法と心理
Online ISSN : 2424-1148
Print ISSN : 1346-8669
2 巻 , 1 号
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  • 東 洋
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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  • 後藤 昭
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 10-11
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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  • 大橋 靖史
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 12-23
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    本稿では、法廷における尋問者と証人のコミュニケーションについて検討することを通し、心理学の立場から尋問の場について考察した。公判廷における尋問プロセスは、一般に、問いと答えの連鎖として捉えられる。そこでは、問う側の尋問者による尋問コントロールが暗黙のうちに想定されている。しかしながら、コミュニケーション分析の手法を用い、共犯者である証人と尋問者のやり取りを分析した結果、本来間われる側の被尋問者である証人が、答えと問いの連鎖により尋問をコントロールしていた可能性が示唆された。また、そうした際に、証人は自ら情報を提供することなく、むしろ、尋問者が情報を提供することで尋問の発話連鎖が進展していることが示された。取調べや尋問においては情報の発信源について十分な考慮が必要であり、そのためには、取調べや尋問の聴取方法、記録方法、および、分析方法について一層の探究が望まれる。
  • 中川 孝博
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 24-29
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    刑事法学の分野では、過去の裁判例を検討対象とし、裁判官が証拠を評価する際に踏まえておかねばならない準則(注意則)を抽出するという作業が進められてきた。しかし、よりきめ細かな準則を定立しようとするならば、判決理由だけでなく、証拠そのものを検討対象としなければならない。この点、心理学者による供述分析がなされるケースが増えてきており、注目される。本稿は、ある供述分析研究をとりあげ、注意則研究を進めようとするならば法学と心理学はどのような共同作業をすべきかという観点から検討を試みたものである。
  • 杉森 伸吉
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 30-40
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    裁判員制の基本的な発想は、法的専門性の高い裁判官の判断に対して一般市民の世間知を融合させるべく、裁判官と市民を一緒に審理させようというものである。このことは、異質性の高い両者が一緒に審理することで、自然に相補的に機能しうるという大前提にもとついている。本論文の目的は、この大前提の社会心理学的成立要件を明らかにすることである。これまでの社会心理学的研究では、成員間の異質性が高いことは集団が強くなるための一つの条件であるとされてきたが、同時に成員間の葛藤や誤解を高める傾向があることも知られている。裁判員制でもこのような誤解や葛藤は十分生じうる。真に円滑なコミュニケーションがとれるためには、裁判官が日常用語で法的コミュニケーションを行うこと、市民の目線に自分をあわせるよう心がけること、市民が早期から法教育を受けること、相互尊重的関係が維持されることが重要であることを指摘した。相互尊重的関係があることにより、相互の異質性は葛藤を乗り越えて相補的関係を促進しうる。さらに、裁判官と裁判員の人数比は1対3程度が望ましいこと、裁判員だけで審理するセッションを設けるなどの、審理手続きに関して検討されていないオプションが豊富にあること、裁判官に聞きづらい裁判員の疑問点について、法と心理学会員がオンラインで相談活動を行うなど、常時疑問解決に役立つサポータ一が必要であること、などを指摘した。
  • 松澤 伸
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文は、我が国における市民の刑事裁判参加に関する議論について、重要な理論的背景と新たな視点を提供しようとするものである。我が国の司法改革審議会は、すでに「裁判員」制と呼ばれる参審制の導入を提案しているが、本稿は、市民と職業裁判官のコミュニケーションに焦点を絞り、北欧における市民裁判官制度の経験を紹介する。北欧の制度を検討するのは、我が国が導入しようとしている参審制を刑事裁判におけるいわゆる当事者主義のもとで運用しているのは、これら北欧諸国だけだからである。本稿の結論として導かれるのは、裁判体においては市民が裁判官に比して多数配置されるべきであること、有益な議論をおこなうための裁判員のトレーニングが必要であること、職業裁判官は意思決定に際して市民の見解を取り入れるように努力すべきであること、等である。
  • 片岡 佳美
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 51-62
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    「児童虐待の防止等に関する法律」では、児童虐待の防止と解決のためには地域社会の子どもと接する機関の連携が不可欠であるという認識が示されている。本稿の目的は、虐待防止に向けて地域の関係機関が機能するにはどのような条件が整う必要があるかについて考察することにある。島根県内の保育士、看護婦・士を対象にしたアンケート調査の結果、保育士は、看護婦・士に比して、地域の虐待問題への介入により積極的な態度を示すことが分かった。属性や規範意識をコントールしたうえでも、保育士であるということは積極的介入を促す効果をもっていることが示された。これは、調査票に設けた自由記述欄における保育士の意見の分析によれば、保育士が職場においてさまざまな親や子どもと緊密な関係を築くことによってかれらに対して生じる共感が拡張されることに起因するということが示唆された。保育士におけるこれらの知見は、虐待防止にとって効果的な関係機関のあり方を規定する法や政策を議論するうえで重要なポイントとなるだろう。
  • 黒沢 香, 尾崎 雅子
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 63-75
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では自白を強制されたと被告人が主張する殺人事件の模擬裁判で、弁護人弁論の内容によって有罪と判断される傾向がどのように変わるかを実験的に検討した。具体的には、検察官と弁護人の弁論と裁判官説示を4群の参加者に順にビデオ呈示して判断を求めた。実験群は、自白が強制されたとだけ弁護人が主張する統制条件、それに取り調べの詳細を少し加える強制条件、さらに自白するほうが裁判で有利になると言われたことを強調する有利条件、自白しなければ最高刑にすると脅されたとする不利条件である。弁護人の弁論ビデオ後の判断で統計的に有意な条件差が見られ、この時点での有罪心証は有利条件で最も強くなった。これはKassin & Wrightsman(1981)の「誘導自白バイアス」を再現する結果である。この実験から得られた他のデータなどから、このバイアスを説明するための社会心理学的な仮説をいくつか提案した。たとえば、有利条件で実験参加者の課題に対する興味や動機づけが弱まっていた可能性や、自白強制を利得的働きかけと損失的働きかけの状況として対比し、被告人と事実認定者の両者について、フレーミング効果の枠組みで解釈するものである。誘導自白バイアスをはじめ、法と心理の研究は全般に、社会心理学や意思決定研究に有用な実験材料を提供することを強調した。最後に、近く導入される裁判員制度に関連づけ、これらの結果を考察した。
  • 本庄 武
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 76-91
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    本稿は、規範意識の維持・回復・強化を図ることを刑罰の目的とする理論である積極的一般予防論について、心理学理論に依拠しつつ検討するものである。第1に、積極的一般予防論が刑罰制度一般の存在根拠たり得るかについては、それを肯定し得る理論も存在したが、認知的発達理論によれば、刑罰による権威的な対応は萎縮効果をもたらし規範意識の発達にとって妨げとなると解し得た。第2に、積極的一般予防論が新たな立法により重罰化を行う根拠になり得るかについては、重罰化の効果を否定的に解し得る研究が存在した他、刑罰一般の積極的一般予防効果を根拠付け得る研究によっても規範意識を涵養するためにどの程度の刑罰が必要かを明らかにすることは困難に思われた。
  • 藤原 映久, 宮阪 敏章, 鳥羽 幸恵
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 92-105
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    全国の中央児童相談所の職員、島根県内の保育所の職員(保育士)及び島根県内の病院職員(看護婦・士)を対象に、「父親・母親」、「子どもに"おまえが生まれてこなければよかった"と言う父親・母親」「子どもに食事を与えない父親・母親」「子どもを殴る父親・母親」の8概念について、SD法によるイメ-ジ調査を実施した。各概念は、親一般を意味する「父親・母親」を除いて、心理的虐待、ネグレクト、身体的虐待といった虐待を行う親を表している。集められたデ-タを因子分析にかけた結果、3つの因子が抽出され、それぞれの因子は、「明朗性因子」「情動性因子」「活動性因子」と命名された。さらに、児童相談所職員、保育士、看護婦の3職種全てが、親一般よりも虐待を行う親のイメ-ジをネガティブに評価するが、児童相談所職員は、保育士もしくは看護婦・士よりも、虐待を行う親を親一般のイメージに比較してネガティブに評価する傾向が弱いことが示された。本研究からは、虐待を行う親のイメージは職種間によってずれのあることが示唆されたが、このことは、異なる機関同士での連携を困難にする可能性を示している。よって、児童虐待事例において、異なる機関同士でのよりよい連携を目指すためには、それぞれの機関のそれぞれの職員が、これらのことを自覚する必要がある。
  • 浅井 千絵, 佐藤 達哉, 菅原 郁夫
    原稿種別: 本文
    2002 年 2 巻 1 号 p. 106-119
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/02
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    本研究では、事実認定において既知人物の目撃証言に対する判断が示された裁判事例を用い、その判決文において示された証言に対する信憑性評価を、心理学的視点から検討することを試みた。対象とした証言は、事実認定において重要視され、裁判官の心証形成に深くかかわった既知証人の証言である。方法として、各証言を分析する際に、証言項目、証人の証言内容、弁護人と検察官の主張および裁判官の判断といった項目を設定し、実際の証言から、各項目に対応する内容を表にまとめる手法を用いた。そしてこの項目ごとに、科学的な知見と矛盾した判断がなされていないか、心理学的な見地から検討を行った。その結果、既知人物の目撃証言は、(1)「知り合いであれば見間違わない」という経験則が裁判上で過度に信用されていること、(2)証言の信憑性評価が証人の確信度評価に大きく依存すること、そして(3)面通しが有効に機能しないという3つの問題点を指摘しえた。このことより、本研究は、今後既知人物の目撃証言の信憑性を判断する際の重要な留意点を示唆しえたといえよう。
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