であり, 転移部位は肺転移17例, 骨転移13例であった。甲状腺が残存した場合, 外科的切除または電子線照射を施行した後, 131I治療を行った。一回の投与量は3.7GBqを原則とし, 投与間隔は3ヵ月以上あけて行った。全症例の5年生存率, 10年生存率はそれぞれ88%, 64%であった。乳頭腺癌, 濾胞腺癌の10年生存率はそれぞれ75%, 64%であった。転移部位別では肺転移群が骨転移群に比べ予後良好であり, 131I集積群の方が非集積群と比較して予後良好であった。131I内部照射は甲状腺癌転移症例に有効な治療法であると考えられた。
  • 家根 旦有, 田中 治, 宮原 裕, 松永 喬
    1994 年 20 巻 1 号 p. 170-174
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2010/04/30
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    甲状腺疾患におけるEGFRおよびc-erbB-2遺伝子産物の発現について免疫組織学的に検討した。対象は癌14例, 腺腫10例, 腺腫様甲状腺腫9例, バセドウ病7例, 正常甲状腺組織17例の新鮮材料を用いた。結果は, EGFR染色 (+) 以上が癌14/14 (100%), 腺腫7/10 (70%), 腺腫様甲状腺腫5/9 (56%), バセドウ病3/7 (43%), 正常4/17 (24%) であった。また, c-erbB-2蛋白染色 (+) は癌11/14 (76%), 腺腫2/10 (20%), 腺腫様甲状腺腫1/9 (11%), バセドウ病および正常は0%であった。以上の結果からEGFRおよびc-erbB-2蛋白の発現は癌で最も強く, 悪性度に伴う遺伝子産物の発現の増加がみられた。またEGFRおよびc-erbB-2蛋白の発現の一致率は65%で, 相関がみられた。
  • 1994 年 20 巻 1 号 p. e1
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/04/30
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