介護老人保健施設 (以下, 老健) における言語および構音スクリーニング検査を開発するため, 試案作成, 信頼性と妥当性の検証, 課題および項目の抽出, 選別基準の設定を行った.老健利用者の特性を考慮した試案を作成し, 延べ217例に施行して, 高い信頼性と妥当性が示された.試案の結果について因子分析と通過率の分析を行い, 言語スクリーニング検査では単語の理解, 短文の理解, 仮名単語の読解, 身体命令の読解, 呼称, 短文の復唱, 仮名単語の書称, 短文の書取, 計8課題16項目, 構音スクリーニング検査では2~4文節のことわざ3項目を抽出した.感度と特異度の算出により, 言語スクリーニング検査では正答数13以下, 構音スクリーニング検査では明瞭度2以上を障害の選別基準とした.老健利用者の属性の分布を反映した対象に施行可能で, 選別基準も先行研究に比して妥当であり, コストやリスクも低いことから, 有用なスクリーニング検査になりうることが示された.
抄録全体を表示