背景・目的 歯や口腔に影響を及ぼす可能性がある飲泉を含め入浴・温泉及び一般社団法人日本温泉気候物理医学会が認定する温泉療法医などに関して歯科医師がどのくらい関心を持っているかの報告は認められない。そのため、本研究では、歯科医師を対象として、入浴・温泉・飲泉及び温泉療法医などへの関心について調査し、歯科医師の関心の度合いを明確にすることを目的とした。
方法 千葉県歯科医師会の会員を対象として、年齢、性別等の属性、入浴・温泉・飲泉に関する患者への指導、専門的な学習に対する関心度などについて、無記名式の調査を実施した。
結果 合計で167名からの回答があった。患者から注意点などを尋ねられた経験は、入浴72%、温泉27%、飲泉7%であった。患者へ指導してみたいかは、入浴58%。温泉31%、飲泉23%であった。専門的な学習をしてみたいかは、入浴46%。温泉38%、飲泉29%であった。
専門医などの資格を取得したいと回答した者は、入浴25%。温泉25%であった。学習方法については、入浴、温泉ともに「動画」が多く、学習費用は「1万円以下」、「10万円以下」、学習期間は「1週間以内」が多かった。
また、飲泉が口腔内に影響することを知っている者は14%であった。
考察 入浴には高い関心、温泉には中程度の関心、飲泉は低い認知・関心という段階的な傾向があることが明らかになった。入浴や温泉に対する歯科医師の関心については、一定程度のニーズが認められたことから、歯科医師に科学的根拠に基づく情報提供を行うことは、歯科医療を通じて、患者の健康寿命の延伸にも一定の役割を果たし得る可能性が示唆された。
また、専門的な資格を取得したいという者は一定程度認められるが、その費用や期間は極めて限定的であることから、先ずは学習費用・学習期間について、負担の少ない学習機会の設定といったアプローチが妥当であると考えられた。
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