高度難聴幼児, 男児1名, 女児1名について, 認知の発達と言語発達の過程を観察した.男児も女児も, 母親や指導者と, できるだけ戸外で遊んだ.男児は, 自動車が行き来するのを見るのが好きであった.男児らは, 玩具の自動車を使って遊んだ.1歳10ヵ月のとき, 自動車が後進するのを見て, 「バック」といった.初語である.その後, 男児は, 母親らとの玩具の自動車を使う象徴遊びをとおして, 言語を発達させていった.
女児は, 戸外で, 大きい声をだして, ちょうちょを追いかけるようになった.女児らは, 玩具の食器を使って遊ぶのが好きであった.女児は, 1歳6ヵ月のとき, 指導者に「バイバイ」といって手を振った.初語である.その後, 女児は, 母親らとの人形や玩具の食器を使う象徴遊びにより, 言語を発達させた.
FM補聴器により, 男児ははなれている母親の声に反応し, 女児は構音を分化させた.
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