魚類学雑誌
検索
OR
閲覧
検索
30 巻 , 2 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 塩垣 優, 道津 喜衛
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 111-121
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    九州西方沖合の男女群島女島産のウバウオ科魚類の2新風2新種および日本ではあまり知られていないホソウバウオの記載を行った.Propherallodus gen. nov., Pherallodichthys gen. nov.はそれぞれ, Propherallodus briggsisp. nov., Pherallodichthys meshimaensis sp.nov.を模式種として記載し, 2新種にはそれぞれ新称ヒメウバウオ, メシマウバウオを与えた.新属ヒメウバウオ属は先端が丸い門歯が両顎に1列に並ぶこと, 眼前感覚管, 前鯉蓋感覚管の開口数がそれぞれ2, 3であり, 下顎感覚管が消失していること, 新属メシマウバウオ属は両顎歯とも1列の門歯からなり, 上顎側部のそれは先端に後方に向う鈎状突起を具えること, 眼前感覚管, 前鯉蓋感覚管の開口数がそれぞれ2であり, 下顎感覚管が消失していること等の特徴を有する.南アフリカ産のPherallodus smithiをヒメウバウオ属に移し, 同属2種の検索を与えた.
    ウバウオ科魚類の頭部感覚管系について, 既知の10種 (うち2種については一部) の他に, 新たに18種を追加し, 全亜科にわたる各感覚管の開口数について, 資料不足の段階ではあるが検討を加えた.同感覚管の退化は一部のものでは, 従来ウバウオ科の特化形質であるとされた鰓膜の峡部への付着, 歯の特化, 複吸盤から単型吸盤への特殊化, 腰帯と下後鎖骨との関節部の特殊化等を伴なわないで進行しており, ウバウオ科内で吸盤の退化傾向を示すものと, さらに特殊化へ向うものの2つの大きな系統の存在が想定された.さらに, 同属内の各種間の感覚管の開口数については, 原則的には同一であることは確かなことと考えられ, 属を識別する場合の一つの有効形質となり得ると考えられた.
    抄録全体を表示
  • Ronald Fricke, Martha J.Zaiser
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 122-128
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    三宅島および八丈島からネズッポ科魚類の1新種ヒメテグリSynchiropus kiyoaeが20個体採集された.本種はSynchiropus postulus groupに属するが, postulus groupの他の3種, S.postulus, S.minutulus, S.laddiとは背鰭の形や体色斑紋のちがいにより区別される。なお, 本種の生息環境, 産卵行動についても言及した.
    抄録全体を表示
  • 山岡 耕作
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 129-141
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    タンガニーカ湖に固有なPetrochromis属魚類の1新種P.macrognathusを記載した.同属の他の5種についても, 比較のために主要な形質の記載を行なった.本種は同所的に生息し形態的に最も近縁だと思われるP.polyodonと次の点で容易に区別できる: 体高が低いこと;口唇後縁が眼の前端部から体軸におろした垂線にほぼ達すること;突出した上顎;厚い上顎唇;前上顎骨上方突起が吻部へ顕著に突出すること;下顎の順部にくぼみがみられること;短い胸鰭;脊椎骨が多いこと;背鰭軟条が多いこと;背鰭および臀鰭基底部に多数の小鱗の存在すること;全身濃緑色の成熟雄を除くと, 体側に11~12本の暗緑色横帯の存在すること.生態的にも両種間には, 摂食行動, 微生息場所に差がみられる.外部形態にもとづき, Petrochromis属6種の検索表を作製した.
    抄録全体を表示
  • 片山 正夫, 益田 一
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 142-145
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    沖縄慶良間列島座間味島の水深18米の岩礁地帯から得られたハタ科ハナダイ亜科の新種ケラマハナダイAnthias (Pseudanthias) truncatusを記載した.本種は雄の尾鰭が截形で, 背鰭第7棘から第10棘の基底部に1個の暗赤色斑紋があり, 雌の尾鰭後縁はわずかに湾入し, 上下両葉の先端部に1個の赤色点があることなどで同属の既知種と識別される.
    抄録全体を表示
  • Helen K. Larson
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 146-149
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アラフラ海から採集された共生ハゼの1種を新種Lobulogobius morriguとして記載する.本種は他の既知種L.omanmsisと側偏した頭と体, 前鯉蓋骨の角にある歯状突起, 無鱗の項部によって区別される.L.omanmsisはオーストラリアから初めて記録された.
    抄録全体を表示
  • 駒田 格知
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 150-157
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    オイカワの稚魚期における脊椎骨異常の発現状況および発現機序について検討した.揖川産オイカワ稚魚 (標準体長8.0~33.0mm) における脊椎骨異常の発現頻度は, 矢作川や土岐川産稚魚よりも明らかに高かった.この場合の揖斐川産稚魚における主要な異常は, カルシウム塩の異常沈着物によって2個又は3個の椎体が連結されている異常椎体であり, 椎体の螺旋状縫合の約7倍, 短縮椎体の約14倍の出現頻度であった.全脊椎骨を通じて, カルシウム塩の異常沈着物が認められた稚魚は, 4, 564尾の揖斐川産稚魚 (体長8.0~19.0mm) 中273尾 (5.98%) であり, このうち171尾 (62.6%) でこの異常沈着物が2個の椎体の側面に共通的に付着し両者を連結し, 13尾 (4.8%) では3個の椎体を連結していた.この時, 個々の椎体の間隙は明瞭であった.このような異常連結椎体は体長8.0~19.0mmの時期にのみ認められ, それ以後は明瞭なゆ合椎体を呈していた.しかし, これらの椎体の表面は滑らかではなく, 神経棘や血管棘の発育も非常に悪かった.また, 体長19.0mm~25.0mmの稚魚におけるゆ合椎体の発現頻度および発現位置は, 体長8.0~19.0mm稚魚におけるカルシウム塩異常沈着物によって連結された異常椎体のそれらと同じであった.以上の結果から, オイカワ稚魚期における椎体側面でのカルシウム塩の異常沈着による椎体の連結がゆ合椎体の発現誘因の一つであることが示唆された.この型の異常椎体の発現頻度は河川によって異なっていた.
    抄録全体を表示
  • Lori J. Bell
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 158-167
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    イトビキベラの生殖行動が伊豆諸島の三宅島で1979年7~9月に観察された.ほとんどの雄はなわばり性を示したが, 雌は群れを形成していた.個々の雌は雄のなわばりを移動し, 生殖行動はランダムではないが乱交的であった.三宅島における生殖時期は5~9月と推定された.生殖行動は午後顕著になり, 3段階の産卵前行動, 即ち誇示, 雌への突進, 回転が観察された.産卵はペアで行なわれた.産卵時刻は日没が早くなるにつれて早くなった.産卵時刻と光の強さに関係のあることが示唆された.なわばりを持つterminalphaseの雄による産卵行動の妨害も観察された.In.itial phaseの雄は本研究の個体群の中には見られなかった.雄のなわばり性は産卵にともなうなわばりを防衛する行動に基づいていた.
    抄録全体を表示
  • 後藤 晃
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 168-175
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    近縁な淡水カジカ2種, エゾハナカジカとハナカジカが共存する北海道南部の数河川で, 産卵期・産卵場所・産卵巣の位置の微環境条件を調べ, さらに水槽内で両種の産卵行動の観察及び同種・異種間の雌雄の組み合せによる簡単な配偶者選好性実験を行なった.
    産卵期は, 生殖腺重量比の変化及び河川内での産出卵塊と孕卵雌魚の出現時期から, エゾハナカジカは4月中旬から5月中旬, ハナカジカは4月下旬から5月中旬までと推定された.産卵域は, 1河川でのみ下流域上部に両種の混棲産卵域が存在したが, 他の河川においては, エゾハナカジカは下流域, 一方ハナカジカはそれより上部の中・上流域というように, 両種間で分離して存在した。さらに, 産卵巣の位置する微環境条件一水深・流速・底質・産卵巣として利用する石のサイズ-には, 両種間で重複した特徴が認められた.両種の一連の産卵行動は酷似し, 基本的な行動パターンに違いは認められなかったが, 異種間の雌雄の組み合せでは, 番い形成。産卵に至ることはなかった。
    以上の結果から, エゾハナカジカとハナカジカは, かなり厳密に生殖的に隔離されており, その隔離機構としては, 産卵域の分離と産卵行動上での何らかの不適合が重要な役割を果していると考えられた.
    抄録全体を表示
  • George M.Hughes, 梅澤 俊一
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 176-183
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ハマチ及びイザリウオの鯉の構造について透過及び走査電子顕微鏡を用いて調べた.これらの2種は習性が著しく異なっているが, 両者とも他の海産魚類にみられる構造と非常に似通う基本的構造をもっている.ハマチは不活発なイザリウオ (6μm) にくらべて呼吸水が血液とより密接 (4μm) するような大きい鯉組織をもっている.これら両者にみられる水/血液の間の障壁は上皮層と基底膜及び柱状細胞層からできていて, ハマチでは上皮の表面に螺旋状の微小隆起がみられる.イザリウオでは塩類細胞がよく発達し, 又, 鯉は水流に対する抵抗が少なくなるような多少あらい網目構造をしている.更に鰓弁はそれほど発達していなく, 第4鯉弓では後部hemibranchが欠けている.各鰓弁の片面における1mm当りの二次鰓弁の数はハマチは28であり, イザリウオではわずかに14~15である.体型測定的な拡散容積はハマチがイザリウオのおよそ2.5倍も大きいことになる.
    抄録全体を表示
  • Hiroshi Onozato, Masaru Torisawa, Masayuki Kusama
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 184-190
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The erythrocytic size method for determination of ploidy in the crucian carp, Carassius auratus (Linnaeus) collected from Hokkaido was examined. The ploidy of 17 fish was determined by somatic chromosome number.The mean major diameter of 20 erythrocytes per individual ranged from 13.0 to 14.4μm in 5 diploids, from 15.4 to 17.7μm in 7 triploids and from 20.6 to 22.2 μm in 5 tetraploids. The shape of erythrocytes tended to be more long and slender with the increase in ploidy. The distribution of the mean major diameter of 20 erythrocytes per individual was examined in 31 fish collected from Lake Akan and in 32 fish from the Tokoro River.They were divided into three groups according to their erythrocytic size.Karyotype analysis of 8 fish from the Tokoro River and erythrocyte shape suggested that the animals belonging to the first group, with the smallest erythrocytes, were diploids, while those belonging to the second group were triploids and those belonging to the third group were tetraploids.The critical size between diploid and triploid was 15 μm in mean major diameter of erythrocytes and that between triploid and tetraploid was 19 μm.
    Ploidy was determined for a total of 1, 534 samples collected from 24 sites throughout Hokkaido by the erythrocytic size method. They were composed of diploids (38.3%), triploids (59.5%) and tetraploids (2.2%). Triploid fish were collected from 22 collecting sites and were the most dominant in 18 out of the 22 sites.Tetraploid fish were found in only 6 collecting sites located mainly in Eastern Hokkaido.
    抄録全体を表示
  • 塩垣 優
    30 巻 (1983 - 1984) 2 号 p. 191-194
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    リュウグウギンポの模式標本 (完模式標本, 72.0mm SL;副模式標本, 3個体, 48.4~63.3mm SL: 全て函館産) と青森県産のフサギンポの各成長段階の多数の標本について, 体各部の計測値, 計数形質, 鱗の発達, 皮質突起の発達, 頭部の感覚管系, 体斑紋および歯の発達について比較検討した.
    リュウグウギンポは頭部に鱗がないことにより, 明確にフサギンポとは区別されるとされていた。しかし, フサギンポの頭部の鱗は体側の鱗に比べて, その発達は非常に遅く, 肉眼で識別し得るのはおよそ200mm SL以上の個体であることなど, リュウグウギンポの模式標本は全ての点においてフサギンポの若魚期に相当することが明らかとなった。従って, リュウグウギンポはフサギンポのシノニムであると結論された.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top