魚類学雑誌
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35 巻, 3 号
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  • 西田 清徳, 仲谷 一宏
    1988 年 35 巻 3 号 p. 227-235
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    静岡県伊豆半島沼津及び下田沖の水深約10-20mからアカエイ属の新種イズヒメエイDasyatis izuensisが得られた.本種は菱形の体盤を持つこと, 尾部背面に隆起を持っこと, 体盤背面が金茶色で円滑であること, 尾部腹面の皮摺が白色でその長さが体盤幅の35%以下であること, 吻長が体盤幅の14.1-18.7%であること, 腸の螺旋弁の巻き数が18-20であることなどで, 他のアカエイ属の種と明瞭に区別される.
  • 西田 睦
    1988 年 35 巻 3 号 p. 236-242
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日本・琉球列島産アユの地理的変異の分析の結果, 琉球列島に生息するアユは他と明瞭に異なる独自の集団であることが分かったので, 奄美大島および沖縄島から得られた標本に基づき, これを新亜種Plecoglossus altivelis ryukyuensis (和名: リュウキュウアユ) として記載した.本亜種は, 縦列鱗数, 側線上・下方横列鱗数および胸鰭条数が少ないことにより, 基亜種と区別される.また, 本亜種は, いくつかの酵素分子が, 電気泳動的に他とは明瞭に異なることによっても特徴づけられる.
  • John E. Randall, Louise Wrobel
    1988 年 35 巻 3 号 p. 243-246
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ソシエテ諸島の300-420mからオキエビスOstichthys archiepiscopusO. sandix (従来はハワイのみからの記録) が採集された.また, 新種O. ovaloculusがタヒチ島から採集された.エビスダイ属の中では, 楕円形の眼と, 38と多い側線鱗数 (他の種では27から30) が本種の特徴である.エビスダイ属のうちの側線上方鱗数が31/2枚のグループに属し, このグループ内の他の種では背鰭棘が12本であるのに対し, 本種のみが11本である.南太平洋の島嶼の陸棚斜面の魚類相は充分に解明されていないので, これらの種が他の諸島から記録される可能性は大きい.
  • James K. Dooley, Patricia J. Kailola
    1988 年 35 巻 3 号 p. 247-260
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    インドネシア南部とオーストラリア北西部から得られたアマダイ科アマダイ属Branchiostegusの4新種を記載した.これらはいずれも色彩, 鰭の高さ, 顎の長さ, 位置, 前鯉蓋骨と尾鰭の形, 体の各部の相対長, 計数形質などにより同属の他種と明瞭に識別できる.世界中の同属16種の検索表, 15種の図, シノニムの要約を併せて示した
  • 佐々木 邦夫, Patricia J. Kailola
    1988 年 35 巻 3 号 p. 261-277
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
    インド・オーストラリア海域から得られたクログチ属Atrobucca (ニベ科) の3新種を記載した.A. kyushini (スミツキイシモチ) はボルネオ島沖の南シナ海で採集され, 標の側枝が標をつつみこまないこと, 側枝の腹分枝から出る小枝が前方に向かわないこと, 最後方の側枝が長くチューブ状であること, 口腔が白色であることで識別される.A. brevisは北部オーストラリアとパプア・ニューギニア沿岸で採集され, 短い胸鰭 (体長の23%以下) と第11脊椎骨が肋骨をもつことで特徴づけられる.A. adustaはパプア・ニューギニア沿岸で採集され, 23-24本の背鰭軟条と長い尾柄 (体長の27-30%) をもつことで他種と区別される.従来用いられてきた本属の定義はこれらの新種を含めるのに不充分であるため属を再定義した.本属は主に籐の側枝がよく発達した背分枝と腹分枝をもつこと, 耳石の内面にある溝の尾部がわずかに湾曲することによつて特徴づけられる.本属魚類の検索表を作製し, 本属のすべての種に標徴を与えた.
  • 須之部 友基
    1988 年 35 巻 3 号 p. 278-281
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    鹿児島県佐多岬から採集されたイソハゼ属の新種Eviota lacrimaeヤミイソハゼ (新称) を記載した.本種はIT管及びPOP管を欠き, 腹鰭が1棘4軟条で, その第4軟条は2分枝し, 腹鰭鰭膜が未発達であることから, 同属の他種と容易に区別できる.
  • Douglass F. Hoese, 小比賀 康
    1988 年 35 巻 3 号 p. 282-288
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
    日本からオーストラリアの西部太平洋熱帯域の撒地点から得られた, ハゼ科サンカクハゼ属魚類の1新種Fusigobius signipinnis (和名: ヒレフリサンカクハゼ) を記載した.本種は, 胸鰭条数, 体色, 大きく離れた左右の腹鰭及び背鰭の形態で他のサンカクハゼ属魚類と区別される.本種の雄は一般に雌より大きく, 性比は雌雄2: 1である.
  • Jorgen G. Nielsen, 町田 吉彦
    1988 年 35 巻 3 号 p. 289-319
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アシロ目アシロ科のシロチョウマン属はインド洋と西部太平洋に分布し, 水深40-823mからトロールで採集されている.本属魚類は揚網時に損傷を受けやすく, アシロ科の他の属に比べ同定が困難である.本研究では280個体の標本に基づき分類学的再検討を試みた.Cohen and Nielsen (1978) による本属の標徴形質のうち, 第1鰓弓の発達した鰓耙の数は14-41本に, 胸鰭鰭条数は20-26本に訂正される.上篩骨と涙骨が嗅房をとり囲むこと, 7-15本の擬鯉があること, 背鰭始部が第1-4脊椎骨上方かそれより前方にあることと, 耳石の形態を標徴形質に加えた.本属はargenteum種群とmacropus種群に2分される.前者は腹鰭が1軟条からなること (後者では2軟条), 基鰓骨中央部に1歯帯があること (2歯帯), 腹椎骨が11個であること (12-13個), 背鰭始部が通常第3-4脊椎骨の上方にあること (通常第1脊椎骨の上方かその前方) で後者と異なる.前者はG. argenteum, G. lucidumと, 本論文で新種として記載したG. effulgensを含む.後者はG. macropus, G. longipes, C. oceanium, G. japonicumを含む.本属の模式種であるG. argenteumについては耳石もより詳細に記載した.argenteum種群内では眼窩径, 擬鰓数, 胸鰭鰭条数と, 耳石の形態により種が識別される.macropus種群内では, 発達した鰓耙の数, 尾椎骨数, 胸鰭鰭条数, 腹鰭長, 擬鯛数, 背鰭と臀鰭始部での体高, 眼窩径により種が分離可能で, G. longipesは擬鰓の色彩と耳石の形態も特異的である.フィリピンから得られたG. effulgensは, 眼窩径が頭長の29.0-31.0%であること, 擬鰓が7-8本であること, 耳石は薄く背縁に明瞭なくぼみがあることで種群内の既知種と異なり, 新種として記載した.G. macropusの後模式標本と副後模式標本を指定した.G. joponicumシロチョウマンはKamohara (1936) により記載されたが, 後年Kamohara (1954) はこの種をG. ocearniumの同物異名とみなし, 以後両種の分類に混乱が生じた.しかし, 両種問では眼窩径, 臀鰭始部の背鰭鰭条との相対位置, 体高にわずかの重複が認められるにすぎず, また, 発達した鰓耙の数と鰓耙の総数が異なり, G. japonicumは有効種と認められる.本種の模式標本は第2次世界大戦中に焼失しており, 戦後蒲原が模式産地で採集した標本から新模式標本を選定した.G. oceaniumには新和名ニセシロチョウマンを与えた.現生種7種の類縁関係と分布を図示し, 検索表を提示した.
  • 長田 芳和, 中田 善久
    1988 年 35 巻 3 号 p. 320-331
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    柳川市を流れる矢部川水系二ツ川に生息する6種のタナゴ類の分布を1976年に調査した.本水路の上流部は流水域であり, 下流部は静水域である.ヤリタナゴ, セボシタビラ, カネヒラそしてカゼトゲタナゴは水路の流域を広く使用していた.アブラボテはより好流水性であり, ニッポンバラタナゴは主に静水域に生涯生息する.繁殖期には, ニッポンバラタナゴを除くすべての種類が二枚貝類の多い中流域で主に産卵するものと推定された.完熟卵を保有しないヤリタナゴ, セボシタビラそしてカゼトゲタナゴの成雌は下流の静水域に集合していた.これらの種とカネヒラの幼魚は下流域で成長し, そして繁殖期までに産卵場に遡上するものと推察された.6種のタナゴ類の生活様式を系統的類縁関係をもとに比較したところ, 同一の類縁群内の種問では異なる生活様式の組合わせを持っことが分った.
  • 宇和 紘, 王 蕊芳, 陳 銀瑞
    1988 年 35 巻 3 号 p. 332-340
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    中国南西部の雲南省には2種のメダカ, Oryzias latipesO.minutillusが, 温帯・亜熱帯性気候の高原地域と, 熱帯性気候の南部低山地域に, それぞれ生息している.雲南省産O.latipesの核型は, 2n=46, NF=68, 3M+8SM+2ST+10Aであった.動原体融合により生じたと思われる “大型” の中部着糸型染色体が1対あり, 核小体形成部位 (NORs) は次中部着糸型染色体の短腕末端部に位置していた.雲南省産O.minutillusの核型は, 2n=42, NF=42, 21Aで, NORsは端部着糸型染色体の末端部に位置していた.雲南省産O.latipesは形態, 核型ともに中国東部産のものと同じ特徴を持っており, 同じグループに属するものと思われる.雲南省産O.mi-nutillusは形態的にはタイ・ビルマ産のものと区別できないが, その核型は単腕染色体型で, 染色体融合型であるタイ国産のものとは異なっていた.この種は, 計測的には単腕型染色体グループに近い.雲南省産O.minutillusの単腕染色体型の核型がこの種の核型の基本型で, タイ国産O.minutillusの核型はこれから生じたのではあるまいか.雲南省およびその下流域に生息するメダカ属魚類の地理的分布は, この地域の水系と気候に密接に関連していると思われる.
  • Mahmoud Kassem, Athanase Thomot, Roland Bauchot
    1988 年 35 巻 3 号 p. 341-350
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    シマハゼTridentiger trigonocephalusの6つの動眼筋の形態と神経分布を調べた.直筋はすべて2っのタイプの筋線維からなっている.各筋肉は軟骨性又は線維性の鞏膜に付着し, また頭骨側では斜筋は篩骨板に, 直筋は副蝶形骨又は肥厚した線維性膜に付着する.動眼筋室は前後とも見られない.動眼神経は4本の束からなり, 滑車神経と外転神経はそれぞれ2本の束からなる.側直筋に2種類の筋線維があることと, 第6脳神経が2本の束からなることは, 魚類におけるこの筋肉が哺乳類の側直筋十眼球牽引筋と相同であることを示唆している.
  • 平井 明夫
    1988 年 35 巻 3 号 p. 351-357
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    海産浮遊性魚卵9種の卵門及びその周辺構造を, 走査型電子顕微鏡により観察した.浮遊性魚卵の卵膜全体には, 多数の小孔あるいは小瘤が均一に分布する.マイワシ, キス, イサキ, イシダイ, オニオコゼ, ハオコゼの卵では, 卵門周辺の表面が隆起し, この隆起した部分に点在する小孔は, 卵膜全体に分布する小孔より, やや大きく, 明瞭である.卵膜上の小孔が不明瞭なトカゲエソ卵は, 卵門周辺はほとんど隆起せず, 卵門のまわりにはいくつかの窪みが見られる.小瘤が卵膜全体に分布するスズキ卵も, 卵門周辺は平坦で, 卵門トンネル部の回りは小孔でかこまれる.イシガレイでは, 卵門周辺は平坦で, 卵膜上の小孔はトンネル部まで均一に分布する.マイワシ, トカゲエソ, キス, イサキ, ハオコゼ, イシガレイでは, 卵門は表面で漏斗状に開口する.卵門及びその周辺部の形態から, 海産浮遊性魚卵の魚種の同定が可能であると考えられる.
  • 宗原 弘幸
    1988 年 35 巻 3 号 p. 358-364
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    水槽内でニジカジカの繁殖行動を観察した.本種の1回の繁殖行動は, 産卵と交尾からなる.雄は雌を発見するとすべての鰭を広げ, 一連の求愛行動を行なう.初め, 雌は雄の求愛を無視しているが, 排卵状態にある時は, 最終的に求愛に応じ, 産卵とそれに続いて交尾が行なわれる.産卵直前になると, 雌は胸鰭と尾部および臀鰭で産卵床を掃き, 数回深呼吸の後, 尾部を幾分上方に反らせた姿勢で一気に数千粒の卵を産む.雄は産卵するまで, 雌の周りを側面誇示しながら旋回遊泳したり, 時には咬みっいたりするが, 産卵前に交尾することはなかった.産卵後, 雌は産卵前と類似した行動で尾部と臀鰭により, 卵を薄層状に広げて水槽底面に付着させる.卵塊を薄層状にすることは, 発生過程で卵に対する酸素供給を容易にするものと推察された.交尾は雌のこの行動の間に繰り返され, その際, 精液がペニスあるいは雌の生殖口から漏れ出るのが観察された.実験前まで交尾経験のなかった雌の産出卵は, この漏出した精子によって, 体外で受精する.卵塊を広げ終えると, 雌は産卵場所を去り1回の繁殖行動が終了する.通常, 雄は卵の近傍で過ごすが, ファニング等の保護行動は観察されなかった.また, 産卵期間中, 雌の生殖口周辺から臀鰭両側の基部にかけて, 皮下に漿液が貯留し水腫状を呈する.この水腫様の膨隆部は柔らかく, それ故, 卵塊を薄層化する際, 卵が潰されないように機能すると推察された.
  • 藤田 真二, 木下 泉, 高橋 勇夫, 東 健作
    1988 年 35 巻 3 号 p. 365-370
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    四万十川河口域の浅所にスズキ仔稚魚 (4.6-60.9mmTL) およびヒラスズキ仔稚魚 (11.2-55.1mmTL) が同所的に1986年1月から5月の間出現した.採集量はスズキの方がヒラスズキよりかなり多かった.スズキは, 出現量, 摂餌量ともコアマモ場内で多く, 主に橈脚類と枝角類を摂餌していた.一方, ヒラスズキはコアマモ場とそれ以外の水域で出現量, 摂餌量とも大差なく, 主に橈脚類と仔魚を摂餌していた.今回の結果から, 河口域はスズキにとっては主生育場であるが, ヒラスズキにおいては, そうでないことが示唆された.これら近似2種における初期生態の相違は, 両種の分化を推論する1つの手がかりとなるかもしれない.
  • 岩田 明久, 田 祥麟, 水野 信彦, 崔 基哲
    1988 年 35 巻 3 号 p. 371-381
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Larval development of Odontobutis obscura obscura, reared with Artemia sp.and Limnodrilus sp.for about two months, was observed in a room maintained at 20±0.5°C. The development was classified into nine nominal stages, and was compared with that of O. o. interrupta and of O. platycephala. The size and shape of the eggs and the development of this species are similar to those of O. o. interrupta and O. platycephala. From the juvenile stage, O. obscura is distinguishable from O. platycephala by the appearance of dark bands on the body located in the same position as in adults. O. o. interrupta is also distinguished from O. o. obscura in the juvenile stage by the presence of melanophores on the dorsal and ventral sides of the caudal peduncle. The anal fin fold of O. obscura is higher than the dorsal fin fold, but the two folds are equal in height in O. platycephala. O. obscura has a well-developed air bladder and swims high in the water at the feeding stage. O. platycephala has a poorly developed air bladder and swims on the bottom. Xanthophores are observed at an earlier stage and more strongly developed in O. obscura than in O. platycephala. Growth rate is faster in O. obscura than in O. platycephala. O. obscura spawns at a smaller body size than O. platycephala. In O. o. obscura, the arrangement of cephalic pit organs is completed at 14mm SL. In O. o. interrupta, this arrangement is completed at the same time or a little later than in O. o. obscura. The infraorbital and verticalantorbital pit lines of O. platycephala, which are separated in the adults, are connected until the juveniles measure about 30mm SL. These pit lines are connected even in the adults of O. o. obscura and interrupta. In O. platycephala, the sensory canals are first formed behind the eyes, then dorso-anterior to the eyes, then at the posterior edge of the preopercles and finally anterior to the eyes. Postocular canals begin to form in individuals more than 20mm SL. All individuals of O. o. interrupta more than 70mm SL have postocular canals. O. o. obscura has no sensory canals throughout life. The differences in growth rate, body size at spawning, and the time of completion of the cephalic lateral line system suggest paedomorphosis in the three taxa studied here.
  • 浜田 理香, 木下 泉
    1988 年 35 巻 3 号 p. 382-388
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    A total of 7, 000 larval and juvenile Plecoglossus altivelis was collected at semimonthly intervals with a small seine in a surf zone of Tei beach facing Tosa Bay during the period of June 1982 to May 1983. They occurred in the surf zone from middle October to middle May. About 500 larvae and juveniles (10.9-59.9 mm TL) were used to examine their feeding habit. The feeding incidences by collection dates fluctuated from 0 to 100%, with 90.6% in total incidence. They fed mainly on copepods (e.g. Paracalanus parvus and Oithona spp.) throughout postlarval and juvenile stages, while they first took small benthic animals at 53.0mm TL. Their food compositions were influenced fundamentally by the planktonic fauna of the surf zone, but larvae under 20mm TL tended to take relatively larger copepods.
  • 鈴木 淳志, 多紀 保彦
    1988 年 35 巻 3 号 p. 389-391
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Catlocarpio stamensisはタイ, ラオス, カンボジア, ベトナム南部に分布する大型のコイ科・バルブス亜科魚類である.本種はインドからビルマにかけて分布するCatla catlaと形態的に酷似しており, 背鰭条数, 咽頭歯数などで明瞭に区別されるものの, 過去には両種を混同した報告が少なくなかった.本研究でCatlocorpio siamensosの染色体とDNA量を調査した結果, 本種の染色体数は2n=98, 腕数 (arm number) は170, DNA量を他のコイ科魚類と比較すると四倍性のコイCyprinus carpio (2n=100) とほとんど等しく, 2倍性のPuntius orphoides (2n=50) の約2.28倍であることが判明した.Catla catlaのDNA量は未調査であるが, 染色体数は2n=50と報告されており, Catlocarpio siamensisの染色体数, DNA量と, 両種の形態的類似性を考え合わせると, この2種は倍撒関係にあるものと判断される.Catlocarpo siamensisCatla catla型の祖先型から染色体の倍数化によって出現し, 地理的に隔離された条件下で分化したものと思われる.両種の染色体数, 腕数は完全な倍数関係にはないが, これは倍撒化後の染色体再構成によるものであろう.
  • 名越 誠, Masta Mukwaya Gashagaza
    1988 年 35 巻 3 号 p. 392-395
    発行日: 1988/12/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Lamprologus attenuatusはタンガニイカ湖の沿岸域の砂場の石または岩に産卵し, 両親が稚魚の保護を行った.親の保護下の稚魚は成長に伴って湖底より水面に向って分布を拡げた.それらの稚魚の成長を調べるためスキューバ潜水により定期的に一部の稚魚を採集した.ふ化後30日間の平均成長率は0.44mm/dayであり, 全保護期間中の平均成長率は0.38mm/dayであった.これらの成長率はLamprologus属の他の5種の値に比べ, 最も大きい値であった.この種の成長率が高いのは, 生息魚類が少なく, 餌条件に恵まれた砂場で成育し, 成長に伴って分布空間を拡げるためであると推察した.
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