魚類学雑誌
Online ISSN : 1884-7374
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28 巻 , 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
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  • 中坊 徹次
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 355-367
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    現在までに世界から報告されている本科魚類の属と種について, 鰭・側線系・斑紋等の外部形質を用い, 分類学的再検討を行った.
    本科魚類にはCentrodraco (ハナガサヌメリ属) と, Drconetta (イナカヌメリ属) が含まれる.Centrodracoは背鰭3棘14軟条, 臀鰭13軟条を有し, 背鰭棘が硬い.それに対してDrconettaは, 背鰭3棘12軟条, 臀鰭12軟条を有し, 背鰭棘は柔らかい.他に両属は, 尾鰭軟条先端の分枝状態, 側線系の分布状態に相違点を有する.
    CentrodracoC.acanthopoma (セイヨウハナガサヌメリ: 新称, 太平洋初記録), C.psudoxenicus (ハナガサヌメリ), C.oregonus (西部インド洋初記録), C.insolitus, C.otohime (オトビメヌメリ), Coratusの6種を含む.C.acanthopomaは短い背鰭第1棘を持つことと, 雌雄間に形態的差異があまりみられない, ということで他の5種と区別される.他の5種は, 3本の背鰭棘のうち第1棘が最長であり, 背鰭軟条は雄において糸状に伸びる.これらの5種は互いによく似ており, 主として斑紋によって区別される.DraconettaD.xenica (イナカヌメリ) のみが知られている.
    外部形質に地理的分布による知見を加え, 本科魚類の類縁関係を論じた.その結果, 本科魚類はネズッポ科魚類に比べて特殊化の度合が低く原始的であること, DrconettaCentrodracoよりもネズッポ科魚類に近い形質を有していること, そして, Centrodraco内ではC.acanthopomaが最も原始的な種であることが推察された.
    C.acanthpomaC.oregonusは, 大西洋と, インド・西太平洋にまたがって分布しているが, その歴史的意味について若干の考察を加えた.
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  • 片山 正夫, 山本 栄一, 山川 武
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 368-374
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Gralnlnatonotus (テンジクノ・ナダイ属, 新称) はCallanthias (シキシマノ・ナダイ属) と近縁で, ハタ科, シキシマハナダイ亜科に属するが, 鰐蓋前骨に1棘があること, 前鼻孔が短い管状であること, 尾鰭分岐軟条が13本であること, 縦列鱗数が少ないことなどでシキシマハナダイ属と異なる.本属は, ハワイ近海産の尾鰭などが破損したG.laysanus Gilbertの模式標本 (幼魚) が知られているのみであったが, Katayama et al. (1980) は駿河湾, 大隅海峡からG.surugaensis (テンジクハナダイ) を報告した.更に著者らは天皇海山からG.laysanusの状態の良い成魚標本を得, また九州パラオ海嶺から新種G.macrophthalmusオオメハナダイを採集した.これら3種について比較検討を試みた結果, オオメハナダイは眼が大きく, 眼径は頭部眼後部より長いことで, 同属の他種と区別できる.
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  • Stuart G. Poss
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 375-380
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    インドネシアHalmahera島で, 深さ約50mのトロール漁で得られたハナチゴオコゼ属の新種Hnekonia peltaを記載した.
    模式標本を含む28個体に基づき, ハナチゴオコゼK. floridaの再記載を行った.
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  • Nikolay V. Parin, Yuri N. Shcherbachev
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 381-384
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Nazca海嶺で採集されたニギス属の2新種について報告する.その1種Glossanodon danieliは南日本海域のイチモンジイワシに最も近縁で4本の鯉条骨をもつが, 喉部と腹部の特異な色素分布, より多い鯉耙, より長い頭部などによって区別される.他の1種G.nazcaは大西洋東部のG.polli, またインド洋西部のG.mildredae, ハワイ沖のG.struhsakeriと同じ一群に属する.しかしG.nazcaは喉部と腹部正中線に沿って分布する色素, 体側の黒斑の欠除, 背鰭と臀鰭軟条の少ないことで近縁種から区別される.
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  • 松浦 啓一
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 385-392
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    インド洋南西部のサヤデマルハバンクから採集されたベニカワムキ属の新種Triacanthodes indicusを記載した.本種は, 多くの形質において本属の他の2種, ベニカワムキとシマベニカワムキに似ているが, 大きな鼻腔をもつことによって区別できる.本種では, 鼻腔径は左右の鼻腔問の距離より明らかに大きいが, 他の2種では, 前者の方が後者より小さいか等しい.
    本属魚類は, これまで沿岸域からのみ知られていたが, 本報告によって遠洋域にも分布することが明らかになった.
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  • 片山 正夫, 益田 一
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 393-395
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    伊豆海洋公園富戸沖の水深40mの岩礁地帯から得られたスズキ科ハナダイ亜科の1新種シロオビハナダィAnthias (Pseudanthias) leucozonusを記載した.本種は背鰭第10棘基底から体側に白色横帯があること, 側線鱗数が少ないこと, 背鰭第3棘が延長していることなどで同属の既知種と識別される.
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  • Saleem Mustafa, Archana Mittal
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 396-400
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ヒレナマズClarias batrachusの体重, 肝と脳の重量, 蛋白, RNAおよびDNA濃度への栄養状態の影響を調べた.飢餓状態におくと体重と比肝重および肝の蛋白とRNA/DNA比の減少を来し, 再投餌するとこれらの値は増大した.肝と異なり, 脳の重量とこれらの生化学的成分量は変動しなかった.これらの結果を詳細に述べ, 生物学的に重要な関連事項について論じた.
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  • 柳沢 康信
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 401-422
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ダテハゼはニシキテッポウエビが掘った巣穴をかくれがとして利用している.ハゼは日中巣穴の入口付近を中心に活動しているが, 繁殖期には地表上を移動して隣接個体とペアを形成する.ペアは通常2~3日以上維持されるが, 産卵に至らないで別れるものも多い.配偶者獲得をめぐる競争は雄間で烈しく, 授精に成功したと推測される雄は社会的に優位な大型個体であった.巣穴を離れている時間, 攻撃的出会いの頻度, 巣穴を所有しない個体の割合については, 調査個体群間に差異が認められた.この差異は, 生息地の捕食圧と巣穴密度に関連づけて理解できることを示唆した.
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  • 山本 喜一郎
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 423-430
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ウナギの卵では周辺部の周縁質は分割前の受精卵で既に認められるが, 胚下周縁質は胞胚期の卵で初めて形成される.周縁質の核は胚盤の周辺および底部の細胞から由来される.それらの核は胞胚期の間は有糸分裂により活発に増殖するが, 原腸胚に達すると無糸分裂により増殖を続け, 終局的に周縁質は卵黄全体を包む多核質構造の薄い細胞質層となる.周縁質は胚体の形成に直接関与しないが, 胚が卵黄を消費する際重要な役割を演ずるものと考えられる.
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  • 中村 將
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 431-436
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アメマスの生殖腺の性分化過程を組織学的に調べた.性的未分化期の生殖腺は少数で大型の生殖細胞とそれを取り囲む体細胞より構成されている.卵巣及び精巣への分化はふ化後131日目に形態的に明らかになった.初期の卵巣の分化は, 卵原細胞の減数分裂前期の卵母細胞への移行と多くの体細胞よりなる組織が腸間膜に面する側に出現することにより明らかとなった.痕跡的な卵巣腔が卵巣の先端部に限り形成された.他方, 初期の精巣の分化は, 生殖腺の基部に2・3の管腔が形成されることにより明らかとなった.その後, 生殖細胞と体細胞は徐々に増加するものの, 精子形成はふ化後250日においても認められなかった.アメマスの性分化過程は他のサケ科魚類のものと本質的に一致した.
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  • 駒田 格知
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 437-444
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    In order to establish a basis for distinguishing normal and abnormal structures, this paper reports on the growth of vertebral centra in the cyprinid fish, Zacco platypus Temminck et Schlegel.Specimens, 10.0-110.0 mm in standard length (SL), were collected from the Yahagi River, Aichi Prefecture, in August, 1978.Juvenile fish were collected from the Ibi River, Gifu Prefecture in October 1978 and in April 1979.Length and diameter of centra of the 263 specimens were measured for different growth stages, seasons and sexes.
    Ossification of vertebrae begins in the postlarval stage, at about 8.0 mm SL.In fish smaller than 16.0 mm SL, all centra are almost equal in length.At 24.0-26.0 mm SL, lengths of centra located at the anterior part of the caudal region are longer than those in the other regions.As the fish grow, growth rate becomes greater in the middle part of the column than the other regions.The diameters of centra in fish of 10.0-16.0 mm SL show no difference associated with the portion of centra through the vertebral column.In fish larger than 24.0 mm SL the diameter of centra located at the anterior part of the column and around the transitional area between the abdominal and caudal region is larger than those in the other regions.In the adult stage, there are no sexual differences in the length and the diameter of centra.
    The proportions of vertebral column length to standard length in specimens of 10.0-16.0 mm SL are significantly smaller than those in specimens above 24.0 mm SL.And, there are significant differences on the ratios of total length of centra to column length between the three size-groups, 10.0-11.0 mm SL, 15.0-26.0 mm SL and above 60.0 mm SL (t-test, P<0.001).
    The lengths of centra in juvenile fish (15.0-16.0 mm SL, 19.0-20.0 mm SL) collected in April are larger than those in October and August, but the diameters of centra in the former are smaller than those in the latter two months.There is no difference in the length and the diameter of centra between juvenile fish in August and those in October.The ratios of spinal column length to standard length of juvenile fish in April are significantly larger than those in August and in October (t-test, P<0.001).
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  • 中村 泉, 中村 禮子
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 445-449
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日本近海からの実証的記録があるサワラ属魚類は, 従来, サワラScomberomorus niphonius, ウシサワラS.sinensisおよびヨコシマサワラS.commersonの3種のみであった.1978年9月から11月にかけて若狭湾沿岸の京都府漁連西舞鶴魚市場に水揚されたサワラの調査をした際, 時々見慣れないサワラ類が多くのサワラに混って水揚されているのに気がついた.最初それらは同一種と思われたが, 精査の結果ヒラサワラS.koreanusおよびタイワンサワラS.guttatusの2種 (Fig.1) であることが判明した.外部形質では両者はよく類似するが, 脊椎骨数と腸の曲点数で両者を明確に区別することができる (Table 1;Fig.2), ヒラサワラおよびタイワンサワラはいずれも日本近海への実証的初記録に該当するので, 日本産サワラ類5種の検索とともにここに報告する.
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  • James K. Dooley, Norbert Rau
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 450-452
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    フィリピン産アマダイ類を調査したところ, 紅海から記載されたBranchiostegus sawakinensis Amirthalingam, 1969の存在が確認され, 紅海から9600km以上離れた海域での分布が判明した.本種はフィリピンにおいて深さ100~200mの砂底上で採集される.紅海産の標本の記載にない, 尾鰭の10~15箇の明黄色斑がある.紅海産, アフリカ東岸, フィリピン産の比較をTable1に示した.フィリピン産のアマダイ類をリストすると次のようになる.1.Branchiostegusjaponicus;2.B.sawakinensis;3.B.vittatus;4.B.ilocanus;5.Malacanthus latovittatus;6.M.brevirostris (=hoedtii);7.Hoplolatilus purpureus;8.H.marcosi;9.H.chlupatyi;10.H.starcki.
    以上のうち3と4は原記載 (Herre, 1926, 1928) 以来存在が確認されておらず, タイプ標本は戦時中失なわれた.以上のほかH.fronticinctusがルソンで採集されており, またB.argentatus, B.albus, H, cuniculus, H.fourmanoiriがフィリピン海域に分布する可能性がある.
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  • 後藤 晃
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 453-457
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    小川に設置されたガラス水槽中で, ハナカジカCottus nozawaeの求愛行動, 産卵行動及び雄の保護行動が観察された.
    水槽に導入された数尾の成熟雌と雄のうち, 最も体色の黒い雄が石の下のシェルターを占有した.シェルター内の雄は, 雌がシェルターの入口に近づいた時, この雌に向かって突進し, すぐにシェルターにもどった.この雄の動作に対して, 雌は逃げ去るか, または雄に続いてシェルターに入るかのいずれかの反応を示した.そして, 雌がシェルターに入った場合には一連の産卵行動が継続した.
    番を形成した雄と雌は, 正位の姿勢で寄り添い, シェルター内で数回輪を描くように回転した.数分後, 雄は逆位になり, 石の下面に沿って這うような行動をとった.まもなく, 雌も逆位になり, 雄は頭部を雌の頭部に重ね, 胴部を雌の胴部に沿って横たえ, 密着させた.雄と雌が口を開け, 激しく体を震わせた時, 雌は多数の卵を一度に放出し, その後ゆっくりと放卵した.
    産卵後, 先ず雄が正位にもどり, 次に雌も正常の姿勢にもどった.まもなく, 雌は雄による突きあるいは喰みつきによって, 産卵巣から逃げ去った.一方, 雄は産着卵とともに産卵巣に留まり, 約2週間後から胸鰭によるファンニング行動を始め, 艀化時まで続けた.
    このような生殖行動をハナカジカ属の他種のそれと比較した結果, 基本的な行動パターンは互いに類似するが, 幾つかの細部の行動には違いが認められた.
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  • Saleem Mustafa, Naheed Shams
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 458-460
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ヒレナマズClaras batrochusの骨格筋, 心臓, 腎および肝のRNAとDNA量を調べた.核酸の分布は極めて不均一であり, この現象について詳細に論じた.調べた諸組織のRNA/DNA比から諸組織中の両核酸の相対的割合の相違を明らかにした.
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  • 河野 博, 星野 忠義, 安田 富士郎, 多紀 保彦
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 461-465
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    地中海産のビンナガとクロマグロの仔魚は躯幹部の黒色素胞の有無により明瞭に識別された.
    両種の両顎, 躯幹および尾部の黒色素胞の出現状態には個体差が認められた.また, 従来太平洋産のビンナガとキハダは両顎の黒色素胞の出現状態で識別されているが, 地中海産のビンナガでは太平洋産キハダとは明瞭な識別がつかなかった.一方, クロマグロの各部位の黒色素胞の出現状態には地中海, 大西洋, 太平洋の間で地理的変異が認められた.
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  • Jack T. Moyer, Martha J. Zaiser
    28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 466-468
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1980年8月15日16時30分, 三宅島の水深12mの地点で全長約90cmの2尾のウツボGymnotborax kidakaが産卵しているのを観察した.両者は尾部をゆるくからませていたが, 突然腹部を押しつけ合ってから離れた.その瞬間精子による水の白濁が観察された.卵は直径約2mmの丸い浮性卵で, 親魚による卵の保護は観察されなかった.1980年7月29目19時30分には, 岸近くの水深2.5mの地点で, 全長約25cmのUropterygtus necturus4尾が群がって行動しているのを観察した.これは産卵直前の行動と思われた.
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  • 28 巻 (1981 - 1982) 4 号 p. 477
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
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