魚類学雑誌
Online ISSN : 1884-7374
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41 巻 , 1 号
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  • 町田 吉彦, 太田 秀
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 1-5
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    紀伊半島の西南部の水深79-81mでドレッジにより採集された1標本 (全長318mm) に基づき, ウミヘビ科ウミヘビ亜科の新種Apterichtus orientalisキシュウゴマウミヘビを記載した.本種は, 鰭が全くない, 尾部長は全長の半分よりやや長い, 吻は尖り, その下面は平らで切れ込みがある, 前鼻孔は管状, 後鼻孔は口外に位置する, 鰓孔は腹面に位置する, 前鰓蓋骨の感覚孔は4個, 両顎の歯は1列をなすことなどによりゴマウミヘビ属と同定された.本属には10の有効種が知られており, 各種の上側頭管の感覚孔数は3, 5, 7のいずれかである.現在まで, 7個の上側頭管感覚孔を有する種としては, 東部大西洋・地中海産のA.monodiのみが知られていた.キシュウゴマウミヘビはこの形質を有する第二番目の種である.本種は, A.monodiとは総脊椎骨数が133 (後者では142-151), 側線孔の総数が130 (143-149), 肛門前方の側線孔数が57 (63-68), 体高が全長の2.2% (1.4-1.6%), 頭長が全長の8.1% (5.0-6.1%), 肛門前長が全長の45.6% (39.8-42.6%) であることで異なる.
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  • 林 徳之, 中村 聡一, 吉川 弘正, 安部 恒之, 小林 博
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 7-13
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    We examined the role of olfaction involved in schooling of Japanese sea catfish Plotosus lineatus, and attempted to elucidate the relationship between the sensitivity to an aggregating pheromone and bodylength in reference to a reduction of the school size with growth in Japanese sea catfish. Behavioral test of preferenCe for sea water which had held their own school were carried out on 97 fish (42 to 235mm in total length), using filtrated sea water or sea water which had held another school as a control. The catfish discriminated and selected the sea water holding their own school. However, anosmic fish no longer discriminated their holding sea water, suggesting that this preference leading to a school was established by olfaction but not other sense organs including taste. No distinct change in the preference with fish growth was recognized. However, larger fish especially maturing females tended to show a lowered preference. This suggests that reduction in the constituent members of the school with growth in Japanese sea catfish was dependent upon breakaway from menace of predators or upon dispersal of maturing females from their school to avoid incest breeding.
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  • 渡辺 勝敏
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 15-22
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1988年4月から1989年12月の間, 三重県北部の田切川 (員弁川水系) に生息するネコギギ個体群を標識採捕法を用いて調査した.本種は春から秋, 特に6月から9月にかけて夜間に活動し, 日中や冬期には抽水植物の繁茂する川岸部の横穴や河床の浮石の下に潜んでいた.体長分布の季節変化と合計202個体の標識魚の成長から, 本種は主として夏に成長することがわかった.秋に最初に現われた当才魚は翌年の7月には標準体長約40mmに達した.雌の一部は2才で体長60mmを超え, 成熟に達した.雄は体長が約100mmに達する3才時に成熟すると推測された.最大体長は雌93.5mm, 雄108.0mmであった.未成熟である1才時にすでにサイズにおける性的二型が現われ, 高齢魚でより顕著になった.成魚の性比は大きく雌に偏っていた.両年とも産卵は7月に行われたと推測されたが, 1988年級群にっいては全く加入が認められなかった.本種が一夫多妻的婚姻形態をもっ可能性, および本個体群が洪水などによる撹乱に対して不安定であることが示唆された.
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  • 尼岡 邦夫, 瀬能 宏, 小野 篤司
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 23-28
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    沖縄県慶良間諸島嘉比島北側, 水深3mのサンゴ砂底で背鰭第1軟条を活発に動かし, 口に引き寄せたり, 離したりしているダルマガレイ科魚類が発見され, 捕獲された.この個体はフィジー諸島, モザンビーク北部, 西オーストラリアから知られていたタイコウボウダルマ (新称) Asterorhombus fijiensisに査定された.この個体は西部太平洋からの初めての記録であり, 本種の4番目の標本である.本個体は詳しく再記載された.本種の背鰭第1軟条は他の鰭条のような鰭膜や色素を欠き, 完全に他のものから分離していた.この軟条は先端部に小魚または小型の甲殻類に似たオレンジ色の膜状の皮弁を持ち, 皮弁の基部近くに眼のような1対の小黒斑及び胸鰭・腹鰭または遊泳肢のように見える多くの小さい糸状物を備えていた.誘引突起 (イリシウム) と擬餌状体 (エスカ) を持った攻撃擬態をするカレイ目魚類はいままでに報告されたことはない.本種の帰属について, この種は両眼間隔, 吻棘, 眼棘および鰭に二次性徴を発現しないこと, 鰓杷は手のひら状であること, 背鰭第1軟条は他の鰭条から分離すること, 無眼側の体色に二次性徴が発現しないこと, 下尾骨と準下尾骨が分枝することなどの特徴によって, セイテンビラメA.intermediusと共にセイテンビラメ属を構成すると考えるのが妥当である.
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  • 松浦 啓一
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 29-33
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    モヨウフグ属の新種Arothron caeruleopunctatusアラレフグ (新称) を4個体の標本に基づいて記載した.本種はケショウフグArothron mappaとモヨウフグA. stellatusに似ているが, 頭部と体に多数の淡青色点があること, 眼の周囲に同心円状の淡青色値と褐色線があることによって識別される.本種は西部インド洋のレユニオン, 中部インド洋のモルジブ, 西部太平洋のインドネシア, パプアニューギニア, 日本, マーシャル諸島およびサンゴ海に分布する.
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  • 佐々木 邦夫
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 35-38
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    南アフリカ共和国のダーバンで採集された3標本に基づき, エベ科オオニベ属1新種Argyrosomus beccusを記載した.本種は短くて階状を呈する吻, 大きな眼, 狭い両眼間隔, さらに長い胸鰭と腹鰭を持つ点で同属の既知種と区別される.
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  • 古屋 康則, 宗原 弘幸, 高野 和則
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 39-45
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Histological observations of the ovaries, statistical analyses of catches by trammel net, and obser vations of territorial males and egg masses by SCUBA diving were made in order to clarify the reproductive biology of the elkhorn sculpin, Alcichthys alcicornis. Ovarian development was categorized as immature (July-December), yolk accumulation (January-March), copulation and spawning (April-May), or degeneration (May-June). Sections taken from mature ovaries showed A. akicornis to be a multiple spawner, ovulating and spawning several times in a single breeding season. Trammel net catches during the breeding season suggested that members of the breeding population migrate synchronously by sex from offshore depths to shallow waters, males preceding females by 1 week (in late March-mid April); females achieve initial spawning by late April. Breeding sites were found in cracks or crevices between rocks within territories established by territorial males. At least 80-100 egg masses were deposited in each territory during the overall spawning season. The occurrence or otherwise of sneaking tactics during copulation in A. alcicornis is discussed.
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  • 中村 將, 鞠子 照代, 長浜 嘉孝
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 47-56
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    魚類の性転換と性ホルモンに関する基礎的問題を解決するため, 雄性先熟のハマクマノミ (Amphiprion frenatus) を用い, 生殖腺の微細構造の観察, とりわけステロイドホルモン産生細胞 (SPC) の分布および活性について調べた.さらに生殖腺を生体外でサケ生殖腺刺激ホルモンの存在下で培養し, 主な性ホルモンの産生について測定した.ハマクマノミの生殖腺は, 今まで知られていたと同じく, 雌は発達した卵を持っ卵巣組織のみからなっていた.雄では, 精巣組織と未発達な卵巣組織を同時に持っ両性生殖腺であった.両者を隔てる組織は認められないが, 互いに分離して分布していた.雄の生殖腺の卵巣組織は, 主に周辺仁期の卵母細胞からなっていたが, その多くは退行していた.精巣組織内の精子形成は, 活発な個体とそうでない個体とが見られた.雄の生殖腺の両組織中には, 多くのSPCが認められ, 卵巣組織と精巣組織に分布するSPCの活性は, 一致していた.しかも, 精子形成が活発なほど高い活性を示した.生体外における生殖腺の性ホルモンの産生は, 雄の生殖腺では, 雄性ホルモンの11-ケトテストステロン量が高く, 雌の生殖腺では雌性ホルモンのエストラジオールとその前駆体のテストステロン量が高かった.
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  • 川瀬 裕司, 中園 明信
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 57-63
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    水槽内で自然産卵させたアミメハギの卵と, 人工授精した卵と野外で採集したヨソギの卵を用いて, 卵発生と前期仔魚の形態, および耳石の輪紋形成周期を観察した.両種の卵は, ほぼ球形で粘着性があり, 卵径はともに0.53mmであった.アミメハギの仔魚は, 水温20.7-21.3℃ で受精から62時間39分後に, ヨソギの仔魚は, 水温29.0-29.3℃ で受精から29時間後に孵化し始めた.孵化直後の仔魚の全長は, それぞれ1.86mm, 1.94mmで, 耳石はsagittaとlapillusが観察された.アミメハギの孵化直後の仔魚の耳石には既に1本の輪紋が形成されており, 孵化後2日まで日周輪の形成されることを確認したが, ヨソギでは輪紋が不鮮明で日周輪の確認は出来なかった.
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  • 佐々木 邦夫
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 65-67
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Mohan (1969) はコニベ属 (コニベ亜属) の新種Johnius (Johnius) mannarensisをインド南東岸, マナー湾産の標本に基づき記載した.本種は下顎に1本の髭を持っことで同亜属のJ.amblycephalus (Bleeker) とJ. macropterus (Bleeker) に類似する.Trewavas (1977) は本種を後者のジュニア・シノニムと考えた.多数の標本を検討した結果, 両種は側線上方・下方の鱗数, 背鰭軟条数, 胸鰭条数, さらに頭部の鱗の状態などで分離可能であることが判明した.したがって, J. mannarensis は有効である.本種の分布はインド南東岸とスリランカ周辺に限られ, 同海域ではJ. macropterus と同所的に出現する.
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  • 宮 正樹, 廣沢 真純
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 68-72
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    相模湾のほぼ中央に位置する定点 (35°00'N, 139°20'E, 水深約1, 500m) で過去20年間に行われた計74回の人型プランクトンネットを用いた月別夜間傾斜曳きにより, 5科, 15タイプ (種まで同定された5種を含む) からなる42個体のウナギ目の葉形幼生が採集された.葉形幼生の出現個体数は秋から冬 (9月-2月) にかけて多く, 春から夏 (3月-8月) にかけて少なかった.最も多く出現した3種 (Gnathophis nystromi nystromiギンアナゴ, Conger myriasterアナゴ, C.japonicusクロアナゴ) の出現は季節的で1年のうちの数カ月に限られていたが, 他の種では, 採集個体数が少なかったためもあり, そのような季節的な出現は認められなかった.
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  • 宗原 弘幸, Judy M. Paul, Augustus J. Paul
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 73-75
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アラスカ湾北部, 氷河フィヨルド地帯, リザレクション湾において, 春季のカサゴ目仔稚魚の出現状況を調査した.標本採集はNIOTトロールを用い, 湾内3地点において1991年4月2日から7月9日まで, ほぼ毎週行なった.42回の曳網でカジカ科10, トクビレ科1, クサウオ科1, およびギンダラ, 合計13タイプ75個体のカサゴ目仔稚魚が採集された.これらのうち, ギンダラを除く12種は, 沈性粘着卵を産むこと, および湾内の流速などから判断して, 湾内で繁殖しているものと考えられた.調査期間中の各タイプの平均分布密度0.28-8.96/1000m3は, 同様の方法で同時期に採集されるスケトウダラおよびニシンの数値と比べて極端に低く, カサゴ目仔稚魚は本調査海域における春季のプランクトン消費者としての役割は小さいとみなされた.しかし, 氷河の影響がないアラスカ湾南東部のオーク湾およびアラスカ湾西部のコディアック島周辺では, カサゴ目魚類, 特にカジカ科魚類は主要な出現仔稚魚となっており, これらのことから, 低温低塩分濃度, 大量にシルトを含んでいることなどで特徴づけられる氷河フィヨルド地帯は, 北太平洋東岸に生息するカサゴ目魚類にとって, 好適な棲み場ではないことが示唆された.
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  • 延東 真, 上原 一彦, 岩槻 幸雄
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 76-79
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1990年1月から12月にかけて, 宮崎県南郷漁協目井津支所の魚市場においてフエダイ196尾, クロホシフエダイ408尾が水揚げされたのを確認した.その内, フエダイ1尾とクロホシフエダイ2尾に体形異常魚を発見し, それらの症状と原因について考察した.
    体形異常魚はいずれも体高がやや高い, 短躯症状を呈していた.脊柱の湾曲は後湾部と前湾部からなり, 湾曲部の椎体は楔状化していたが, 骨組織そのものには組織学的な異常はなかった.体形異常魚の脳の第4脳室周辺には必ず粘液胞子虫のシストが見つかった.一方, 正常体形を示すフエダイ20尾とクロホシフエダイ45尾の脳には粘液胞子虫のシストを検出できなかった.第4脳室付近に形成された粘液胞子虫のシストが, 魚類に脊柱湾曲を引き起こすことはすでに知られており, 今回見つかったフエダイ科魚類2種の体形異常魚も, その原因が第4脳室付近に形成された粘液胞子虫のシストにあると推察された.
    このフエダイ科魚類2種における体形異常の発生率は約0.5%で, 他の水域での過去の調査と比較して明らかに高かった.
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  • 川瀬 裕司, 中園 明信
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 80-83
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1991年6月から8月に, 高知県柏島でアミメウマヅラハギCantherhines pardalisの潜水観察を行った.本種は藻食性で, 主に紅藻を摂餌していた.雄は, 腹部皮憎を広げると同時に, 第1背鰭棘を立てすぼめする誇示行動を示した.産卵間近の雌は, 岩の表面をマット状に覆っている細かい海藻に吻を出し入れする動作を数カ所で行った.産卵はそれらのうちの1カ所で観察され, 雌雄のペアで2,3秒のうちに行われた.産卵後に, 親による卵保護は見られなかった.卵は球形で直径0.53mmの沈性粘着卵であり, 毒性の報告されているアミジグサ科の褐藻に付着していた.本種はこのような産卵場所を選ぶことにより, 卵の捕食を防いでいる可能性が示唆された.
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  • 土井 敦, 多紀 保彦
    41 巻 (1994 - 1995) 1 号 p. 84-85
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1992年9月10日にカンボジアのトンレサップ湖の北岸シェムリアプ地先で, コイ科魚類の標本1個体を採集した.標本は発達した背鰭棘状軟条, 頭部に列状に並ぶ無数の孔器, 下方向に6小分枝を備える1対の口顎髭等の特徴をもつことから, Cyclocheilichthys heteronemaと同定された.本種はマレー半島南部, ボルネオ西部に分布することが知られていたが, インドシナ半島のメコン水系からは初記録である.
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