マインドフルネス研究
Online ISSN : 2436-0651
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  • ティーズデール,J.湯川 進太郎(訳)『マインドフルネスの探究──身体化された認知から内なる目覚めへ──』
    伊藤 義徳
    2025 年9 巻1 号 p. 1-4
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/05/08
    ジャーナル オープンアクセス
    マインドフルネスをより深めたい人に,これからマインドフルネスの研究を行いたいと考えている人に,マインドフルネスの実証的研究のパイオニアが渾身の思いを込めた本書を,ぜひ手に取ってもらいたい。
  • 菊地 創, 大宮 宗一郎, 小林 亜希子, 富田 拓郎
    2025 年9 巻1 号 p. 5-17
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/05/30
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,さまざまな困難な状況においても,自分を大切にしつつ,他者との関係性も意識する概念であるセルフ・コンパッションが注目されている。セルフ・コンパッションの一般向け心理教育プログラムの一つとしてMSC(Mindful Self-Compassion)が開発され,欧米では知見の蓄積が進められている。本研究は日本人を対象にMSCをオンラインで実施し,その心理学的な効果を前後比較で検証することを目的とした。調査は,プログラム参加前,プログラム終了後,終了6ヶ月後の3回にわたり実施され,13名(M = 49.31歳,SD = 12.19)が参加した。その結果,セルフ・コンパッション尺度日本語版,日本語版セルフコンパッション反応尺度,日本語版Mindful Attention Awareness Scaleにおいて,プログラム前後で得点が向上した。さらにプログラム終了6ヶ月後もその効果が持続していることが示された。
  • 伊達 素子, 喜田 智也, 青山 有希, 杉森 絵里子
    2025 年9 巻1 号 p. 18-30
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,ヨーガの呼吸と瞑想が気分や血圧に及ぼす影響を検討する介入実験を行った。ヨーガ未経験で健常な成人25名を対象として,ヨーガのポーズに加えて,呼吸と瞑想の教示がある群とない群に分け,毎週1回で全6回の介入実験を行った。介入前後に血圧と脈拍を測定した結果,収縮期血圧において,呼吸と瞑想の教示あり群のみ,介入前後で数値が下がる傾向があった(d = 0.23, p = 0.41)。介入前後に気分プロフィール検査(POMS2)を実施した結果,呼吸と瞑想の教示あり群のみ「活気~活力」が上がる傾向がみられ(d = 0.67, p = 0.06),呼吸と瞑想の教示なし群のみ「友好」が下がる傾向がみられた(d = 0.64, p = 0.15)。また,介入後の自由記述において,呼吸と瞑想の教示なし群は,身体感覚の変化のみに着目していたのに対し,呼吸と瞑想の教示あり群は,感情や思考,ならびに行動の変化に関する記述も見られた。以上より,ヨーガのポーズに伴う呼吸や瞑想は,特に心理面にポジティブな効果が見られる可能性が示唆された。
  • アプリの体系的評価を通して
    秋山 海登, 佐々木 翼
    2025 年9 巻1 号 p. 31-43
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,メンタルヘルスアプリの利用が増加し,多くがマインドフルネスに関するコンテンツを提供している。本研究の目的は,日本で利用可能なマインドフルネスに関するスマートフォンアプリの品質を体系的に評価すること,およびアプリ内コンテンツの科学的根拠とプライバシーポリシーの現状を明らかにすることであった。2022年12月にアプリストアから1638個のアプリが特定され,①「マインドフルネス」または「瞑想」という言葉がタイトルかつWebの説明文に記載されていること,②マインドフルネスに関するコンテンツを十分に提供していること,③日本語で利用可能であることの適格基準に基づいて,最終的に21個のアプリが評価対象となった。アプリの品質評価にはMobile App Rating Scaleが用いられ,評価の平均値は3.380と中程度の水準にあった。科学的根拠の有無については7個のアプリが学術論文で取り上げられており,そのうち2個のアプリは無作為化比較試験で有効性が検討されていた。また,プライバシーポリシーを公開しているアプリは17個であった。今後は無作為化比較試験をはじめとした科学的根拠のさらなる蓄積とともに,翻訳精度やプライバシー保護を含む情報の透明性を高め,ユーザビリティを改善する取り組みが重要と考えられる。
  • 小日向 咲来, 森實 駿介, 桂川 泰典
    2025 年9 巻1 号 p. 44-56
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/10/30
    ジャーナル オープンアクセス
    これまで,ASD者・児の有する聴覚過敏の症状については,選択的注意機能の障害が関与している可能性が指摘されてきた。また,選択的注意機能の向上については,マインドフルネストレーニングの有効性が示唆されてきた。そこで本研究は,聴覚過敏の症状を有するASD者に対してマインドフルネストレーニングを実施し,その効果について検討した。実験参加者は,ASDの診断およびその傾向,かつ聴覚過敏の傾向を有する成人男女30名であった。介入の結果,介入継続群のマインドフルネススキルが有意に向上し,聴覚過敏傾向は有意に減少したことが認められた。一方で,両耳分離聴課題得点には有意な変化が見られなかった。追加分析の結果からは,苦手な音に伴う不快な感情をありのままに受け入れる姿勢の習得や,苦手な音に対する予期不安の軽減が聴覚過敏症状に効果的であると推察された。
  • 村上 祐介, 呉 セイセン
    2025 年9 巻1 号 p. 57-65
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,アロンリネスと他者へのコンパッションの関連における自他不二の媒介効果を検討することを目的とした。680名のモニターにインターネット調査を依頼し,最終的に495名(男性235名,女性260名,平均年齢41.20歳,SD = 10.82)を分析対象とした。媒介分析の結果,アロンリネスと他者へのコンパッションの関連における自他不二の媒介効果は有意ではなかった(b = -0.02, SE = 0.04, p = .503, 95% CI [-0.10, 0.05])。いっぽう,アロンリネスから他者へのコンパッションへの直接効果は有意だった(b = 0.13, SE = 0.05, p = .007, 95% CI [0.03, 0.22])。また,事前登録に含まれていない探索的分析を実施した結果,自他不二とアロンリネスの関連における他者へのコンパッションの媒介効果は有意だった(b = 0.14, SE = 0.06, p = .009, 95% CI [0.04, 0.26])。これらの結果より,アロンリネスは向社会的な傾向を抑制するわけではないことが示唆された。アロンリネスと他者へのコンパッションの相互関連性について,更なる検討が必要であることが議論された。
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