音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
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30 巻 , 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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  • 小山 正
    30 巻 (1989) 2 号 p. 151-166
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    本稿では, 発達初期に精神発達に遅れを示す子供の前言語期と言語出現期における言語獲得関連行動の発達の様相をみた.対象は京都市児童相談所に発達の遅れを主訴として来所し, 相談所で経過指導を行った25例である.経過指導終了時の語彙数によって事例を3群に分け, 言語獲得の状況と言語獲得関連行動との発達的関連性について考察した.
    その結果, 言語未獲得群では, 指さし理解, Showing以外のやりとり行動, 車, 人形の慣用的操作, 身振りゲームは比較的良く発達していた.語彙3語未満群では, 前言語期から言語出現期にかけて非伝達的指さし, 電話の慣用的操作, 象徴遊びが発達した.語彙3語以上10語未満群では, 前言語期から言語出現期にかけて指さし理解, 非伝達指さし, 伝達的指さし, 人形の慣用的操作, シェマを組み合わせた象徴遊び, 語の模倣が発達した.言語未獲得群と言語獲得群との間に, 非伝達的指さし, 象徴遊び, カップとスプーンの慣用的操作, 語彙にある語の模倣, 母親への質問結果によるバイバイの発達状況に有意差がみられ, これらの行動は言語獲得ときわめて関連があると考えられた.
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  • 北野 市子
    30 巻 (1989) 2 号 p. 167-177
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    Velocardiofacial Syndromeは, 1978年にShprintzenらによって, 提唱された症候群で, 先天性心疾患・2次口蓋の裂, 特異顔貌をその主徴とする.今回筆者は, これに類似する特徴をもつ11例の児の口蓋形成術後の言語成績を検討した.その結果, これらの児の鼻咽腔閉鎖機能の改善には長期間を要し, 言語成績は不良であった.言語成績と心奇形のタイプおよび特異顔貌の有無には関連性が認められなかったことから, 心奇形および特異顔貌を発生させるメカニズムと, 咽頭周辺の形態的機能的異常について, 発生学的な見地から説明することは困難と思われた.また, 精神発達遅滞の有無と言語成績の良・不良にも一貫性がなかったことから, 術後の言語成績が不良である原因を中枢性の協調運動障害によって説明することも困難であった.一方, 心臓の根治術後に劇的に開鼻声の解消が見られた症例から, 心機能の改善と咽頭収縮運動の間に, 何等かの関連があることが示唆された.
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  • 竹内 愛子, 高橋 正, 宮森 孝史
    30 巻 (1989) 2 号 p. 178-187
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    右半球損傷者はコミュニケーション事態において, 言語的・非言語的情報の統合に障害があるために言語操作の高次レベルで困難を示すと考えられている.本論文では, この特徴が右半球損傷群の全体的傾向なのか, あるいは特定の下位群の特徴なのかを明らかにするために, 左半側空間無視の有無を条件とし, 非無視群8例, 無視群18例, および対照群として血管性痴呆群18例に実用コミュニケーション能力検査を実施した.主な結果は, (1) 非無視群の検査成績は高く, 実用コミュニケーション能力に障害がない, (2) 無視群は, 検査成績が高く非無視群と差がない高得点群 (10例) と, これら2群に比較して有意に低い低得点群 (8例) に分類された, (3) 無視低得点群を痴呆高得点群に比較すると, 群間の成績に差がなく, また得点が特に低い検査項目の比較においても, これら2群は質的に区別できなかった, となっており, 右半球損傷群内のコミュニケーション能力は一様でないことが明らかとなった.
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  • 加我 君孝, 進藤 美津子, 橋本 佳子, 田中 美郷
    30 巻 (1989) 2 号 p. 188-204
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    画像診断法の最近の進歩は著しい.X線CT, MRI, Positron CTなどが, その代表的なものであり, 小児の脳損傷と言語, 行動に関する診断・治療・教育には, 欠かすことができない.解剖学的な異常の同定には, CTよりもMRIの方が優れている.しかし, 両者とも1cmのスライス厚の平均画像で, 実際の脳とは異なることを留意しなければならない.Positron CTは, 脳の代謝異常や変化を知るのに良い方法で, CT, MRIでは明らかにできないような生化学的異常を明らかにすることが可能である.
    電気生理学的な診断法の進歩もコンピューターの応用で著しい.特に誘発電位は, 睡眠時でも可能な, 各感覚の神経系に起源を持つものと, 覚醒時に, 被験者に判断行為をさせることで記録する事象関連電位 (ERP) に分かれ, 聴覚, 視覚に関連した障害の診断に臨床応用されている.各種の読字障害の診断に, 電気眼振計で記録する, 文章を読む時の眼球運動の分析も有用である.
    小児では, 画像および電気生理学的診断法のような, 他覚的検査法の活用が, 脳障害と言語・行動の理解の鍵である.
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  • 八島 祐子, 高橋 志雄, 熊代 永, 永淵 正昭
    30 巻 (1989) 2 号 p. 205-211
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    1957年LandauとKleffnerは“acquired aphasia with convulsive disorder in children”と題し, 後天性失語症と高度の脳波異常とてんかん発作を合併した症例を報告した.近年, これはLandau-Kleffner症候群 (LKS) と呼ばれ, 報告例は内外で約140におよぶ.長期予後調査の結果からみると, LKSの診断の必須の条件は, 後天性失語症とmultifocal spikes, spike and wave dischargesを示す脳波異常である.てんかん発作の出現は70%といわれ, 臨床発作のない例もある.さらに, 行動異常, 疾病失認, 異常な性格傾向が存在することもLKSの特徴である.発作は抗てんかん剤により多くは抑制される.LKSにおいて最も重要なことは言語症状 (語聾) と行動異常などに対する治療教育である.発症年齢により異なるが個々の発達段階および言語症状の診断と評価に基づき, サイン言語などを用い個々に即した特殊教育が必要である.
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