魚類学雑誌
Online ISSN : 1884-7374
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38 巻 , 4 号
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  • 町田 吉彦, 岡村 収
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 341-347
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アシロ科のHomostolusイトヒキイタチウオ属にはH.acer Smith et Radcliffe, 1913とH.japonicus Matsubara, 1943が記載されている.本研究で, 44個体に基づき, 本属の分類学的再検討を行った.標本を産地により3群に分け, 計測・計数形質を比較したが, いずれの数値も3群間で重複した.同時に, これらの数値はH.acerの完模式標本と, H.japonicusの原記載の数値と一致することから, 本属はH.acerのみを含むと判断される.H.acerの計数形質にみられる地理的変異を統計処理した結果, 特に第1鯉弓の平均鯉耙数は, フィリピン・セラム海産の標本が日本産およびチモール海・オーストラリア産の標本に比べ明らかに少ないが, 後2群間には有意差が認められなかった.したがって, 本種はフィリピン海域から南北両方向へ分布を拡大したと考えられる.本種が日本, フィリピン, インドネシア, オーストラリア北西部のインド洋と東部のタスマン海にかけての水深400-700mの海洋底に生息することが判明した.
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  • G. Springer, E. Randall
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 349-355
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    体長63.4-95.9mmの12尾の標本をもとにPlatygobiopsis akihitoを記載した.本属は願に1対のひげがあること, 孔器列を伴う肉質の2列の横列皮褶が頬にあること, 頭部側面前半に孔器列を伴う縦列皮褶がないことでGobiopsis Steindachnerと最も近縁である.本属はLachner and McKinney (1978, 1979) がGobiopsisに含めた種類とはいかなるハゼ科魚類と比較しても頭と体が極端に縦扁していること, 伸長した体形 (体高は体長の4.5-5.8%), 第2背鰭と臀鰭がそれぞれ1, 12で, 少なくとも背鰭で一本以上, 臀鰭で二本以上の分節軟条を有する点で明らかに異なる.
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  • 石田 実, 尼岡 邦夫
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 357-360
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    西太平洋の九州・パラオ海嶺の水深355-375mから1個体のフサカサゴ科魚類が採集された.本種は, 脊椎骨が9+16=25個であること, 側線が完全であることなどにより, 大西洋から知られていたカクレカサゴ属に分類される.本属の唯一の既知種Idiastion kyphosとは, 項部及び主土顎骨が櫛鱗で覆われることにより区別できるので新種カクレカサゴI. pacificumとして記載した.本種は, カクレカサゴ属の太平洋初記録である.これによりフサカサゴ亜科の16属すべてが太平洋・インド洋海域に分布していることになる.
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  • 矢部 衛
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 361-366
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    北海道釧路市桂恋及び昆布森近郊の太平洋沿岸の潮間帯から採集された9個体 (24.7-78.8mm SL) に基づき, カジカ科クロカジカ属の1種Porocottus coronatusカンムリフサカジカを記載した.本属魚類は頭部背面に1-3対の皮弁を持つことで特徴づけられるが, 本種は眼上部及び頸部の2対の皮弁に加え, 眼後部正中線土に冠状の小皮弁群を持つことで, 本属の他種とは明瞭に識別される.また本種は, 前鰓蓋骨最土棘が長く, その長さは眼窩径の54.66%あること, 臀鰭条数が15-16であること, 頭部側線系が発達し多数の感覚孔を持つことなどの特徴を示す.
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  • T. Williams, 町田 吉彦
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 367-373
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    カクレウオ科のEchiodon anchipterusはフィリピン産の1個体に, Ec.coheniはソマリア産の2個体に基づき, 1984年にWil-liamsにより記載されたが, Markle and Olney (1990) は暫定的に前者を後者のシノニムとした.本研究で, 従来未報告の熊野灘産の本属標本1個体をEc.anchipterusと同定した.Ec.anchipterusEc.coheniとは胸鰭鰭条数が15-16 (後者では18), 嗅板数が22 (24), 腹椎骨数が19-21 (18-19) と異なり, さらに, 浮遊性の幼魚期を経る両者の分布域は大きく隔っており, 両者はそれぞれ独立種と判断される.Ec.anchipterusに新和名を与え, 本標本を詳細に報告するとともに, Markle and Olney (1990) が扱ったカクレウオ科のいくつかの形質を吟味し, 本属内の新たな分岐図を提示した.Williams (1984a) はCarapus owasianus (ソコカクレウオ) とC.cinereusをEchiodonに含めたが, Markle and Olney (1990) はEchiodonから分離させた新属Eurypleuronを創設し, C.cinereusEu.owasianumのシノニムとした.しかし, ソコカクレウオは日本固有種と思われ, 南緯20度以南に分布する本属はEu.cinereumとするのが妥当であろう.
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  • Richard Winterbottom
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 375-378
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Naso minorは1個体の標本に基づいてSmith (1966) によって記載された.本種は, 模式標本とRandall (1986) がフィリピンから報告した1個体のみによって知られている稀種である.本種は, 尾叉長に対する頭長と眼径の比率, 尾柄棘の形, 背鰭棘数によってボウズハギとは異なるとされていた.フィリピンで採集された24個体の標本 (2種を含むと想定) を調べたところ, 頭長と眼径の尾叉長に対する比率, 尾柄棘の形は2種を分けるには有効ではないことが判明した.しかし, 背鰭棘数, 鼻溝長, 尾柄棘基部の色素胞の分布状態, 背鰭の第1担鰭骨の形態によって, 両種は明瞭に区別される.
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  • 鈴木 伸洋
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 379-396
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    トビハゼ表皮の構造について光顕および電顕を用いて観察した.本種の表皮には, 魚類特有の粘液細胞が観察されない.表皮は, 扁平単層な表層細胞 (Type I cell), 立方多層の中層細胞 (Type II cell) そして立方単層の基底細胞の3層構造より成る.各層の細胞とも微細繊維を含有する所謂, filament-containing cellであり, Type IとType IIの両細胞は基底細胞から分化することが示唆された.表層細胞の自由表面には微小堤が存在し, この表面は糖衣で覆われて縞模様を呈している.表層細胞は通常, 老化状態にあり, 最終的には剥離するが, このような状態の細胞下には必ず若い表層細胞が存在し, 加えてこの層には若い表層細胞で裏打ちされた毛細血管が分布している.中層細胞の細胞質は殆ど空胞状態で, 細胞膜周囲にはtonofilamentが特異的に集合しており, この繊維で一種の細胞壁を形成している.この細胞は互いに融合することで, より大きな中空の細胞に成長する.このように表皮中層細胞のコルク様の特異的細胞構造と表層細胞の頻繁な剥離が本種の干潟上で生ずる皮膚の乾燥や紫外線障害の防止に役立っていると推定され, 発達した表皮内毛細血管網も皮膚呼吸に極あて合目的な構造と考えられた.しかし, 本種の皮膚は陸上動物のような厚い角質層を欠くことから, この表皮構造では陸上化には不十分と考えられる.このようなことから, 両生的生活形態を有する本種の特異的表皮構造は陸上動物表皮の生態的適応とは異なった魚類特有の表皮構造の特殊化にあるものと解釈される.
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  • 小林 弘治, 鈴木 克美
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 397-410
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    The present paper deals with gonadal formation, sex succession and sexual function in the Japanese hawkfishes, Cirrhitichthys aureus (Temminck et Schlegel), C. aprinus (Cuvier), C. falco Randall, Cirrhitops hubbardi (Schultz) and Cyprinocirrhites polyactis (Bleeker). Detailed studies were made for C. aureus collected from Suruga Bay, central Japan. In this species the gonad of a young fish of 21.8mm SL had begun to initially differentiate into an ovary forming an early ovarian cavity of the parovarian type. The gonadal structures of 63 further specimens of C. aureus, ranging from 23.9 to 114.3mm SL, could be separated into three categories: viz., ovaries (7), ambisexual gonads (54) and secondary testes (2). Reproduction of C. aureus in Suruga Bay took place from June to November. Although ovaries which appeared throughout the year presented only in the immature stage and occurred only in small fish ranging from 25.1 to 46.6mm SL, functional gonads occurred in 32 ambisexual fish ranging from 61.5 to 113.5mm SL and in one secondary male of 101.5mm SL, collected during the reproductive season. The smaller ambisexual fish, ranging from 61.5 to 92.0mm SL, showed active oogenetic processes in the major ovarian zones with many ripened eggs ovulating into the ovarian cavity. These gynogenic gonads undoubtedly functioned as female; however, distinct meiosis proceeded partially in the minor testicular zones with a few spermatozoa occurring in the was deferens. The larger ambisexual specimens, ranging from 71.5 to 113.5mm SL, had slender androgenic gonads, which showed active spermatogenesis in various testicular zones and which might function as males with reduced ovigerous lamellae. The secondary males had testes occupied by seminal lobules, but which retained the ovarian cavity within. According to aquarium rearing experiments, in a pair of C. aureus twice crossed mutually after spawning, functional sex changes occurred in twice, opposite directions, in a single gonad, i.e., from female to male and from male to female. These gonadal aspects in captive C. aureus seemed to show an intermediate phenomenon between consecutive and simultaneous hermaphroditism. This finding also suggested that C. aureus had similar sex succession characteristics to those of the serranid, Serranus fasciatus, studied by Hasting and Petersen (1986) and the gobiid, Trimma okinawae, studied by Sunobe (1990). We also established that normal functional hermaphroditism occurred in the four other cirrhitid species, which showed almost identical gonadal characteristics to C. aureus.
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  • 向井 幸則, 小林 博, 吉川 弘正
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 411-417
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Morphological changes in free neuromasts are reported from larvae of the Ayu, Plecoglossus altivelis. In newly-hatched larvae, free neuromasts were already recognizable in both the head and trunk. During larval growth, the number of free neuromasts increased, and the number of its sensory cells 2 days after hatching was constant. In the trunk, two types of free neuromasts, one with maximum sensitivity in the antero-posterior direction and the other with maximum sensitivity in the dorso-ventral direction, were observed. The former type predominated. In the head, free neuromasts were located around the eye and nose, their directions of maximum sensitivity forming lines tangential to concentric circles about the eye and nose. Distinct changes in free neuromasts occurred during the formation of the canal organ. The canal organ was first observed in the head region 64 days after hatching and in the trunk region 100 days after hatching. Concomitant with the formation of the canal organ, the profile of the cupulae of the free neuromasts changed from a flat bar to semispherical. Sensory cells in the canal neuromasts did not differ morphologically from those in the free neuromasts. It is considered that there is a close relationship between the sensitivity of the neuromast and the shape of the cupula, i.e., that the free neuromasts are adapted to slow water flow, as in lakes and the sea, while the neuromasts in the canal organ are adapted to rapid water flow.
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  • 篠原 現人, 矢部 衛, 尼岡 邦夫, 目黒 敏美
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 419-424
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    北海道江差沖の日本海の3海域 (最大水深800-1500m) から中層トロール (400-420m) により35個体のセッパリカジカMalacocottus gibberが採集された.本種はこれまで日本海の水深250-1200mの海底に生息していることが知られていたが, 中層域からはこれが初めての記録である.カジカ類の成魚の中層域での採集例としてはカナダのクイーンシャルロット諸島沖で記録されたM. kincaidiに次ぐものである.またこれらの個体を観察中, 本種の特徴とされていた前鯛蓋骨第2棘基部の付属棘の状態に個体変異があることが明らかになり, 本種の標徴ではないことがわかった.しかし本属の他種と比較した結果, 鯛耙数が9-15であることおよび頭蓋骨背面の橋状構造が狭く, 柔軟であることが本種の分類形質として有効であることが判明した.
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  • 木村 清朗, 長田 芳和
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 425-429
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日本産バラタナゴは, 在来のニッポンバラタナゴRhodeusocellatus smithiiと中国渡来のタイリクバラタナゴR. ocellatus ocellatusに分けられていた.Acheilognatus smithiiR. kurumeusの完模式標本を観察したところ, A. smithiiは, 体側に長い明瞭な暗色縦帯をもち, 背鰭と轡鰭の最初の主鰭条がやや強く, 分節が少ないので, バラタナゴとはいえない.R. kurumeusの形態は, ニッポンバラタナゴによく一致した.タイリクバラタナゴの日本への侵入は第二次大戦中であったので, 1900年採集のR. kurumeusの完模式標本, 副模式標本1個体, ほか10個体の標本は, すべてニッポンバラタナゴと判断された.したがって, ニッポンバラタナゴの学名としてR. ocellatus kurumeusが正しい.一方, A. smithiiは, カゼトゲタナゴR. atremiusとスイゲンゼニタナゴR. suigensisによく似るが, どちらとも判定できなかった.
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  • 藤田 清
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 430-432
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1990年7月24日に東京水産大学で産卵した卵を騨化させ, その艀化仔魚を25日間飼育し, 定期的に仔稚魚をホルマリン固定し, 軟骨・硬骨二重染色法で尾部骨格の発達を調べた.
    Lundberg and Baskin (1969) によれば, 大多数のナマズ類の成魚では縮小した第2尾鰭椎 (=terminal centrum) が一つまたはそれ以上の下尾骨と癒合して, PU1+U1+2の後に存在するとしている.Clarias batrachusではterminal centrumは第3下尾骨 (HY3) と第4下尾骨 (HY4) の基部に癒合して出現する.発達の過程でterminal centrumは下尾骨に癒合したまま尾鰭椎3 (U3) と尾鰭椎4 (U4) に二分され, そのまま縮小してそれぞれの下尾骨と区別がつかなくなる.側尾棒骨をそなえる脊椎骨は尾神経骨と尾鰭椎前第1椎体+尾鰭椎 (PU1+U1+U2) との癒合によって形成された.
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  • 遠藤 広光, 岡村 収
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 433-437
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日本海溝付近の深海底, 水深4100-6450mにおいてビームトロールおよびフィッシュトラップにより採集されたソコダラ科のホカケダラ属は, Iwamoto and Stein (1974) による両顎の歯列の形態学的差異などに基づき, Coryphaenoides armatusC. yaquinaeの2種に同定された.さらに両種は頭部下面と下顎下面の鱗の有無により, かなり明瞭に分けられることが新たに判明した.両種が西部北太平洋から報告されるのはこれが初めてである.C. armatusは北極海を除くすべての大洋に分布し, 通常水深約2000-4000mに生息する.一方C. yaquinaeは主に北太平洋に分布し, その生息水深はC. armatusよりやや深く通常約3400-5800mであり, 両種の間には水深によるある程度のすみわけが見られる.本報告により, 西部北太平洋においても両種のすみわけが推測された.なお, C. yaquinaeの採捕水深6450mは, これまで報告されたソコダラ科魚類の中では最深記録である.加えて, C.armatusはWilson and Waples (1984) により2亜種に分けられたが, 本海域のものは両亜種の巾間的形質をもつことが明らかとなった.
    C. armatusに対して新和名ヨロイダラを, C. yaquinaeに対しては新和名シンカイヨロイダラを提唱する.
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  • 藤田 清
    38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 438-440
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1990年6月9日に千葉県安房小湊でクサフグの卵を人工受精させ, その騨化仔魚を40日飼育し, 定期的に仔稚魚をホルマリン固定し, 軟骨・硬骨二重染色法で尾部骨格の発達を調べた.
    尾部棒状骨は尾鰭椎前第1椎体と尾鰭椎とが癒合して形成されるとされているが, 発達過程では尾部棒状骨が直接現れ, 両者の癒合による形成の証拠は得られなかった.クサフグの成魚では尾鰭椎前第2椎体に著しく大きい神経棘および血管棘をそなえるが, それは個体発生の途上で2個の脊椎骨が癒合して形成されたためであることが明かとなった.
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  • 38 巻 (1991 - 1992) 4 号 p. 447
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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