音声言語医学
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26 巻, 2 号
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  • ―老年群と壮年群の比較―
    福迫 陽子, 物井 寿子
    1985 年 26 巻 2 号 p. 145-158
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    失語症患者の言語訓練の成績と年齢との関係を知ることを目的に, 2カ月以上言語訓練を実施し2回以上失語症鑑別診断検査 (老研版) を行った失語症患者303例 (60歳以上の老年群161例, 59歳未満の壮年群142例) について検討し, 以下の知見を得た.
    1) 改善例出現率は年齢が高くなるにつれて減少し, 老年群と壮年群の間で有意差が認められた.訓練後の到達レベルは, 老年群では壮年群に比べて低い症例が多かった.
    2) 年齢によって改善例出現率や到達レベルに差の認められるタイプとそうでないタイプに分けられた.
    3) 訓練開始時期が早いほど改善例出現率は高かった.どの開始時期においても改善例出現率は老年群では壮年群に比べて一貫して低かった (ただし, 発症後4ヵ月以上6ヵ月以内を除く) .
    4) 全般的精神活動低下を合併する症例は老年群では壮年群に比べて有意に多く, このような症例では改善例出現率は低かった.
  • 小林 はるよ, 堀内 美智子, 田中 美郷
    1985 年 26 巻 2 号 p. 159-166
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    この研究は, 幼児期にホームトレーニングに参加し, 現在学齢にある難聴児の, 現在の言語の状態にかんする追跡調査の一部で, ビデオテープを通じて話される単語, 文, 短い物語の了解について調査したものである.難聴児は聴力レベルの軽い群と聴力レベルの重い群に分け, 両群の成績を比較した.また, 難聴児群の成績を健聴のコントロール群の成績と比較した.結果は, 以下の通りである.
    1.聴力レベルの軽い群, 重い群ともに, 読書力検査により得られた読書学年が高いほど, 単語, 短文, 物語のいずれの了解の成績も向上した.
    2.読書学年が同じであれば, 聴力レベルの軽い群のほうが, 了解の成績がよかった.
    3.物語の了解においては, 難聴児群は, 読書学年が健聴児群より1~3年高い場合に, 健聴児群とほぼ同じ成績を示した.
  • ―情報処理プロセスからのアプローチ―
    野島 啓子, 藤田 郁代, 早田 裕子
    1985 年 26 巻 2 号 p. 167-173
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では失語症者の記銘力障害について検討するため, 言語的材料を刺激とした聴覚的記銘・復唱・視覚的記銘の3課題と, 非言語的材料を刺激: とした無意味図形記銘課題を, Broca・Wernicke両失語群と健常者を対象に実施した.失語群には言語的材料として呼称可と呼称不可の2種の材料を用意した.その結果は以下のとおりである. 1) 言語的材料の記銘課題では失語群の記銘量は健常者より有意に低かったが, 非言語的材料の記銘課題では両者に有意な差はなかった.
    2) Wernicke失語群は聴覚的記銘課題において呼称可の材料の記銘量が不可の材料の記銘量より有意に多かった.
    3) 各テスト間の相関のパターンの違いから, 健常者は言語的材料を用いた記銘課題において音響的符号を主に用いるが, 失語症者は意味的符号・視覚的符号等の音響的符号以外の符号を用いている可能性が示唆された.
  • ―音声による情報伝達の必要性からの検討―
    比企 静雄
    1985 年 26 巻 2 号 p. 174-182
    発行日: 1985/04/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
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