音声言語医学
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47 巻 , 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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  • 田内 光, 小林 美穂
    47 巻 (2006) 3 号 p. 268-275
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    当病院では現在までに44例の小児人工内耳手術を行った.年齢は最年少が1歳10ヵ月で最年長が10歳であり, 平均年齢は4歳9ヵ月であった.
    手術の合併症として大きなものは, 電極の鼓室内脱出1例, 感染による創部膿瘍が1例に見られた.これらは, 皮膚切開を大きくした早期の手術法で起こったものである.これらの合併症は電極アレイを骨に十分固定すること, そして皮膚切開を小さくして筋肉および皮膚により人工内耳本体を十分に覆うことにより現在では起こっていない.
    人工内耳装用児の語音聴取能検査では個々の児により差が見られた.しかし人工内耳による聴取能は補聴器によるそれと比べると良好であった.
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  • 塩見 周平, 内山 健志
    47 巻 (2006) 3 号 p. 276-282
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は口腔異常感覚が音声にいかなる影響を及ぼすかを解明することを目的として, 下顎孔伝達麻酔を施行し, 口腔異常感覚によって生じた音声変化について音響解析を行った.さらに, 構音へのフィードバック機構について音響分析を行った.対象は成人男性14名とし, 被検音は日本語5母音および無声破裂音, 無声摩擦音, 無声破擦音8単音を用いた.その結果, 以下の結果を得た.1.母音は麻酔後には麻酔前と比べて, すべての母音で発声強度が増強を示し, 基本周波数は上昇する傾向を示した.2.先行子音波継続時間は, 麻酔前と比べて麻酔後には短縮を示し, 「タ」「チ」では有意の差で短縮が認められた.3.先行子音波の発声強度は, 検査音のすべての子音で下顎孔伝達麻酔後には増強を示した.4.下顎孔伝達麻酔による口腔異常感覚は, 母音と無声子音に明らかに影響を及ぼした.
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  • 高野 佐代子, 本多 清志
    47 巻 (2006) 3 号 p. 283-290
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    母音発話における外舌筋と内舌筋の機能を再評価するためタギングシネMRIと呼ばれる磁気共鳴画像法を用いて舌内組織の3次元的な変形を計測し, 母音/i/の生成にかかわる舌筋の役割を推定した.中舌母音/e/を起点とする母音連鎖/ei/について矢状面2スライス-60フレーム/秒, 水平断面10スライス-12フレーム/秒の撮像を行った.舌組織の3次元変形についてタグ陰影の分析を行った結果, /i/の調音において, 前半部の組織には前上方への移動および正中方向への圧縮, 後半部の組織には前下方向への移動および左右方向へ膨張が明らかになった.また舌組織の時間的な推移を比較した結果, 上半部は下半部に比べて移動量が大きく, 移動開始時期が早く, 移動速度も大きかった.以上の結果は, 母音/i/の舌変形にオトガイ舌筋前部および後部筋束が関与するという従来の機構のみでは説明できず, 舌端部の組織を左右から正中方向に狭小化させ, 前上方へ向かう高速の変位をもたらす内舌筋 (主として横舌筋) の関与があることが推測された.
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  • 廣田 栄子
    47 巻 (2006) 3 号 p. 291-293
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 小田 侯朗
    47 巻 (2006) 3 号 p. 294-297
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    わが国の聴覚障害教育における手話の活用とリテラシーの関係について, 近年の聾学校を対象としたコミュニケーション手段の比較研究等を基に概括した.聴覚障害児のリテラシーについては過去から現在に続く聴覚障害教育の主要なテーマであり, また手話や口話といったコミュニケーション手段がリテラシーの伸展に与える効果の比較についても関心がもたれてきた.本論では国立特殊教育総合研究所が行ったコミュニケーション手段とリテラシーの関連についての研究を紹介した.結果的には聴覚障害児のリテラシーに影響を与える要因はさまざまであり, 多様な手段を複合したアプローチが求められる.本論では最近わが国でも話題になってきた聴覚障害児のバイリンガル教育におけるリテラシーへのアプローチについても解説を行った.
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  • 井脇 貴子
    47 巻 (2006) 3 号 p. 298-305
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    聴覚障害教育がコミュニケーションモードの選択において聴覚口話法と手話の問でデリケートな問題を抱えているさなかに人工内耳が本邦に導入されて約20年, 小児に適応されて約15年が経過した.その間に人工内耳の聴こえの効果は成人例で多く報告されている.また, 小児においても聴取能の改善に関する報告が重ねられており, それを受けて小児の適応基準の見直しも最近検討されている.しかし, 言語発達面からの評価がまだ十分には検討されていない現状がある.今回は「先天性難聴児に対する言語指導の50年の歩みとこれから―コミュニケーションベースの言語教育とリテラシ―」というテーマをいただいたことを契機として, わが国におけるハビリテーション環境における成果を聴取能ぼかりでなく言語発達面からも検討する機会を得た.そこで, これまでの臨床データから小児における人工内耳の成果と問題点, および今後の課題について多少の知見を得たので報告する.
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  • 斎藤 宏, 工藤 多賀, 堀内 美智子, 小寺 一興
    47 巻 (2006) 3 号 p. 306-313
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    乳幼児期の言語訓練の成果と問題点について検討するために, 先天性感音難聴児60名に対して就学時の言語評価を行った.
    1) WISC知能検査では, 言語性IQが平均よりも良好な症例が85%と多かったが, 動作性IQと同等のレベルまでは到達せず言語性IQのほうが有意に低い症例が32%存在した.2) ITPAについては, 「ことばの理解」「ことばの類推」「ことばの表現」は77~91%の症例が能力相応もしくは成績良好だったが, 「文の構成」は46%の症例が成績不良だった.3) 読書力診断検査は成績良好な症例が62%と多く, 下位検査項目間には有意な得点差を認めなかった.4) 失語症構文検査は, 61%の症例が成績不良であり, 助詞や受身文の聴覚的理解力が不足している症例が多かった.5) 聴覚障害児においては助詞や動詞の活用など, 文法の正確な理解が困難な症例が多く, 読み書きの基礎を形成するうえでは, 就学前からこれらの側面に配慮した指導を行うことの重要性が示唆された.
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  • 鈴木 恵子
    47 巻 (2006) 3 号 p. 314-322
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    聴覚障害児に対する従来のハビリテーションを検証し今後を見通すために, 診断から成人まで経過を追い記録の残る症例 (男16, 女22, 26±4.5歳, 81.9±22.0dB) から質問紙法 (N=38) と面接法 (N=21) で資料を得た.その結果多くが統合教育を経験し高卒後進学, 職種は多様であった.7割が言語性で標準以上であったが6割弱で動作性より劣り, 重度 (90dB~) の半数で言語性, 読書力とも低かった.中等度 (70dB未満) , 高度 (70dB~) は発話明瞭だが口形提示等の配慮を要す例があり, 重度は明瞭度が低く書字の使用が必須と推察された.障害認識は重症度で異なり, 中等度で高卒後の勉学・就業の場で問題を認識する例が, 高度で障害認識が自他ともに不十分で軋轢を生じる例が, 重度で手話を通じて同障者と交流し転機を得た例が認められた.重度例のリテラシー習得, 言語獲得後のコミュニケーション・情報障害への対応が課題であり, 医療機関は長期的展望で支援すべきと思われる.
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  • 中村 公枝
    47 巻 (2006) 3 号 p. 323-331
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    早期より聴覚活用した重度聴覚障害者とその親にアンケート調査を実施した.そのなかからコミュニケーションに関する調査結果を報告し, コミュニケーション技能, その有効性, 心理的状況およびその満足度について考察した.その結果次のことが明らかになった. (1) 補聴器の装用率は91%と高く, 1対1の対話や話の流れの理解に聴覚が有効活用されている, (2) TVや集会などでは音声言語の理解の困難性は顕著に増加する, (3) 相手や状況に即し, 音声言語, 手話, 筆談など多様な方法を使い分けている, (4) 音声使用への抵抗感は全体に低く, コミュニケーション困難場面への多様な対処方法を有している, (5) 重度聴覚障害者においても聴覚活用への意欲は高い.以上のことから豊富なコミュニケーションストラテジーの適切な活用は, 聴者との積極的な交流と心理的ストレス軽減に寄与することが示唆された.
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  • 齋藤 佐和
    47 巻 (2006) 3 号 p. 332-335
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    聴覚障害児の学校教育開始後, 約130年になる.20世紀前半までの職業教育重視の時代を経て, 現在, 聾学校では通常の学校と同様の教育が目指され大学進学者も増加している.難聴学級等通常の学校で指導を受けている子どもも多い.近年コミュニケーション方法は多様化し, 聴覚口話法を基本としつつ手話を併用する聾学校も増えている.日本語指導の方法も教授型からコミュニケーション重視の対話型に変化してきた.聴覚障害児のリテラシーは個人差が大きく, 平均的には読書力, 作文力とも遅れや偏りが見られる.リテラシー形成には音韻意識および言語概念への気づきが重要であるが, 聴覚障害児は補聴による矯正に加えて, 視覚的情報や筋肉感覚, かな文字などを拠り所にさまざまな感覚を協働させ, 時間をかけて特有の音韻意識に至ると考えられる.音韻意識の定着や日本語による概念の理解を促す指導, さらに小学校, 中学校段階でのリテラシー形成にかかわる息の長い教育的支援が必要である.
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