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27 巻 , 1 号
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  • William A. Gosline
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 1-28
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    原始的真骨類の類縁関係を探索するため, 尾部骨格, 鰾と耳域の関係を文献に基づき検討し, また解剖により次の3点を論じた。すなわち (1) オステオグロツスム目魚類の後擬鎖骨postcleithrumは祖先型より受け継いだanocleithrumである。他の真骨類は鱗起源とみられるもう2個の後擬鎖骨を保持していることがある。ハダカイワシ目のヒメ科Aulopusは種々の原始的真骨類と同様3個の後擬鎖骨を保持しているようであるが, より進歩した型の魚では最高2個までである。 (2) 胸鰭の運動と関連した構造系の進化において, 一連の大きな変化が二つほど起こっているようである。その一つは胸鰭の最前端鰭条と関係があり, これで全骨類型祖先と原始的真骨類と区別できる。もう一つはハダカイワシ目と高等な真骨類における中烏口骨mesocoracoidの喪失と関連した一連の変化である. (3) 原始的真骨類において進化をとげた前上顎骨の種々な型の運動のうち, 二つの方法が顎の伸出法として広く適用されている.Aulopusによって代表される型は, 殆どの高等な棘鰭条類において, 強く咬むための支えを伸出した前上顎骨に提供している.殆どの高等な真骨類において, 上顎骨の基部の上方に伸びる強大な口蓋骨の突起が存在し, 上顎骨は口裂から排除されている, 第二の伸出法としてはコイ目にみられる型が成功している.これは口部による吸引摂餌法と関係している.重要なことは, 口角をめぐる唇状構造に起因する, 前上顎骨の後端での前下方向への引力であるように思われる.
    類縁関係に関する結論を述べると以下のようになる.カライワシ目, サケ目, ニシン目, ネズミギス目, コイ目, ナマズ目魚類は一連の関連群を形成しており, 一方ではオステオグロッスム目, 他方ではハダカイワシ目―棘鰭条類と明確に区別される.カライワシ目は上記関連群の中で最も早期に枝分かれした魚類である.ニシン目, ネズミギス目, コイ目, ナマズ目はハダカイワシ目一棘鰭条類と同様に原始的真骨類のもととなる型 (ここではサケ目と考える) から異った方向に進化したと思われる.これらのサケ目派出群のうち, ネズミギス目とコイ目, ナマズ目が最も近縁であるように思われる.
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  • Hin-Kiu Mok
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 29-40
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    条鰭類の596種について腸型を調査, 分類し塁個体変異, 成長に伴う変異, 各型の出現, 相互関係を検討した。腸型は種内変異性が低く, 複雑な型をもつグループでは変異に定向性があり, 単系の種間では類似している。これらのことは魚類の腸型が系統関係についての有意な情報を提供することを示している.
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  • 仲谷 一宏, 尼岡 邦夫, 阿部 晃治
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 41-47
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    本属は第一背鰭や腹鰭の前方軟条が糸状に伸長すること, 腹鰭が7~8軟条よりなること, 臀鰭の外縁が彎入することなどで特徴づけられる.本属魚類は北西太平洋からは, ソコクロダラL.inosimae, クロダラL.modestus, カッタイダラL.oidema, およびL.schmidtiの4種が知られている.著者らは北西太平洋から本属の魚類を数多く採集し, 分類学的再検討を試みた.その結果, 本属にはソコクロダラとキタノクロダラ (L.schmidtiに対する新和名) の2種を認めることができ, カッタイダラはソコクロダラのシノニムであることが判明した.また, クロダラは腹鰭が2叉した1軟条よりなり本属から除外されるべきであるとの結論を得た.
    ソコクロダラとキタノクロダラは鰭条数や鋤骨歯の形態により簡単に識別できる.
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  • 豊島 貢, 本間 義治
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 48-50
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    本種はこれまで, 本間 (1963, 1969) および本間・杉原 (1963) により, 佐渡近海より報告されてきた.しかしながら, これらの報文では, 記載および近縁種との比較検討もなされていない。そこで本論文では, 以前より使用されている学名および和名, Lycodes sadoensisサドヒナゲンゲを本種に採用して記載した.
    サドヒナゲンゲは鰭条数, 脊椎骨数および体各部の割合によってマユガジ属の他の種とは明瞭に区別され, 同時にこれらの形質によってヒナゲンゲLycodestemoiに近縁であることがわかる。
    本種とヒナゲンゲの相違は斑紋の有無のみである.つまり, 本種では, 体と頭の背側は褐色で, 腹側は淡色であり, 体後部および背鰭前部には濃褐色の斑紋がある.一方, ヒナゲンゲの体色は一様に灰色をおび, 斑紋はまったく認められない.これらの相違は, 雌雄差および成長にともなう変異を考慮に入れても, 両種を別種とする根拠として充分である.
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  • 片山 正夫, 益田 一
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 51-55
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    相模湾およびトンガ海嶺水域から得られた新種キシマハナダイ片山正夫・益田一益田・阿部 (1972) は種不明のハナダイの生態写真 (pl.159) を載せ, この魚にキシマハナダイの和名を与えた.更に益田ら (1975) にもキシマハナダイの写真が載せられている.本種の学名および形態についての報告はない.最近伊豆大島近海の水深50m付近で本種の雌雄各1尾, およびトンガ海嶺水域の水深150m-157mから1尾漁獲された.調査の結果, 本種はイトビキハナダイ属の新種であることがわかった.背鰭の第1棘や腹鰭軟条が著しく延長していないこと, および色彩などでイトビキハナダイと区別され, Tosanoides flavofasciatusとして記載した.
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  • 清水 幹博, 山田 寿郎
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 56-63
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    出産間近のクロソイSebastes schlegeli胎仔の卵黄多核質を電顕で観察し, 卵黄吸収時における卵黄多核質の機能を考察した.
    クロソイ胎仔の卵黄は一つの大きな均質塊で油球を含み, 腹部中央に位置する卵黄嚢内に存在する.卵黄塊はその全表面を卵黄多核質によって直接おおわれ, 多核質の外表面には血管が分布している。多核質と卵黄塊との境界域には卵黄塊から分離した多くの卵黄小顆粒が認められ, 卵黄多核質は微細構造的に二つの部域に区分される.一つは滑面小胞体が広く密に分布し, 糸粒体およびグリコーゲン顆粒に富む部域であり, 他の一つは粗面小胞体およびゴルジ装置がよく発達している部域である.前者は脂質および糖質代謝に関与し, 後者は蛋白質代謝に関与していると考えられる.また, 卵黄多核質の外表面が血管と接する所では, 細胞膜が入り組んで複雑な構造を呈している.特に静脈洞と接する部位では, 血管内皮は未発達で血液および血球が直接多核質に接し, 特異な空胞様構造が認められた.
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  • 鈴木 清, 木村 清志
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 64-71
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    The present report deals with age and growth estimations based on ring marks on scales for Parapristipoma trilineatum (Pomadasyidae).Materials used in this study consist of 1170 individuals ranging from 49 to 355.7 mm in fork length.They were taken by set net, hook and line and gill net from coastal areas of Kumano-nada during the period from March, 1978 to April, 1979.A number of scales were taken from a row beneath the lateral line of the left side of the fish just posterior to the tip of the pectoral fin, and a scale of regular shape among them was selected and used for measurement.
    The results obtained are summarized as follows:
    1) The relationships between the fork length (L in mm) and total length (TL in mm), standard length (SL in mm) and body weight (W in g) were shown by the following equations:
    logTL=1.01logL+0.019
    logSL=1.02logL-0.106
    logW=3.25logL-5.388
    2) Ring marks on scales were formed twice in a year, both in summer and in winter.Of these two ring marks, the ring mark formed in the period from January to February was used for the estimation of age and growth of the fish.The other ring was considered to be the spawning mark, because the ring mark was inconspicuous in immature specimens and the time of ring formation in mature specimens corresponded to the spawning season from June to July.
    3) An anti-Lee phenomenon was observed in the mean value of each ring radius.-Phenomenon may be attributable to the growth of old tissue of scale.
    4) The relationship between the fork length and scale radius (R in mm) was shown by the equation log L=0.881 log R+1.842.The fork lengths at the time of ring formation were calculated using the above equation.
    5) The results obtained from the Walford's growth transformation method indicated that the plots of ln+1 against ln fall on a straight line, given by the equation ln+i= 0.779ln+78.3.
    6) Since the time difference between spawning and ring formation on scales was about 0.5 year, the Bertalanffy's growth equation for full age (t) in fork length (Lt) and weight (Wt) was given as follows:
    Lt=355 (1-e-0.249 (t+0.731) )
    Wt=794 (1-e-0.249 (t+0.731) ) 3.25
    7) There was no sex-associated difference in growth.
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  • 太田 忠之, 杉本 昌司
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 72-76
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The effect of light on leucophores of an isolated scale from the wild-type medaka Oryzias latipes was investigated.Leucophores were directly exposed beneath a light source of 150 or 300 lux.Fully dispersed leucophores in a M/7.5 KC1 solution and fully aggregated leucophores in a physiological saline solution did not show any noticeable response under illumination except for a very active Brownian movement of leucosomes.On the other hand, leucophores aggregated under the effects of both a stimulant and an inhibitor of the adrenergic β-receptor, dispersed under illumination and this response was found to be reversible.From the above findings, it was concluded that light directly induces leucosome dispersion in leucophores without any mediation of the adrenergic β-receptor.
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  • 鈴木 清, 木村 清志
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 77-81
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    三重県沖で行われた深海カゴ網の試験操業によって漁獲された標本の中から5個体の.Psychrolutes inermis (Vaillant) が得られた.これは本邦初記録で, 和名としてクマノカジカを提唱する.本種は従来Cottun-culoides inermisとして記載されていたが, 近縁と思われるウラナイカジカやPsychrolutes phrictus Stein et Bondの記載と比較した結果, ウラナイカジカ属Psychrolutesに帰属させるべきであるとの結論に達した.本種は背鰭条数 (VII~VIII, 17~18), 胸鰭条数 (20~21) および側線が完全に退化していることなどにより近縁種と区別される.
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  • William Hunt Legrande
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 82-84
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アメリカ合衆国, ルイジアナ州, Caminada湾で採集された4尾のArius felisの染色体を観察した.実験方法としては, Velban注入後2.5~3.5時間にじん臓およびひ臓を摘出し, airdrying法でプレパラートを作製した。
    Arius felisの核型は, 2n=54で26本の中部。次中部着糸染色体と28本の端部・次端部着糸染色体とからなる。
    一方, Ariusハマギギ属はDNA量が多く, ギギ科やIctaluridaeのそれに比べて2倍以上ある.しかしながら, 2nは上記2科の魚と比べてほとんど変わらない.このことは, ナマズ類の進化を考える場合, 染色体の倍教化では説明できないDNA量増大のメカニズムの可能性を示唆すると考える。
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  • 梅澤 俊上, 蟹川 政文
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 85-87
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    チチブの酸素消費量に及ぼす周囲の他種の魚の影響を調べた。酸素消費量はポーラログラフ酸素電極を用い, 流水式の呼吸室により, チチブの呼吸前後の水の溶存酸素量の差から求めた.呼吸室に入れられた単独のチチブが両側に1個体ずつ配した同じ生息場所の他種の魚に接した場合, ゴクラクハゼおよびヨシノボリでは酸素消費量が増加したが, ボウズハゼではむしろ減少する傾向を示した.これらの違いは食性の違いによるものと思われる.また, ギンブナあるいはカワムツを周囲に配した場合はチチブの酸素消費量はそれぞれ変化がないかあるいは多少減少することがわかった。チチブにみられる, 群よりも単独のときが酸素消費量が少ないという群効果は同種あるいは食性と遭遇可能性の等しい魚種の群に認められるものであろう.
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  • Yoshie Dotsu
    27 巻 (1980 - 1981) 1 号 p. 88-89
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
    A mature female of the bramid fish, Taract-clnhrs longipinnis(Lowe)was caught by tuna long line from the T.V.Nagasaki-maru, Nagasaki University, at around 9°31'S, 118°50'E in the eastern Indian Ocean on August 8, 1966.The fish was 78 cm TL, 61 cm SL, about 10 kg BW, and the viscera weight was about 1.5 kg.The abdomen of the fish was scarcely swollen, but mature translucent eggs of a light yellow tint were squeezed from the fish.The eggs were spherical in shape and separately pelagic in the sea water at a temperature of about 26°C and a salinity of about 34.5‰.The eggs preserved in 5%formalin are 1.2mm in diameter with a conspicuous perivitelline space, a homogeneous 0.9 mm yolk, and a 0.3 mm oil globule.
    The mature ovaries of the fish were small and about 90 g in weight, and the GSI was less than I.The ovaries contained about seventy thousand mature eggs.
    It was considered that the mature female fish was hooked at a depth of 80-150 m.The ocea-nographic observation data suggest that the fish was living in the mid-layer of the ocean at tem-peratures of 11.10-.25.84°C and at salinities of 34.54-34.76‰.
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