Dysarthriaにおける音節の交互反復運動 (oral diadochokinesis) について, 健常者群と比較してタイプごとに検討し, 以下の結果を得た.
1) いずれのタイプにおいても/pa//ta//ka/の3種の音節で反復速度は有意に低値を示し, また発話明瞭度検査で検出困難な側面の発話の異常徴候を鋭敏に検出することが示された.
2) いずれのタイプにおいても, /pa//ta//ka/のほぼすべての音節で音節の持続時間の変動係数は有意に高値を示し, 発話機能の異常徴候を鋭敏に検出するパラメーターであることが示された.
3) 失調性dysarthriaでは, /pa//ta//ka/の3種の音節で最大強度の変動係数は有意に高値を示し, 発話機能の異常徴候を鋭敏に検出するパラメーターであることが示された.
4) 音節の持続時間と最大強度の変動係数は, 明瞭度とは大きく異なる側面の発話機能の異常徴候を特異的に反映することが示された.
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