音声言語医学
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 前新 直志, 山田 好秋
    2005 年 46 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2005/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    成人の発話速度刺激の変化に対する健常幼児の反応時間と復唱発話を検討した.対象児は保育園に在籍する健常幼児90名 (3歳児群30名, 4歳児群30名, 5歳児群30名) .その結果, 反応時間と復唱発話は発話刺激に影響されることが示された.また反応時間については3歳児群=4歳児群<5歳児群といった発達的相違が示された.復唱発話については, 刺激に影響されるものの刺激が極端に遅くなると影響力は低下する.
    幼児は, 発話的相互作用を通して発話速度に影響されながら, 反応するタイミングと発話を獲得していくことが示唆された.
  • ―認知機能特性に基づいた訓練方法の効果―
    春原 則子, 宇野 彰, 金子 真人
    2005 年 46 巻 1 号 p. 10-15
    発行日: 2005/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    発達性読み書き障害の男児3例に対して2種類の方法で漢字書字訓練を行い, 単一事例実験研究法を用いてその効果について検討した.3例とも音韻認識力や視覚的認知, 視覚的記憶力に低下を認め, これらが漢字書字困難の原因になっていると考えられた.一方, 音声言語の記憶力は良好であった.漢字の成り立ちを音声言語化して覚える方法 (聴覚法) と, 書き写しながら覚える従来の学習方法 (視覚法) を行い, 訓練効果を比較した.その結果, 効果の持続という点において聴覚法が視覚法に比べて有用であることが示唆された.視覚的情報処理過程に低下がある一方で, 音声言語の記憶力が良好であった本3症例にとっては, 見て写しながら覚えるだけでは十分に漢字書字が獲得できず, 聴覚法が有効なルートとして機能したものと考えられた.
  • ―声帯粘膜波動に注目して―
    楠山 敏行, 藤本 裕一, 佐藤 麻美, 伊藤 朋子, 磯貝 豊, 新美 成二, 福田 宏之
    2005 年 46 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 2005/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    いわゆるホルモン音声障害は, 男性化作用のある薬剤を女性に投与した場合に発症する音声障害を指すもので, 声の男性化を主症状とする.男性ホルモン含有製剤とタンパク同化ステロイドが主たる原因薬剤とされ, 近年それらの適応範囲は拡大傾向にある.われわれは当センター開設後2年6ヵ月の問に8例のいわゆるホルモン音声障害を経験した.そのうち, 話声位, 声域ともに低音化している4例全例に, 喉頭ストロボスコピーにて声帯粘膜波動の消退を認めた.治療を希望した5例にvocal function exercisesを中心とした音声治療を施行し, 著明な改善を認めた.声帯粘膜波動の消退を認めた4例中, 原因薬剤を中止した3例で音声治療による声帯粘膜波動の回復を認めた.
  • 見上 昌睦
    2005 年 46 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2005/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    吃音の意識があり重症度の高い発吃3歳6ヵ月, 初診時年齢8歳10ヵ月の男児1例に対して環境調整, 遊戯療法とともに流暢性を促すために以下の直接的言語指導による治療を実施した.1) “ゆっくり, ひき伸ばし気味に”, “力を抜いて, 柔らかな声で”などをカメの玩具, 柔軟性に富むぬいぐるみの動き等にたとえて発話, 2) メトロノームを用いたリズム効果法, 3) 主症状である吸気発声への対応として, 吸気後に呼気にのせて軟起声で, 柔らかな声を用いながらゆっくりとひき伸ばし気味に発声・発語, 4) 劇遊びを斉読, 復唱など吃音症状が抑制されやすい条件をとり入れて実施した.言語指導終了後, 遊戯療法に並行して親面接を実施し環境調整を図った.家庭でも本言語指導を実施してもらった.本指導開始後, 指導および家庭場面の吃音症状は顕著に改善した.また回避反応は消失, 行動・心理面についても好転した.重度吃音学童に対して, 環境調整, 遊戯療法とともに, 遊戯的要素をとり入れ, 核となる吃音症状を踏まえて直接的言語指導を試みることの効果が示唆された.
  • 2005 年 46 巻 1 号 p. 33-84
    発行日: 2005/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
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