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野村 武司
2016 年 16 巻 1 号 p.
1-2
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(<特集>自閉スペクトラム症と少年司法)
十一 元三
2016 年 16 巻 1 号 p.
3-6
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
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最初に、自閉スペクトラム症の概念について歴史的に展望し、現在なおよく用いられる病型(自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害) を説明した後、その基本障害である診断的特徴( 対人相互性の障害、同一性への強迫的こだわり)、随伴しやすい症状、頻度の高い合併症、および現在の治療について解説した。次に、本障害をもつ少年による司法事例について、知能、心理社会的要因、障害に由来する要因の関与について検討した。最後に、本障害に特有の社会性の障害をめぐり司法関係者が直面する問題のうち、早急な解決が望まれるものを列記した。
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(<特集> 自閉スペクトラム症と少年司法)
岩本 憲武
2016 年 16 巻 1 号 p.
7-11
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
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本稿は、自閉スペクトラム症を有する少年の事件を担当する弁護士に求められる技術を論じたものである。自閉スペクトラム症のある少年の被告人について裁判員裁判において少年法55 条移送決定がなされた事例を取り上げて、弁護人が裁判官・裁判員に伝えるべき3 つのポイントを示した。1 つ目は“What”つまり、少年の障害とは「何」であるのかということである。この点については、公判審理の早い段階で、被告人質問や家族の証人尋問をおこなうことが有効である。2 つ目は“How”つまり少年の障害が「どのように」事件に影響したのかということである。この点については、家庭裁判所の社会記録を利用することに加えて、精神科医など専門家の証言を活用することが重要である。3 つ目“Why”つまり少年の障害が事件に影響したことが「なぜ」弁護人が求める結論をもたらすのかということである。この点については、弁護人が、裁判所の量刑の考え方を理解した上で、説得的な弁論を展開する必要がある。そして、より重要なことは、自閉スペクトラム症を持つ少年について、家庭裁判所の検察官送致決定により刑事公判を受けること自体を避けることである。そのためには、付添人である弁護士に、短期間に専門家の助力を得るなどして的確な活動方針を立てて充実した活動をおこなうことが求められる。
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(<特集>自閉スペクトラム症と少年司法)
村尾 泰弘
2016 年 16 巻 1 号 p.
12-18
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
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筆者の非行少年理解の基本は、非行少年を「加害者でありながら被害者意識が強い少年たち」と捉えることである。本稿では、自閉症スペクトラム障害(ASD) の非行について、この考え方を基本に、ASD の障害特性を加味して理解することを検討した。非行少年の理解と対応においては、被害者意識・被害感の理解・共感が不可欠となる。ASD の少年においても、このことが当てはまる。その少年の人生における被害感を共感的に理解することが重要なのである。その場合、ASD の人たちは認知的共感性は低いかもしれないが感情的共感性は高い( 健常者と遜色がない) という特性に着目し、いわば感情的共感性を窓として、ASD の非行少年にアプローチすることを検討した。非行のないASD の青少年と非行を有するASD の青少年の違いは、被害感の集積の有無がこの2 つを分ける要因になっている。筆者は被害感の集積を理解していくことの重要性を指摘した。それらの理解が深まれば、一見、奇矯で猟奇的な動機もある程度理解できるものになる可能性がある。
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野村 武司
2016 年 16 巻 1 号 p.
19-22
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
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仲 真紀子
2016 年 16 巻 1 号 p.
23
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
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(<法と心理学会第16 回大会大会企画シンポジウム> 司法面接をどう使うか─スキル、連携、法制度)
仲 真紀子
2016 年 16 巻 1 号 p.
24-30
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
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本報告は法と心理学会第16 回シンポジウム「司法面接をどう使うか─スキル、連携、法制度─」の一つを成すものである。司法面接とは目撃者、被害者となった可能性のある子どもから、精神的負担を最小限にしつつ正確な情報を最大限得ることを目指した面接法である。本報告では、まず、司法面接の概要と特徴について述べ、その上で多機関連携の必要性、日本での現状、専門家を対象とした司法面接や多機関連携の実施に関する調査結果について述べた。多機関連携が要請される背景としては、⑴虐待事案では福祉、司法の介入が必要となることが多く、特段の配慮をしなければ複数回の面接が行われがちであること、⑵虐待を受けたとされる子どもは一般に開示に時間がかかり、このことも面接の回数を増やす方向に働き得ること、を指摘した。面接を繰り返すことは供述を不正確にし、精神的な二次被害の原因ともなる。このことを改善するために、事実確認のための面接は、関係機関が連携し、適切な方法による面接を最小限の回数で行うことが重要である。司法面接に関する現状としては、児童相談所、検察官、警察官へのトレーニングが進みつつあること、調査結果としては、司法面接の使用に関する動機は高まっているが、知識や理解の不足が連携を阻む一つの要因だと認識されていることなどを示した。連携に関するスキルや知識の提供は、多機関連携の促進に貢献することが期待される。
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(<法と心理学会第16 回大会大会企画シンポジウム> 司法面接をどう使うか─スキル、連携、法制度)
稲川 龍也
2016 年 16 巻 1 号 p.
31-35
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
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本稿では、いわゆる「司法面接」に対する検察の取り組みについて、筆者の考えを述べた。「いわゆる」としたのは、日本では司法面接というパッケージ化された制度がないためにとった限定的な表現である。報告では、まず⑴検察における取調べの録音・録画の現状について、次に⑵検察における児童虐待事案への取組、そして⑶司法面接における被害児童の供述証拠確保及びその証拠上の問題について述べた。取調べの録音・録画の対象事件は拡大されつつあり、近年では必要に応じて被害者・参考人の録音・録画も行われるようになった。いわゆる司法面接はこういった施行の一形態と位置付けられる。検察における児童虐待事案の取り組みとしては、虐待事案では関係機関も多いことから、検察がコーディネーターとしての役割を果たす必要があること、そのため、具体的には児童相談所や警察との連携を強めること、加えて再犯防止に向けた事件処理のあり方や、服役後の処遇への対応なども重要となるであろうことを指摘した。最後に、司法面接に対する検察の取り組みとしては、児童の供述の必要性も含め、捜査の見通しを迅速に立てること、面接技法を向上させること、そして制度の問題について考えていく必要性などを掲げた。
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(<法と心理学会第16 回大会大会企画シンポジウム> 司法面接をどう使うか─スキル、連携、法制度)
緑 大輔
2016 年 16 巻 1 号 p.
36-42
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
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司法面接の結果を録取したDVD を刑事裁判において証拠採用するためには、刑事訴訟法320 条
1 項の伝聞証拠禁止原則に抵触しないか、同法321 条以下の伝聞例外の要件を充足するかの形で証
拠能力が認められる必要がある。前者として、証明力を争うための補助証拠として用いる方法が考
えられる。後者として、対立当事者の同意を得て証拠能力を付与するという方法が考えられる(刑
訴法326 条)。もっとも、事実に関する争いが深刻な場合には、上記DVD を実質証拠として用いる
ことが考えられる上、対立当事者が証拠採用に同意しない可能性が高い。そのような場合には、録
取者が児童相談所職員等のように検察官以外の者であれば刑訴法321 条1 項3 号を根拠として、
録取者が検察官であれば刑訴法321 条1 項2 号を根拠として、それぞれ採用することができない
かが問題となる。後者は、検察官が「罪となるべき事実」の立証を重視して司法面接を行う場合は、
司法面接の手法にそもそも馴染みにくい可能性がある。前者は、司法面接対象者が公判廷で供述不
能であること等が要件となるが、下級審の裁判例に照らして、要件を充たす可能性がある。他方で、
司法面接が前提とする事実観と交互尋問制度が前提とする事実観には距離があり、証人審問権と司
法面接の調整には困難を伴いうる。
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(<法と心理学会第16 回大会大会企画シンポジウム> 司法面接をどう使うか─スキル、連携、法制度)
渡邉 和美
2016 年 16 巻 1 号 p.
43-51
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
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過去20 年において、被害者支援の動きが高まる中で、日本の警察は、聴取面接を含む警察活動
において被害者に対する支援を提供することに大きな関心を寄せてきた。一方、被害者や目撃者の
聴取面接において生じる問題や、被害者や目撃者から正確な情報をできるだけ多く聴取することを
目的とした面接の技術については、殆ど関心が払われてこなかった。しかし、被疑者に対する取調
べの高度化プログラムが策定され、取調べ(基礎編)教本が作成されたことにより関心が高まり、全
国警察で心理学的な知見に基づく系統的で実践的な研修が開始された。この研修により、対象者を
誘導せずに正確な情報を聴き取るための基本的な技術を獲得できるようになった。児童に対する面
接は、被誘導性への配慮に加えて発達段階への配慮が必要である。日本における「司法面接」はまだ
なく、関連機関の協同が図られたところであるが、少なくとも被害児童に関わる人たちの間で、誘
導しない聴き方について知識の共有を図る必要がある。
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石橋 昭良
2016 年 16 巻 1 号 p.
52-54
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
山田 早紀, 笹倉 香奈, 指宿 信, 稲葉 光行, 佐藤 博史, 浜田 寿美男
2016 年 16 巻 1 号 p.
55-61
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
三島 聡, 本庄 武, 森本 郁代, 國井 恒志
2016 年 16 巻 1 号 p.
62-68
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
松本 克美, 金 成恩, 安田 裕子
2016 年 16 巻 1 号 p.
69-74
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
山田 早紀, 脇中 洋, 村山 満明, 浅田 和茂, 大倉 得史
2016 年 16 巻 1 号 p.
75-79
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
山田 早紀, 村上 満宏, 浜田 寿美男, 石塚 章夫
2016 年 16 巻 1 号 p.
80-85
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
木戸 彩恵, 松本 克美, 今飯田 佳世子, 大倉 得史, 大久保 智生
2016 年 16 巻 1 号 p.
86-93
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(法と心理学会第16 回大会ワークショップ)
伊東 裕司, 綿村 英一郎, 荒川 歩, 白取 祐司, 小原 健司
2016 年 16 巻 1 号 p.
94-99
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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─「わからない」判断を用いた検討
福島 由衣, 三浦 大志, 厳島 行雄
2016 年 16 巻 1 号 p.
100-111
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
本研究は単独面通し識別手続きの繰り返しに及ぼす面接者の誘導の影響を、「わからない」判断の
導入によって抑制可能かどうか検討した。57 名の参加者は実験室で財布が盗まれる模擬犯罪場面
を目撃し、面接を2 回受けた。面接にはそれぞれ2 回単独面通し識別手続きが含まれており、面接
者は誘導的な面接者と、誘導的でない面接者に分けられていた。単独面通し手続きでは、参加者は
人物写真を見せられ、写真の人物が目撃した人物であるかどうか、「はい」、「いいえ」、「わからな
い」の3 つから選択した。呈示された写真の人物は財布を盗んだ人物ではなかったため、「はい」判
断は誤識別、「いいえ」判断は正棄却となっていた。誘導あり条件では、「はい」判断を選んだ参加者
が「いいえ」判断と「わからない」判断を選んだ参加者より有意に多かったのに対して、誘導なし条件
では「いいえ」判断と「わからない」判断が「はい」判断より有意に多かった。このことは、「わからな
い」判断を導入しても面接者の誘導による誤識別が抑制されないことを示している。さらに、誘導
あり条件の参加者は、誘導なし条件に比べて最初の識別を維持する傾向があった。この結果は記憶
の同調理論によって解釈し、考察にて議論する。
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中田 友貴
2016 年 16 巻 1 号 p.
112-114
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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(関連学会報告)
藤田 主一
2016 年 16 巻 1 号 p.
115-116
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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河津 博史
2016 年 16 巻 1 号 p.
117-119
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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鈴木 愛弓
2016 年 16 巻 1 号 p.
120-122
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス
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関口 和徳
2016 年 16 巻 1 号 p.
123-125
発行日: 2016年
公開日: 2018/01/29
ジャーナル
オープンアクセス