音声言語医学
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35 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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  • 山本 晴美, 水谷 素子, 河村 満
    35 巻 (1994) 2 号 p. 167-170
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    舌突出現象 (Tongue thrust) は口腔顔面の失行や運動麻痺がないにもかかわらず, 発話時にのみ不随意な舌の突出を特徴とする特異な運動障害である.症状は発話時以外にはみられず, 口・舌ジスキネジア (oro-lingual dyskinesia) とは区別される.舌突出現象の報告は少なく, 本邦では矢野ら (1979) により3例が報告されているのみであり, 彼らは舌突出現象の機序を機能性のものとしている.
    われわれは舌突出現象を呈した2症例を経験し, その舌の異常運動の態度について症候学的に検討した.舌の異常運動には突出以外に挙上・移動が共通して認められた.また, 舌突出現象の出現しやすい状態を構音別に調べた結果, 2症例に共通して, 歯音, 歯茎音で出現しやすいことが明らかになった.以上を含め, 舌突出現象が単に機能的障害と決めつけられない可能性を示した.
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  • 林 耕司
    35 巻 (1994) 2 号 p. 171-180
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は図形シンボルシステムNSL88を用いた言語発達遅滞児への言語訓練の可能性を検討する目的で行われた.対象は訓練開始時CA4: 5で, 言語理解に比し発語が困難な精神発達遅滞を伴う言語発達遅滞児である.訓練は図形シンボルを用いて単語, 2語連鎖, 3語連鎖の順に訓練し, 次に漢字, 仮名の順で訓練を進めた.単語訓練で学習されたシンボルは順次コミュニケーションボードに載せ, 日常での会話に使用できるようにした.2年4ヵ月の図形シンボルの訓練を通して, 計95語 (名詞74語, 動詞19語, 形容詞2語) の単語と, 2~3語連鎖の学習が成立した.発語は仮名文字訓練が進むにつれて不明瞭ながら可能となった.ボードは積極的に活用され, 図形シンボルは4年間にわたって音声表出の一時的代替手段として用いられた.これらの結果から, 図形シンボルシステムが言語理解は比較的良好な発語困難児の言語訓練において果たす役割について考察した.
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  • 西尾 正輝
    35 巻 (1994) 2 号 p. 181-192
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    プロソディーの評価法について検討した.対象は失調性dysarthria患者2例および健常者10例で, 発話サンプルとして対照的ストレス課題を施行し, 聴覚的にプロミネンスの正確度および異常度を定量的に判定し, 音響学的に基本周波数, 持続時間, 強度のパターン的変化を分析した.その主要結果は, (1) 健常者群は全体的にプロミネンスの正確度がきわめて高く, プロミネンスの付与に伴い基本周波数, 持続時間, 強度をともに増大させた. (2) 症例1は文により正確度が顕著に変動し, プロミネンスの付与に伴い基本周波数と持続時間を特に増大させた.症例2は全体的に正確度がきわめて低く, 音響学的パラメーターはいずれも機能的に調節されていなかった. (3) 聴覚的に知覚された2症例のプロミネンスの不正確性および発話の異常性について, 音響学的パターン分析によりその原因が示された.さらに, プロソディー評価の治療プランへの臨床的応用性を検討した.
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  • 遠藤 康男, 粕谷 英樹
    35 巻 (1994) 2 号 p. 193-198
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    喉頭に疾患がある人や疾患がない人が発声した持続母音から測定した基本周期系列のゆらぎのの特徴を表すために, 自己回帰移動平均 (ARMA) モデルを提案する.モデルにおいて, 自己回帰の項が系列のスペクトルを特徴づけるために用いられる.一方, 移動平均部分は系列のトレンド成分が除去されているため, 係数が固定されている.自己回帰パラメータの推定には線形予測分析法を用いる.実験により, 求められたパラメータは知覚される声質だけでなく, 系列のスペクトルの特徴を良く反映していることを示す.
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  • 平井 沢子, 岡崎 恵子, 荒井 隆行
    35 巻 (1994) 2 号 p. 199-206
    公開日: 2011/04/19
    ジャーナル フリー
    小児の開鼻声の定量的評価を試みるため開鼻声の音響的特徴を調べた.対象は, 口蓋裂および口蓋裂以外の先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症患者39例 (以下CP群とする) と対照群の健常児152例で, 年齢は4~8歳である.音声資料は日本語の5母音を用いた.まずCP群の発話について言語治療士が聴覚判定を行い, 開鼻声の程度を3段階評価した.次に対象が単独発話した/i/について, ケプストラム分析を行いスペクトラムエンベロープを求めた.さらにその第1フォルマントから第2フォルマントに相当する範囲における, 特定の周波数帯域に対して引いた回帰直線の傾きの絶対値 (=スペクトラムエンベロープの傾き) を, CP群内あるいは対照群との問で比較した.その結果, 1) 健常群と開鼻声「あり」, 2) 健常群と開鼻声「軽度にあり」, 3) 開鼻声「あり」と開鼻声「なし」, 4) 開鼻声「あり」および「軽度にあり」と開鼻声「なし」の症例問で有意差がみられた.
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  • 志村 洋子, 今泉 敏
    35 巻 (1994) 2 号 p. 207-212
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    乳児6名の6, 9, 12, 17ヵ月齢の泣き声を含まない音声を対象に, 成人聴取者による感性情報の聴取実験を行い, 乳児の音声を通した感性情報表出能力の発達的様相を検討した.その結果, 乳児音声から成人が聴取する感性情報では, 乳児間の差異, 乳児内の月齢問差異が有意であった.しかし, 月齢とともに一貫して増加するなどの発達傾向は「話す」など一部の感性情報にしか観測できなかった.また, 快・不快に関連した因子は月齢に依存せず一貫して出現した.これらのことから, 音声上の感性情報表出は6ヵ月齢でも豊かであり, かつ, 乳児間変動, 個人内月齢問変動も大きいことが明らかになった.音声の非言語的要素を通してコミュニケーション行動を行うのに必要な音声を, 言語運用能力が発達する以前の6ヵ月齢乳児でも発声できることが立証された.
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  • 田中 美郷
    35 巻 (1994) 2 号 p. 213-218
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    1991年10月より三歳児健康診査に聴覚検査が導入された.これを意義付けるために, 1989年から1991年の3年間に私の臨床を訪れた難聴児のうち, 通常小学校就学にあたって, あるいは就学後に学業を進めるにあたって, 問題をかかえていた22例を選び出した.これらの子供の年齢は5歳から8歳に及んでいた.22例中18例の聴力障害は30dBから80dBの間にあり, 残り4名は81dB以上の高度難聴児であった.難聴の種類は19例が感音性, 2例は伝音性, 1例は混合性であった.言語発達の遅れが21例に観察され, これらのうち7例の言語発達は著しく遅れていた.これ以外に心理的問題として重い情緒障害が2例に認められ, 自閉症と誤診されていたもの1例, その疑いの持たれたものが1例あった.これらの問題はすべて難聴に由来するものであるが, 難聴は比較的軽い場合には早期発見が困難だけに, 三歳児健康診査に聴覚検査が導入されたことは評価されるべきである.
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