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18 巻 , 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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  • 藤井 武人
    18 巻 (1971) 3 号 p. 109-117
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    コチ科魚類の二種.クモゴチKumococius dertrususおよびトカゲゴチInegociajaponicaについて性転換現象の有無を調査した結果, 前者では全個体が, 後者では少なくとも50% (おそらく前者と同様に全個体が性転換するものと予測される) が機能の上では雄性先熟の性転換を行なっていることがわかった.雄性から雌性への性機能の転換にともなって, 生殖巣は, 前者では両性生殖巣から卵巣に, 後者では精巣から卵巣へと移行する.したがって前者では肉眼によって両性生殖巣を容易に見つけることができるのに対して, 後者では両性生殖巣は移行的なかたちで現われるので肉眼では精巣と識別するのはむずかしい.
    このような両者の性転換様式の差異に着目して雌雄同体性の進化過程を考察し, 次のように結論した.性の転換が雄性先熟であることに種の繁殖上のいみがあると考えると, 性機能の変化に生殖巣がうまく対応しているトカゲゴチ型の方が雄相にある時に雌性の要素をもっているクモゴチ型よりも適応的であるといえる.したがって性転換の様式はクモゴチ型からトカゲゴチ型に進んだものであり, その過程は一個体の魚から雌雄両要素が分離する過程, すなわち雌雄同体的傾向の消失をいみするものである.またクモゴチ型が示すように, その両性生殖巣の形態的特徴と両性生殖巣の維持される期間が相当長いことから判断して, その先駆型として同時成熟の雌雄同体性がかって存在したにちがいない.
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  • 安田 富士郎, 望月 賢二, 河尻 正博, 能勢 幸雄
    18 巻 (1971) 3 号 p. 118-124
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    相模湾一帯及び伊豆諸島より得られたムツおよびクロムツ172個体について.8計数形質, 20計量形質, 体色及び内部形態として頭蓋骨, 前上顎骨の比較検討を行なったところ, 4計数形質, 体色及び内部形態で両者を識別することが出来た.
    以上の点からクロムツとムツとを同一種として取扱うことは適切でなく, 別種の魚として扱われるべきである.
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  • 岩井 保
    18 巻 (1971) 3 号 p. 125-127
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    岩井 (1958) はヒカリイシモチの発光器について報告したが, 用いた材料が古い固定標本で, 内臓の損傷が著しかったために構造の一部を見落し, また, 発光は発光細胞によるものであろうと誤った推測をした.その後, 羽根田弥太博士の御好意で得た新しい標本について電子顕微鏡による観察を行なった結果, ヒカリイシモチの発光器は発光体, 反射層, および発光体と腸管を結ぶ導管からなることが明らかになった.発光体は腺細胞に縁どられた多数の小腔からなり, 小腔中には無数のバクテリアが認められる.反射層は結合組織からなり, 発光体の背面をおおう.導管は数本の細管の集合体で, 発光体背部から発して反射層を縦断し, 肝臓の腹面を経て腸管へ開口する.したがって, 本種の発光器は消化管と連絡のある開口型発光器といえる.発光は発光器中に生活するバクテリアによるものと考えられる.
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  • 関沢 泰治, 菊池 孝彦, 鈴木 明
    18 巻 (1971) 3 号 p. 128-138
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    (1) 主要な遠心性神経より筋にわたる系 (脊髄神経と轡鰭条挙筋あるいは胸鰭挙筋, 脳神経と下顎内転筋) および主要な感覚器よりの求心性神経系 (嗅覚器より嗅球を経て嗅索, 網膜系と視索, 顔面感覚器と第VII神経束, 平衡聴器と第VIII神経束, 側線感覚器と第X神経分枝) はなお活性を保持している. (2) 馬杉氏液中35℃に培養した消化管の活動電位には直接的抑制効果はないらしい. (3) 光刺激による中脳蓋での電気生理的応答はほぼ正常さを保持しているとみられる. (4) 嗅覚器より嗅球を経て嗅索までの活性が保持されているのに終脳嗅葉での応答が一過性に低下する.これは終脳へのガラス毛細管による薬液直接投与でも認められる.摘出嗅索のインパルス伝導には直接的抑制効果はないと判断される. (5) 延髄での反射的遊泳運動中枢機能 (脳幹における逆行性刺激に応答する誘発電位より判定) が一過性に低下してくると見られ, 同様の機能低下は間脳下葉附近へのガラス毛細管による薬液直接投与でも観察されるが, 脳幹部への直接投与では認め難く, 遠隔性抑制の成立が示唆された. (6) 小脳自発波 (16-18Hz) は40ppmでは2分以内に, 小脳への直接投与では20より30秒で生体電気現象の中で最も速かに一過性に消失する. (7) 高濃度および長時間での臨界点においては呼吸中枢での自動能失調が起るようで, この時の発作的放電の筋電図への反映は脳橋深部へのガラス毛細管による薬液直接投与で, 延髄深部からも同様の発作的放電を直接導出して確かめることが出来た.結局臨界点においては中枢性呼吸麻痺が死因となると考えられる.しかしその時でも心拍動自動能は心電図よりして著明な影響を受けていないと判断される. (8) 適当深度の麻酔状態では呼吸による酸素消費は強度遊泳時の1/4程度となり静止時の基礎呼吸による消費にほぼ近いと考えられる.
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  • 小沢 貴和, 塚原 博
    18 巻 (1971) 3 号 p. 139-146
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The pelagic fish larvae and juveniles were collected in the East China Sea and its adjacent regions from May 16 to June 2, 1968 (R/V Hakuh-maru Cruise KH-68-2, East China Sea and its adjacents) This report deals with the areal characteristics in the species composition of the samples and the similarity of composition between them.
    Juveniles and larvae were collected mainly at night by surface towing, the former was taken with juvenile net (1.6m diameter, mesh size 6 × 6 mm, 5 knots for 30 min.), and the latter with larva net (1.6m diameter, mesh size in rear part 0.5×0.5 mm, 2 knots for 10 min.) Since the sampling of larvae was made only once in the East China Sea, the present results are mainly based on the collection of juveniles The results obtained are as follows:
    1. On the basis of distribution of dominant species, namely, Engraulis japonica and Myctophum spp., sampling area was tentatively divided into the following 3 sub-areas, among which the characteristics of samples are different The southern Kyushu area (A): neritic species and oceanic species are mixed, with intermediate values between other two sub-areas in number of species and of individuals per haul, and in diversity of species composition The East China Sea area (B): neritic species are dominant, with the least values in number of species and in diversity, but the largest in number of individuals per haul. The oceanic area off the Kuroshio current (C): Oceanic species are dominant, with the reverse values of sub-area B in respect to three items 2 The similarity of species composition among samples was estimated with Morishita's index of similarity The samples of juvenile in sub-areas B and C had no similarity, but those both in sub-areas A and B, and in sub-areas A and C showed an appreciable similarity In the samples of larvae in sub-areas A and C, the same similarity was obtained when Engraulis japonica was excluded from the samples, but when it was included there was no similarity Six species of the genus Myctophum are dominant in sub-areas A and C Although the number of individuals per haul in sub-area A is larger than that in C, no difference in the distribution and the composition of the fishes belonging to the genus Myctophum exists between the subareas
    3. Judging from the above results, the association of larva and juvenile faunas among 3 sub-areas can be assumed as follows The association between the East China Sea and the oceanic areas was scarcely appreciable The fauna of the southern Kyushu area might be mixing one of the other two, but seems to be more intimately associated with the oceanic fauna.
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