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30 巻 , 3 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
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  • 望月 賢二, 白木原 国雄
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 199-207
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    尾鷲沖から得られた標本に基づき, 新種Epigonus ctenolepisナガヤセムツを記載した.本種の形態的特徴は, 体が側扁していること, 主鯉蓋骨に強い一棘があること, 8番目の肋骨がないこと, 背鰭軟条数が10であること, 側線鱗が櫛鱗であることなどであり, これらの組合わせにより, 同属の他種と容易に区別される.さらに, E.atherinoidesヒラヤセムツが, 九州・パラオ海嶺中の駒橋海山から得られた標本に基づき, 記載された.本種はこれまでハワイとフィリピンより報告されているもので, その形態的特徴は, 胸鰭基底部における体高は体幅より大きくないこと, 側線鱗が円鱗であること, 第2背鰭軟条数が10であること, 第8番目の肋骨がないことなどである.
    以上の結果に基づき, 日本産の既知種E.pectiniferヤセムツとE.denticulatusハゲヤセムツを加え, 日本産本属魚類4種の検索表を作成した.
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  • 矢野 和成, 田中 彰
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 208-216
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    駿河湾における深海性サメ類の生態学的研究を行ない, 今まで大西洋でのみ報告されていたマルバラユメザメ (新称) Centroscynus coelolepisが水深300mから1, 200mの問で初めて採集された。本報では, 従来日本から報告されているユメザメC.owstoniとマルバラユメザメの形態学的比較を行なった.マルバラユメザメは腹部に隆起を持たない点, 成体の鱗が頭部と躯幹部で同形である点, 腸螺旋弁数が16-21でユメザメの11-15と異なっている点等で区別できる.
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  • 矢頭 卓児, 山川 武
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 217-220
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    土佐湾より得られた2個体 (標準体長, 151.0mm, 88.0mm) をもとに新種ヒメソコホウボウPterygotrigla multipunctata sp.nov.を記載した.本種はソコホウボウP.hemisticta (Temminck et Schlegel) に似るが, 本種には上膊棘がないこと, 胸鰭鰭条数が13+iiiであること, および第1背鰭に眼径大の1黒色斑がないことで区別される。また, 本種はフィリピン産のP.tagala (Herre et Kaufhnan) とは, 上膊棘がないこと, 吻長が眼窩径より明らかに長いことで明瞭に区別できる。
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  • 田北 徹, 岩本 輝幸, 甲斐 修也, 曾我部 一郎
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 221-226
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    バナビヌメリを水槽で飼育し, 産卵行動を観察した.成熟過程についても知見を得た.目中, 雄は雌に求愛誇示をし, 他の雄と争う.夕刻, 全ての個体は一旦砂にもぐって静止する.午後9時前後に, 暗夜の中で, 6尾中2尾の特定の雄が砂中にひそむ雌を探し, 次々に産卵した.他の雄は産卵に加わらなかった.これらの行動から, 雄は日中, 行動域と雌の確保のために争い, それを確保した雄だけが自分の行動域内の雌と産卵すると考えた.同一の雌がある期間にわたり毎日産卵する.次回に産み出される予定の卵は, 産卵時刻の約6時間前に胚胞が移動し, 1時間前までに排卵される.海から採集した直後の個体の卵巣成熟度から, 本種は自然でも夜間に産卵すると考えられた.
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  • 前川 光司
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 227-234
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    多くのサケ科魚類の雄には, 降海型と河川残留型の二型がみられる.然別湖に生息する陸封型オショロコマ (ミヤベイワナ) も同様に, 雄の二型が知られている.1982年9月から10月にかけて, 放精.産卵に至る23例の産卵行動を観察した.pairは体の大きな降湖型で形成され, 体の小さな河川残留型数尾がその回りに集中した.残留型はpairを形成する降湖型雌雄にはげしく追い払われた.pairの放精放卵中, 残留型には二つの行動が認められた.一つはすばやく産卵床に突入して放精し, 他は卵を食べる, という行動であった.こうした行動は, 他の動物にみられるstreakingとよく似ていた.これはpairを形成できない残留型が, 自らの仔を残すための繁殖戦略であるかもしれない.
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  • 岡崎 登志夫
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 235-246
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    北太平洋には北米大陸の諸河川を起源とするスチールヘッド・トラウトが広範に分布していることが知られている。また, アジア側にはカムチャツカ半島を中心とした地域にこれと極めて近縁なカムチャツカン・トラウトが分布しており, その降海型が北太平洋にも分布することが推定されていた.1972~82年に日本のサケ・マス調査活動によってスチールヘッドとして記録された漁獲データに基づき, 北太平洋における両種の分布, 豊度及び季節移動について検討した.
    分布域は春から夏にかけて北太平洋の西部にまで広がり, 6月以降はオホーツク海にも分布が認められた。潮上地域及び湖上時期との関連から, オホーツク海や北太平洋の西部で漁獲され, スチールヘッドとして記録されたものの大部分はカムチャッカン・トラウトであったものと考えられた。季節的分布の推移から, これらは北太平洋の中部以東で越冬し, その後カムチャツカの潮上河川へ向けて北西へ回遊するものと考えられた.一方, 標識放流結果からはスチールヘッドが夏季には少なくとも東経175° 付近にまで分布を広げていることが確認された。北太平洋での分布は東西に帯状に連なっており, その豊度には特に切目がみられないことから, 両種の海洋生活期中における分布は大きく重複しているものと考えられた.
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  • 工藤 重治, 木村 紀彦
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 247-260
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    細菌性鯉病の初期病巣は超微形態学的には二次鯉弁の肥厚によって始まる.その上皮細胞は立方または円柱状, 塩類細胞は円形または卵円形である。しかし, 粘液細胞の形は識別できるほどの変化はない。これらの細胞間には大食細胞や好中球の浸潤がみられる。また, 上皮細胞, 塩類細胞および粘液細胞の自由表面では形質膜の小胞化がよくみられる.二次鯉弁の表面には球状の突出物がしばしば現われるが, これはプラークに相当するものと思われる.これは肥大した上皮細胞や塩類細胞の細胞質が変性し, 最終的には周縁の細胞質と核のみが扁平状に残り, しかもその変性した細胞質は大食細胞によって貧食され, 内部が空胞 (液胞) 状に膨化して出来たものである.これらの球状体の形成には1~ 数個の細胞が関与している.
    病巣の進んだところ, すなわち過形成の部位では二次鯉弁や鯉弁の癒合, 上皮細胞の分裂像, 病巣内部に閉じ込められて変性しつつある上皮細胞や塩類細胞の周縁細胞質の除去, 游走細胞の浸潤および柱細胞の形態学的変化がみられる.
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  • 梅澤 俊一, 足立 茂, 種田 耕二
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 261-267
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アユの酸素消費量に及ぼす群効果をアユの成長段階との関係から調べた.アユは稚魚から成長するにつれて遡河, すみわけ, 降河と行動習性がかわり, すみわけの時期では攻撃行動を示す.酸素消費量はポーラログフ酸素電極を用い, 流水式の呼吸室により, アユの呼吸前後の水の溶存酸素量の差から求めた, 呼吸室に入れた単独のアユが両側に1個体ずつ配した同種の魚に視覚的に接した場合, 単独アユが群れ飼育及び3個体飼育で攻撃行動を示した個体あるいは単独飼育で標準体長およそ9cmに成長した個体のときは酸素消費量が増加したが, これらの飼育で攻撃行動を示さなかった個体あるいは標準体長がおよそ9cmに達しない個体のときは酸素消費量が減少したか, もしくは変化を示さなかった。アユの酸素消費量に及ぼす群効果には成長段階による相違があり, 酸素消費量の増加の興奮効果はアユのすみわけと攻撃行動習性に由来し, 酸素消費量の減少の安静効果は群行動習性に起因すると云えよう.
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  • 福田 芳生
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 268-274
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    水中に混入した化学物質によって魚類の鯉にしばしぼ強い上皮の増殖 (hyperplasia) が招来される.この鯉の病変は水中に溶存する環境汚染物質について調べる上に良い指標となる.この増殖はどのような過程を経て形成されるのか, また, それは可逆的なものであるのか不可逆的なものであるのかを知ることを目的として, 界面活性剤によって誘導された魚類の鮒の増殖について, 光学ならびに走査型電子顕微鏡により観察した.
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  • 北島 力, 塚島 康生
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 275-283
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    魚類養殖において, 交雑や選抜により利用価値の高い, また環境抵抗性の強い優良品種を作り出すことが試みられてきた.コイ, フナ (キンギョ) では昔から経験的手法によって優良品種が作られ, 近年に至ってサケ・マス類とともに活発な研究も行われるようになり, 多くの知見が集積されている (鈴木, 1966a, b, 1979).しかし海産魚については, 主としてタイ科 (原田, 1964;原田ほか・1966;原田ほか, 1968;熊井ほか, 1971), イシダイ科 (原田ほか, 1970;原田・熊井ほか, 1971;原田, 1974) ・イシダイとクロダイ (原田ほか, 1969), ブリ属 (原田・熊井ほか, 1971;原田・村田ほか, 1971;原田ほか, 197.) およびトラフグ属 (藤田, 1966) での交配が試みられてはいるが, それら交雑種の形質や養殖品種としての評価に関する報告はほとんど皆無である.
    筆者らは, タイ科 (Family Sparidae), ヘダイ亜科 (Subfamily Sparinae), ヘダイ属 (Sparus) のヘダイSparus sarba (Temminck et Schlegel) と, 同亜科クロダイ属 (Acanthopagrus) のクロダイAcanthopagrus schlegeli (Bleeker) の属間雑種の形態や, 成長, 低水温・低塩分耐性などの養殖適性について, 対照魚種との比較を行った.その結果, 交雑種は多くの形質でヘダイに酷似し, 母系遺伝が強いことが明らかになったので, その概要を報告する.
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  • 河野 博, 多紀 保彦
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 284-290
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    マダイの研究途上で生じた鰭支持骨の形成過程に関する問題について, 他の24種の仔稚魚の観察を補足して考察した.
    その結果, 以下のことが示唆された: 背・轡鰭の近担鰭骨と遠担鰭骨は別々の軟骨から生じる;最前部の近担鰭骨は, 2本の棘と2次的に関節している場合には, 2つの近担鰭骨から由来する;stayは担鰭骨のこん跡である;烏口骨と肩甲骨は単一の軟骨から発達する;輻射骨は1枚の軟骨板から分化する;特化した魚類の尾部棒状骨は2個の尾鰭椎と1個の尾鰭椎前椎体からなる;尾骨のゆ合は魚種によって, そのパターンが異なる.
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  • 須田 有輔, 富永 義昭
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 291-296
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    オーストラリア北西岸沖, 小笠原諸島近海およびミクロネシア北部海域から得られた6個体のスズキ亜目魚類は南太平洋とカリブ海から報告されているScombrosphraena oceanica Fourmanoir, 1970と一致した.一方, Scombrosphyraena oceanicaとキューバ沖から報告されたSphyraenops bairdimus Poey, 1858~61 (新称: トゲメオキムツ) は酷似しており, 種レベルでの相違は見出せなかった。従って, これら両種を同一種とみなし, Scombrosphyrama oceanicaをトゲメオキムツのジュニア・シノニムとした.
    トゲメオキムツは前上顎骨の柄状突起が退縮していること, 主上顎骨の後端が尖っていること, 涙骨の眼窩縁が鋸歯状になっていることや鰓条骨が6本ある等の特徴の組合せで他の原始的なスズキ亜目魚類から区別される.
    小笠原諸島近海から得られた1個体のトゲメオキムツは本種の日本初記録である.
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  • 谷津 明彦, 岩田 明久, 佐藤 光昭
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 297-300
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    フタホシニジギンポPetroscirtes springeri Smith-Vaniz, 1976が愛媛県西海および静岡県富戸から, また, イヌギンポP.variabilis Cantor, 1850が沖縄県石垣島から得られた。両種とも従来の報告による北限は台湾であり, 目本では初記録となるので, 両種を記載し, 新和名を提唱し, 日本産ニジギンポ属Petroscirtes4種の検索表を付した.本報告は, フタホシニジギンポの世界で2番目の記録でもある。
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  • John D. Stevens, Malcolm C. Dunning, 町田 三郎
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 301-307
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    タスマン海南部で漁獲されたネズミザメ属12個体をプロポーション計測値, 歯の構造および配列, 体色にもとづいて調査した結果, 標本はL.nasusと同定した.またオーストラリア産L.whitleyiの分類学的位置を検討した結果, 本種はおそらくL.nasusと同一であるとみなした.
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  • 君塚 芳輝, 小林 弘
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 308-312
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ドジョウ科シマドジョウ亜科 (Cobitidinae) のシマドジョウCobitis biwaeについて, 分布域のほぼ全域から多数の材料を集めて核型分析を行なった。本種は染色体数から主として48を数える2倍性種族 (異数性の2n=46, 49, 50の少数個体を含む) と, 96を数える倍数性種族とに大別された。倍数性種族の地理的分布は本州。四国の瀬戸内海斜面地域に局限され, これらを取り囲むように他の地域を2倍性種族が占めていた。上野ほか (1980) が述べているように, 両種族間には地理的隔離がほぼ完全に成立していた。これら核学的種族の分布を概観すると, (1) シマドジョウの倍数化は現在の瀬戸内海の位置にかつて存在した大淡水域 (河川または湖沼) で起こり, (2) 日本海側の若狭湾流入河川や江川・高津川における倍数性種族の局所的な分布は, 分水界を接する河川の流路変更 (争奪あるいは盗流) に伴う瀬戸内海側からの浸潤によるものと推定された。
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  • Noritomo Komada, 駒田 格知
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 313-317
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    三宅島沿岸において1980年9, 月18日に採捕された脊柱彎曲ヒラマサ (体長37.0cm) の脊椎骨について記載し, 発現時期や原因について検討した。脊柱彎曲 (後轡) は腹椎で認められ, 第7および第8脊椎骨で椎体の上部が著るしく圧迫・短縮され (下部の60~70%) て襖状椎体を呈し, さらに, 脊椎骨間隔も上縁部で下縁部の約30%に減少し, これらが脊柱後彎の要素となっていた。この場合, 彎曲部位では棘間靱帯も引っぱられるようにずれていた。この脊柱彎曲のために腹椎が下方に突出して, 腹腔は著るしく圧迫・狭められていた.しかし, 体幹後部でゆるやかな前轡を呈しているにもかかわらず, 他の部位の脊椎骨では異常はみられず, また, 異常脊椎骨と他の脊椎骨の間で重さや骨の組織像についても差はみられなかった.以上の結果から, この脊椎骨異常は, 何らかの外的要因による体側筋の異常緊張によって脊柱の彎曲が生じた後の二次的変性として発現し, しかも発現時期は, 発生初期ではなくて採捕前かなり近い時期に発生したものと考えられる.
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  • 澤田 幸雄, 相澤 裕幸
    30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 318-323
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The nomenclatural history of Cobitis biwae Jordan et Snyder, 1901 was reviewed.It was concluded that the only valid substitute name of Cobitis taenia japonica Temminck et Schlegel, 1846 is Cobitis biwae, and the other substitute name, Cobitis taenia matsubarae Okada et Ikeda, 1939, is an objective synonym of Cobitis biwae.
    The lectotype and paralectotypes of Cobitis biwae were compared with four Japanese forms of the genus Cobitis on the basis of four characters, i.e., color pattern, the shape of the lamina circularis, the composition of abdominal and caudal vertebrae, and the position of the dorsal fin.While the lectotype agreed with a Japanese common striped loach, shima-dojo, the paralectotypes included two forms, Cobitis taenia taenia and C.taenia striata.
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  • 30 巻 (1983 - 1984) 3 号 p. 332
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
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