音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
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43 巻 , 2 号
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  • 舩坂 宗太郎
    43 巻 (2002) 2 号 p. 105-110
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 安立 多惠子, 小枝 達也
    43 巻 (2002) 2 号 p. 111-116
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    左視床梗塞に起因する失語症状を呈した11歳の女児例を報告した.漢字の書字障害と呼称障害, 自由連想場面での語想起能力の低下を呈しており, これらの失語症状の基盤となる病態を, 長期記憶として情報化された漢字および言語情報の取り出しの障害と位置づけ, 情報検索に有効な手がかりに着目した言語訓練を実施した.これによって呼称障害と, 漢字の書字障害は速やかに改善した.語想起能力の低下は明らかな変化は認められなかったが, 自発的に関連する語を想起するなど積極的な態度が現れるようになった.本症例のように特異な言語症状を示す症例に対しては, 症状の基本障害を把握して, 症例に適した訓練方法を実施することが重要であると考えられた.
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  • 西尾 正輝, 新美 成二
    43 巻 (2002) 2 号 p. 117-124
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    Dysarthria患者115例を対象として発話機能と嚥下機能との関連性について検討した.発話機能の評価には単音節, 単語, 会話明瞭度を, 嚥下機能の評価にはX線透視検査とベッドサイドでの検査を実施した.この結果, 嚥下機能と各発話明瞭度との問に高い相関を認めた.また, dysarthriaにおける嚥下障害の合併率は, 主要な疾患別分析においても発症後経過月数別分析においても高かった.しかし, 嚥下障害の合併率と重症度の分布はdysarthriaのタイプによって大きく異なった.弛緩性, 痙性, 混合性dysarthriaではきわめて高率で嚥下障害を認め, 重度例を多く含んだ.対して, 失調性, 運動低下性, およびUUMN dysarthriaでは嚥下障害の合併率は比較的に低く, 中軽度例が多かった.また会話明瞭度と嚥下機能との相関はdysarthriaのタイプによって大きく異なった.以上の結果に基づいて, 嚥下障害を合併したdysarthriaに対する臨床的マネージメントについて検討を加えた.
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  • 黄 麗輝, 加我 君孝, 今泉 敏, 新美 成二, 汪 濤
    43 巻 (2002) 2 号 p. 125-133
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    健聴児13名, 先天性高度難聴児17名を対象として, 前言語期における過渡的喃語, 標準的喃語, 指さし行動, 有意味語のそれぞれの出現頻度と出現月齢について, 音声の音響分析も含め, 比較検討を行い, 以下の結果を得た.
    1) 過渡的喃語の, 出現頻度と出現月齢は, 健聴児と難聴児の間に有意な差は見られなかった.
    2) 標準的喃語, 指さし行動と有意味語については, 難聴児では健聴児より, 出現頻度が低く, 出現月齢が著しく遅れ, 両者の間には高度に有意な差を認めた.
    3) 音声の音響分析では, 健聴児の発声は豊かなイントネーションを伴い, フォルマントの分化が良好であるが, 難聴児の発声はイントネーションが乏しく, 唇音化と鼻音化の傾向があることが特徴であった.
    以上の結果から, 健聴児と難聴児の音声の発達の違いは標準的喃語の時期から出現することが示された.難聴児の早期発見, 早期聴能教育にあたっては, 喃語の種類とその出現年齢についての正しい認識が必要であることを強調したい.
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  • 黄 麗輝, 加我 君孝, 今泉 敏, 新美 成二, 汪 濤
    43 巻 (2002) 2 号 p. 134-140
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    補聴月齢の相違が音声の発達にどのような影響があるかを調べることを目的に先天性高度難聴児17名をA, Bの2群に分けて調べた.8ヵ月目までの補聴開始群: A群4名, 8ヵ月以後の補聴開始群: B群13名を対象として, 過渡的喃語, 標準的喃語, 指さし行動, 有意味語, 視線によるコミュニケーション, 補聴器の装用に慣れるまでの期間などについて比較検討を行い, 以下の結果を得た.
    1) 過渡的喃語の出現頻度と出現月齢は, A群とB群の間に有意差は認められなかった.
    2) 標準的喃語, 指さし行動と有意味語においては, A群がB群に比べて, 出現頻度が高く, 出現月齢が早くなる傾向がみられた.補聴後は, 視線によるコミュニケーションが始まるまでの期間, 補聴器に慣れるまでの必要期間は, A群がB群より短かった.
    3) 音声の音響分析では, A群の発声は明瞭であり, イントネーションを伴った.
    以上の結果から, 生後8ヵ月までの時期は, 早期補聴・早期聴能教育による良い音声を獲得できる重要な時期であると考えられる.われわれはこの月齢を補聴最適正年齢と呼ぶことを提唱したい.
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  • 小嶋 知幸, 佐藤 幸子, 加藤 正弘
    43 巻 (2002) 2 号 p. 141-147
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    重度発語失行例における軟口蓋破裂音/k/の構音訓練として, 構音点に対して冷却刺激を加える方法を試みた.症例は発症時53歳の男性.平成11年4月に発症した左中大脳動脈領域の広範な脳梗塞を機に, 重度の発語失行を中核症状とする混合型失語を呈した.構音訓練開始から6ヵ月経過しても改善のみられなかった軟口蓋破裂音/k/の構音の改善を目的として, 構音点である奥舌と軟口蓋に対して冷却刺激を加える方法を考案し, 刺激前後での構音の成功率を比較した.その結果, 冷却刺激後に/k/の構音成績に有意な改善がみられた.これは, 構音点に対する末梢からの感覚刺激が正しい構音点を形成するための運動を促通した結果と考えられた.本方法は, 正しい構音動作を視覚的に呈示することが困難な音や, ダイナミックパラトグラフィの利用が困難な音の構音訓練法として簡便な方法であり, 臨床的に有効な手法であると考えられた.
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  • 宮本 昌子, 早坂 菊子
    43 巻 (2002) 2 号 p. 148-153
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    吃音児の母親と非吃音児の母親の言語的行動の特徴, また母親の言語行動と子供の非流暢性の関連性を知ることを目的として母子の自由な遊びの場面の観察を試みた.対象は4~6歳の吃音 (男) 児10名, 吃音児の母親10名, 非吃音 (男) 児10名, 非吃音児の母親10名である.
    1) 発話速度 (speaking rate)
    2) 反応時間 (responsetime latency)
    3) 阻止行為 (interrupting behavior) の3尺度について4群間で比較し, またそれぞれの尺度と子供のdiscontinuityの相関を調べた.その結果, 対象群間での比較において, 有意差がみられたのは, 吃音児の母親群の発話速度が非吃音児の母親群より発話速度が速かったことであった.また, 吃音児の母親群の発話速度と吃音児群の吃音症状 (discontinuity) に正の相関性がみられた結果などが得られた.この結果から, 母親の発話速度は子供の吃音症状に何らかの影響を与えているのではないかと考えられる.
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  • 石毛 美代子, 村野 恵美, 熊田 政信, 新美 成二
    43 巻 (2002) 2 号 p. 154-159
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    内転型痙攣性発声障害 (Adductor spasmodic dysphonia: 以下SDと略す) 様症状を呈する9症例に音声訓練を行った.7段階尺度 (0: 正常~6: 最重度) を用いた訓練前後の重症度評価, および治療効果に対する患者の主観的評価の二つにより音声を評価した.
    9例中4例では満足すべき結果が得られた.4例中2例は, 初期評価において機能性要因が関与していることが疑われた例であったが, 音声訓練後には正常範囲の音声に回復し, 治療結果から最終的に機能性発声障害と診断された.残る2例は初期評価の一環として行った試験的音声訓練において音声症状の軽減が認められた例であったが, 最終的にSDと診断された.
    以上より, SD様症状を呈する症例に対する音声訓練は鑑別診断上有効であることが示唆された.また, 音声訓練により症状の軽減が得られる症例が存在することから, 試験的音声訓練を試みるべきであると考えられた.
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  • 大伴 潔, 若葉 陽子, 高橋 道子, 三科 潤
    43 巻 (2002) 2 号 p. 160-172
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は, 12, 24, 36ヵ月における正期産健常 (full-term normally developing) 児 (以下, 略してN児) と出生体重1, 500g未満の低出生体重 (low birth weight) 児 (以下, 略してLBW児) の言語能力を質問紙を用いて検討した.12, 24, 36ヵ月児群 (LBW児群は修正月齢による) は, それぞれ39, 31, 30名のN児, 38, 30, 34名のLBW児から成る.言語理解領域は, 音への反応, 状況理解, 指示理解, 理解語彙の4つの下位領域を設け, 言語表出領域では, 応答, 音声・言語模倣, 自発的交信, 表出語彙, 品詞, 語連鎖・談話の6つの下位領域を設けた.LBW児群は, ほとんどすべての下位領域に有意な遅れを示し, 12ヵ月時には主に音への反応, 指示理解, 自発的交信領域に, 24ヵ月時には指示理解, 音声・言語模倣, 自発的交信, 表出語彙, 語連鎖に遅れが認められた.また, 両群における指示詞, 疑問詞, 接続詞などの品詞についての一般的な獲得順序についても明らかにした.
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  • 斉藤 佐和子
    43 巻 (2002) 2 号 p. 173-181
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    健常幼児の日本語文法形態素表出のデータを得るため, 独自に構文検査を考案し, 検査した.3歳6ヵ月から6歳11ヵ月までの学齢前の幼児140名を対象とした.小池 (1994, 1997) の日本語文法の考え方に従い, 格助詞6種 (主格「が」, 対象格「を」, 場所格「で」, 付着格「に」, 起点格「から」, 道具・手段格「で」) と態2種 (受動態, 使役態) を検査した結果, 主格を5歳前半, 場所格, 付着格, 起点格, 道具・手段格を6歳前半に習得していた.対象格は6歳後半でも半数しか習得していなかった.受動態, 使役態は6歳前半で習得していた.今後構文検査を改善するに際して, 各文法形態素で発達時期が異なること, 検査文の親和度が検査の正否に関係することを念頭におく必要性が示唆された.
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  • 畑村 洋太郎
    43 巻 (2002) 2 号 p. 182-188
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    人はだれでも新しいことに挑戦すれば必ず失敗する.そこで知識や経験の必要性を体感・実感し, それを基にして進歩する.技術の世界にもこのことはあてはまり, 失敗を分析し, 新しい知識を樹立することによって新しい技術が生れ, 社会を豊かにしてきた.このように失敗のマイナス面だけに目を向けるのではなく, 失敗をプラスに転化するための考え方と方法を取り扱うのが「失敗学」であり, そこでは, 失敗の必要性・失敗の原因と結果の関係・失敗を生かす工夫などについて具体的な例を取り上げながら学んでゆく.
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  • 伊藤 壽一
    43 巻 (2002) 2 号 p. 189
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 城間 将江
    43 巻 (2002) 2 号 p. 190-195
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    5歳代までに人工内耳手術を受けた高度難聴の先天性難聴幼児の聴覚・音声・言語の発達について, 24ヵ月間の臨床を通して検討した.その結果, 人工内耳による聴覚機能の発達は, 発話や言語発達に貢献することが確認された.しかしながら, 発達速度は個人差が大きく, 顕著に発達する者と遅い者がいることが認められ, 幼児前期の人工内耳手術が幼児後期の者に比べて良好であることは保証できないことが示唆された.世界的に人工内耳手術の低年齢化が進む中で, 発達期の難聴幼児人工内耳手術におけるSTとしての今後の課題は, (1) 単一の聴覚障害なのか重複障害の可能性があるかを早期に診断して個々に適した (対象児と養育者を含む) 受け入れ体制を整える, (2) 発達が遅い幼児に対するコミュニケーション指導方法を考える, (3) 信頼性のある評価方法を考える.
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  • 斉藤 佐和子
    43 巻 (2002) 2 号 p. 196-199
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    知的障害児者の中でも早期に診断され, 言語発達の様々な側面に障害を持つとされるダウン症児者の構文について, 独自に考案した検査を用いて, 発達の特徴を探った.男子11名, 女子9名の計20名のダウン症児者 (生活年齢11歳4ヵ月~19歳11ヵ月) に, 6種の格助詞 (主格「が」, 対格「を」, 場所格「で」, 付着格「に」, 起点格「から」, 道具・手段格「で」) と2種の態 (受動態, 使役態) の表出, 対格「を」と態の理解, 状況説明における文の長さと文法形態素の出現比率, 文法形態素の誤りの有無を検査した.その結果MAに該当する年齢の健常児に比し, MA3~4歳群を除き, 文の長さ, 文法形態素の出現比率に健常児との差がみられなかったが, 個々の文法形態素の表出や理解の習得が健常児より1年から3年遅れ, 文法形態素の誤りが多かった.したがって, ダウン症児者の構文は発達の量的な遅れに加え, 質的な遅れがあることが予想された.また, MA5~6歳では構文発達のごく初期のレベルにしか到達しておらず, MA7~8歳が構文を習得してゆくために必要な発達レベルと考えられた.
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  • 高見 葉津
    43 巻 (2002) 2 号 p. 200-206
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    3名の発語障害がある重度脳性麻痺年長児の音声言語能力と文字言語能力の評価を行い, 言語能力について検討した.対象とした発語に問題のある脳性麻痺児は, 言語能力の個体差があり, また個体内でも, 意味, 音韻, 構文といった個々の発達が異なることが明らかであった.音声言語発達と文字言語発達との関連では, 文字を学習しても発語障害により, 音韻操作能力が低迷し, 読解能力にも影響を及ぼしていると考えられた.脳性麻痺児は個体の条件が異なるが, 言語能力の発達に関与するものとして, (1) 発語明瞭度, (2) 補助代替手段の使用を制限する四肢の運動機能, (3) 知的能力, 理解語彙能力, (4) 移動能力, が考えられた.
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  • 宇野 彰, 新貝 尚子, 狐塚 順子, 坂本 和哉, 春原 則子, 金子 真人, 加我 牧子
    43 巻 (2002) 2 号 p. 207-212
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    小児失語の伝統的臨床像は病巣がどこであれ錯語や新造語がなく非流暢発話であり, 回復が大きく場合によっては完全に回復する, とされてきた.本研究では, 主に脳血管障害により側頭, 頭頂葉に限局病巣を有する流暢型小児失語症6例を対象に, 失語症の症状, 改善到達度, 責任病巣を検討した.その結果, 40歳以上発症例と比べて改善到達度が大きかった.15歳から27歳までの発症例とほぼ同様であった.しかし, その到達度には限界があり, 文の復唱や漢字の書字などの項目で有意な得点の低下が認められた.全例左大脳半球損傷によって失語症が発症していること, もっとも若い小児失語症例は2歳台での発症が推定されることから左大脳半球での言語優位性は2歳台ですでに認められるのではないかと思われた.
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