巻号一覧
32 巻 (1985 - 1986)
- 4 号 p. 379-
- 3 号 p. 273-
- 2 号 p. 129-
- 1 号 p. 1-
32 巻, 4 号
選択された号の論文の15件中1～15を表示しています
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波戸岡 清峰1986 年 32 巻 4 号 p. 379-386
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリーウツボ科魚類において顎歯の形態, 配列様式は重要な分類形質となるが, その顎歯に性的二型のあることがアラシウツボ属Echidna2種, ウツボ属Gymnothorax 1種において観察された.
アラシウツボ属のクモウツボE.nebulosaとシマアラシウツボE.polyzonaでは歯の形態に差異が認められる.これら2種の雄は前上顎骨板周辺列の歯が鋭い.またクモウツボの雄ではこの部分の歯および下顎前部の歯に顕著な鋸歯状部を持つ。一方, 両種の雌は鈍い円錐状である.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3187K) -
片山 正夫, 山本 栄一1986 年 32 巻 4 号 p. 387-391
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー西部インド洋のSaya de Malha Bankの水深120-190mから1新種Odontanthias dorsomaculatusと稀種Plectranthias bauchotae Randallが漁獲された.新種はO.unimaculatus (Tanaka) イッテンサクラダイと極めてよく似るが, 体高がやや低いこと, 側線鱗数が多いこと, および体色などで区別される.P. bauchotae Randallはマダガスカル南方海域から得られた1個体の標本に基いて記載されたが, 今回Saya de Malha Bankから7尾の標本が得られたので体色など精しく記載した.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (706K) -
増田 紳哉, 小沢 貴和, 多部田 修1986 年 32 巻 4 号 p. 392-399
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリーD'Ancona and Cavinato (1965) が規定したBregmaceros nectabanus Whitleyの3 formsの精査により, Southeast Atlantic and Indo-Malayan formとFiji Islands formは, B.nectabanus (Toyama Bay form) と尾鰭主鰭条数 (14に対し後種は13) および腹部の外観 (色素化しているに対し後種はしていない) において明らかに異なることが知られた.SE Atlantic and Indo-Malayan formを新種B.neonectabanusとして記載した.新種と色素配列のみで異なる残りのformの分類学的問題は今後の研究課題として残された.本研究で新種は日本周辺の2海域から採集された.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1118K) -
三木 徹, 丸山 秀佳1986 年 32 巻 4 号 p. 400-408
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー北海道のオホーツク沿岸海域から採集されたタウエガジ科の1新種ツチガジStichaeus fuscusおよび1稀種キタフサギンポSoldatovia polyactocepalaを記載した.
ツチガジはこれまで近似種のタウエガジStichaeus nozamiと混同されていたが, 背鰭棘数が41～45本で少ないこと, 腹鰭条は1, 3で最も内側の軟条が他の軟条より伸長すること, 背鰭は一様に暗色で明瞭な暗色斜走帯を持たないことなどによって, 明瞭に識別される.
一方, キタフサギンポは従来フサギンポ属Chirolophisの種と混同されていたので, 本種の特徴を明確にするため再記載した.また, 本種は目本海域にも分布することが初めて確認された.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1289K) -
沖山 宗雄, Robert Karl Johnson1986 年 32 巻 4 号 p. 409-412
発行日: 1986/03/15
公開日: 2011/02/23
ジャーナル フリー南インド洋亜熱帯収束海域 (44°48.4/S, 114057.3'W) から採集された1個体の稚魚標本, 体長37mm, に基づいて新種Rosenvlattichthys nemotoiを記載した.本種は同属の既知種とは計数形質 (臀鰭条数25, 胸鰭条数26-27), 付属色素域の配置 (背側域と側中線上の尾柄域の2個所に存在する) および非早成的胸鰭形成において異なる.本属の他種の記録はすべて35°N (大西洋) と35°S (太平洋) を限度とする海域にあることからみても, 本新種の出現域は特異である.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (635K) -
多紀 保彦, 河野 博, 原 士郎1986 年 32 巻 4 号 p. 413-420
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリーサバヒー仔稚魚の鰭支持骨と鰭条の発達過程を記載した.尾骨の形成は体長4.70mmで始まり, 30mm前後で骨化がほぼ完了した.尾鰭椎前脊椎1と尾鰭椎1のあいだで, 小軟骨片を介在して軟骨癒合が観察された.主尾鰭条は体長6.60mmで形成が始まり, 7.35mmで定数に達した.背・轡鰭の担鰭骨はそれぞれ体長6.70mm, 6.65mmから形成され, 近担鰭骨の全教はともに8.15mmで出現した.鰭条は両鰭ともに体長8.60mmから形成を開始し, それぞれ10.00mm, 10.70mmで定教に達した.胸鰭では, 体長4.65mmで擬鎖骨・烏口=肩甲軟骨・射出軟骨板がすでに形成を始めていた.中烏口骨は烏口=肩甲軟骨より派生し, 骨化の過程で分離独立することが観察された.鰭条は体長13.80mmから出現し, 20.00mmで定数に達した.腹鰭の基担鰭骨は体長13.00mmで初めて認められた.鰭条は体長13.80mmより出現し, 17.15mmで定数に達した.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (7289K) -
後藤 晃1986 年 32 巻 4 号 p. 421-430
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー北海道南部の大当別川において, 河口から上流約4km地点までの流域にほぼ等間隔に5っの調査区域 (1～V) を設けた.各区域で採集されたカンキョウカジカの成魚 (体長50mm以上) に個体識別マークを施し, mark-recapture法によって, 河川内移動, homerange, 流程に沿った個体群密度の変化について調査した.非繁殖期において, 生息密度, 体長組成及び性比に流程に沿った傾斜が認められた.つまり, 生息密度は, 最下流域の区域1で最も高く (3.45尾/m2), 上流に向うにつれて低くなる.大型の雄は下流域に多く, 上流に向うにつれて減少する.また, 性比 (♂: ♀) は区域1では約1: 3であり, 上流に向うにつれて雌の比率がより高くなる.この時期には, 各個体の生息場所は安定しており, そのhomerangeは流程で平均40.6mであった.一方, 繁殖期には, 教kmに及ぶ河川内での移動が認められた.つまり, 繁殖期前期には, 上流域に生息していた個体が下流方向に, また, 繁殖終了期には, 下流から上流方向に移動が起こる.この繁殖期にみられる移動は産卵回遊の一形態とみなされ, 本種の両側回遊性の生活環, 個体群構造の特徴及び一夫多妻的婚姻システムからみて, 適応的な行動習性であると考えられる.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1348K) -
岩水 正志, 板沢 靖男1986 年 32 巻 4 号 p. 431-436
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリーA corrosion cast of the entire blood vascular system was made by a single injection of resin from the heart of carp and a Japanese catfish. Either semipolymerized methyl methacrylate or Mercox CL with 30-50% methyl methacrylate monomer was used as the resin preparation. The latter was better for photographing. Both were polymerized by addition of 1% benzoyl peroxide.The segmental blood vessels of carp and a catfish showed an alternating arrangement of artery and vein in successive segments with some irregularity.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (5233K) -
町田 吉彦, 橘 良隆1986 年 32 巻 4 号 p. 437-439
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリーフクメンでタチウオBassozetus zenkevitchi Rass.1955が鳥島沖から2個体, 御前崎沖から1個体得られた.記録水深はいずれも2, 000mを越えて.いる, 本種は千島カムチャツカ海溝から得られた1個体に基づいて記載されて以来報告例がなく, 本報は第二番目の記録であり, 日本から初めての記録にあたる.なお, 本種の形態的特徴にちなんた新和名を提唱した.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2137K) -
Germán Pequeño1986 年 32 巻 4 号 p. 440-442
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリーチリ南方のディエゴ・ラミレス諸島から採集されたノトテニア科のNotothenia magellanicaとN.cornucolaおよびゲンゲ科のAustrolycus depressicepsの形態, 生態, 分布を記した.N.magellanieaは亜南極域に主に分布し, N.cornucolaは南アメリカの南部にのみ分布する.本種がニュージーランドに分布するという報告もあるが疑わしい.A.depressioepsの分布はN.magellanicaに似ており, 南アメリカの南部に出現する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (326K) -
沖山 宗雄1986 年 32 巻 4 号 p. 443-446
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー亜熱帯北西太平洋の下部漸深層 (1, 810～1, 990m) から採集されたチョウチンハダカIpnops agassiziと同定される変態期稚魚, 55mm SL, の外部形態の観察とその出現に関する生態的考察をおこなった.本個体はチョウチンハダカ科魚類幼期が中層において出現した最初の記録にあたり, この類の個体発育にともなう顕著な鉛直移動を考える上で貴重な情報を提供するものである.本個体は正常な発育段階にあり, 間もなく底生移行をおこなうことが予測されるが, 採集域の海深が約5, 700mであることから着底に成功する可能性は少なく, 本種にとっては海深の条件が, とくに北太平洋では, 地理的分布を支配する重要な要因であることが示唆された.本個体の外部形態上の特徴が底生移行の諸側面で適応的な内容を持っていることについても明らかとなった.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2437K) -
中坊 徹次, 田 祥麟1986 年 32 巻 4 号 p. 447-449
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー韓国京畿道始輿郡の半月面四里と蘇来邑芳山里の沿岸から, 韓国初記録のネズッポ科ネズッポ属魚類の1種, Repomucenus ornatipinnis (Regan) (新韓国名: Kkot-Tot-Yangtae;和名: セトヌメリ) を得たのでここに報告した.標本はいずれも水深10～30mの所に設置された小エビ類採捕のための小型定置網によって採集された.生息環境は砂泥底である.
体長約40～60mmの標本において, 韓国産セトヌメリは目本の仙台湾産のものに比べて明瞭に眼が大きいので, そのことも記した.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (318K) -
座間 彰1986 年 32 巻 4 号 p. 450-453
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー1984年1月 (夏) にチリ南部の小湖で採集されたGalaxiidae科魚類Galaxias platei 15個体について, いくつかの生物学的観察を行なった.標本の体長範囲は207-286nm, 体重範囲は176-3789であった.雄12個体のうち8個体は完熟精巣 (生殖腺熟度指数5.0-15.4) を有していた.雌3個体はすべて直径1.7-1.9mmの熟卵を持っており, 一部放卵後と思われる個体を除くと生殖腺熟度指数は約13で, 抱卵数は体長230日260mmの魚で20, 000粒前後と推定された.本種の産卵は少くとも夏期に行なわれることが確認された.枝角類, 魚卵および巻貝が主要餌料を構成していたが, 食べられていた魚卵はサイズおよび外観から同じG.plateiのものと判断された.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (572K) -
前川 光司, 日野 輝明1986 年 32 巻 4 号 p. 454-458
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー1984年10月, アラスカ州ジュノー近郊のモンタナ川において, 降海型オショロコマと河川残留型早熟雄の産卵行動を観察した.降海型1ペアあたりの早熟雄の集中率は約0.9 (N=15) であったが, 降海型雌雄の産卵中における, 早熟雄の1産卵あたりのstreaking成功率は0.6と高かった.Streaking行動のほとんどは放精行動であり, 顕著な卵食い行動はみられなかった.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (601K) -
鈴木 淳志, 多紀 保彦1986 年 32 巻 4 号 p. 459-462
発行日: 1986/03/15
公開日: 2010/06/28
ジャーナル フリー東南アジア産コイ科バルブス亜科のProbarbus jullieniとLeptobarbus hoeveniiの染色体とDNA量を調査したところ, 前者は2n=98, 後者は2n=50であること, DNA量は後者を1とした場合, 前者は1.686であることが判明した.これらから, Probarbus jullieniは4倍体起源の種であることが推定された.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (4592K)
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