頭頸部腫瘍
Online ISSN : 1883-9878
Print ISSN : 0911-4335
ISSN-L : 0911-4335
29 巻 , 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 池田 佳史
    2003 年 29 巻 4 号 p. 521-525
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頸部の開放手術における頸部の手術創と皮弁の形成は頸部の感覚や整容性の問題がある。近年, 甲状腺・副甲状腺疾患においても内視鏡が取りいれられてきた。われわれも前胸部あるいは腋窩アプローチによる内視鏡下手術をおこなっている。前胸部アプローチ法は, 操作腔は比較的小さく侵襲も小さく手術創も開襟シャツで被覆される。しかし, 前胸部の創は緊張も大きく肥厚性瘢痕となることもあり, 患者の満足が得られないこともある。腋窩アプローチ法は, 腋窩から頸部までの操作腔は広く侵襲は最も大きいが, 腋窩の創は腕を降ろした状態で自然に隠れるため美容上の満足度は非常に高い。それぞれの利点と欠点考慮して術式を選択する必要がある。
  • 斉川 雅久, 福田 諭, 永橋 立望, 三橋 紀夫, 村松 博之, 鎌田 信悦, 吉本 世一, 長谷川 泰久, 大山 和一郎, 林 隆一, ...
    2003 年 29 巻 4 号 p. 526-540
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    全国7つの主要施設から頭頸部扁平上皮がん565例を集積し, 多重がん発生に関する retrospective な調査を行った。平均46.5ケ月の観察期間中, 82例 (14.5%) に多重がん94病変を認めた。多重がんの発生部位は食道が30病変と最も多く, 以下頭頸部 (22), 胃 (18), 肺 (7) の順であり, これらの4部位で81.9%を占めていた。第1がんの原発部位別では, 下咽頭に多重がん発生が最も多く認められた。同時性多重がんは37病変 (39.4%) であった。多重がん累積発生率は第1がん初診時に4.1%あり, その後毎年2.6%ずつ上昇していた。治療成績の比較では, 多重癌ありの症例と多重がんなしの症例との間に有意差を認めなかったが, 第2がんの発生部位が食道 (内視鏡的粘膜切除術以外の治療を行ったもの) および肺の場合に治療成績が悪かった。喫煙量および飲酒量の多いことが多重がん発生の有意な危険因子と考えられた。
  • 中溝 宗永, 横島 一彦, 粉川 隆行, 斉藤 明彦, 小泉 康雄, 八木 聰明, 館野 温, 宮下 次廣
    2003 年 29 巻 4 号 p. 541-545
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    下咽頭癌で原発巣の切除と頸部郭清術を実施し, 遊離組織で再建を行った症例において, 未郭清の外側咽頭後リンパ節に, 初回再発としての転移を生じた6例の治療成績を検討した。6例中5例は切除・再建術後1年以内にCTで再発を発見し, 3例は放射線治療単独, 3例は下顎スイング法で切除し術後照射を行った。観察期間の短い症例が含まれるが, 83%で局所コントロールがなされ, 非再発生存症例は50%であった。初回治療時に予防郭清を実施せず, 後発咽頭後リンパ節転移が生じても, 放射線治療あるいは手術と術後照射の併用で長期に生存する症例があることがわかった。また咽頭後リンパ節再発による死亡は必ずしも多くないことがわかった。したがって, 初回手術時に咽頭後リンパ節転移のない下咽頭癌の再建症例では, 予防的咽頭後郭清をせず, 注意深く経過観察をすることも, 治療方針のひとつと思われた。
  • 田中 信三, 安里 亮, 平塚 康之, 伊藤 壽一
    2003 年 29 巻 4 号 p. 546-550
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    最近4年間に6例の声門癌に喉頭部分切除を行い局所制御と術後機能を検討した。T2の2例では前側方切除を行い折畳み皮弁で声門を再建した。術後の音声機能は良好で再発もない。放射線照射後に再発したrT2の2例で前側方切除術を行い, いずれも再発はない。1例は局所皮弁で再建したが壊死を生じ顕著な嗄声が残った。他の1例は血管柄付き甲状腺で声門を再建し比較的良好な音声が得られた。T3癌の2例中1例に前側方切除を行ったが局所再発し原病死した。他の1例には披裂部と輪状軟骨を含めた拡大切除を行い欠損部を甲状軟骨片と舌骨で硬的に再建した。術後, 嗄声が残ったが呼吸・嚥下障害はなく, 腫瘍の再発もない。T2声門癌の声門再建には折畳み皮弁がよいが, 高線量の放射線照射例には血行のよい血管柄付き甲状腺が安全である。T3声門癌には拡大切除が必要で欠損部は硬的に再建するのががよいと考えられた。
  • 鈴木 政博, 鹿野 真人, 渡邉 睦, 深谷 浩大, 大森 孝一
    2003 年 29 巻 4 号 p. 551-557
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    当科における下咽頭癌N2症例の5年粗生存率は32%と予後不良であり治療成績の改善のキーポイントとなる症例群である。N2の臨床病期分類は予後を正確に反映できていない結果であったが, 一方, 転移リンパ節 (pN) の個数は生存率に影響し, 予後と関連する因子であった。 pNの個数の増加とともに節外浸潤, 下内深頸リンパ節転移をきたす症例の割合が高くなる傾向が認められ, 個数の増加とこれらの関連が示唆された。pNの個数が2個では遠隔転移が多く, 5個以上では頸部再発が多い傾向であった。 pNの個数が5個以上の症例群では, 従来の治療では根治には限界がある。一方, 2, 3個でも節外浸潤, 下内深頸リンパ節転移がない症例では予後良好群として, 根治治療の適応であるが, さらなる予後の改善には遠隔転移の防止が課題であると考えられた。
  • 木戸 幸恵, 野口 誠, 宮崎 晃亘, 久保田 裕美, 竹村 佳奈子, 小浜 源郁
    2003 年 29 巻 4 号 p. 558-562
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    外科療法を行った口腔扁平上皮癌509例を対象に, 悪性度評点 (Malignancy score: MS) の臨床的意義を明らかにする目的で検討を行った。MSは生検の組織学的所見 (分化度, 分裂指数, 細胞異型度, 癌浸潤様式, 単核細胞浸潤) に基づき決定した。病因特異的5年累積生存率は, MS5-9点の低悪性では90%以上, MS10-12点の中悪性では67-78%、MS13-16点の高悪性では40-57%であった。多変量解析にて, T, N, MSは独立した予後因子であった。stage III, IVの85例についてp53と bax の発現を免疫組織化学的に検討した。低悪性および中悪性では予後は比較的良好であったが, p53(+) bax (-)では不良で, 高悪性では, p53の発現に関わらず bax (-)では不良であった。P53, bax などのバイオファンクショナルマーカーを患者個人にみあった治療方針に反映させることを考える場合には, 組織学的悪性度と併せて評価を行うことの必要性が示唆された。
  • 千葉 容子, 河村 進, 神谷 祐司
    2003 年 29 巻 4 号 p. 563-568
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    歯肉口腔底癌に伴う歯肉や口腔底粘膜欠損に対して様々な皮弁が用いられてきた。皮弁の場合, 粘膜再生を認めず唾液による刺激で糜爛・炎症や感染などの症状が認められ問題となる。われわれはこの欠点を改善するために前外側大腿筋膜脂肪弁 (ALTa-f flap) を用いた。9例に ALTa-f flap の筋膜面を口腔側に露出させて粘膜再建を施行した。7例が全生着し, 2例は静脈血栓にて全壊死となった。生着した7例は, 筋膜上に粘膜再生を認め, 良好な歯肉口腔底を得た。採取部は一期的縫縮し, 術後瘢痕も目立たず機能障害を認めなかった。ALTa-f flap は1) 採取量は欠損部の大きさに応じて調節可能, 2) 粘膜再生が可能, 3) 縫合し易い, 4) 唾液漏などの合併症の防止, 5) 口腔底の陥没防止と締まった歯肉顎堤を形成できる, 6) 義歯やインプラントの土台に有利, などの利点があり歯肉口腔底粘膜再建に有用と考えた。
  • 石井 準之助, 藤田 邦夫, 古森 孝英
    2003 年 29 巻 4 号 p. 569-574
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    当院口腔外科にて1981年から2002年の間にレーザーにて舌部分切除術を行った舌扁平上皮癌 (T1, T2N0) 37例について検討した。T分類はT1: 22例, T2: 15例で, 性別は男性23例, 女性14例, 年齢は39歳から79歳 (平均61.8歳) であった。レーザー手術は術中の止血が良好で, 周囲組織への侵襲が少ないため術後の疼痛や浮腫は軽度で, 機能障害は軽微であった。再発は5例 (13.9%), 後発転移は3例 (8.1%) に認められた。再発症例5例中4例がT1症例であった。後発転移症例3例中2例は再発症例で, 頸部非制御のため原病死した。T1, T2N0症例の舌扁平上皮癌に対するレーザー部分切除の累積5年生存率は96.9%であった。舌扁平上皮癌に対するレーザー舌部分切除は表在性癌であれば術後の機能障害を残さず切除可能であり, T1, T2N0症例では筋組織浸潤が7mm未満であれば適応の可能性が示唆された。
  • 木村 智樹, 広川 裕, 藤田 實, 村上 祐司, 権丈 雅浩, 兼安 祐子, 伊藤 勝陽, 樫本 和樹
    2003 年 29 巻 4 号 p. 575-580
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高齢者の増加に伴い, II期舌癌の治療選択における放射線治療の重要性は増すものと思われる。そこで, 高齢者のII期舌癌に対する放射線治療例の治療成績を検討した。対象は広島大学放射線科で放射線治療を行ったII期舌癌198例である。年齢階層別には65才未満 (非高齢者群) が119例, 65才以上75才未満 (前期高齢者群) が53例, 75才以上 (後期高齢者群) が26例であった。放射線治療は, 組織内照射単独が101例, 組織内照射と外照射併用が97例であった。5年局所制御率は非高齢者群で85%, 前期高齢者群で85%, 後期高齢者群で81%であり, 各群間に有意差は認めなかった。5年原病生存率はそれぞれ85%, 81%, 70%であり, 後期高齢者群は他に比べやや不良であった (p=0.03)。後期高齢者では, 原病生存率が若干劣るものの, 局所制御率の面では遜色なく, 組織内照射を含む放射線治療は有用な選択肢と言える。
  • 佐藤 孝幸, 鎌田 信悦, 川端 一嘉, 苦瓜 知彦, 三谷 浩樹, 吉本 世一, 米川 博之, 三浦 弘規, 別府 武, 柳澤 昭夫, 保 ...
    2003 年 29 巻 4 号 p. 581-586
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年, 頭頸部癌の早期診断と治療法の進歩により, 初発癌の制御が向上し, 続発癌に遭遇する機会が増加する傾向にある。そのため時に, 口腔内に限局して多発し, 診断, 加療に苦慮させられる症例に直面することが少なくない。そこで今回われわれは, 口腔内多重癌に着目し, 主にその治療法について検討を加えた。対象は1960年1月から1998年12月まで39年間に当科を受診した口唇癌を含む口腔扁平上皮癌2169例中, 口腔内多重癌1次症例30例であった。その内訳は, 同時性癌7例, 異時性癌23例であった。初発癌に対する第1次治療としては, 同時性癌では7例中5例で外科的切除が施行されていた。一方, 異時性癌では23例中12例が放射線治療単独であった。外科的切除を施行した18例中14例が制御可能であった。これらのことから, 口腔内多重癌の治療法としては外科的切除が有効であると考えられた。
  • 舘林 茂, 青木 久美子, 稲掛 耕太郎, 山本 漢九, 今井 裕一郎, 大儀 和彦, 桐田 忠昭
    2003 年 29 巻 4 号 p. 587-593
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 口腔癌患者における性格特性と, 癌告知に対する満足度との関連について検討を行った。退院後3~20か月経過した手術施行例30名 (男性13名, 女性17名, 平均年齢61.2) を対象とし, 矢田部ギルフォード性格検査と当科作成の癌告知に関するアンケートを配付し, 回答を得た。対象患者における性格特性5類型の内訳は, A型5名 (16.7%), B型1名 (3.3%), C型11名 (36.7%), D型12名 (40.0%), E型1名 (3.3%) であった。「内向的な」C型患者の病名・予後の告知希望率が8割以上と高く, 一方「告知に不満」と回答とした症例数もC型が他の性格類型に比較して多かった。これは実際の術後障害の程度が, 術前説明で知らされたものよりも「苦痛」と感じた症例とに関連性が認められたことにより, 内向的と思える患者であっても病名はもとより, 現実に体験するであろう術後障害などについても, より詳細に告知する必要があると考えられた。
  • 家根 旦有, 福田 多介彦, 岡本 英之, 細井 裕司, 宮原 裕
    2003 年 29 巻 4 号 p. 594-598
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    甲状腺手術において反回神経即時再建術を行った14例について検討した。再建方法は端々吻合6例, 神経移植8例で, 神経移植は頸神経ワナを用いた。端々吻合の6例は全例で音声は回復し, 最大発声持続時間 (MPT) の平均は18.7秒であった。神経移植を行った8例のうち6例は回復したが, 術前に麻痺を認めた4例のうちすでに声帯が萎縮していた2例は回復しなかった。神経移植で回復した6例の平均MPTは13.7秒で端々吻合に比べて短かったが, 再建を行わなかった症例の平均MPT6.9秒に比べると良好であった。音声の回復期間は端々吻合が4.5ケ月で, 神経移植の7.3ケ月に比べて早かった。神経吻合はルーペまたは肉眼で行ったが, ルーペの平均MPTは13.3秒, 肉眼は15.4秒で肉眼の吻合でも良好な結果が得られた。即時再建を行い音声の回復を認めた12例で声帯運動が回復した症例はなかった。
  • 坂本 菊男, 栗田 知幸, 中島 格
    2003 年 29 巻 4 号 p. 599-602
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Solitary fibrous tumor (以下SFTと省略) は成人の胸膜や心膜, 腹膜に好発する間葉系細胞由来の比較的まれな腫瘍である。今回我々は耳前部に発生したまれなSFTの1例を経験した。症例は23歳女性, 左耳閉感を主訴に来院。腫瘍摘出術を施行し, 病理組織学的検討にてSFTと診断した。診断にはCD34, ビメンチン, bcl-2の免疫組織学的染色が有用であった。まれに再発や転移をおこした症例も報告されており注意深い経過観察が必要である。
  • 西野 宏, 篠崎 剛, 藤澤 嘉郎, 石川 和宏, 田中 秀隆, 阿部 弘一, 市村 恵一, 柴山 千秋, 仲澤 聖則
    2003 年 29 巻 4 号 p. 603-607
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年放射線治療単独と比較し化学放射線治療の有効性を示す報告がある。docetaxel (DOC) はチューブリンの合成を阻害し, 放射線に感受性を有するG2/M期に細胞周期を停止させる作用がある。よって放射線照射と併用することより有効な放射線増感効果が期待される。Stage III/IV頭頸部癌19症例を対象にDOC併用加速多分割放射線治療をおこなった。17例が治療を完遂できた。症例に対する治療効果は complete response (CR) 10例, partial response (PR) 7例であり, 奏功率100%, CR率58%であった。T分類別の効果ではCRをT1T2では11例中10例に認めたのに対し, T3T4では6例中0例であった。有害事象では全例に Grade 3以上の粘膜炎を認めた。疼痛管理に9例に麻薬の投与が必要であった。補助療法として末梢補液が8例, 経管栄養が2例, 中心静脈栄養が1例に必要であった。PR例では後治療として化学療法をおこないCRを得られた症例を認めた。
  • 香取 秀明, 佃 守, 持松 いづみ, 石戸谷 淳一, 三上 康和, 谷垣 裕二, 池田 陽一, 田口 享秀
    2003 年 29 巻 4 号 p. 608-612
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頸部扁平上皮癌の進行例を対象に Docetaxel (以下DOC), Cisplatin (以下CDDP), 5-FUの3剤 (以下TPF) 併用同時放射線化学療法の最大耐量 (Maximum Tolerated Dose, 以下MTD) を明らかにして推奨用量を設定し, 有効性を検討した。頭頸部扁平上皮癌の Stage III, IVの患者に対しDOC60, CDDP70, 5-FU 600mg/m2をレベル1として, 2サイクル施行し, 同時に放射線治療を63.0~72.0Gy施行した。Dose-limiting Toxiicity (以下DLT) の発現の有無に伴い各薬剤量のレベルを移行し, MTDを判定し, また, 有効性を判定した。その結果, TPF併用同時放射線化学療法の推奨用量はDOC50, CDDP60, 5-FU 600mg/m2であった。副作用は, 白血球減少, 好中球減少, 口内炎などであったが, 重篤なものは無かった。奏効率100% (19/19), CR率84% (16/19) と良好な結果が得られた。TPF併用同時放射線化学療法は, CDDP, 5-FU (以下PF) 併用同時放射線化学療法に比して奏効率, CR率も向上しており, 有用と思われた。
  • 村川 哲也, 甲能 直幸, 北原 哲, 田部 哲也, 田村 悦代, 村田 保博, 大野 芳裕, 唐帆 健浩, 増田 行広, 磯田 幸秀, 山 ...
    2003 年 29 巻 4 号 p. 613-617
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    我々は Cisplatin (CDDP)+5-fluorouracil (5FU) の併用療法に抵抗性を示す再発頭頸部癌に対しDocetaxel (TXT)+Nedaplatin (CDGP) 併用療法の有効性について検討した。化学療法のスケジュールはTXT 60mg/m2を1時間以上、CDGP 70mg/m2を2時間以上かけて連続して静脈投与した。8例に対して施行したが, 原疾患の内訳は, 中咽頭癌3例, 上咽頭癌2例, 喉頭癌, 上顎癌, 顎下腺癌各々1例であった。病理組織型は扁平上皮癌4例, 腺癌2例, 未分化癌, 滑膜肉腫各々1例であった。治療成績はCR 1例, PR 3例, MR 2例, NC 2例で奏効率は50%であった。有害反応は骨髄抑制が大半の症例で認められた。特に白血球減少と好中球減少がいずれも8例中7例と大半の症例で認められた。用量規定因子は白血球減少と好中球減少であるが, G-CSFを投与し, 速やかに回復した。CDDP+5FUの併用療法に効果を示さなくなった再発頭頸部癌症例に対してTXT+CDGP併用療法は second line chemotherapy として有効であると考えた。
  • 岡本 正人, 古市 幸子, 田野 智之, 吉田 秀夫, 佐藤 光信
    2003 年 29 巻 4 号 p. 618-622
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    癌免疫療法剤OK-432の活性成分リポタイコ酸関連分子 (OK-PSA) を分離した。樹状細胞 (dendritic cell: DC) は主たる抗原提示細胞である。本研究では, マウス固形癌に対するDC局所投与療法におけるOK-PSAの併用効果につき検討した。マウス大腿部皮下に同系癌細胞LL/2を移植して固形癌を作製し, 同系マウス骨髄細胞由来DC (1×106) を, LL/2移植後7日目より週1回腫瘍内投与した。OK-PSA (100μg) は移植後8日目より週2回腫瘍周囲に投与した。DC単独投与では腫瘍増殖の抑制は認められなかった。OK-PSAは単独でも抗腫瘍効果を発現したが (p<0.05), 両者を併用することによりさらに強い抗腫瘍効果が得られた (p<0.01)。この時, 腫瘍浸潤リンパ球および所属リンパ節細胞においてLL/2に特異的な強いCTL活性が認められた。OK-PSAはDC療法における有効な adjuvant となる可能性が強く示唆された。
  • 榊 敏男, 田村 功, 田村 浩伸, 和唐 雅博, 田中 昭男, 覚道 健治
    2003 年 29 巻 4 号 p. 623-631
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    口腔扁平上皮癌一次症例156例を対象にE型カドヘリン, βカテニンおよびホスホチロシンの発現を免疫組織化学的および生化学的に検索し, 頸部リンパ節転移と予後との関連を検討した。免疫組織化学的には, これらの分子の局在は主として癌細胞膜にみられた。頸部リンパ節転移例, び漫性浸潤を示す癌ではE型カドヘリンが, 細胞膜で減弱あるいは細胞質に発現がみられた。これらの症例では, βカテニンおよびホスホチロシンが細胞質や核に発現がみられた。頸部リンパ節転移例と非転移例間において, E型カドヘリンの減弱あるいは細胞質での発現と, βカテニンおよびホスホチロシンの細胞質や核での発現に有意差を認めた。
    免疫沈降法によるチロシンリン酸化βカテニンは強陽性 (++), 陽性 (+), 弱陽性 (±), および発現しないもの (陰性) (-) の4段階に発現程度を判定した。リン酸化βカテニンは転移例であきらかに多く認められ, 陰性群および弱陽性群と陽性群, および陽性群と強陽性群との間にそれぞれ統計学的に有意差が認められた。また, 陰性群と強陽性群との間にはP<0.0001で統計学的に有意差を認めた。
    βカテニンのリン酸化から検討した累積生存率において, 陰性群および弱陽性群と強陽性群とのおのおの群間において有意差 (P<0.001) を認めた。また, Cox proportional hazard regression analysis においてP=0.020で相関性を認めた。
feedback
Top