音声言語医学
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49 巻, 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 楠山 敏行, 森 有子, 佐藤 麻美, 伊藤 朋子, 佐藤 剛史, 中川 秀樹, 田村 悦代, 新美 成二, 福田 宏之
    2008 年 49 巻 3 号 p. 149-154
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    過去5年間に東京ボイスセンターを受診した声帯結節症例902例に対して臨床的検討を行い, 以下の結論を得た.
    1.女性789例, 男性113例で女性が全体の87%を占めた.10歳までは男児に多く男児が78%であるのに対し, 11歳以上では女性が90%であった.
    2.声の職業性は全体の70%に認めた.
    3.音声治療単独の治癒率は43%で治癒までの平均加療期間は3.1ヵ月であった.
    4.ステロイド療法単独の治癒率は56%で治癒までの平均加療期間は2.8週であった.
    5.手術後の再発率は42%, 追加治療による治癒率は74%で, 非再発群と再発後治癒群を併せた手術後の治癒率は他の治療法と比較し有意に高い結果となった.
    6.音声治療において病悩期間が3ヵ月以内の症例では他の期間と比較して治癒率が有意に高い結果となった.
    7.以上の結果より患者の希望する治癒までの期間と病悩期間から声帯結節の治療指針を提唱した.
  • 内山 勉, 伊集院 亮子, 徳光 裕子
    2008 年 49 巻 3 号 p. 155-166
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    聴覚活用による早期療育を受けた難聴児101人の6歳時点でのWPPSI知能診断検査結果について検討を行った.難聴児はいずれも知的には正常範囲 (動作性IQ90以上) で, 聴力は43~135dBの範囲であった.
    言語性下位検査の分析では, 「類似」の評価点が有意に高く, 「理解」の評価点が有意に低かった.また, 言語性IQが70以上の難聴児では, 「知識」の評価点も有意に高かった.以上の結果から「類似」は難聴児にとって得意な課題であり, 「理解」は不得意な課題であり, さらに言語性IQ70以上の難聴児では「知識」は得意な課題であると結論できる.
    動作性下位検査の分析では, 難聴児にとって「迷路」は応答しやすい課題であり, 「動物の家, 絵画完成」は個々の難聴児の能力差が出現しやすい課題であることが示された.
    これらの知見は, 難聴児のWPPSI検査結果を解釈, 判定するために有用であると思われる.
  • 金 銀珠, 伊藤 友彦
    2008 年 49 巻 3 号 p. 167-173
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    韓国語の格助詞を正しく使用するためには, 1) 主格や目的格などの格の種類を決定する能力に加えて, 2) 音韻論的条件 (前の音が母音か子音か) によって格助詞を使い分ける能力が必要である.従来の研究において, 格の種類を決定する能力と聴力との間には相関がないといわれてきた.しかし, 音韻論的条件によって格助詞を使い分ける能力と聴力との関係について詳しいことは明らかになっていない.そこで本研究では韓国の聴覚障害児を対象として, 格の種類の誤用と音韻論的条件による格助詞の誤用それぞれについて聴力との相関を検討した.その結果, 1) 格の種類の誤用も, 音韻論的条件 (母音か子音か) による格助詞の誤用も聴力とは有意な相関を示さなかった.一方, 2) 格の種類の誤用と音韻論的条件 (母音か子音か) による格助詞の誤用との間には有意な相関が認められた.
  • 白坂 康俊, 斉藤 吉人
    2008 年 49 巻 3 号 p. 174-178
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 白井 由佳
    2008 年 49 巻 3 号 p. 179-180
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 田島 保子
    2008 年 49 巻 3 号 p. 181-184
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • ―機能訓練からQOLへ―
    佐々木 千穂
    2008 年 49 巻 3 号 p. 185-187
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • 斉藤 吉人, 白坂 康俊
    2008 年 49 巻 3 号 p. 188
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • ―湖南市発達支援システムについて―
    小西 喜朗
    2008 年 49 巻 3 号 p. 189-195
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    われわれの基本的な考えは, 「市に生まれて育っていく子どもたちを, 市がどのように育んでいくのか」ということの答えを実現することである.生活者, 学習者を起点にして, そのニーズを把握していく.各領域で必要なときに必要な支援を行う横の連携と, 必要な支援を生涯にわたり継続して支援していく縦の連携を行っていくことである.
    われわれは, 教育, 保健, 福祉, 医療, 就労などの領域の既存の役割を個の発達的ニーズに焦点化し支援を仕組んで協働していく「発達支援システム」のプランのさらなる充実の実現のためにいろいろなことを行っている.
  • 斉藤 吉人
    2008 年 49 巻 3 号 p. 196-201
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    現在, 先天異常の早期発見は出生前や出生直後の段階にまで進んでいる.こうした状況の下, 北九州地域では口唇口蓋裂のある新生児とその家族に対し, 歯科医師と言語聴覚士が産科医師・新生児科医師と連携して, カウンセリングを含む家族支援を行ってきた.現在では, あらゆる先天異常を視野に入れた支援活動を展開中である.これらの家族支援においては, 先天異常のある子どもの療育を担っている言語聴覚士や小児のリハビリテーションに従事する人々, すなわち療育者が行う療育的支援が重要であることを述べた.そして, この療育的支援の充実には医療と療育の連携が必要であることを強調した.
  • 伊佐地 隆
    2008 年 49 巻 3 号 p. 202-207
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    障害者がスポーツを行いたいというニーズに応えることによって, それが実現できた障害者は生き生きとし, それを見ることによってわれわれも喜びを感じ力が湧いてくる経験をすることができた.スポーツに取り組むことによって障害者が一般社会へ入っていくきっかけになり, ノーマライゼーションの社会を具現化できることがわかった.
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