音声言語医学
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29 巻 , 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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  • 日暮 嘉子, 正木 信夫, 辰巳 格, 笹沼 澄子
    29 巻 (1988) 4 号 p. 307-315
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    ほほ純粋な発語失行症患者1例に, 1拍発話「差」から, 9拍発話「魚屋さんからの」を, 単独で, および文中に埋め込んで発話させ, 発話の全体長と各拍の持続時間を計測して, 以下の知見を得た.
    (1) 単独, 文中発話とも, 発話の全体長は, ポーズを除いても, きわめて長く, 発話が遅い.平均値で見る限り, 全体長は拍数に比例して増加するが, 発話ごとのバラツキが大きい.
    (2) 発話の第1拍 [sa] の持続時間は, 2拍発話までは, 健常者と同様に, 単独, 文中発話とも減少するが, 2拍を越えると増加する.
    (3) 発話試料 [sakana・・・・・・…] のセグメント [ak] と [an] の持続時間の関係をみると, 文中発話では先行セグメントの持続時間の変動が, 後続セグメントにより相殺されるのに対して, 単独発話ではこうした調節は行われていない.
    (4) ポーズは, 文法項目の切れ目に挿入される.
    これらの結果に基づき, 発語失行症患者の韻律異常について検討した.
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  • 張 昭明
    29 巻 (1988) 4 号 p. 316-321
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    台湾の教師にみられる音声障害の実態を知り, それに対する対策を立てる目的で, 1986年7月より1987年1月までの7ヵ月間に国家公務員外来センター耳鼻咽喉科を受診した教師391名を対象としてアンケートによる調査を行った.結果を以下に示す.
    (1) 1週間の授業時間数は音声障害発症に重要な要素であった.
    (2) 騒音環境は音声障害の発症因子と考えられた.
    (3) 学校教師の中では小学校の教師の音声の問題がより深刻であった.
    (4) 音声障害は, 女教師に高頻度にみられた.以上の結果より音声障害の予防策としては, 授業時間を減少し, 環境騒音を排除する努力が必要である.なかんずく, 女教師に対する配慮が必要であることが示唆された.
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  • 渡部 信一
    29 巻 (1988) 4 号 p. 322-330
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    軽度右マヒを伴なう失語症者の右手で書いた文字がしばしばつづけ字になる点に着目し, その発生機序を明らかにすることを目的として, 一般的な右手書字課題に加え, 書字の運動記憶を有効に利用しえない2つの課題 (左手書字課題および画分離書字課題) を3症例に対し実施した.その結果, 3症例とも右手書字課題と比較して, 成績の低下が認められた.このことから, 彼らの示したつづけ字は, 単にマヒによる運動機能低下や単なる過去のくずし字の習慣のためのみによるものではなく, 脳損傷のために文字を想起しそれを手指運動に結びつけるといった意識的・制御的な書字が困難になり, 子供の頃からの書字経験によって獲得した運動記憶に基づいた無意識的・自動的な過程が彼らの書字行為においては優位になったために現われたものと考えた.
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  • 小出 貞子, 城本 修, 庄司 治子, 大庭 美智子, 平野 実
    29 巻 (1988) 4 号 p. 331-336
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    2歳8ヵ月に発症したと思われる, 後天性難聴男児に対して, 3歳5ヵ月から, いわゆる聴能訓練を行い, 4歳7ヵ月で, 遊びを中心とした指導に変更した.
    この症例に対する言語指導を通して, 次のことがわかった.4歳1ヵ月では, 1語発話が中心で, 言語行動の機能は物の命名や模倣が多かった.構音は全体に明瞭度が下がっていた.4歳7ヵ月で指導方針を変更した.4歳8ヵ月から4歳10ヵ月頃は, 指導方針の変更にとまどったのか, 言語表出能力が全体に低下した.その後は, 2語発話が増え, 構音も [k] [t] の分化がすすみ, 助詞の誤りも減少してきた.そして言語行動の機能は, 質問や意志が増えた.
    後天性難聴児の言語指導では, 遊びを中心とした指導において, 子ども全体を伸ばしていくことが, 生きたことばを獲得していくために大切であると考える.
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  • 神尾 昭雄
    29 巻 (1988) 4 号 p. 337-341
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    失文法に関する従来の研究では, 失文法における言語障害の性質が十分に明らかにされておらず, 文法的要素を脱落させる傾向として促えるにとどまっていた.最近の大規模な失文法の国際的比較研究のプロジェクトによって, 日本語の失文法についての詳しい観察がもたらされたので, 本稿ではその主要な点について報告する.また, 最近失文法の一般的特徴についての仮説を模索する重要な試みがいくつかなされている.本稿では, そのうちKeanおよびGrozinskyの仮説を取り上げ, 上述のプロジェクトの結果と関連づけて, 批判的に論ずる.最後に, 語の概念に基づくMennの仮説が最も有望と考えられるので, これについて考察を加える.
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  • 田川 皓一
    29 巻 (1988) 4 号 p. 342-350
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    脳梗塞により失語症を呈した44例を対象として, ポジトロンCTにより脳循環代謝量を定量的に測定し, 失語症のタイプや重症度との関連性について検討した.ポジトロンCTは15Osteady-state法により実施し, 優位半球8ヵ所に設定した関心領域の局所脳血流量 (rCBF) と脳酸素消費量 (rCMRO2) , ならびに半球平均脳血流量 (rCBF) と酸素消費量 (rCMRO2) を求めた.
    失語症のタイプは運動失語が18例で, 感覚失語が20例であった.他の6例は全失語であった.失語症の重症度は軽一中等症群の28例と重症群の16例に分類した.なお, コントロール群として左中大脳動脈穿通枝領域の梗塞の7例を用いた.
    運動失語群ではBroca領を反映する前頭葉後部で, 感覚失語群ではWernicke領を反映する側頭葉後部で, コントロール群と比較してrCBFやrCMRO2の有意の減少をみた.失語症各群で前頭葉後部のrCBFとrCMRO2を比較すると, 感覚失語群に比し, 運動失語群で有意の減少をみた.運動失語は前頭葉後部の損傷で出現するとする古典的局在論と一致する所見である.
    失語症の重症度でみると, 軽一中等症群はコントロール群に比し, mCBFやmCMRO2, ならびに言語領野のrCBFやrCMRO2で有意の減少を示した.また, 重症群は軽一中等症群やコントロール群に比し, 同様に有意の減少を示した.失語症の重症度の評価に脳循環代謝面からの検討も有用と考えられた.
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  • 辰巳 格
    29 巻 (1988) 4 号 p. 351-358
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    文献に記載された失語症のかなの読み書きの障害とその訓練法を, 先に提案した単語情報処理の機能的モデルに基づき検討した.その結果, かなの読み書きの障害には, 文字言語と音声言語の乖離により生じるものと, 音声言語処理系の障害により生じるかなの副次的な障害, とがあり, これらが重畳して現われることが明らかとなった.また, それらの障害に対する訓練法には, 障害された処理過程・経路を使わずに, 新たな迂回路を作り機能の回復を目指すものと, 障害された処理過程・経路をそのまま使い, 機能の復元を目指すもの, とがあった.現状では, これら2種の訓練法の有効性が十分に比較されてはおらず, さらに検討する必要があるように思われる.
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  • 藤田 郁代
    29 巻 (1988) 4 号 p. 359-367
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    最初に, 失語症の言語治療に関する研究の流れを整理した.次いで, 著者らが開発した構文の治療をBroca失語10人, Wernicke失語5人, 混合型失語3人, 全失語7人に実施した結果を分析し, 次の結果を得た.
    (1) 各失語群の構文の理解力と産生力は本治療法が基づく階層に従って崩壊しており, 回復もその階層に従って進んだ.
    (2) 治療後には, 対象者全体では聴理解84%, 読解54.2%, 産生70.8%の者の構文能力のレベルが上昇した.レベルが上昇した人数は産生だけに失語のタイプによる差が存在した.
    (3) 構文の理解力と産生力の到達レベルは失語のタイプによって異なった.
    (4) 構文の理解力と産生力がともに回復した者は, 理解力だけ回復した者より到達レベルが高かった.
    以上の結果から, 今後の失語症の言語治療研究の課題を検討した.
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  • 伊藤 元信
    29 巻 (1988) 4 号 p. 368-373
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    失語症者のための地域リハケアについての関心が高まってきているが, ケア・システムについての検討は殆どなされていない.
    失語症者の地域リハケア・システムを開発・確立するためには, まず, 地域の失語症者およびその家族のニーズの把握が必須である.今回われわれは, 横浜市の在宅失語症者のリハニーズ調査 (七沢脳血管センター退院患者の追跡調査を含む) を行った.加えて, 横浜市における失語症治療施設の現状・保健所の失語症者への対応の状況・失語症者の友の会活動についても情報収集を行った.
    以上の諸調査はすべてパイロット・スタディーの域を出ないが, 本稿では, 今回得られた結果を報告するとともに, 行政機関の責任で設置した基幹リハ施設を中核にすえた失語症者のための地域リハケア・システムのあり方についても若干の考察を加えた.
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  • 塩永 淳子
    29 巻 (1988) 4 号 p. 374-376
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
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