魚類学雑誌
Online ISSN : 1884-7374
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17 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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  • Gareth J. Nelson
    17 巻 (1970) 4 号 p. 131-134
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ニシン類中には背部正中線に沿い, 後頭部から背鰭起部に亘って稜鱗をもっているものがある.絶滅したものではDiplomystus, Gasteroclupea及びKnightia三属, 現在のものではオーストラリアのHyperlophusPotamalosaに属する海産のものと南アメリカのEthmidium属のものとがそれである.筆者はインドー太平洋産コノシロ類の分類の検討を行なっている中に, 中国のコノシロ類の1種シナドロクイClupanodon thrissa (Linnaeus) がこの背部稜鱗を具えていることによって, 他の数種のインドー太平洋産コノシロ類から容易に識別されることを知った.Whitehead (1962) の検索表に手を加えて, 第頁に極東のコノシロ類の検索表を示す。
    従来, シナドロクイは日本でも見られるというように報告されているが, 査定に誤りがあったらしい.どうも中国の大陸部と台湾の沿岸だけに分布しているらしい。しかし, アジア大陸から知られているコノシロ類の他の種が, すべて日本にも出現するといわれていることから考えると, シナドロクイが日本に出現する可能性はある.かつて, 背部と腹部に稜鱗をもっニシン類をdouble-armored herringsという一群に属するものと考えて, 他のニシン類から分離して取扱ったことがあったが, Regan (1917, 1922) 以来広く認められているように, 現生の“double-armored herrings”はまとまりのよい一群ではなく, むしろそのメンバー間の関係は疎遠で, 背部稜鱗を欠くものと近縁である.このことは筆者 (1970) が既に論じた所であるが, シナドロクイに背部稜鱗があることは“double-armored herrings”という一群を設けることの不当なことを示す証拠を更に加えたことになると思う.
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  • 谷口 順彦
    17 巻 (1970) 4 号 p. 135-140
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ニベ科魚類16種の顎骨を比較観察した結果, 前上顎骨および歯骨に著しい変異が見られたので, それらの形態的特徴を記述し, その分化の状態および他の形質との関連を考察した.前上顎骨は前部の上向突起と後部の山形の突起 (後上顎骨突起) に注目すれば3類型 (ニベ型, コニベ型, キングチ型) に分類される.コニベ型の上向突起は他の型に比して著しく長く, キングチ型の後上顎骨突起は低くて前方へ長く延長している.ニベ型の両形質はいずれもコニベ型およびキングチ型に比して短い.歯骨前面から前部下面にかけて3対の小孔がどの種の場合にも認められた.この小孔の配列に2類型が認められた (ニベ型, キングチ型).キングチ型の場合, 最前部1対の小孔は歯骨前面に位置しているが, ニベ型の場合では3対とも歯骨前部下面に位置している.前上顎骨におけるコニベ型およびニベ型のうちホンニベとクログチを除いた種はニベ型の歯骨を具えている.ホンニベ, クログチおよびキングチ型の前上顎骨を有する種はキングチ型の歯骨を具えている.
    前上顎骨の3類型の種組成は耳石, 頭蓋骨および脊椎骨の各類型の種組成に基本的にはよく類似していることが判明した.ホンニベおよびクログチがキングチ型の歯骨を具えていることは他の形質による分類傾向と異なる。
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  • 安田 富士郎, 富永 義昭
    17 巻 (1970) 4 号 p. 141-151
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    伊豆三宅島産の標本にもとついて, キンチャクダイ類の新種クマドリヤッコ (Holacanthus fucosus) を記載した.この種類は八丈小島にも分布するという.
    渡部がヒレナガヤッコの和名で, 琉球列島座間味島から報告した個体と同一種類と思われる2個体が, 沖縄本島で得られた.この種類はH.coudovittatusと異なるので, 新種H. Watanabeiとして記載した.ヒレナガヤッコの斑紋の変異についても併せて言及し, 近縁種との関係を論じた.
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  • 小林 弘, 川島 康代, 竹内 直政
    17 巻 (1970) 4 号 p. 153-160
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    本研究はコルヒチン処理とair-drying法によりフナ属魚類の体細胞の染色体を観察した.その結果, 金魚, キンブナ, 宮崎系ギンブナ (雄の1個体を除く), ヨーロッパブナ等の染色体数はいずれも100で, 核型分析の結果も一致し, metacentricは10対で20個, submetacentricは20対で40個, acrocentricは20対で40個の染色体よりなり, acrocentricのほぼ5対目の染色体にはsatelliteが認められた.また核学的には雌雄の問では差異は認められなかった.一方関東系ギンブナ30個体中の28個体は染色体数が156で, 核型分析の結果, metacentricが17対で34個, subrnetacentricが31対で62個, acrocentricが30対で60個であった.また残りの2個体では206の染色体数が数えられ, その核型分析の結果は, metacentricに22対で44個, submetacentricに41対で82個, acrocentricに40対で80個の染色体があり, acrocentric中にはsatelliteが認められた.以上の結果より, 関東系ギンブナはフナ属魚類中に生じた3倍体および4倍体に相当するものではないかと考え, これが関東地方のギンブナに雌のみを生ずる原因と関連をもつものではないかと推測した.
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  • 北田 仁一
    17 巻 (1970) 4 号 p. 161-165
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    スナヤツメEntosphenus reissneriは変態に伴って肝臓に顕著な変化が生じ, 胆のうおよび胆管が消失する.この際における肝臓の微細構造の変化について電子顕微鏡を用いて研究した.
    幼生の肝細胞では細胞間および細胞内胆管は明らかに認められ, その管腔はmicrovilliがよく発達し密になっている.粗面小胞体の発達はふつうであるが, ゴルジ装置はよく発達しており, 特に胆細管に接近して集積する傾向がみられる.そしてその小のうや空胞の内部に電子密度の高い物質が認められ, これは胆汁構成成分の一部となるものと考えられる.これとは別に胆細管あるいはそれに連なる細管の中に顕著なミェリン様体 (直径0.3~1μ) の移行状態が追跡された.ミトコンドリアもよく発達した状態を示す.
    これに反し成魚の肝細胞では細胞間および細胞内胆管は全く認められない.粗面小胞体はよく発達し層状構造を呈する.ゴルジ装置は典型的な様相を示す.ミトコンドリアは普通であるが, 時に不規則な形状を呈するものがみられる.
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  • 尾崎 久雄, 上松 和夫, 田中 幸二
    17 巻 (1970) 4 号 p. 166-172
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Subacute and chronic intoxication of copper sulphate on goldfish and carp were tested under lower concentrations than those in usual cases of TLm test in 24 or 48 hours.The effects were measured, in tanks containing the water of 48 or 50l with 5 fish of similar size placed as one experiment lot, referring to the maximum and minimum periods of survival (days), the growth in length and weight of body, the condition factor and amount of food consumed. The temperature of the water was kept at 23±1°C, and pH value at 5.7±0.1 during the test extending the maximum of 30 days.Also, seven kinds of copper compounds were examined on the survival (in hours) of carp.
    The tests revealed, among others, that the concentrations which permitted the survival of more than 30 days were 0.17 ppm for goldfish, and 0.08 for carp in the maximum and that the growth showed lowering at 0.08 ppm for goldfish and 0.024 for carp in the minimum.
    The amount of food consumed decreased to 70% at the concentration of 0.008 ppm in carp against 100% at 0ppm, though the fish survived more than 30 days in apparent healthy condition at this low concentration.The decrease of intake of food by carp was believed to have resulted from the toxic effects of copper sulphate on the mucous epithelia and on the enzymes in the digestive tract as usually observed in mammals.
    Discussion was made from the results of the present study and from literature referring to the so-called safety concentrations of copper compounds, which are often applied for the extermination of parasitic animals and plants to fish.The concentrations of copper sulphate used for such purposes range from 500 to 0.04 ppm.The safety level has been often calculated from the TLm in 24 or 48 hours. However, the results gained in the present study will indicate that the allowance on the safety concentration of copper sulphate of fish should be made on the basis of the bioassay tests aimed to the seeking of the concentrations which effect subacute or chronic intoxication rather than on usual TLm test in shorter periods as above mentioned.
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  • 水口 憲哉
    17 巻 (1970) 4 号 p. 173-178
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    秋川におけるオイカワ (Zacco platypus) の卵の生産について以下の点を明らかにした.
    1) 卵巣の重量および長さにおける増加は, 4月から6月にかけて急激におこり, 重量はその後7月, 8月と徐々に減少し9月には3月の状態にもどる.これにともない, 体重の増加およびその後の減少, 消化管内容物重量の増加がみられた.
    2) 1966年6月, 東秋留においては, 孕卵数 (F) と全長 (L (mm)) との間には, logF=-2.80+2.84logLなる関係がみられ, 投網で採集されたオイカワの雌100個体当りの孕卵量は約38, 000粒と推定された.
    3) 雌100個体当りの孕卵量はその後, 7月約24, 000粒, 8月約9, 000粒と減少してゆき, 潜在的な産卵能力を3ヶ月間にわたって維持していたと考えられる.
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