音声言語医学
検索
OR
閲覧
検索
38 巻 , 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 中島 悦子, 河村 満
    38 巻 (1997) 3 号 p. 235-242
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    両側側頭頭頂葉の梗塞性病変で感覚性失語, 聴覚失認を示した症例の慢性期に語間代を呈した症例 (63歳, 男性) を報告した.語間代は, (1) 反復回数はおおむね1~5回である. (2) 特に名詞で高頻度にみられ, 弾音・破裂音・鼻音・破擦音で多発する. (3) 反復部分の速度は速く, 時に声量の低下を認めるが, 構音の歪みはない. (4) 自発話, 呼称, 音読のいずれでも生じ, 発語数の増加に伴い症状出現の頻度が高くなる. (5) 単音や歌唱ではみられない. (6) 反復現象を認知しておらず誤りを自己修正することはない. (7) 脳梗塞発症後80日頃から出現し3年以上持続している, であった.本症例では聴覚性言語理解障害や環境音認知の障害を同時に認め, それらが語間代症状発現に関与し, 症状持続の原因であると思われた.さらに, Alzheimer病における語間代との対比では, 語間代の内容が音韻論的に正常な点で共通するが, Alzheimer病では語用論的に異常であるのに対し, 本症例では語用論的に正常である点が異なった.
    抄録全体を表示
  • 大塚 登
    38 巻 (1997) 3 号 p. 243-249
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    幼児の構音発達において/r/は/s, dz, ts/とならんでもっとも獲得の遅れる音, /d/は比較的早期に獲得されるとされてきた.しかし, 小学校入学前後の子どもでは聴覚弁別能力の未発達により/r/と/d/の誤りは互いに密接に影響しあうため, 別個に考えるより同一の誤りととらえるべきこと, 構音の誤りが書字にもあらわれるという報告もなされている.本報告では書字検査をもちいて小学校1, 2年生におけるラダ行音の構音獲得の状態をしらべた.1年生では7月では7%+α, 9月では約6%, 2年生では4%の子どもがまだ構音確立していないという結果をえた.同時に, 構音確立したあるいは確立間近の群では検査語間の難易度により誤答率に差が生じたが, 確立していない群では一様だった.検査語間の難易度と誤答率の関係から, 構音発達の予測の可能性が示唆された.
    抄録全体を表示
  • 谷 哲夫, 長谷川 靖英, 斎藤 ゆき, 中島 洋巳, 坂本 浩之助, 菅井 芳郎
    38 巻 (1997) 3 号 p. 250-256
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究では, WAB失語症検査ほか当院で実施している検査指標を用い, 言語訓練中に血圧が上昇する患者と上昇しない患者の比較をした. [対象] 対象は, 沢渡温泉病院にて言語療法を受けている脳卒中患者21例である. [方法] 患者を訓練室の隣室にて30分間安静にさせ, ついで, 言語療法室に入室させ, 約30分間の訓練を開始した.その後再び患者を隣室に戻し安静にさせた.この間, 患者の上腕に血圧測定装置を装着し, 血圧・脈拍を2分間隔で測定した. [結果] WAB失語症検査の得点率を比較すると, 言語課題では流暢性を除いた全課題で血圧上昇群の得点率が非上昇群より有意に高くなった.コミュニケーションレベル評価においては, 理解系で上昇群のほうが軽症であったが, 表出系では両群の間に差がなかった. [考察] 口頭言語の流暢性にかかわらず, コミュニケーション理解能力が保たれている患者ほど言語訓練中に血圧上昇を呈しやすいことが考えられた.
    抄録全体を表示
  • 遠藤 教子, 鶴田 薫
    38 巻 (1997) 3 号 p. 257-266
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    重度の発語失行主体型失語症例に対し, 約8年間, 系統的な構音訓練を実施した結果を報告し, 併せて訓練法について考察した.症例は, 70歳 (初診時) の男性で重度の発語失行症および軽度の失語症を有した.安定して構音可能な音はみられなかったため, ほぼ全音にわたり, 音の産生のレベルから構音訓練を実施したところ効果がみられ, 文の音読や情景画の叙述課題では著明な改善がみられた.しかし, 会話明瞭度は, 初診時の5に比し改善はみられたものの, 訓練後も3~4にとどまった.訓練は, 統合刺激法にて実施した.本方法は, 意図的に産生できる音がほとんどない重度の発語失行を有する本症例に対し, 音の産生の面で有効であったが, 会話への般化には限界があった.また, プロソディーについては訓練を行わなかったところ, 自然な改善は認められず, むしろ, 正確に構音しようとするための代償と考えられる発話速度の低下が生じた.
    抄録全体を表示
  • 藤原 百合, 平本 道昭
    38 巻 (1997) 3 号 p. 267-272
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    軟口蓋の易疲労性が初発症状で重症筋無力症と診断された23歳の女性について報告する.重症筋無力症の初発症状として一般的な眼症状や四肢筋易疲労性は認められなかったため診断は難渋したが, 音声・言語症状の評価および鼻咽腔ファイバースコピー, X線造影ビデオ検査, 空気力学的検査により軟口蓋のwaning現象が明らかとなり, Antirex test, 抗Ach-R抗体陽性で重症筋無力症と診断された.音声の聴覚的判定に加えて, 画像的あるいは空気力学的検査を行ってより客観的に軟口蓋の易疲労性を裏付け, 確実な診断がなされた.
    抄録全体を表示
  • 小林 宏明, 早坂 菊子, 中西 靖子
    38 巻 (1997) 3 号 p. 273-280
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    発吃1年未満の音韻障害を併せ持つ吃音幼児 (音+吃児) の, 発話および認知, 言語, 運動等の発達の特徴を検討するために, 音+吃児, 音韻障害を持たない吃音幼児 (吃児) , 吃音を持たない音韻障害幼児 (音児) に対して (a) 発話分析 (非流暢性発話, 音韻過程) , (b) 発達スクリーニング検査 (JMAP, NECMND) を実施した.その結果, (1) 発吃1年未満の本研究の対象児においては, 音+吃児と吃児間の非流暢性発話の差は必ずしも認められなかった, (b) 音+吃児, 吃児が示した音韻過程の総数および種別には, 対象児間でかなりのばらつきが認められた, (3) 発達スクリーニング検査の結果, 音+吃, 音児は吃児に比べてわずかに低得点を示す傾向にあった.これらの結果から, 今後, 音+吃児の特徴を検討する際に必要になると思われる視点について考察を行った.
    抄録全体を表示
  • 窪薗 晴夫
    38 巻 (1997) 3 号 p. 281-286
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    最近の日本語韻律研究を概観し, この成果から音韻発達の研究にどのような知見・示唆が得られるか検討する.具体的には, 音節・音節量・アクセント・モーラ・イントネーションといった韻律現象の構造を, (i) ローマン・ヤコブソンが提唱した有標性理論 (有標・無標の考え方) と, (ii) 大人の文法・子供の言語獲得・失語症の3つの現象間の相関関係という観点から考察する.
    抄録全体を表示
  • 山田 純
    38 巻 (1997) 3 号 p. 287-290
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    日本語児の発達性難読症についての関心が高まりつつあるが, 現在のところその研究は乏しい.本稿では, 日本語の後天性難読症, 英語の発達性難読症, 失語症の研究を概観し, 日本語児発達性難読症研究への示唆を検討する.特に, 日本語の書字特性, 難読症のタイプ, 診断について考察する.
    抄録全体を表示
  • 伊藤 友彦
    38 巻 (1997) 3 号 p. 291-296
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    言語発達障害を理解するうえで, 言語理論をふまえた言語獲得研究からの知見が不可欠であると思われる.しかし, わが国においては言語理論をふまえた言語獲得研究はきわめて少ない.言語獲得過程において, 一語発話段階の後に二語発話段階, その後に多語発話段階がくることはよく知られている.しかし, 二語発話段階の後, 3語発話段階, 4語発話段階と続くのではなく, 多語発話段階がくるのはなぜだろうか.本稿では二語発話段階から多語発話段階への移行の問題をとりあげた.二語発話段階から多語発話段階までの幼児3名の縦断研究データを示し, このデータの観察から, 格助詞「が」, 「の」の出現期と多語発話の開始期がほぼ一致するという事実に着目した.そして, この事実が統語範疇の投射および発現に関する言語理論 (生成文法理論) をふまえることにより, 機能範疇に関わる統語的演算の開始とそれに伴う言語処理の変化の結果として説明できることを示した.
    抄録全体を表示
  • 山本 淳一
    38 巻 (1997) 3 号 p. 297-303
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本論文では, 自閉症児の音声言語獲得の基盤となる前言語的伝達行動 (共同注視, 叙述的指さし, リファレンシャル・ルッキング) が成立するための条件を, 「環境の中にある刺激」, 「大人」, 「子ども」の3項関係の中で明らかにし, それを確立するための心理学的指導技法について検討を加えた.まず, 自閉症児の対人的相互作用, 意志伝達の困難の基礎にある知覚・認知系の障害を検討した.その結果, 重度自閉症児に, さまざまな伝達機能を形成する場合, (1) 社会的刺激に対する視覚的注意を高めるための訓練, (2) 特定の方向に注意を定位するための腕や指の運動反応形成訓練, (3) 大人の視線の動きや, 自分自身の視線の動きと指さしなどの運動反応を協応させるための訓練, (4) 外界からの社会的フィードバックに対する応答性を高める訓練が有効であることが明らかになった.
    抄録全体を表示
  • 小寺 富子
    38 巻 (1997) 3 号 p. 304-308
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    言語発達遅滞の言語症状は多様であり, 言語療法士は, 言語治療学および関連諸科学の知識を総動員して臨床活動を行う必要がある.本論文では, 統語, 音声, 文字, 前言語的伝達活動に関する関連科学と, 言語発達遅滞の臨床との関わりが検討され, いくつかの臨床的知見が紹介された.すなわち, (1) 言語未習得から統語レベルまで評価・訓練の指標として使われている.記号形式一指示内容関係の段階 (国リハ式〈s-s法〉言語発達遅滞検査) と, それに基づく初期の統語プログラムが紹介された. (2) 音声については, 言語の理解 (意味単位の処理) が進むに従い, 発語 (音節数) の改善する傾向が指摘された. (3) 文字単語学習から1文字1音節に進める, 最初期の文字言語学習プログラムの適用例が紹介された. (4) 言語未習得の1自閉児の2~6歳の縦断的追跡から, 前言語的行動と対人的行動の相互関係が検討された.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top