魚類学雑誌
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19 巻 , 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
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  • 谷口 順彦, 石渡 卓
    19 巻 (1972) 4 号 p. 217-222
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日本産フナの有効な分類基準を得るため, それらの水溶性筋肉蛋白をセルロースアセテート電気泳動法により分析した.筋肉蛋白の電気泳動像は通常出現する四つの組成の濃度比により三つの型に分けられた.キンブナ (Carassius buergeri buergeri) およびニゴロブナ (Carassius buergeri grandoculis) は組成1の濃度が20%以上を示す (タイプI).このタイプはさらにA, ABおよびBの三っのサブタイプに分けられる.これらの変異の出現度数はHardy-Weinbergの法則で期待される比とよく一致し, 一つの遺伝子座の二種類の対立遺伝子によって支配されていると推定された.また, この変異の出現率はキンブナとニゴロブナで著しく異っていた.ギンブナはタイプIIを示し, 著しく高い濃度の組成2 (70%以上) により特徴づけられる.
    ゲンゴロウブナでは組成2と組成3の濃度がほぼ等しく, 組成1と組成4の濃度が著しく低い (タイプIII).このように筋肉蛋白の電気泳動像は日本産フナの分類基準として有効であり, フナ類の種分化に関する研究に役立つと思われる.
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  • 浅野 博利, 久保 喜計
    19 巻 (1972) 4 号 p. 223-231
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    キンギョ15品種とフナ5型について, 第1脊椎骨と尾端部より第2番目の脊椎骨とを結ぶ直線を基準とし, 各椎体中央部を通るように描いた脊柱の彎曲状況を比較した.また脊柱の彎曲状況と脊椎骨数との関係も調べた.
    脊柱の彎曲状況はキンブナ型 (フナ5型) では基準線に対して腹椎骨部は上方に, 尾椎骨部は下方に位置し, 全般に脊柱彎曲度 (基準線と曲線で囲まれる部分の面積) が小さい.キンギョでは, ワキン型 (5品種) とリュウキン型 (10品種) に大別され, 前者はキンブナ型に近いが, 脊柱彎曲度が幾分大きい.リュウキン型は脊椎骨がすべて基準線より上方に位置し, 脊柱彎曲度もさらに大きい.ランチュウではその傾向が特に著しい.
    平均脊椎骨数はフナでは全般的に多く, キンギョでは一般に脊柱彎曲度が大きくなるに従って, 次第に減少する傾向がみられる.
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  • Thomas H. Fraser
    19 巻 (1972) 4 号 p. 232-242
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    硬骨魚類真骨類の分類において近年問題になっているParacanthopterygii上目について, 最近の研究を比較検討しながら考察を行った.その結果, 一応この上目を分類学上の一つのたたき台とすることの意義を認めるが, 単系的自然群とは認め難い. なおギンメダイ類とIndostomus類はParacanthopterygii上目からとり除かれるべきである.ウバウオ類・ハゼ類・アシロ類を一応仮にこの上目に含めるとしても, これ等の魚と他のメンバーとの近縁関係を立証する強力な事実は現在のところ発見されていない. アシロ類はタラ目から除かれるべきである. Notothenia類とネズッポ類の2グループも更に研究する必要がある.筋肉や神経系の解剖結果を, 類縁関係推察の資料として, 深く検討することなしに用いるのには反対である. これ等のデータの系統学的意味はよく判っておらず, 適応に伴って起る変化やその可遡性はまだ詳細には理解されていないのが現状である.
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  • 林 勇夫
    19 巻 (1972) 4 号 p. 243-254
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    スズキの卵巣の成熟過程は基本的には他の硬骨魚類と大差ないようであるが, 卵黄胞 (yolk vesicle) の分布が非常にまばらな点と成熟過程が速やかに進行する点が特徴的である.これらの点に関する生理学的な意義は明かでないが, 成熟過程の進行はこの種の生活史と密接な関連をもっているようである. また卵胞細胞 (follicle cell) は成熟過程において顕著に変化するが, それは崩壊卵の吸収過程の際にとくに発達する.このように卵胞細胞は卵母細胞 (oocyte) に栄養を補給する機能と同時に崩壊卵の吸収にも主要な役割を果しており, 精巣における精上皮細胞とその起源を同じくしていることを示唆している.顕微鏡観察および生殖腺指数の変化から推して, 産卵期は12月下旬から1月中旬にかけての短期間で, 成熟過程の個体差はほとんどないようである.また雌の生物学的最小形は体長350mm前後で, 2~3年で成熟する
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  • 本間 義治, 帆苅 信夫, 田村 栄光
    19 巻 (1972) 4 号 p. 255-262
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1964年4月から12月までの間に, 上信越高原国立公園の妙高山麓を流れる関川の1支流から採集したイワナ106個体の消化管内容物を調べた. 秋から翌春までの冬季は, 水生底生動物が主要食餌であり, 5月中旬から盛夏にかけては, 陸上昆虫の摂食量が増加する.これらの陸上昆虫は, 川岸近辺に巣孔をもつ種類が多く, 好飛翔性のものは含まれていない.また, 捕食されていた水生昆虫は, 携巣型のトビケラが大半を占めていた.このことは, イワナが好んで選択的にトビケラなどを捕えるのではなく, むしろ餌料生物のおかれた状態に基づく利用容易性に起因しているらしい.なお, 産卵期でも成熟成魚が摂食活動を続けていることは, 非洞遊性イワナに産後艶死の現象が見当らないこ卵とと関連して, 注目される.
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  • 尼岡 邦夫
    19 巻 (1972) 4 号 p. 263-273
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Citharus, Citharoides (コケビラメ属), Paracitharus, Brachypleura, およびLepidoblepharon (ウロコガレイ属) の5属の種類は最も原始的なボウズガレイ属のものと典型的なとラメ・カレイ類との間の移行群であるとみなされ, コケビラメ科 (Citharidae) に含められている. 日本産のコケビラメとウロコガレイをボウズガレイおよびヒラメ科, ダルマガレイ科のものと比較解剖することによってもこのことは支持されている.南支那海から得られたこの科の、Brachypleura novaezeelandiaeの類縁関係を明らかにするためにその骨格を調べ, 口本産の2種と比較検討した.その結果, ほとんどすべての形質において日本産の種類と良く一致しているが, いくつかの形質では著しく違っている.それら違っている形質の中に日本産の2種と比較して原始性と特化性を示す2つの方向が認められる. 前者は主として臀鰭と腹鰭に関係した骨格に認められ, これらの鰭は背鰭と共に前進化と関係して相称化へと進んでいる. 後者は尾鰭とそれを支える骨格に関係し, それら自身の相称化に進んでいる. これらはヒラメ類全体の進化の方向からみた場合, いずれの形質もこの類の特殊な遊泳方法と関係した左右 (背腹) 相称化の過程として考えられる. これらの原始性と特化性の形質も含めてすべての形質から判断した場合, この種はやはりコケビラメ科に属すると考えられる. この種を含めたコケビラメ科の新しい定義を試みた.
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  • 赤崎 正人
    19 巻 (1972) 4 号 p. 274-282
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
  • 福所 邦彦
    19 巻 (1972) 4 号 p. 283-294
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ボラ科魚種メナダの人工ふ化仔魚を飼育して, 主として胃幽門部 (gizzard) の発達時期と発達過程について観察した. メナダの胃幽門部は胃腺を欠くが, 噴門部と盲嚢部は胃腺を具える. 近縁種のボラとセスジボラの胃盲嚢部も胃腺を具える. メナダは種固有の腸型を有し, その腸型は全長30mm (ふ化後50-60日) で完成する.
    成魚の腸型を10型とし, ふ化時の腸型を1型とすれば, 1-10型はそれぞれ消化系の発達の各段階を示す指標となり得る.メナダの胃盲嚢部原基は, 腸型が4型から5型に移行する間, すなわち全長6.2mm (ふ化後11日) に生じ, その粘膜上皮下には胃腺が発達し始める. gizzardは5型 (全長9mm, ふ化後20日前後), すなわち胃がいわゆるト型を示した後発達を始め, 幽門垂の分化と平行して幽門部の筋肉層が徐々に肥厚して, 6型 (全長11.0mm, ふ化後27-28日) で完成する.gizzardが形成され始めるころから, 飼育中のメナダは游泳層を表層から底層へ移行する.少くともメナダにおいては, 後期仔魚期以後は, 諸器官の発達程度を表す尺度としてはふ化後日数より体長を用いる方法が妥当である.メナダの種苗サイズは全長30mm以上と考えられる.
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  • 白石 芳一, 水野 信彦, 永井 元一郎, 吉見 允利, 西山 孝一
    19 巻 (1972) 4 号 p. 295-306
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Sponsored by International Biological.Programme, a survey was made in 1970 and 1971 on Tasek Bera region, central Malaysia for the biological productivity (terrestrial and aquatic). The survey concurrently included limnological study of the Lake Bera covering fish biology and general hydrobiology, which was conducted especially in February, March-June and October-November, 1971.The lake, a“black water”swamp ecologically, developes about 30 km along the River Bera, a tributary to the River Pahang pouring into South China Sea, and expands by inundations 0.5-5 km in its width over the wet marsh of rain forest (Fig.1).The bottom of the lake, sounding 1-2 m deep, is mostly vegetated by 3 types of emergent and submerged plants and only partly left open.The fish fauna of the lake was studied by the collection using several types of gears and was found to include 70 species in 45 genera (Table 1).The incidental collection of fishes in the waters adjacent to the lake contained another 59 species in 35 genera, which recorded up to data from the region the total of 105 species in 57 genera falling under 25 families.
    The diel rhythm in the moving of fishes in the water was studied by setting 7 units of gill-net (Fig.1) which were hauled periodically for the checking of fishes caught.The study was conducted in 3 seasons as above.Assuming that the number of fishes gillnetted by unit gear indicates a relative activity in their moving, the 15 species in the total of 21 species encountered were divided into 2 groups.Fishes comprising 6 species are more active during daytime than in nighttime and the other represented by 9 species show the opposite activity, the former group categorized“diurnal” and the latter“nocturnal”in diel periodicity (Table 2).
    On February 11 and 12, the same 7 units of gillnet were operated for 24 hours, and the catch was checked in every 2-hour interval, thus, producing the total of 861 fish represented by 21 species (Table 3).Among these, 6 species were diurnal, 9 species were nocturnal and the rest were not classified because of their small number in catch.Analyzing the data thus obtained, it is noted evident that the fish population if treated as a whole shows moving activity is twice a day, i.e., in twilight (16: 00-18: 00 hours) and in dawn (06: 00-08: 00 hours), and vesperal activity is nearly twice vigorous than the auroral.Collectively the population may be called crepuscular in moving activity.However, it is further noted that the mode of twicea-day activity differs between diurnal species (Fig.2) and nocturnal species (Fig.3) In diurnal species the activity falls closely on zero level during nighttime or between auroral and vesperal activities but it is held continuously during daytime although much less vigorously than in crepuscular periods, whereas, in nocturnal species the activity comes to standstill during daytime but it is kept continuously with some fluctuation during nighttime.It appears highly significant to find that the diurnal species move more actively during crepuscular period than the nocturnal species.
    Stomach content was examined on 9 species collected in February, and the number of food organisms found in all the stomachs examined was counted.Six species among them, regardless of their diel activity, highly depend on insect larvae and pupae dominated by chironomid and ephemeropterid, which will indicates the insect larvae occupying an important food resource for the fishes in the water.Also shown by 4 species (Figs.2, 3) that the diel activity of the fishes is interacted with their feeding behavior, since these two activities well correspond with each other whether in diurnal or nocturnal species.In this connection it was discussed that the crepuscular (bimodal) activity shown by fishes or predators does not correspond to the emergence of the aquatic insects or preys which takes place only once astart-page=295
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  • 岩井 保
    19 巻 (1972) 4 号 p. 307-311
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    13種の硬骨魚類仔魚のfree neuromastの形態の比較研究を行なった.
    free neuromastの形態には種による差はみられず, いずれもタマネギ状で, 受容細胞と支持細胞とからなり, 遊離縁に直立するクプラが付属する.クプラは細長くジェリー状で, PAS陽性反応を示す.
    クプラをそなえたfree neuromastはスズキ・クロダイ・イシガレイ・イソギンポ・チチブ・シマハゼ・クサフグなどでは, ふ化直後の仔魚でみられるが, ワカサギ・ウグイ・オイカワ・コイ・キンギョ・メダカなどでは, ふ化後1~ 数日の仔魚で初めてみられる.
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  • 落合 明, 楳田 晋, 太田 久夫
    19 巻 (1972) 4 号 p. 312-316
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
    1971年9~10月に高知県の四万十川河口で捕獲された全長70cm前後の下りウナギについて, 卵巣卵の成熟状態を調べるとともに同年11月22日から1972年3月末までシナホリン・DESおよびDPEなどを注射して成熟促進の状態を研究し, 次の事項を明らかにした.
    1.下りウナギの卵巣卵の多くは直径0.3mm台で油球期に属するが, なかには卵黄球期に入った0.4~0.5mm台の卵もかなりあり, 最大の卵径は0.59mmであつた.
    2.DPE・シナホリン区では, 4尾のうち3尾までが実験打切りの3月末日まで生存し, 成熟促進の効果が著しかった.とくに, 2個体では多くの卵の卵径が0.6mmから0.8mmになり, そのうち1個体では0.95mm以上, 第三次卵黄球期に達した卵が7%あまりもあった.
    3.DES・シナホリン区では4個体とも実験途中ですべて死亡したが, 生殖腺重量は対照区のそれの3倍前後になり, 第2次卵黄球期に達した卵もあった.
    4.成熟が進むと肝臓が肥大してくるが, とくにDES・シナホリン区で著しく, 体重に対する割合が4.1~8.2%に達した.ところがDPE・シナホリン区では3.0~4.4%であり, 完熟まで魚体を生かすにはこの値を4%またはそれ以下におさえる必要があると思われる.
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