音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
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37 巻 , 2 号
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  • 岩田 まな, 佃 一郎
    37 巻 (1996) 2 号 p. 173-179
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    当科で治療を行った結果, 良好な言語発達を示した自閉症児2例について, 模唱と言語発達の関連を調べ, 先に報告した健常児の模唱と比較した.
    (1) Tらが子供の動作やjargonを模倣すると, 模倣されていることに気づき, jargonを言っては模倣を待つという遊びに発展した.
    (2) その後子供の側からの模唱が生じ, delayed echolaliaの形で自発語となって定着していった.
    (3) 健常児では模唱を語形変化させたり活用形を用いたり反対語を言うなど豊かな表現形式がみられたが, 自閉症児では5歳過ぎまで認められず, 文法面の発達の遅れが示唆された.
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  • 田中 美郷, 三谷 芳美
    37 巻 (1996) 2 号 p. 180-189
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    言語獲得不能な重度脳障害者とのコミュニケーションのための音楽や歌の効果を調べるために, 東京都八王子福祉園に長期にわたり入園している6名の重度脳損が原因の最重度精神薄弱者に対して音楽療法を4回施行した.これら6名はすべて成人 (男2名, 女4名) で, 年齢は40~55歳の間にあった.これらの1群に音楽療法士がギター, ピアノ, キーボード, オートハープ, 太鼓, 鈴, マイクロホンなどの楽器を駆使して, 日頃聞き慣れているメロディーや歌を聞かせた.その結果, 6名中3名は全く言語刺激に反応しなかったが, 音楽刺激には訓練中ほとんど眠っていた1例を除いて5例は情緒的に反応した.特に幼児期から日常生活の中で母親が歌ってくれる歌を聞いて育てられた2名の反応は劇的であった.5名に観察された音楽に対する反応は, リズミカルな身体運動, 歌い出す, 発声する, 微笑する, ないし拍手などであった.これらの成績は, 音楽は重度脳損傷者の情緒反応を刺激する効果的手段であること, 加えてこの種のコミュニケーションを発達させるには, 幼児期から快適な音楽環境で育てられる必要があることを示している.
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  • 山本 晴美
    37 巻 (1996) 2 号 p. 190-195
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    パーキンソン病 (PA) 患者の構音障害に対する遅延聴覚フィードバック (DAF) の効果について検討した.構音障害を伴うPA患者5症例 (Yahr II-IV, 発話明瞭度1~3) に長文の普通音読・DAF負荷による音読を施行し, 1) 聴覚印象評価2) 発話速度の測定3) 音響分析を行い比較した.DAF負荷によって1) 聴覚印象評価の発話明瞭度の比較では, 構音障害重度の症例で1~2段階の改善が認められた.発話特性の比較では4症例に改善がみられ, 共通して改善が認められたのは発話速度と声の質に関する項目であった.2) 全症例に発話速度の低下がみられた.3) 音響分析では母音のホルマントパタンの明瞭性に改善がみられた.以上の結果からDAFはPA患者の構音障害の特徴である発話速度の速さを軽減することが明らかになった.また, 発話速度が速くfreezingのみられる症例では, 発話速度の低下に伴いfreezingが改善する可能性が示唆された.
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  • 知念 洋美, 佐竹 恒夫
    37 巻 (1996) 2 号 p. 196-205
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    知的障害を有するアテトーゼ型脳性麻痺児の4歳から9歳の5年間の発信面を中心とした訓練経過と発信行動の習得を援助するための働きかけについて報告した.音声発信困難な状態から身振り記号の習得により発信行動の体制が確立した.またこれが図形・絵記号を機能的に使用する基礎となった.図形・絵記号の使用により発信語彙数, 語連鎖表現が拡大し, 文字記号の習得を容易にした.文字記号を媒介に音声発信を獲得した.
    包括的な評価に基づき, 個々の症例に適切な補助代替コミュニケーション手段 (AAC) を適用するためには, 記号のモダリティ, 記号形式―指示内容関係の段階, 使用の文脈という観点が重要である.この3つの観点に時間的経過を加えた包括的な発信行動習得モデルを提示し, 発信手段について分類を行った.
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  • 高橋 雅子, 伏見 貴夫, 物井 寿子
    37 巻 (1996) 2 号 p. 206-215
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    慢性期の重度失語症患者1例に対して, ジェスチャーcueを利用した呼称訓練を施行した.方法は, 訓練者がジェスチャーcueの提示とともに正しい名称をきかせてそれらを患者に模倣させ, cueや名称の自発表出へと移行させるものであった.訓練デザインには多層べースライン法を用い, 高頻度名詞60語を1群 (10語) ずつ導入した.訓練開始は発症後28ヵ月で, その約11ヵ月後に訓練を終了した.訓練導入によって各群の呼称成績の改善がみられ, 維持も良好であったが, 非訓練語の改善は得られなかった.訓練語の発語は, 情景画の説明など, 呼称以外の課題でも増加した他, 日常場面でも時にみられるようになった.
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  • 広瀬 明美, 進藤 美津子, 加我 君孝, 田中 美郷
    37 巻 (1996) 2 号 p. 216-222
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    4歳2ヵ月時のモヤモヤ病による脳梗塞後に, 重篤な麻痺性構音障害を呈した女児1例に8年間継続して言語訓練を行い, その発達・回復経過について報告した.MRIでは両側前頭葉を中心に広範な梗塞像を認めた.口唇・頬の随意運動は稚拙であり, 舌は突出のみ歯列まで可能であったが, その他の随意運動は困難であった.発症後約2ヵ月間は音声を発せず, その後徐々に発声・発語がみられるようになった.現在までの経過において改善がほとんどみられない点は, (1) 発語器官の麻痺, (2) 麻痺性構音障害などがあげられる.改善が明らかにみられた点は (1) 上下肢の不全麻痺の軽減, (2) 声量・発話量の増加, (3) 開鼻声の改善, (4) 抑揚の改善・発話速度の上昇がみられプロソディが改善したことなどがあげられる.本例のように長期にわたり持続的な重度構音障害が生じても, 小児では構音以外の側面が発達する可能性があり, 長期的な経過観察指導が重要である.
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  • 宮地 麻美子, 小田 恂, 寳迫 雪, 熊田 政信, 今川 博, 桐谷 滋, 新美 成二
    37 巻 (1996) 2 号 p. 223-227
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    声帯振動の観察には, 臨床的にストロボスコピーが多く用いられているが, その所見は声帯振動の規則性に依存しているため, 病的振動の観察には限界がある.そのためわれわれは計算機を利用した高速度デジタル撮影法を用いている.今回, 自己免疫疾患患者2症例にみられた声帯の沈着性病変を, いわゆる「竹節状声帯」とし報告するとともに, その特異な振動パターンにつき高速度デジタル撮影にて解析した.2症例とも, 抗核抗体陽性であり, 両声帯膜様部に帯状・竹節状の黄色隆起性病変を認め, 音声は粗糧性, 時に二重声を示していた.高速度デジタル撮影にて, その声帯振動を観察した結果, 竹節状の病変部が, 声門のスムーズな開放運動を阻害し, 声帯振動の変化・位相の変化を引き起こしていた.
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  • 新美 成二
    37 巻 (1996) 2 号 p. 228
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 岩田 義弘, 岩田 重信, 越知 美樹子, 大山 俊廣, 門山 浩, 齋藤 正治, 戸田 富貴, 戸田 均
    37 巻 (1996) 2 号 p. 229-234
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    声帯結節の発生要因や治療について, 当教室にて行った発声機能・音響分析の成績を通して, 小児結節と成人の結節について述べた.保存的治療特に声の衛生に関する指導のみと, 手術療法を加えた症例を比較した.手術療法は, 小児結節と成人結節では本人をとりまく生活環境が異なり, 病変の程度だけでなく職業その他の条件を配慮する必要がある.また, 結節切除には正常組織に傷をつけないよう術式上の留意点を述べ, 発声空気力学的な発声機能と声の音響的分析の成績から喉頭微細手術術式の改良と, 術後の声の衛生と発声指導の重要性を述べた.
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  • 森 一功, 平野 実
    37 巻 (1996) 2 号 p. 235-240
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    音声外科領域のうち, 特にラインケ浮腫について疫学, 診断, 治療の現状を述べ, 手術について詳説した.
    治療方針としては, すべての症例に禁煙を強く指導し, II, III型には積極的に手術を勧めるべきであるが, heavy smokerで軽度の浮腫の場合や手術をいやがる軽度の浮腫の場合は, まず禁煙のみで経過を観察し, 改善しなければ手術を勧めるのがよかろうと考えられる.
    手術に関しては, 声帯振動の観点からすると, 声帯遊離縁部の粘膜を可及的に残すことが最重要であり, そのために吸引法, Squeezing法, Grasping法などが考案されてきている.これらのテクニックは, 必要に応じて適宜組み合わされて使われている.そこで, これらは「声帯縁粘膜保存手術」というような名称でひとまとめにして呼ぶことを提唱したい.
    さらに, 現在残されている問題点, 今後何が解明, 発展されねばならないかにふれた.
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  • 倉富 勇一郎, 井之口 昭, 山下 弘之, 岩元 正広, 小宮山 荘太郎
    37 巻 (1996) 2 号 p. 241-246
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    声帯白色病変・早期癌に対する音声外科―喉頭顕微鏡下手術の現状について述べた.術前にはストロボスコピーでの声帯振動の観察が必須であり, また, 術前後の音声の評価のため, 嗄声の聴覚心理的評価, MPTの測定とともに音声検査を行っておくことが望ましい.喉頭顕微鏡下手術では, 病変の異型の程度, 悪性度の正確な病理診断のために, 十分大きな生検標本を採取する必要がある.治療としては上皮内病変では声帯靱帯が露出する深さまでのCO2レーザーによる蒸散を行い, 浸潤癌 (早期癌) ではsafety marginをとったレーザー切除か放射線治療が行われている.将来像として, 上皮内病変に対する新たな音声改善手術方法の開発や, 前癌病変からの癌化の過程に関する生化学的, 分子生物学的研究の進展についても言及した.
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  • 古田 茂, 花田 武浩, 西薗 浩文, 鮫島 篤史, 大山 勝
    37 巻 (1996) 2 号 p. 247-250
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    There are many treatment for laryngeal papillomatosis, for example microlaryngeal surgery, endoscopic laser surgery using carbon dioxide or Nd: YAG laser and interferon therapy. Adult papillomatosis can be controlled well with surgery. The majority of cases of Juvenile laryngeal papillomatosis need frequent and repeated surgical resections.
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  • 土師 知行
    37 巻 (1996) 2 号 p. 251-256
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    喉頭麻痺, 特に一側性声帯麻痺で生じる嗄声に対する音声外科の現状と将来の展望について述べた.
    音声外科治療を行うためには声帯麻痺および嗄声の客観的評価が必要で, それをもとに十分なinformed consentを得たうえで治療法を決定する.現在行われているおもな手術法として声帯内注入法, 甲状軟骨形成術, 披裂軟骨内転術があるが, 手術侵襲, 手術の難易度, 治療の効果などそれぞれに長所短所がある.
    将来にわたる問題として, 声帯の物性に対するアプローチ, 声帯再運動化の方法, 人工材料の問題などがあげられる.
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  • 小嶋 祥三
    37 巻 (1996) 2 号 p. 257-261
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 山鳥 重
    37 巻 (1996) 2 号 p. 262-266
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    主として口頭言語の生成機構について, 鳥瞰的見取図を提示した.おおまかに考えて, 言語生成には環シルビウス溝言語領域, 環・環シルビウス溝言語領域, 右半球言語領域の3つの領域が重要である.環・環シルビウス溝言語領域の活動には補足運動野, 視床も加わる.環シルビウス溝言語領域は音声系列の生成, 環・環シルビウス溝言語領域は音声系列への言語的意味の充填, 右半球言語領域は意味ある音声系列への社会的意味の充填に働く.三者共同して生きた言語が生成する.
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  • 熊田 政信
    37 巻 (1996) 2 号 p. 267
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
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