音声言語医学
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44 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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  • 佐藤 裕, 森 浩一, 古屋 泉, 林 良子, 皆川 泰代, 小泉 敏三
    44 巻 (2003) 3 号 p. 165-171
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    乳児の音声言語刺激に対する聴覚野の発達的変化について音韻・抑揚処理の優位側に着目し, 多チャネル近赤外分光脳オキシメータを用いて測定した.音刺激には分析合成による音韻もしくは抑揚の異なる最小対 (/itta/と/itte/: 音韻対比, /itta/と/itta?/: 抑揚対比) を用いた.刺激提示は/itta/のみが提示される区間をべースライン, 対の両方を等確率でランダムに提示される区間を対比区間とし, べースラインに対して対比区間の総ヘモグロビンの最大変化量を指標として解析を行った.左右側頭部にて得られた総ヘモグロビン反応のピーク値を基に側化指数を算出し音韻と抑揚処理の左右差を検討した結果, 11~12ヵ月齢群以降で側化指数に有意差が見られた.これは成人や2~5歳の小児の結果と同様であり, 聴性の音声言語処理にかかわる脳活動の左右差が1歳直前に生じていることが示された.この手法は言語発達遅滞のリスクを有する乳幼児への検査法としての応用が期待される.
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  • 石毛 美代子, 村野 恵美, 熊田 政信, 新美 成二
    44 巻 (2003) 3 号 p. 172-177
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    音声治療により良好な効果を得た外転型痙攣性発声障害 (外転型SD) の24歳, 女性症例を報告した.本症例では間欠的な無声化などの音声症状が (会話中) ピッチの上昇に伴って出現し, 話声位を下げると軽減した.
    音声治療で話声位を下げ症状の軽減を図った.G3 (196Hz) とB3 (約247Hz) の2つの目標話声位を設定し, 単語, 短文, および文章での発話練習を行い, さらに, 会話を中心とした使いこなし (carry over) 練習を加えた.
    治療後の結果は満足すべきものであり, サウンドスペクトログラムの結果も臨床的な印象を裏づけるものであった.6名によるモーラ法での音声評価の結果, 何らかの音声症状があると評価されたモーラ数の平均値は, 治療前は82.5であったが, 治療後は14.5 (54単語, 全176モーラ中) に減少した.
    話声位を下げることにより音声症状の軽減が得られたことから, 本症例の音声症状には輪状甲状筋の異常が関与している可能性が示唆された.
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  • 安東 孝治, 吉野 公喜, 志水 康雄
    44 巻 (2003) 3 号 p. 178-189
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    重度聴覚障害者23名ならびに健聴者6名について, その一部の語を強調した短文と強調のない短文との弁別実験を行った.その結果, 聴覚障害者の強調の有無の弁別について, 強調の位置に影響される者, 音圧上昇に影響される者, 持続時間に影響される者, 文のパターンにかかわらず弁別が可能な者のいることが明らかになった.なお, 健聴者は全員が100%の弁別率を示した.さらに, 弁別実験の対象者のうち, すべての健聴者6名の健聴者群, 文のパターンによって弁別に困難を示した聴覚障害者4名の弁別困難群ならびに文のパターンにかかわらず弁別が可能であった聴覚障害者6名の弁別可能群について, 強調文と非強調文の追唱実験を行い, 音響音声学的分析ならびに聴覚印象による評価を行った.その結果, 聴覚障害者の個人差は大きかったが, 概して, 弁別可能群は弁別困難群に比して高い追唱能力を示し, 同群において健聴者に比肩しうる追唱能力を示す者の存在が確認された.
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  • Rikako Fujimori, Masato Fujimori, Hiroshi Yoshikawa, Yoshiro Ehara
    44 巻 (2003) 3 号 p. 190-201
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    Cases diagnosed as essential voice tremor were studied by (1) clinical statistics and (2) acoustic analytical assessments.
    (1) Patients with this disorder accounted for 0.06 % of the overall new outpatient population. Among 20 patients with essential voice tremor studied, there were more women than men, and patients with onset of the illness in their sixties were most frequent.
    (2) Sound spectrographic samples of the five vowels were analyzed with respect to frequency of voice tremor, fluctuation of fundamental frequency, PPQ, APQ, Jitter % and Shimmer %. Analysis revealed significant differences in frequency of voice tremor and APQ between /a/ and /u/, thus indicating that vocal symptoms vary for each vowel.
    To explore the effect of acoustic impedance on these acoustic parameters, experiments were performed using three types of cylinders differing in shape of the aperture. The results of the experiment showed that the frequency of voice tremor is lower at a larger acoustic impedance. The findings also demonstrated that acoustic factors have a bearing on the characteristics of essential voice tremor.
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  • 大石 敬子
    44 巻 (2003) 3 号 p. 202-203
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 小枝 達也
    44 巻 (2003) 3 号 p. 204-208
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    特異的言語発達障害 (specific language impairment: SLI) という診断名は, 幼児期の言語障害に対して用いられることが多い.この名称はICD-10に準拠すれば, 主に表出性言語障害, 受容性言語障害に該当すると思われる.しかし, こうした幼児が学童になったときには, 健常児から軽度精神遅滞, 学習障害, 自閉症と実にさまざまな状態を呈する.
    小児の発達状況は常に変化するので, 年齢に応じて合併してくる行動や対人性の問題, あるいは認知能力の歪みをできるだけ正確に把握し, より的確な発達診断を行うことが求められる.また, 幼児期には言語発達にまったく問題がなく, 学齢期に言語の意味理解障害を呈する1例を示し, 学童期にはじめて見い出されるSLIも存在すること, そして見方によっては学習障害という新しい位置づけも必要であることを示した.
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  • 石田 宏代
    44 巻 (2003) 3 号 p. 209-215
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    聴力・対人関係・知能には問題がないが, 言語発達が遅れた8歳6ヵ月男児の指導経過からその言語発達特徴を整理した.その言語特徴は, (1) 語彙力が落ちており語想起が悪い, (2) 音韻認識の発達が遅れている, (3) 統語面の発達が遅れている, (4) 聴覚的記憶が視覚的記憶に比べ低下している, というものであった.この特徴は英語圏でいわれている特異的言語発達障害に相当するものと考えられた.その言語特徴の背景としては, 聴覚記憶を含む聴覚認知経路の障害が考えられた.こうした症例の指導にあたっては, 問題の背景を探り, 優位な情報処理方法を活用することが重要である.
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  • 田中 裕美子
    44 巻 (2003) 3 号 p. 216-221
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    英語圏の特異的言語発達障害 (SLI) は文法形態素獲得の遅れを主症状とする文法障害である.5歳での発現率は7.4%で, 言語障害は青年期まで長期化する.SLI研究法は, 理論をデータから検証するトップダウン方式が中心であり, 異言語間比較が理論追求に寄与するところが大きい.本研究では, 幼稚園でのスクリーニングにより同定したSLI群, 健常群, 知的障害児群とで, 語順や名詞数という言語学的要因を変化させた文理解成績を比較した.その結果, SLI群では健常の言語年齢比較群や知的障害群とは異なる反応パタンが見られ, 言語情報処理能力の欠陥説を支持した.さらに, 臨床家にSLIと診断された3症例に文理解や音韻記憶課題を実施した結果, SLIの評価・診断法としての有用性が示唆された.言語発達の遅れを「ことばを話すか」という現象のみで捉えるのでなく, 「何をどのように話すか」といった言語学的視点などを含め多面的で掘り下げ的な評価法の確立が今後期待される.
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