音声言語医学
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34 巻 , 4 号
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  • 立石 雅子
    34 巻 (1993) 4 号 p. 322-329
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    慢性期の失語症患者90例 (失名詞失語, Broca失語, Wernicke失語各30例) , 健常者20例に対し, 語連想課題として自由連想, 統制した語連想, および選択課題の3種を施行し, 失語症患者の語連想における健常者との差異について検討した.
    その結果, 失語症患者と健常者とでは語連想に差異が認められた.すなわち, (1) 自由連想において失語症患者では適切な連想語が少ない, (2) 自由連想において失語症患者では刺激語とparadigmaticな関係にある連想語の出現頻度が健常者に比べ, 著明に減少する, (3) 失語症患者では自由連想において抽象性や使用頻度という刺激語の性質により連想語のカテゴリーパターンに差異が認められる, (4) 選択課題において失語症患者のカテゴリーパターンが健常者と異なることが示された.これらの結果から, 失語症患者の語と語の結合の場の構造が健常者のそれとは異なることが示唆された.
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  • 河野 淳, 城間 将江, 舩坂 宗太郎
    34 巻 (1993) 4 号 p. 330-337
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    コクレア社製22チャンネル人工内耳を装用している15名を対象に, リハビリテーション (訓練) 開始後約1, 3, 5, 8, 12週に, 3条件―人工内耳のみ (CI) , 読話のみ (LR) , 人工内耳と読話併用 (CI+LR) ―で文章追唱検査を施行し, 追唱率 (文節/分) の推移および語音認知能検査との関連性・語音認知能検査としての意義について検討した.CI+LR, CIでは訓練経過に伴い上昇する傾向があり, 訓練経過による認知能向上経過を観察できた.訓練開始後約12週での追唱率の平均は, CIで11.9文節/分, LRで4.7文節/分, CI+LRで27.4文節/分であり, 訓練開始後約12週の追唱率と福田版ビデオ教材による語音認知能検査結果との間には, 特にCI+LR, CIに高い相関がみられた.文章追唱検査はその方法を考慮すれば, 人工内耳装用者の訓練経過の観察や簡便な語音認知能の評価法として有効であると示唆された.
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  • 遠藤 康男, 粕谷 英樹
    34 巻 (1993) 4 号 p. 338-341
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    嗄声における基本周期 (周波数) , 振幅系列のゆらぎを定量化するために比較的良く用いられるさまざまなゆらぎパラメータについて比較検討を行った.パラメータとしてjitter/shimmer factor, 変動指数, ジッタ/シマーパラメータを用いた.これらのパラメータと熟練した耳鼻科医がGRBAS尺度に関して評定した聴覚的評点との関係という観点から比較検討を行った.喉頭癌, 声帯ポリープ, 反回神経麻痺患者が発声した持続母音の52例を用いた実験により, ジッタ/シマーパラメータが病的音声の聴覚的印象と最も対応が良いことを示した.
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  • 岩田 まな, 佃 一郎
    34 巻 (1993) 4 号 p. 342-348
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    言語発達過程にみられる模唱の機能について, 1歳6ヵ月から2歳3ヵ月まで, 健常児2児の自由会話を調べ, 以下の知見を得た.
    1) 模唱の発生頻度は1歳8~9ヵ月に全発語数の約20%と最も多くみられ, 以後漸減して2歳以降は2%以下になった.
    2) 模唱を機能別に調べたところa) 大人に促された模唱, b) echolalia, c) 言語的に意味があると思われた模唱に分類できた.c) はさらに (1) 子供の意図, 行動, 感情等を大人が言語化したときに生じた模唱, (2) 音韻やリズムを楽しんで行った模唱, (3) 聞き返し, 返事, 命令のために使われた模唱, (4) ふざけて行った模唱に細分できた.
    3) 月齢毎に模唱の機能の量的変化をみると, どの時期もc) が多く, その中でも (1) (2) の占める割合が多数を占めた.このことから (1) (2) は子供の模唱意欲を高め, ひいては言語発達に関与すると考えられた.一方a) は親の養育態度によるところが大きく, これがあまり続くと子供が拒否的になるようすが観察された.b) は量的にはごくわずかで, 健常児にはあまり大きな意味をもたないと考えられた.
    4) 模唱の形態的変化を追跡すると, 初期は語の一部の模唱であったものが, 年齢が進むにつれ1語の模唱, 2語の模唱へと発達し, 同時に語形変化, 反対語, 模唱に別の語を付加するなどが現われ, 模唱を使って意思表示ができるようになっていった.さらに模唱を含んだ自発話へと発達し, これらから模唱がcommunication toolとして用いられていく過程が読み取れた.
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  • 遠藤 康男, 粕谷 英樹
    34 巻 (1993) 4 号 p. 349-353
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    嗄声の音響的分析に用いられる持続母音は発声障害の程度の高い患者の場合定常とみなせなくなる場合がある.したがって, 非定常性を考慮して音響的分析をするのが望ましい.非定常な持続母音を耳鼻科医が聴いて評価する場合, 持続母音のある特定の区間に注意を向ける傾向にある.そこで, 非定常な持続母音から耳鼻科医が注意を向けていると思われる区間を取り出す方法 (セグメンテーション) を提案する.そして, このセグメンテーションを, 基本周期, 振幅系列のゆらぎの分析に適用し, セグメンテーションを用いることによりゆらぎパラメータと聴覚的印象との関係が良くなることを示す.
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  • 佐竹 恒夫, 飯塚 直美, 伊藤 淳子, 東川 健
    34 巻 (1993) 4 号 p. 354-373
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    音声記号の受信 (理解) 面に比し発信 (表現) 面に極端な遅れがみられ, 国リハ式〈S-S法〉言語発達遅滞検査で症状分類B群 (音声発信困難) と分類された, 自閉症を伴う精神発達遅滞児4症例の発信行動の習得経過を, 発信行動の習得過程を分析するため作成した発信行動習得モデルを用いて分析した.
    その結果, B群のサブタイプa (文字・身振り記号・音声模倣による訓練が有効) の中に, コミュニケーション態度は不良 (自閉症) で, 音声発信を習得する過程が, (1) 初期的および事物を表す身振り, (2) 口腔器官運動や単音・単音節などの模倣および自発発信, (3) 文字を補助とする異音節結合, (4) 音声模倣による異音節結合, 自力での音声発信が日常的に可能となる, 以上のような共通する経過を示す下位群が設定できることを示した.
    さらに, 音声発信困難をきたす関連要因, 訓練プログラムにおける文字と身振り記号の意義などについて検討した.
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  • 北嶋 和智
    34 巻 (1993) 4 号 p. 374-379
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    有声子音/b/の音声基本周波数 (Fo) の低下が声門上下圧差の低下で説明できるかについて検討した.被験者は男性3名, 女性3名で, 各被験者について2つの条件下でのFo低下を記録した.すなわち, 1) 持続母音発声中に急速に気道を閉じた際のFo低下, 2) 母音/i/の高さと強さを一定に保ったまま, /i: bi: /と発声させた際のFo低下である.1) と2) のFo低下の大きさの間には一定の関係が観察されなかった.すなわち, /b/のFo低下は声門上下圧差単独では説明できず, 喉頭筋活動が積極的に参加していることを示唆するものであった.
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  • 田村 悦代, 北原 哲, 佐藤 道哉, 井上 鐵三
    34 巻 (1993) 4 号 p. 380-386
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    声帯内注入術の普及につれ, 注入材料の注入後の変化について多く報告されてきた.そこで, 近年注入材料として, 使用されることの多い, 3%アテロコラーゲン (高研製) について, 実験的に反回神経麻痺を作製した犬声帯を用いて, 注入後の変化を, 病理組織学的に検討し, 以下の知見を得た.
    1) 声帯遊離縁部に注入された例では, 周囲組織の反応が活発で, ホストの組織に置換される過程と推定される所見が認められたが, 筋層内注入された例では, 周囲に被膜形成もみられるなど, コラーゲンの組織内における安定性は, 注入部位によって異なると推測された.
    2) 周囲にホスト由来の膠原線維からなる被膜を有して一塊として認められる場合は, アテロコラーゲンとしての免疫学的な特徴を保存した状態で残存していた.
    3) 観察期間中, アテロコラーゲンに対する明らかな異物反応は認められなかった.
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  • 小川 節子, 保坂 敏男
    34 巻 (1993) 4 号 p. 387-393
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    多発性脳梗塞のため, 重度の麻痺性構音障害と四肢麻痺をきたし, 発話, 書字, 文字盤の指差しが不可能な高齢の一症例に対し, 有効なコミュニケーション手段を探った.まず, パソコンを用いた意志伝達装置の利用を試みたが, 「自分には無理」との理由で, 本症例には受け入れられなかった.そこで透明アクリル板に五十音表を記入し, これをはさんで患者と向き合い, 視線を合わせることによって患者がみている文字を同定する方法を導入した.訓練は患者の表出意欲を引き出すよう留意しつつ, 表出内容を長さ・聞き手の推測のしやすさ・抽象度の3点について, 表出場面を相手・場所の2点について, それぞれ段階づけて行った.その結果, 自発的使用に至り, あわせて関心の広がり, 障害に前向きに取り組む姿勢, 短歌作成といったQOLの向上にもつながった.
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  • 今泉 敏, 林 安紀子, 出口 利定
    34 巻 (1993) 4 号 p. 394-401
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    教師と学童の会話音声を解析することによって音声生成の聴者適応特性を調べた.4名の教師のおのおのが3名の難聴児と4名の健聴児に対して音声知覚能力を調べる一種のゲームを行っている場面の会話音声を録音・解析し, 以下の結果を得た.1) ゲームの説明方法や説明に使用された文は対象児が難聴児かどうかに応じて変化した.難聴児に対して教師はより多くの単文を使用し, より多くの反応を求めた.2) 文の時間構造も変化した.難聴児に対して教師は音節長を長くし, ポーズを多用する傾向があった.
    これらの結果は難聴児の会話音声知覚を助けるように教師が話法を制御することを示している.聴者に依存した話法の制御は, 文の構成段階から文の音響的時間構造を決める構音運動の企画段階まで発話企画の広い範囲に渡って行われていることを示唆している.
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  • 西尾 正輝
    34 巻 (1993) 4 号 p. 402-416
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    慢性疾患の障害モデルに基づき, 機能障害, 能力障害, 社会的不利の各レベルから, 最重度dysarthria1例 (単語明瞭度0%) のスピーチ・リハビリテーションを行った.機能障害レベルでは生理学的アプローチを基本概念とした.その主要結果は,
    1) 機能障害に対する生理学的治療により能力障害 (発話明瞭度と構音能力の低下) は著明に軽減した.
    2) 能力障害に対するアプローチにより構音とプロソディーの異常はさらに改善し, 単語明瞭度は治療終了時に97.5%に上昇した.
    3) 能力障害の重症度と社会的不利の重症度はきわめて異なり, 後者の軽減が臨床上の最終重要問題となった.
    以上の結果から, dysarthriaの臨床的managementにおける生理学的アプローチの有用性, および慢性疾患の障害モデルに表されるような幅広いパースペクティブの臨床的必要性が示唆された.
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  • 志村 洋子, 今泉 敏
    34 巻 (1993) 4 号 p. 417-424
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    乳児の音声を通した感性情報表出能力の発達的様相を検討している.本研究では, 泣き声を含まない乳児の音声を対象に, 5段階評定尺度法により, 学生, 母親, 保母から成る3群の聴取者およびコンテキストを変動要因とした, 感性情報の聴取傾向を明らかにした.得られた結果は次の通りである.1) 乳児音声から聴取される感性情報には, 聴取者・コンテキスト間の多様性を超えて共通に聴取される特性と, 要因に応じて変化する特性が存在し, 発声の状況を表すコンテキスト依存特性は聴取者群によって違っていた.2) 依存特性は, 学生ではコンテキストの影響が線形予測可能な範囲にあるのに対し, 母親や保母では感性情報評価項目間の相関関係を変えるような傾向を示した.これらのことから, 聴取者, コンテキストの差異を超えた特性とともに, 聴取者の育児体験などの経験差が聴取・評価に影響をおよぼすこと, その影響の仕方は, 対象となった発声をどの様な状況下での発声とみなすか, に応じて評価を変える様式に現れることが明らかになった.
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