日本舌側矯正歯科学会会誌
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2015 巻 , 25 号
日本舌側矯正歯科学会会誌
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 林 亜弥, 伊藤 剛志, 中野 裕子, 居波 徹
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 4-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    目的
    リンガルブラケット矯正治療において,脱落したブラケットを正しい位置に装着することは高度な技術を要する.このため,ブラケットの脱落を可及的に防ぐことが求められる.そこで本研究では,フルカスタムリンガルブラケット装置であるIncognito™(Top-service für Lingualtechnik GmbH, 3M Unitek, Bad essen, Germany)を用いて治療を行った患者におけるブラケット脱落率について調査し,その結果について検討した.
    資料および方法
    Incognito™を用いて治療を行った患者42名(男性7名,女性35名,平均年齢28歳3か月)を対象とした.調査項目は治療期間中の脱落回数,脱落部位,歯種別の脱落率,さらに高い脱落率を有する患者(脱落回数4回以上の患者11名)においては,脱落歯面における補綴処置の有無,ブラケットベース面の形態,使用した接着材料の種類を調べた.
    結果
    全患者における平均脱落回数は2.3回であった.一度もブラケットが脱落しなかった患者の比率は,全体の43%であった.また,上下顎とも大臼歯部が高い脱落率を示した.脱落歯面の性状は,天然歯と比較して,レジン修復,金属修復,ポーセレン修復された歯面が高い脱落率を示した.さらに,ブラケットベース面の形態を比較した場合,広く歯面を覆うよう設計されたバンド型やパッド型ブラケットは低い脱落率を示した.
    考察および結論
    本研究結果より,大臼歯部や補綴処置された歯ではブラケットが脱落しやすいことが分かった.このためブラケットの脱落を防ぐためには,症例に応じて接着面積を広く設計し,補綴処置された歯面に対して接着する場合にはアンダーカットを付与するなど付加的前処置をする必要があると示唆された.
  • 河田 俊嗣, 加来 真人
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 13-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    本症例は,初診時年齢38歳3か月の男性で,上顎左側智歯が完全萌出するも,対合歯の既抜歯に伴い咬合できなくなっていたことより,同歯を実験に用いることとした.
    抜歯に際して,デンタルX線撮影を行った.そして,ドナー歯をポリッシングさせました.局所麻酔薬には,1/8万エピネフリン含有キシロカインを使用した.ダイヤモンド付き鉗子のみによる抜歯を行った.抜歯された歯は,ポリプロピレン製容器に前述の冷凍保存液中に浸漬された.磁場を用いたプログラムフリーザーで冷凍を行った.ドナー歯の冷凍後,-150°Cの超低温冷蔵庫にて4日間冷凍保管した.解凍は,移植直前に室内温度22°Cで自然解凍した.
    移植後30日目に歯内療法を水酸化カルシウム製剤で根管充填を行った.冷凍保存した歯の自家歯牙移植した結果,歯根膜が再生し現在も長期に安定した状態を維持されていた.
  • 布川 隆三
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 21-32
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    過蓋咬合を伴うAngle ClassII Div1症例に対して,リンガルブラケット矯正法により上下顎歯列弓に対して歯科矯正用アンカースクリューを併用して治療したところ,II級咬合関係の改善のみならず,上下顎前歯の圧下に加えて上下顎歯列全体が圧下された結果,良好な咬合関係および顔貌変化を得た症例を報告する.
  • 椿 丈二
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 33-48
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    Objective
    外科を伴う矯正治療を希望しながら,様々な理由で矯正治療のみによる治療計画へ変更することも日本では多くみられる.今回は反対咬合の症例から,外科を伴う矯正治療のシミュレーションと非外科により矯正治療のみで治療を行った結果を比較しながら,歯列と咬合および顔貌の改善を行った症例について報告し,検討を行う.
    Methodologies
    症例1,2ともにオトガイ部の若干の突出とB点が前方に位置するため,初診来院時のコンサルテーション時から下顎枝矢状分割による外科的下顎後退を併用した治療法を検討していたが,本人の希望により,非外科によるリンガルブラケット矯正法で治療を行った.上下顎の小臼歯抜歯により,下顎については前歯部の後退と舌側傾斜で,下顎前歯の被蓋改善を目的に治療を行った症例について,その治療結果の検討を行う.
    Results
    歯軸傾斜の変化により,非外科による矯正治療のみでconcave facial typeの顔貌を改善できたものと考える.リンガルブラケット矯正の特徴である下顎の固定が強いことや前歯の舌側傾斜を行いやすいこと利用し,非外科による矯正治療で良好な結果を得られることは,外科を希望しない患者の有効な選択肢となると考える.
    Conclusions
    非外科的に矯正治療を行うことで,デンタルコンペーセーションは解消されず,下顎前歯の舌側傾斜は存在する.しかし,下顎前歯を安定した位置に保つために必要な条件である,下顎歯槽骨の範囲内に歯根を位置づけることができたため,歯肉退縮や歯根吸収も起こらずに治療後も咬合は安定している.
    今回の症例では十分にプロファイルの改善が得られたことに患者は満足している.このように標準的な上下顎骨の前後的な位置へ外科的に顎骨を移動することがすべての症例で必要とされるのではなく,歯槽骨内で歯の移動を安全に行うことが重要であると考える.
  • 伝法 昌広
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 49-58
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    舌側からの矯正治療において,抜歯症例の上顎前歯部のトルクコントロールが困難といわれている.このトルクコントロールを確実にするために様々な方法が考案されている.今回,前歯部に.018”×.025”スロット,臼歯部に.022”×.028”スロットのブラケットを使用し.018”×.025”ステンレススチールのワイヤーを用い,スライディングメカニクスにより前歯部の遠心移動を行い,良好な結果を得られたのでここに報告する.
  • 相澤 一郎
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 59-69
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    舌側からの矯正治療は,装置の審美性や患者の生活環境からインビシブルな装置として大変魅力的な治療方法として年々舌側矯正装置で治療を希望される患者も増加していると思われる.舌側矯正装置の選択肢も増え,治療のメカニクスについても日々進歩しており,日本舌側矯正歯科学会でもリンガル矯正ベーシックタイポドント講習会を毎年開催し,装置の種類にとらわれず,舌側矯正特有のバイオメカニクスの理解やテクニカルスキルの向上を図っている.
    セミナーのプログラムではリンガル患者への緊急対応・患者管理の講義をおこなっており,本稿では舌側矯正でおこりやすい初期トラブルを含め対応策について考察していきたい.
  • 渡邉 崇
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 70-74
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    リンガルブラケット矯正法特有の症状であるブラケット装着時の舌感,痛み,異物感,発音障害,嚥下機能に対する患者からの訴えは当初から聞かれ,1970年代の Fujita method発表以来,現状ではリンガルブラケットの形状をよりシンプルなデザインに改良開発を繰り返してきた歴史がある.ただ,シンプル化したとしても,患者個々の感じ方は様々で,どうしても我々術者側との差があり,慣れるまでの時間を必要としていた.そこで,我々は固定式のリンガルブラケットを装着前に,患者が装置装着感を三次元的に体感でき,トレーニングすることが可能で,痛み,異物感,発音障害,嚥下機能への事前の対応が可能となった可撤式トレーを考案したので報告させて頂く.
  • 萩田 洋児, 橋場 千織, 飯田 賀代, 川崎 由香子, 宮崎 芳和, 中島 健, 岡下 慎太郎, 佐奈 正敏, 重枝 徹, 玉川 幸二, ...
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 75-152
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    1. Angle Class I Bimaxillary protrusion・・・萩田 洋児
    2. 叢生と開咬を伴う上下顎前突症例・・・橋場 千織
    3. 側貌を考慮して非抜歯にて治療した叢生症例・・・橋場 千織
    4. Angle Class I Bimaxillary protrusion・・・飯田 賀代
    5. Angle Class I Openbite with high angle・・・川崎 由香子
    6. 前歯部叢生を伴う,Angle Class I 抜歯症例・・・宮崎 芳和
    7. アングルII級1類過蓋咬合症例・・・中島  健
    8. 叢生をともなう上下顎前突症・・・岡下慎太郎
    9. 口元の突出感を伴った歯性上下顎前突症例・・・佐奈 正敏
    10. Angle Class I Crowding Case・・・重枝  徹
    11. 右側第二大臼歯頬側転位を伴うAngle Class I 叢生症例・・・玉川 幸二
    12. Angle Class II 級叢生を伴った上顎前突症例・・・相澤 一郎
    13. 成人Angle Class II div1叢生症例・・・速水 勇人
    14. Angle Class II 上顎前突・・・岩佐 恒明
    15. Angle Class II Crowding with mandibular deviation・・・亀山威一郎
    16. 上下顎前突を伴う骨格性II級症例・・・大塚 重雄
    17. Skeletal Class II(アングル I 級)high angle症例・・・東海林貴大
    18. 上顎前歯の圧下を行ったAngle Class II,上顎前突症例・・・椿  丈二
    19. high angleを伴うSkeletal Class II開咬症例/ Skeletal Class II Openbite with high angle・・・山田 尋士
    20. 上下顎前歯の突出と叢生を伴うAngle Class II div.1,上下顎左右側第一小臼歯抜歯症例・・・義澤 裕二
    21. 上顎左側第二小臼歯のアンキローシスを伴うアングル III 級症例・・・安藤 勝也
    22. 叢生を伴うAngle Class III, 歯槽性開咬・・・下田 哲也
    23. 上下顎前突症 Bimaxillary protrusion・・・松下龍之介
    24. 著しい上顎前突の一治験例・・・中川  学
    25. 著しい上下顎前突症例・・・山田 尋士
    26. 下顎の側方偏位を伴う叢生症例 / Crowding with mandibular lateral deviation・・・山片 重徳
    27. Maxillary protrusion with significant soft tissue change・・・青木 泰樹
    28. 叢生を伴う上顎前突症例・・・地主 尚由
  • 小林 美砂子, 小平 安彦, 傳法 昌広
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 153-171
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    1. リンガルアーチとミニスクリューを併用し治療したAngle class II tendency, crowding, CO-CR discrepancy case.・・・小林美砂子
    2. 上下小臼歯抜歯を行い治療したSkeletal III, bi-maxillary, CO-CR discrepancy case・・・小林美砂子
    3. 重度の叢生を伴うAngle Class I 上顎前突症例・・・小平 安彦
    4. 重度歯周疾患及び叢生を伴うAngle Class I 上下顎前突症例・・・小平 安彦
    5. 上下顎前突を伴うAngle Class I 症例・・・傳法 昌広
    6. 前歯部叢生を伴うAngle Class II div 1症例・・・傳法 昌広
  • 近川 美喜子, 布川 隆三, 松野 功, 名取 晶子, 酒井 昭行, 佐藤 英彦, 吉田 哲也
    2015 年 2015 巻 25 号 p. 172-194
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    1. 上顎正中の偏位を伴う 過蓋咬合,叢生症例・・・近川美喜子
    2. Facial change produced with the intrusion of the upper and lower dentitions using miniscrews in a Class II division 1 case・・・布川 隆三
    3. Maxillary protrusion with high angle・・・松野  功
    4. 前歯部叢生を伴う骨格性上顎前突症例・・・名取 晶子
    5. 顎位の偏位を伴った上顎両側切歯の口蓋転位を有する片側 Class II の上顎の重度な叢生症例・・・酒井 昭行
    6. Angle Class II div.2 Deep bite case・・・佐藤 英彦
    7. アンカースクリューを用いたAngle Class I 叢生症例・・・吉田 哲也
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