音声言語医学
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52 巻 , 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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総説
  • 狩野 章太郎
    52 巻 (2011) 4 号 p. 307-312
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    聴性誘発電位は聴覚による言語理解の発達の評価に有用である.波形のピークは聴覚路の各段階で多くの神経細胞が同時に発火していることを反映する.単純な音への反応である聴性脳幹反応(ABR)であれば新生児からも記録することができ,髄鞘化が進行すると潜時は短縮する.言語音の処理過程を誘発電位に反映させるには,複数の刺激音への反応の差を見る事象関連電位(ERP)という手法が必要になる.言語の習得は,各言語に特有な音韻のセットを同定することから始まるが,音韻の違いに対する反応をMismatch Negativity(MMN)で検出すれば,この過程を裏づけられる.1歳までに母音の長短の違い,アクセントの違いといった母国語の特徴を判別できることをMMNが示している.さらに語の意味の弁別が必要となるN400は1歳半までに記録される.3歳前後になると文法からの逸脱を弁別していることが600ms付近の潜時に,4歳前に文レベルの意味の理解が可能であることが400-800msの潜時に表れる.
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  • 藤谷 順子
    52 巻 (2011) 4 号 p. 313-315
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
  • 加我 牧子
    52 巻 (2011) 4 号 p. 316-321
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    聴覚失認とは一次聴覚皮質・聴放線の両側の損傷により言語音・非言語音(環境音,音楽)などの音を認知できなくなった状態をいい,失語症と異なり内言語の障害はないことが前提である.
    成人の聴覚失認もまれな症状であるが,小児では成人に多い脳血管障害が少なく,高次脳機能障害の診療に慣れていないことが多く,診断が難しく,気づかれにくいことも多い.
    そこで本稿では聴覚失認を呈したヘルペス脳炎,副腎白質ジストロフィー症,Landau-Kleffner症候群の小児症例の紹介を通じて,発達性言語障害やauditory neuropathy/auditory nerve diseaseとの鑑別を含め,診断治療の問題点について紹介した.
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原著
  • 宮本 昌子
    52 巻 (2011) 4 号 p. 322-328
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    吃音とクラッタリングを鑑別するためのチェックリストを作成する目的で,欧米で使用されているDaly1)のチェックリストを邦訳し,一部改編したものを,学齢期の吃音を主訴とする児童208名に実施した.クラッタリングに該当したのは33名(15.9%)で,Daly1-3)の報告とほぼ同様な結果を示した.また,チェックリストの下位33項目について,クラッタリング群と吃音群の2群で比較した結果,31項目で有意な差を認めた.さらに,クラッタリングを規定する因子として,因子分析の結果から「言語能力・発話運動コントロールの問題」「注意欠陥・多動性」「発話速度の速さ」の3因子が想定された.以上の結果より,本チェックリストからクラッタリングの検出が可能であることが示唆された.事例検討の結果も妥当性を支持した.
    今後は,本研究の結果,修正したチェックリスト(試案)の実施やクラッタリングに該当した者への治療介入と効果の検討を積み重ねることで,項目の妥当性や鑑別の精度について検討したいと考える.
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  • 内山 勉
    52 巻 (2011) 4 号 p. 329-335
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    聴覚活用による早期療育を受けた平均聴力レベル(聴力)が90dB以上の人工内耳装用の難聴児(CI群18名)を対象に,療育開始年齢と早期療育効果との関係について,6歳時点のWPPSI知能検査言語性IQ(VIQ)を基に検討した.療育開始0歳・CI手術2歳のCI群VIQ(平均116.0)は,療育開始2歳・CI手術3歳以降のCI群VIQ(平均92.1)より有意に高かった.また療育開始年齢と聴力が同じ補聴器装用児(HA群26名)とCI群を比較したところ,療育開始2歳CI群VIQ(平均92.1)は療育開始2歳HA群VIQ(平均70.3)より有意に高かった.また言語発達遅滞(VIQ80未満)の出現比率は,療育開始2歳HA群(70.0%)が療育開始2歳CI群(14.2%)に比べ有意に高かった.これらの結果から,聴力90dB以上の難聴児では0歳からの早期療育と2歳での人工内耳装用は明らかに言語習得に効果があり,療育開始年齢と人工内耳手術年齢は難聴児の言語習得を促進させる重要な要因であることが明らかになった.
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  • 長南 浩人, 近藤 史野, 原 由紀, 中川 辰男, 濱田 豊彦, 大鹿 綾, 柴崎 美穂, 舞薗 恭子, 富澤 晃文, 間根山 祥之
    52 巻 (2011) 4 号 p. 336-347
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    本研究は,学童期に良耳の聴力レベルが90 db以下であった聴覚障害者(111人)を対象として,彼らの後期中等教育以降のコミュニケーションの実態を明らかにすることを目的とした.方法には,質問紙法を用い,発信時に使用するコミュニケーション手段,静寂環境下や反響騒音下,あるいはコミュニケーションの相手が複数である場面における音声の理解度,講義や会議の場面で利用する情報保障手段,コミュニケーション場面で利用する方略,遠隔地コミュニケーション場面で利用する方法について回答を求めた.
    その結果,対象者は,音声を主たるコミュニケーション手段とし,特に発信者となる場合は,その傾向が顕著であった.一方,受信者となる場合は,良耳の聴力が80 dB以上の者は,音声聴取に関する環境やコミュニケーションの相手の変化によって音声によるコミュニケーションに困難が生じる場合もあり,それを複数の方略の活用により対処していることが明らかとなった.
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  • 川合 紀宗
    52 巻 (2011) 4 号 p. 348-359
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    新版 構音検査では,「音声学的視点からのまとめ」として,構音位置や構音様式,有声・無声などの気づきなど,音韻プロセスの側面について自由記述により記録することができる.ただし,一定の知識がなければこれらの詳細な分析は不可能である.そこで,容易に音韻プロセスの分析を行うことができ,新版 構音検査と併用可能な音韻プロセス分析ツールの試案を作成したので本稿で紹介する.音韻プロセスについては,まず大分類として,15の音韻プロセスを語全体プロセスと文節音変化プロセスの2種類に分け,その下位項目となる中分類として,語全体プロセスには省略プロセスを,文節音変化プロセスには音声化プロセス,構音点および構音様式プロセス,鼻音化プロセスを設定した.現段階では標準化されていないため,音韻プロセスの出現率しか算出されない.今後はデータ収集を行い,年齢と音韻プロセスの種類・数との関係を明らかにし,標準化を目指すとともに,数量的な分析だけでなく,質的な分析も容易に行えるよう,改良を実施したい.
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  • 田中 美郷, 芦野 聡子, 小山 由美, 吉田 有子, 針谷 しげ子
    52 巻 (2011) 4 号 p. 360-365
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    われわれが扱った約80名の人工内耳(CI)装用児中,CI装着後聴覚過敏を訴えた子ども9名(5-14歳)の聴覚過敏症の特徴を,非CI児10名(健聴児および感音難聴児各5名,4-12歳)のそれと比較した.CI児9名中6名および非CI児10名中6名はいずれも自閉症スペクトラム障碍(ASD)ないしアスペルガー症候群を伴っていた.聴覚過敏症の原因音は電気掃除機やヘアドライヤー,水洗トイレの音,工事現場の大きな音,大勢の集団のなかの声などであり,これに関してはCI児および非CI児間に違いはなかった.CI児の大部分は聴覚敏症を漸次克服していったが,ASDと重度精神遅滞を伴う1例は5歳のときCIを装着したものの,10歳に達するやCI装用を拒むようになった.その原因は聴覚過敏症と考えられた.
    これらの知見は,われわれのCI児の聴覚過敏症は多くはASDに帰属するものであり,重症例では聴覚過敏症はCI装用拒否の原因になりうることを示唆している.
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  • 山田 有紀, 笠井 新一郎
    52 巻 (2011) 4 号 p. 366-371
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    高機能広汎性発達障害児は知能検査レベルでは言語性知能指数は正常範囲となるが,実際場面ではそれに見合ったコミュニケーション・言語行動をとることが難しいといった検査数値と実際場面の乖離が見られる.そこで高機能広汎性発達障害児のITPA言語学習能力診断検査の傾向分析から,コミュニケーション・言語的な問題を明らかにすることを目的とし,5,6歳代高機能広汎性発達障害児101名にITPA言語学習能力診断検査を実施した.その結果,全検査評価点では明らかな遅れは認められなかったが,下位項目「ことばの類推」「ことばの表現」「文の構成」評価点は有意に低値であった.これらは,高機能広汎性発達障害児のコミュニケーション・言語的な問題を反映した結果であり,聴覚-音声系の処理,文脈理解,意味カテゴリーの運用の問題を示唆するものと考えられた.
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