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37 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
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  • Supap Monkolprasit, Tyson R. Roberts
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 203-208
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アカエイ科の新種, Himantura chaophraya, をタイのチャオプラヤ川から採集した標本に基づいて記載した.本種は500kg以上になるといわれ, 主に淡水域に分布する種グループに属して, 大型になること, 吻端が著しく突出すること, 幅広くて薄い円型の体盤をもっこと, 眼が小さいこと, 体盤の腹面が黒くふちどられること, 尾部基底部が非常に狭いこと, 胸鰭条数が158-164であること, 腸のらせん弁の回転数が21であることにより特徴づけられる.この種グループはインド, ボルネオ, ニューギニアから知られ, またメコン川にも出現するようであるが, 博物館収蔵標本としてはチャオプラヤ川と東ボルネオ (インドネシアのカリマンタン) にあるマハカム川流域からのものが現存するだけである.
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  • 町田 吉彦
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 209-214
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    相模湾産の1個体 (雌, 標準体長558mm) に基づき, アシロ科ヨロイイタチウオ属の新種Hoplobrotula badiaクロヨロイイタチウオを記載した.本種は吻棘が極めて短く, 円鈍であること, 前鼻孔の直上に感覚孔がないこと, 背鰭鰭条数が94本であること, 臀鰭始部は第17背鰭鰭条の下方に位置すること, 腹椎骨数が13個であること, 腹鰭は頭部後端を大きく越えること, 頭と体は一様に黒褐色であることで既知の2種と区別できる.本属の3種の検索表を提示した.
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  • 福井 篤, 山田 梅芳, 小沢 貴和
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 215-223
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    福井・小沢 (1988) はダルマガレイ科の幼期発育の解説の中で, ナガダルマガレイ属の1種をトウカイナガダルマガレイArnoglossus yamanakaiとして記載した.しかしその原記載では模式標本が指定されておらず, 成魚の形態も記載されていない.そこで, 福井・小沢 (1988) における最大個体を後模式標本と指定し, 東シナ海で採集された成魚と共に記載を行なった.本種は腹椎数11本 (まれに12本), 小棘のある細長い鰓耙, および雄で背鰭前方背縁近くにある黒色縦走帯により, 同属の他種から識別される.本種は東シナ海および南シナ海に分布する.
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  • 佐々木 邦夫
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 224-229
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Richardson (1846) が中国産として発表したニベ科魚類Corvina grypotaは, その実体が不明のまま今日まで残されてきた. 今回, 本種の原記載とRichardsonが記載に際して参照した未発表の色彩画を検討した.その結果, 本種は中国と日本においてJohnius belangerii (Cuvier) と誤って同定されてきた種と同一であることが明らかになった.従って和名コニベ (松原, 1937) はJohnius grypotus (Richardson) と対応する.本報では本種の再記載とシノニムの整理を行った.本種は鈍円な吻, 幅広い両眼間隔 (体長の8.0-9.7%), 8本の臀鰭軟条, 多数の鰓杷 (6-7+1+10-14), 櫛鱗の覆う喉部などによって特徴づけられる.その分布は中国陸棚に沿って渤海から台湾を経て海南島に至る.
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  • 谷口 順彦, 本間 義治, 川真田 憲治
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 230-238
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日本産イトヨの淡水型の起源を解明するため, 北日本を中心とする各地の淡水型および遡河型集団から採集した標本を用いて電気泳動法によりアイソザイム遺伝標識を検出し, 集団間の遺伝的距離を推定した.淡水型と遡河型集団間の遺伝的距離の平均値は0.6746と顕著に大きく, この値は海産魚や淡水魚の同属内種間の遺伝的分化の平均的レベルに匹適した.一方, それぞれの型内での集団間の遺伝的距離の平均値は0.0006-0.0015と著しく小さかった.淡水型と遡河型集団間の遺伝的距離にもとづき推定された進化時間はおよそ340万年と極めて長く, 淡水型集団が遡河型集団から隔離された時代は最後の氷河期より遙か以前であって, 両集団が顕著な遺伝的分化を遂げた後, 現在のような分布状態に致ったことが示唆された.
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  • 深尾 隆三, 岡崎 登志夫
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 239-245
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Fukao and Okazaki (1987) で報告した和歌山県白浜産5種に沖縄産のアライソコケギンポNeoclinus okazakii (白浜にも出現) およびハダカコケギンポN. nudus (白浜に出現せず) を加えて, 日本産コケギンポ属Neoclinus 6種の遺伝的分化及び異同について, アイソザイムにより検討した.Nei (1978) の遺伝的距離からハダカコケギンポは白浜産のイワアナコケギンポN .lacunicolaとトーシマコケギンポN. toshimaensisに極めて近い類縁関係を示すことが判明した (N. lacunicola species complex).別の1群 (N. bryope species complex) に属するアライソコケギンポは, 沖縄産の個体も全てアイソザイム分析から同種であることが支持された.なお, この種の沖縄産と白浜産の問の遺伝的距離は0.001であった.
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  • 片野 修
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 246-255
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    カワムツZacco temminckiの体長・体重・生殖腺重量および二次性徴の変異と相互関係について解析した.個体の肥満度とGSI値は前繁殖期に著しく増加した.体長とGSI値は雌では後繁殖期を除けば正の相関関係にあったが, 雄では負の相関関係を示すか, 有意な相関を示さなかった.肥満度とGSI値の個体変異は前繁殖期および繁殖期に増大した.婚姻色と頭部の追星は雌雄ともに一年中みられたが, 繁殖期の雄でもっとも顕著であった.臀鰭上の追星は繁殖期の雄に限って発達した.これらの二次性徴の発達は必ずしも個体の成熟や高い繁殖能力を示すものではなく, 体の大きさと連関していた.婚姻色は追星の発達と体の大きさを知らせる個体間の信号として, 頭部追星は個体間の闘争のための武器として, 臀鰭上の追星は産卵時に産卵床を掘りおこす道具として発達すると推定される.
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  • 小林 弘治, 鈴木 克美
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 256-264
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    駿河湾産のイトヒキベラCirrhilabrus temminckiについて生殖腺の組織学的研究と外部形態の観察によって, 幼期における生殖腺形成ならびに生殖機能と雌雄同体現象の関連を検討した.全長11.4-19.5mmの個体の生殖腺は性的に未分化の状態にあるが, 全長21.1-29.6mmの個体では, 減数分裂前期の生殖細胞が増加して肥大卵母細胞も出現し, parovarian typeの卵巣形成を開始して, 全長31.0-40.4mmで生殖腺の卵巣分化が明らかとなり, 未分化生殖腺から精巣に分化する例は見出されなかった.卵巣は両性生殖腺を経由して二次精巣に変わる.駿河湾における本種の繁殖期は6-9月で, 卵巣機能を果たす最小の個体の大きさは全長50.4mm, 精巣機能を果たす最小の個体の大きさは全長88.2mmであった.雌雄両相が共存する生殖腺は, 繁殖期をはさむ4-7月と9-10月にそれぞれ見出された.ただし, 4-6月の両性生殖腺には雌相から雄相への移行の進展傾向は認められず, これらは当年の繁殖期には卵巣機能を果たすものと判断された.一方, 7-10月の間性像は明らかに雌性先熟雌雄同体現象の過程に含まれるものであった.また, 4月に小型個体だけで成る群から採集された標本中には, 全長約38mmの個体の生殖腺に雄性化が発現し, 二次精巣が全長約58mmの個体に出現している.本種は一次雄が存在しないmonandric typeである.体色が明瞭な終相を呈する個体は二次雄で, 始相を呈する個体には雌, 性移行中の個体, 二次雄の3者が存在する.本種の特徴とされる糸状の腹鰭第2軟条は, 体の成長に伴って伸長し, 結果的に雄では著しい伸長が見られることが明らかにされた.
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  • 喜田 潤, 板沢 靖男
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 265-272
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ニジマスOncorhynchus mykiss (=Salmo gairdneri) 脾臓の血管系の三次元構築を, 腐食鋳型法を主に用いて走査型電子顕微鏡で観察した.ニジマスの脾臓には, 哺乳類において見られる周動脈リンパ様組織鞘やリンパ小節に関連して特殊化した血管系は見られない.主要動脈は, 被膜下域に向けて細動脈を分出する.動脈性毛細血管が細網組織の網目構造に終わるいわゆる開放型循環が明確に示された.鋳型では樹脂の顆粒状の塊として現れる細網組織の網目構造は、赤血球貯蔵の重要な場所であると考えられる.被膜下域にある静脈は, 細網組織の網目構造の上に偏平に存在する.これらの静脈は一点に集まり, そこから脾臓の深部へ向かい, その大部分が直接中心静脈に連なる.細網組織の網目構造から中心静脈へ走るこれらの静脈は, 激しい運動のような緊急の必要時に, 赤血球を細網組織の網目構造からすばやく排出して循環血液中へ供給するのに適していると考えられる.
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  • 田中 彰, 塩原 美敞, 日置 勝三, 阿部 秀直, 西 源二郎, 矢野 和成, 鈴木 克美
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 273-291
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    駿河湾で採集した264個体のラブカChlamydoselachus anguineusをもとに, その生殖について調査した.本種は12月から7月の間に主に採集され, 成長段階および成熟・繁殖段階で棲息域を異にしていると考えられた.雄は全長1, 100mmですでに成熟しており, 雌は全長1,400-1, 500mmの間で成熟に達した.卵巣卵は重さ230-250gになると卵巣壁にある排卵孔から排卵され, 右輸卵管のみに入り, 卵殻腺で卵殻に包まれ, 子宮内に保持される.排卵は約2週間ごとに行われ, 排卵期間は数ヵ月におよぶと考えられる.初期の胚発生は非常におそく, 妊娠期間はすくなくとも3年半におよぶと考えられる.妊娠期間中, 卵巣卵は発達しない.胎仔が全長60-80mmに成長すると, 卵殻はそれからはがれ, 膣を通り排出される.胎仔は子宮内で主に卵黄によって全長約550mm, 体重380gまで成長し産まれる.全長400mm以上の胎仔は母体から栄養分を受けとっていると考えられる.1腹の胎仔数は2-10個体で平均6個体であった.雄の生殖腺指数は一年中ほとんど変化しなかった.雌は卵巣と子宮の状態から明瞭な繁殖時期がないと考えられる.卵殻に包まれた胎仔が最長134日海水中で生存し, その成長率は1月当り10-17mmであった.
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  • Terry J. Donaldson
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 292-301
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    サイパン島においてミナミアカエソSynodus dermatogenys (エソ科) の求愛・産卵行動を観察した.日没前になると, 決まった場所に複数の雄が集まり, レック的な求愛行動を示した.雄同士の攻撃行動は雌の到着前から産卵終了後まで続いた.産卵は日没直後に行われ, 各雌は一晩に1-3回放卵した.産卵の際には, まずペアが上昇を始め, 後に2-7尾の雄が加わってグループで放卵放精した.求愛場所に2個体 (雄と雌) しか現われなかった日にのみ, ペア産卵が観察され, その際には雌は一晩に1回しか放卵しなかった.
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  • 櫻井 真, 中園 明信
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 302-307
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The parturition of 4 Ditrema temmincki females (153-162mm TL, 1 year old), captured off Tsuyazaki (130°29'E, 33°47'N), northern coast of Kyushu, Japan, was observed in the aquarium using VTR from May 20 to 26, 1985. The 4 female released 6, 8, 8, and 10 embryos, respectively, within 1 or 2 days during the daytime. Of these, 29 were born alive and 3 dead. Just before and at parturition, respiration of the female became frequent and 2 white spots appeared on the female's side. At the initial phase of parturition of living embryos, the caudal fin appeared first from the gonopore. Within a minute to several hours, the caudal peduncle protruded and the embryo (51.4-58.2mm TL) slipped out. It was also observed that several embryos were released successively at intervals of several seconds to about 10 minutes. The three dead embryos, 1 of which was degenerating, were extruded headfirst. The young formed an aggregation and fed immediately after birth. Female parents swam indifferently from their young and did not show parental care. Observations on metamorphosis of embryos taken out from the female revealed that the embryos just before parturition had ruddy body color and large fins with a developed capillary system and spatulate extensions at their margins. These embryonic features disappeared within 1 or 2 days after embryos were transferred into seawater.
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  • 前畑 政善, 長田 芳和, 松田 征也, 秋山 廣光, 友田 淑郎
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 308-313
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The Biwa-sheatfish, Parasilurus biwaensis Tomoda, is endemic to Lake Biwa, and is the largest species of the Japanese silurid fishes. From 23 June to 17 July, 1988, the reproductive behaviour of this fish was investigated during night-time on the rocky shores in the south of the lake. Spawning occurred frequently during midnight following heavy rain. The behavioural patterns observed were as follows: A female first searches for a spawning site, with a male following behind. Immediately the female stops, the male first places his head under that of the female and then, by bending his body towards her anal fin, positions himself such that his tail is towards the end of the female's snout. From this position the male then begins to wrap his tail around the head of the female, gradually winding his body tighter and moving along the body of the female until positioned at the centre of her body. The male then winds his body tightly around the dorsal side of the female's abdomen for 20-30 seconds. The female then shakes her head from side to side several times, and orientates her body downward. This behaviour causes the male to become separated from the female. Immediately after separation, the female releases a large number of eggs, and circles around with the male following on the inside. Although gamete release by the male was not actually observed, it seems likely that the eggs are fertilized during such circling. After circling, the pair turns round twice violently, causing the eggs to become widely scattered. The pair, then swim away with the female in the lead. Reproductive behaviour of the Biwa-sheatfish was compared with that of the Japanese sheatfish, Parasilurus asotus Linnaeus, in temporary waters around paddy fields. Some differences in reproductive behavioural traits were recognized between the two species.
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  • 町田 吉彦, 太田 秀
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 314-317
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1986年5月28日に熊野海盆の水深2, 029-2, 045mでアシロ科の深海魚フリソデアシロ (新称) Eretmichthys pinnatusを1個体採集した.Eretmichthys (フリソデアシロ属: 新称) はオール状の極めて長い胸鰭を持つことで他のアシロ科の属と容易に区別できる.この標本を詳しく報告し, 従来記載されていなかった側線について特に言及した.本種はインド洋, スラウェシ島近海, およびコロンビア沖の太平洋から知られているのみであり, 未確認の1個体があるものの本報告が日本からの初記録となる.なお, 我々の標本 (雄, 標準体長386mm) はこれまでの最大個体であり, また, 新称は特徴的な長い胸鰭に由来する.
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  • 木村 清志, 河野 芳巳, 塚本 洋一, 沖山 宗雄
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 318-320
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    岩手県沖, 千葉県沖, 三重県沖および和歌山県沖の太平洋から中深層性魚類ニセイタチウオ科 (新称) Parabrotulidaeの1種ニセイタチウオ (新称) Parabrotula plagiophthalma Zugmayer 9個体を採集した.本科は本種とLeucobrotula adipata Koefoed, およびMiya and Nielsen (1990) によって報告されたニセイタチウオ属 (新称) Parabrotulaの1未記載種の3種のみで構成されている.本科魚類は体がやや側扁したウナギ型であること, 不対鰭が連続していること, 腹鰭がないこと, 鼻孔が2対であることなどの特徴を有している.本種は北大西洋や南西インド洋, 南北太平洋に分布し, 北大西洋のみに分布するL.adipataとは吻が尖っていること, 体が黒色であることなどによつて区別される.また, 同属の未記載種とは脊椎骨数などで区別される (宮・Nielsen, 1990;宮, 私信).従来の北太平洋での採集記録はParin et al.(1977) が琉球海溝で採集した1個体のみであるが, 著者らの採集結果から, 本種は比較的稀種ではあるが, 日本の太平洋岸に沿った沖合中深層に広く分布しているのではないかと考えられた.
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  • Vicente Gomes, Phan Van Ngan, Maria José de Arruda Campos Rocha ...
    37 巻 (1990 - 1991) 3 号 p. 321-323
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ブラジル産海産ナマズBagre bagre (ハマギギ科) の雄の染色体が観察された.本種の核型は2n=56で, 中部着糸染色体 (m) =24, 次中部着糸染色体 (sm) =26, 次端部着糸染色体 (st) =6であった.本種の核型は, 従来報告されているハマギギ科3種の核型 (2n=54) と比べて, 2nが多いばかりかmやsmが多いことが特徴的である.
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