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39 巻 , 3 号
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  • 波戸岡 清峰, John E. Randall
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 183-190
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    南日本およびハワイより得られた標本に基づき, ウツボ属の1新種Gymnothorax ypsilonを記載した.本種は, 日本では従来より高知および沖縄近海から知られ, オキノシマウツボという和名が与えられていたが, 未記載種であった.本種は, 体に約30のやや細い黒褐色横帯を持ち, その横帯のいくっかは多くの個体でY字状になること, 頭部は単色で斑紋がないこと, 臀鰭が白く縁取られること, 脊椎骨数は141-153であること等を特徴とする.また, ウツボ科魚類としてはやや深所に生息する.本種は, 全体的な斑紋, 体部比, 歯等において, モーリシャス, パプア・ニューギニアより知られているG.pikeiに酷似するが, 後者では臀鰭に白色縁がなく, 横帯は垂直鰭の末端にまで達すること, また, 尾端部付近の垂直鰭はむしろ黒く縁取られること等により区別できる.
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  • 佐々木 邦夫
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 191-199
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    西太平洋から得られたニベ科コニベ属 (コニベ亜属) の2新種を記載した.Johnius (Johnius) trewavasaeは台湾, 香港およびシンガポールから採集され, 背鰭軟条が24-27本, 側線よりL方の鱗が5-6枚, 下方の鱗が7-10枚, 鰓弓下枝の鰓杷が6-8本で太短い, 肋骨が第11脊椎骨にある, 下顎長が頭長の33.8-38.4%などの形質で同亜属の他種から区別される.J.(J.) latifronsはタイとインドネシア (ジャワ島) から採集され, 背鰭軟条が25-29本, 側線より上方の鱗が7-9枚, 下方の鱗が11-14枚, 鰐弓下枝の鰓杷が7-9本で太短い, 両眼間隔幅が頭長の26.1-30.6%, 眼径が16.7-26.4%, 臀鰭第2棘長が25.9-37.1%などの特徴を示す.Bleekerによって南米のスリナム産として記載されたJohniusheterolepisとマラヤから記載されたJ. cantoriはともに属のレベルで実体が不明であった.両種はコニベ亜属の有効種で, 西太平洋にのみ分布する.
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  • 佐原 雄二
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 201-209
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    潮汐変化が比較的周期的で潮位差も大きい浅虫 (陸奥湾) と, 潮汐変化が周期的でなく潮位差も小さい深浦 (日本海) の二つの海岸から採集したドロメ幼魚を同一の一定条件下でほぼ同期間活動性を記録し, その異同を調べた.浅虫のドロメは概潮汐周期を示したが, 深浦のドロメには明白な概潮汐周期は認められなかった.ドロメ幼魚の活動周期について, その生態的な意味をエサ摂取と捕食者回避の視点から考察した.
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  • 中野 繁, Kurt D. Fausch, 田中 哲夫, 前川 光司, 川那部 浩哉
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 211-217
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    モンタナ州フラットヘッド川水系の山地渓流において, 同所的に生息する2種のサケ科魚類ブルチャーとカットスロートトラウトの採餌行動と生息場所の利用様式を潜水観察し, さらに両種の食性を比較した.一般に, 渓流性サケ科魚類の採餌行動は, 水中の一地点に留まり泳ぎながら流下動物を食べる方法 (流下物採餌) と河床近くを広く泳ぎ回りながら底生動物を直接つつくようにして食べる方法 (底生採餌) に大きく二分される.両種の採餌行動は大きく異なり, ブルチャーの多くの個体が主に後者の方法を採用したのに対し, 観察されたすべてのカットスロートトラウトは前者を採用した.両種間には明瞭な食性の差異が認められ, ブルチャーがコカゲロウ科やヒラタカゲロウ科幼虫等の水生昆虫を多く捕食していたのに対し, カットスロートトラウトは主に陸性の落下昆虫を捕食していた.両種が利用する空間にも明らかな差異が認められ, ブルチャーが淵の底層部分を利用するのに対し, カットスロートトラウトはより表層に近い部分を利用した.また, 前者が河畔林の枝や倒木の下などの物陰を利用するのに対し, 後者は頭上の開けた場所を利用した.両種の食性と流下及び底生動物の組成を比較した結果, 両種間に見られた食性の差異は採餌行動の差異のみならず採餌空間の違いをも反映しているものと考えられた.このような種間における資源の分割利用が両種の共存を可能にしているものと考えられた.
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  • 濱本 俊策, 熊谷 滋, 野坂 克巳, 真鍋 三郎, 春日 公, 岩槻 幸雄
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 219-228
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    高知県幡多郡柏島周辺近海で採集後飼育されたフエダイ科魚類フエダイ (Lutjanus stellatus) の飼育下における産卵行動とその卵内発生及び癬化後3.5日目までの仔魚を記載した.
    受精卵は, 1984年5月13日から6月l4日まで毎夜観察され, また5月28日から6月14日までの間で延べ37回の産卵行動を観察した.親魚は, まず水槽内の採光窓のFの一ヶ所に群れ (100尾以上) を作った後, 腹部が膨出し体表全体が白変した一尾の雌と, 数尾の雄による求愛によって産卵行動を始めた.それらの雄は雌の腹部を交壊こっっき, その雌を上方に向けて下から押し上げた.更に多数の雄がそれに追尾し, 水表面まぎわまで螺旋状に一瞬のうちに上昇した後, 放精・放卵に至った.
    本種の受精卵は, 油球1個を有する卵径0.80-0.85mmの球形分離浮性卵で, 水温24.0±0.5℃ では受精後30時間後に孵化を開始し, その後3時間で80%の卵が孵化を終えた.孵化直後の仔魚は, 平均全長2.52mm, 卵黄は長卵形で大きく, その先端は吻端より前方に突出していた.油球はほぼ卵黄先端にあり, 卵黄表面から突出していなかった.孵化後3.5日の仔魚は全長3.40mmで, 卵黄をほぼ吸収して口と肛門が開いた.
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  • 張 峰, 尾城 隆, 隆島 史夫
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 229-233
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    天然3倍体雌性発生ギンブナの雑種起源説を検討するため, 3倍体交雑種 (ゲンゴロウブナ♀ × コイ♂) F1♀ ×ゲンゴロウブナ♂ またはコイ♂ の生殖能力について検討した.雌は脳下垂体ホルモン注射によって人工採卵でき, 得られた卵をゲンゴロウブナまたはドジョウの精子で再交雑した.その結果, ゲンゴロウブナの精子で媒精した場合の受精率は52.4-88.6%, 自由遊泳率は2.6-34.4%に達し, 正常な稚魚が多数得られた.一方, ドジョウ精子で媒精した場合, 孵化率は3-15%に達したものの, ほとんどの個体は奇形のまま死亡し, 正常稚魚は得られなかった.雄は, ホルモン注射を行なっても採精できなかった.精巣の光顕観察の結果, 精小葉に精母細胞と少数の精細胞が観察されたものの, 精子は認められなかった.これらの結果から, ここで作った人為3倍体交雑種は自然雌性発生集団へ進化する中間ステップに相当するものと考えられた.
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  • Gerald F. Quinitio, 高橋 裕哉
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 235-241
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    カンキョウカジカの精子形成と精子変態の過程を, 電顕的に調べた.本種の成熟途上の精巣には, ドーナツ状のミトコンドリア, 不規則な形状を呈する核, および層板状構造を包含する非典型的な細胞間橋を有する精母細胞を含む包嚢が多数出現した.この精母細胞が, 成熟精巣に観察される二核性の精細胞に変わるとみられた.この異型精細胞の対をなした核の内部に多数の高電子密度の小顆粒が出現し, それを中核としてクロマチンの球塊が形成され, その肥大とともに核全体の肥大や核膜の消失などの退行変化が起こり, 成熟精巣にみられる特徴的な “精細胞塊” に変形することが確かめられた.
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  • 及川 信, 竹森 美樹子, 板沢 靖男
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 243-249
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    動物の単位体重当り酸素消費量 (M/W) は, 体重 (W) の増大に伴って低下し, 魚類では一般にW-0.15に比例して低下する.この現象は過去150年以上に亘って論議されてきた生物学上の古典的話題であるが, その理由については未だに明らかでない.
    我々は, 体の大きさの増大に伴い, 代謝活性の高い組織の体重に占める重量比が低下し, 反対に代謝活性の低い組織の体重に占める重量比が上昇して, その結果この現象を生ずるのではないかと考えた.そしてこの仮説が定性的にも定量的にも妥当することを, 淡水真骨魚のコイについて実証した.さらに海水真骨魚のマダイについても検証中であり, 本研究ではその一環として, 0.0033-1200gのマダイPagrus majorにおける36通りの器官ないし部分の重量 (P, g) と体重 (W, g) の関係を, 相対成長式P=kw5に基づいてしらべた.
    脳, 消化管, 心臓など代謝活性の高い器官の相対成長は, 生活史の初期を除きnegative allometry (s<1) で, これらの器官の体重に占める割合は成長に伴って低下した.例えば脳の体重比は体重0.01g前後では約10%であったものが, それ以降体重の増大に伴って低下し, 1000gでは0.1%であった.これに対し, 主として代謝活性の著しく低い筋肉から構成されている躯幹部は, positive allometry (s>1) で, 体重に占める割合は成長に伴って35% (体重0.1g) から60% (体重1000g) まで増大した.これらの結果は, 上述の我々の仮説を, 定性的に支持するものである.
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  • 木戸 芳
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 251-254
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    フウライクサウオ, P.tremebundus, はこれまで事実上2採集地のみから記載されてきた.ベーリング海, オホーツク海及びその近接海域から得られた新標本に基づいて本種を詳細に記載した.その結果, 本種の背鰭条数は55-69, 臀鰭条数は49-63, 胸鰭条数は25-36, 脊椎骨数は62-74であることが明らかになった.本種は類似のP.caudatusと胸鰭下葉の長さ, 腹吸盤と歯の形態, 背鰭及び臀鰭条数により区別される.また, 北海道の落石沖の標本は本種の日本初記録であり, 最も南方からの記録である.
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  • 塚本 洋一, 藍澤 正宏, 沖山 宗雄
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 255-258
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    室戸岬沖からウケグチツブイワシ (新称) Photostylus pycnopterusBeebeが採集された.本種は1属 (ウケグチツブイワシ属, 新称) 1種の中・深層性魚類で過去に世界中で29個体の採集報告があるが, 日本近海からは今回が初記録である.本種は先端に発光器を有した茎状器官が体表面に不規則に散在する事から容易に他種と区別される.今回採集された個体 (標準体長109.2mm) は発達した精巣を有していた.
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  • 尼岡 邦夫, 岡村 収, 吉野 哲夫
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 259-264
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    2種のダルマガレイ科魚類, ミツメダルマガレイGrammatobothuspolyophthalmusとニテンナガダルマガレイ (新称) Arnoglossustopeinosomaが日本から採集された.
    前種は沖縄本島近海で刺網によって捕獲され, 知念魚市場から7個体得られた.本種は体側に3個の明瞭な眼状斑があること, 両眼間隔域は狭くくぼむが, その幅は雌雄で差が無いこと, 背鰭の前10軟条は伸長し, それらの軟条の鰭膜が深く切れ込み翼状を呈することなどによって特徴づけられる.本種には胸鰭の長さ (雄では雌よりも長い) 以外にも, 二次性徴が存在することが判明した.雄では背鰭伸長軟条は雌よりも長く, それらの後縁の鰭膜 (翼) は雌よりも広い.また, 雄には上眼の上方に2個の染色体状の暗色斑紋がある.インド洋からマレイ半島を経てオーストラリアや南シナ海までの分布が知られていた.
    後種の5個体は高知人学調査船「豊旗丸」のビームトロールによって土佐湾の水深45-75mから採集された.本種は背鰭と臀鰭の後部の基底にそれぞれ1個の大きな黒色斑があること, 背鰭の前4軟条がよく伸長することなどによって特徴づけられる.本種にも二次性徴が存在し, 雄の背鰭伸長軟条は雌や未成魚よりも長い.本種の分布はペルシャ湾から南シナ海までであった.
    今回の両種の記録は分布の北限であり, 日本から初めてである.
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  • 遠藤 広光, 矢部 衛, 尼岡 邦夫
    39 巻 (1992 - 1993) 3 号 p. 265-267
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    沖縄南東海域の水深0-400mでのビームトロール調査により1個体 (3.59mmHL, 20.5mmTL) のソコダラ科仔魚が採集された.本標本は, ソコダラ科のAlevin期に特徴的な有柄胸鰭を備え, 鰓条骨数が7であること, 2個のレンズを備える発光器をもつこと, 肛門が臀鰭始部直前に位置すること, 鰾内の血管網とガス腺数が2であることからスジダラ属Hymenocephalusに属することが判明した.また, 腹鰭鰭条数が8で, 腹椎骨数が12であること, 下顎に髭をもつこと, および腹鰭基部が黒いことなどからH.gracilisまたはH.kuronumaiのいずれかであるが, 種までは査定出来なかった.
    スジダラ属の初期生活史に関しては, これまでSanzo (1933) やMerrett (1989) により, H.italicusおよびH.gracilisの仔魚数個体が地中海および大西洋から記録されているが, 太平洋からの報告はこれが初めてである.
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