日本医真菌学会雑誌
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33 巻 , 4 号
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  • 宮治 誠
    1992 年 33 巻 4 号 p. 421
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
  • 中嶋 弘, 黒沢 伝枝, 高橋 泰英, 大勝 美保, 早川 広樹
    1992 年 33 巻 4 号 p. 423-439
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    皮膚科領域における迅速診断法について述べた.そのために必要な材料の取り方,菌の検出率,検出率の高め方,菌の特徴的鏡検所見などについて記載した.ただし,講演で示した臨床所見については省略した.なお,迅速診断法としては,数分以内に診断ないし疑診が付けられるものとした.かかる条件にかなう直接検査法としては,KOH法/DMSO・KOH法,パーカーインク・KOH法,墨汁法,スメア・Hemacolor®染色法などがある.1)白癬では,KOH法が最良である.ただし,毛の白癬ではパーカーインク・KOH法がより優れている.2)皮膚カンジダ症では,KOH法ないしパーカーインク・KOH法が最良である.ただし,粘膜カンジダ症ではパーカーインク・KOH法がより優れている.3)癜風では,鱗屑の採取にはDST法が,染色にはパーカーインク・KOH法が最良である.4)クロモミコーシス,黒色癬,フェオヒフォミコーシスでは,KOH法が最良である.5)クリプトコックス症では,墨汁法が最良である.6)放線菌類ないしノカルジアによる菌腫では,KOH法が優れている.7)全身型ノカルジア症,膿瘍型ノカルジア症ではスメア・Hemacolor®染色法が優れている.8)紅色陰癬では,鱗屑の採取にはDST法が,染色にはHemacolor®染色法が最良である.9)黄菌毛では,KOH法が優れている.
  • 澤江 義郎
    1992 年 33 巻 4 号 p. 441-451
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    近年のcompromised hostsの増加に伴って,深在性真菌症を併発してくる症例が多く,患者の予後を左右する一因となっている.そこで深在性真菌症の早期診断,早期治療が必要となっている.従来からのX線検査や内視鏡検査に加えて,超音波検査やCT検査,MRI検査といった新しい画像による迅速診断が感染病巣の確認,生検などの適切な検査材料の採取に有力な情報を提供している.また,薬剤による治療効果をみてゆく上でも貴重な資料となっている.しかし,肺アスペルギローマを除いて,疾病の病因診断につながる画像は認められない.
  • 西村 和子
    1992 年 33 巻 4 号 p. 453-460
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    種々の臨床材料から分離される病原真菌,特に糸状菌(二形性菌も含めて)の迅速同定の要件が検討された.
    伝票などに記されている患者の基本的データ,基礎疾患の有無,海外渡航歴,検体の種類と採取部位などから分離され得る糸状菌を想定しておく.同定作業には,検体の培養と培養された菌群から1ないし数種の原因菌とおぼしき糸状菌の分離,次いで純培養菌の諸性状,特に形態の検査の2ステップがある.培養に時間のかかる糸状菌の場合はこの2ステップをオーバーラップさせることが同定の迅速化につながる.培地はポテトデキストロース寒天に抗細菌剤を加えて用い,25~30℃で良好な好気条件を保って培養する.生じてきた原因菌と思われる集落の発育速度,色,菌苔の状態,集落の顕微鏡による直接観察,掻き取り標本などによって一次同定を行なう.
  • 渋谷 和俊, 田口 勝二
    1992 年 33 巻 4 号 p. 461-471
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    細胞診は,その迅速性や簡便性,あるいは応用範囲の広さからみて,病理形態学的な診断法の中では,特筆すべきものである.今回,この細胞診が,真菌症の診断に関与する有用性と問題点について,代表的な症例を提示しつつ,検討を行なった.細胞診は,標本から抽出される情報量の多さや手技の簡便性あるいは迅速性等の利点を持ち,広く普及した検査法で,真菌症の診断にも有効な場合が多い.この一方で,喀痰細胞診等のように検体が常在菌叢を通過する場合,真菌が検出されても診断に直接結びつかないこと,ある条件下で仮に真菌を強く疑う微生物が検出されても,特徴的な形態像を得られず,菌種の判定ができないために,診断を確定することが難しいことが多いといった問題点も指摘された.
    しかし,細胞診の特性や採取法を慎重に選択し,臨床像を十分に考慮するならば,細胞診で得られた情報は,真菌症の診断に,極めて有用なものであると考えられた.さらに,今回,腟擦過細胞診を材料として,カンジダ性膣炎の原因菌の推定を試みたが,この結果,標本上で観察される菌は,それぞれの菌種に特徴的な形態像を呈しており,細胞診のみで比較的精度の高い菌種の推定が可能と考えられた.
  • Hikaru Kume, Hideki Muramatu, Eriko Yamashita, Chieko Ishikawa, Masahi ...
    1992 年 33 巻 4 号 p. 473-482
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    We are reporting the result of an investigation in immunodiagnosis of opportunistic fungus infections.
    The number of patients who were detected with candidal mannan antigens and antibodies to candida were 8 (75%) and 3 (12.5%) in 24 patients with disseminated candidiasis or infection of the lung. Results of tests by two latex agglutination kits with sera obtained from patients with and without candidiasis recognized that the efficiency was 81.5% in kit A (mannan detection kit from Kyokuto Pharmaceutical Industrial Corporation) and 64.6% in kit B (intracytoplasmic protein detection kit from Ramco Laboratories), respectively.
    In 11 cases with aspergilloma, aspergillus antibodies were detected in 10 cases (90.9%) by CIE and/or ID. All of 6 cases with invasive pulmonary aspergillosis were detected galactomannan antigen by using PASTOREX®-Aspergillus, while in 14 cases with clinically suspected aspergillus pneumonia, 3 cases (21.4%) were detected galactomannan antigen. Results of antigen detection tests in sera obtained from experimentally pulmonary aspergillosis in mice indicated that detection of antigen is very useful for rapid diagnosis of invasive pulmonary aspergillosis.
    In 11 cases with cryptococcosis, all cases investigated were detected mannan antigen in sera and/or CSF by LA test kit from Eiken Co., Ltd.
  • 石川 千恵子, 谷口 彰良, 保 直行, 手計 雅彦, 久米 俊久, 荒木 一, 出井 敏雄, 久米 光, 奥平 雅彦
    1992 年 33 巻 4 号 p. 483-495
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    流血中カンジダマンナン抗原の検出を目的としたラテックス試薬(LA-極東,検出感度3.9ng/ml)を用いて,実験的カンジダ症および228例の人体例から得られた血清を検索対象として,その診断的有用性をさらに検討した.
    全カンジダ症55例のうち,全身性,敗血症および肺などの重篤なカンジダ症では,その抗原陽性率は,プロテアーゼ処理血清で72.4%(29例中21例)を示し,そのうち急性期症例では94.4%(18例中17例)と極めて高い陽性率を示した.他方,軽度の粘膜病変や慢性期のカンジダ症では,3.8%(26例中1例)と低い陽性率を示し,かつ,非カンジダ症例群173例では陽性例は1例も認められなかった.また,静脈内接種による全身性カンジダ感染マウスおよび経口接種による消化管カンジダ感染マウスの両実験系を用いて本LA試薬の有用性を検討した.その結果,両実験系ともに経日的な流血中マンナン抗原の消長は病像の程度と極めて密接な相関を示した.さらに,CAND-TECおよびD-アラビニトールとの比較における本LA試薬の有用性を検討した.その結果,感度と特異性の両者で評価される診断的有効度はLA-極東が81.5%,CAND-TECが64.6%およびD-アラビニトールが75.4%であった.以上の成績より,本LA試薬は診断的に用に足る優れた試薬であるとの結論を得た.
  • 前崎 繁文, 河野 茂, 野田 哲寛, 光武 耕太郎, 松田 治子, 安岡 彰, 賀来 満夫, 古賀 宏延, 原 耕平
    1992 年 33 巻 4 号 p. 497-504
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    1989年1月より1991年12月までの3年間に当科に提出された臨床検体における真菌の分離状況を検討した.全検体数はのべ2077検体であり,真菌培養陽性検体は505検体(24.3%)であった.培養陽性率の年次推移は,89年が36.5%,90年が25.9%,91年が14.8%と減少した.分離された505株の内訳はCandida albicansが249株(49.3%)と最も多く,次にCandida glabrataが66株(13.1%),Candida tropicalisが41株(8.2%),Aspergillus fumigatusが29株(5.7%),Cryptococcus neoformansが27株(5.3%),Candida parapsilosisが21株(4.2%)を占めた.各種臨床検体からの真菌の検出率は便が最も高く23/33検体(69.7%),次に喀痰が255/376検体(67.8%),咽頭拭い液が21/31検体(67.7%)であったが,PCB(plugged catheter brush)は5/71検体(7.0%),血液(Lysis法)が28/423検体(6.6%),血液(BCBボトル法)が27/495検体(5.5%)と検出率は低かった.検体別の検出真菌の内訳は,咽頭拭い液や舌苔はC.albicansが多く分離されたが,下気道および肺内より採取した検体ではC.albicansの分離率は減少し,その他のカンジダ属やC.neoformansおよびアスペルギルス属の検出率が増加した.血液では,C.albicansが約半数を占め,その他の検体に比してC.parapsilosisC.guilliermondiiの検出率が増加した.
  • Hour-Young Chen, Chien-Ho Chen, Min-Yang Yeh, Jau-Shin Wu, Katsukiyo Y ...
    1992 年 33 巻 4 号 p. 505-512
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    GL-T, a fraction of extract from fruiting bodies of a fungus, Ganoderma lucidum (Reishi, Ling-Zhi in China) was found to induce protective activity against Candida albicans infection in mice. Of the treatment schedules tested, intraperitoneal administration and premedication were most effective. GL-T stimulated macrophage functions such as phagocytosis and also increased delayed type hypersensitivity and antibody formation in mice. Production of interferons (IFNs) by GL-T was also confirmed, but TNF production was not detectable. The in vivo increased protective activity was abolished by treatment with carrageenan. Possible effectors which may be important in defending against the infection of C. albicans were discussed.
  • 高木 宏治, 梅野 守男, 武田 誉久, 田島 孝俊, 澤江 義郎
    1992 年 33 巻 4 号 p. 513-520
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    髄液検査時の墨汁標本で,菌糸形態が観察された,きわめて稀なCryptococcus neoformans(C.neoformans)による髄膜炎の1例を経験した.
    症例は53歳男性.発熱と頭痛の精査で入院した.意識は清明で,項部硬直やケルニッヒ徴候はなく,理学的には異常を認めなかった.検査成績では白血球数4300/mm3,CRP0.3mg/dl,赤沈1時間値13mmと炎症所見はなかった.しかし,胸部X線写真で左上肺野と右下肺野に結節性斑状浸潤影を認めたため,肺炎を疑ってofloxacin 600mg/日を9日間投与したが,肺陰影の改善は認められず,頭痛は軽減したものの嘔吐が頻回となった.そこで腰椎穿刺を施行し,墨汁法で莢膜を有する菌糸を形成した特異な形態をした真菌が検出され,サブロー寒天培地上には典型的Cryptococcus sp.のコロニーが形成され,因子血清を用いた抗原式によりC.neoformans var. neoformans serotypeAと同定された.この菌のIC99は,fluconazole(FLCZ)が12.5μg/ml,miconazoleが0.78μg/ml,flucytosine(5-FC)が25.0μg/ml,amphotericin B(AMPH)が3.13μg/mlであった.ラテックス凝集反応によるクリプトコックス抗原価は,血清,髄液とも2,048倍であった.FLCZ400mg/日の点滴静注を開始し,肺野の浸潤影は改善したが水頭症を合併した.そこで,脳室ドレナージを施行するとともに,AMPHの脳室内及び全身投与を施行し,髄液培養では治療開始後26日目に,塗抹は69日目に菌は陰性化した.抗原価は高値で推移した.
  • 古賀 哲也, 松田 哲男, 堀 嘉昭, 石崎 宏, 松本 忠彦
    1992 年 33 巻 4 号 p. 521-524
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Trichophyton rubrumの感染による股部白癬患者について以下の検討を行った.トリコフィチンを用いたリンパ球幼若化試験では,588%と高い刺激比(SI)を示した.また,患者末梢血単核球をトリコフィチンの存在下で72時間培養した培養上清中には,高いinterferon-γ(IFN-γ)活性が認められた.以上より,患者末梢血中にはトリコフィチン刺激により増殖し,またIFN-γを産生する,トリコフィチンに特異的なT細胞が存在することが判明した.このようなIFN-γ産生能を有するトリコフィチン特異的T細胞が,感染局所においてトリコフィチンに対する遅延型過敏反応を引き起こし,白癬菌の排除に重要な役割を演じていることが示唆された.
  • 福田 正高
    1992 年 33 巻 4 号 p. 525-531
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    症例は,62歳,女性で,急性骨髄単球性白血病の再発のため,寛解導入療法を施行したが,高熱,胸痛,呼吸困難の症状と,胸部レントゲン写真上,左肺の梗塞像が出現した.その後,陰影は左肺全体に広がり,胸水の貯留を認め,胸水培養にて,Mucor sp.を検出したため,アムホテリシンBの点滴静注を行ない,患者は改善し,退院となった.その後,白血病の悪化と,DIC,重症の肝障害を併発し,死亡したが,剖検は得られなかったため最後の再発の有無は,不明であるが,胸部レントゲン写真上では,再発の所見は,認められなかった.ムーコル症は,発症が急激で,致死的であり,その生前診断は,非常に困難であり,ほとんどが剖検時診断である.本症例のように,生前,胸水培養よりムーコル菌を検出し,改善した症例は,非常に稀である.近年,血液疾患に併発する真菌感染症は,重篤で,死亡率も高く,重要な問題となっており,その感染予防,早期診断及び,すぐれた抗真菌剤の開発は,今後の重要な課題である.
  • 楠原 正洋, 蜂須賀 裕志
    1992 年 33 巻 4 号 p. 533-539
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    40歳,男性.牛飼育農家.福岡県浮羽郡田主丸町在住.1991年2月初旬より右前腕に大小の紅斑が出現し,急速に拡大したため当科を受診した.右前腕にクルミ大および鶏卵大の湿潤した紅斑があり,局面上にびらんならびに膿疱を認めた.辺縁には浸軟した鱗屑が付着し,そのKOH標本で菌要素を認めた.病理組織学的検査では,真皮の密な炎症性細胞浸潤と微小膿瘍ならびに毛嚢内の菌要素を認めた.生検組織の真菌培養で発育の遅い黄白色の湿性集落が得られ,Trichophyton verrucosumと同定した.飼育牛に牛白癬が蔓延していたことから,病牛からの直接感染によるものと考えられた.グリセオフルビンの内服と抗真菌剤の外用により約8週間で軽快した.九州地方での同菌による感染症は自験例で15例を数える.
  • 有可 正, 横尾 守, 山口 英世
    1992 年 33 巻 4 号 p. 541-547
    発行日: 1992/10/25
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    新規ベンジルアミン系抗真菌剤butenafineのTrichophyton mentagrophytesの分節胞子に対するin vitro抗菌活性及び実験的モルット足白癬に対するbutenafine局所製剤単独及びgriseofulvin経口剤との併用による治療効果を検討し,以下の結果を得た.
    1) ButenafineはT.mentagrophytesの分節胞子に対し,強力なin vitro抗菌効果を示し,0.025μg/ml以下の濃度で用いた全ての株の発育が阻止された.
    2) Butenafine局所製剤のモルモット足白癬に対する治療効果は0.25%から1.0%までの製剤濃度範囲では濃度依存的であった.1%製剤治療群と2%製剤治療群の間では有効性に差は見られなかった.また,1日1回治療群と1日2回治療群の間には効果の差は見られなかったが,治療期間を長くするほど有効性は上昇した.
    3) Butenafine局所製剤のモルモット足白癬に対する有効性はgriseofulvin経口剤との併用により増強された.
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