日本医真菌学会雑誌
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34 巻 , 4 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 宗 義朗, 松本 忠彦
    1993 年 34 巻 4 号 p. 397
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
  • 内田 勝久, 山口 英世
    1993 年 34 巻 4 号 p. 399-408
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    本総説では, Malassezia furfurの分類あるいは同定に役立つ生物学的型別について, われわれが得た実験成績を中心に記述する.
    試験菌株として当センター保存株12株と癜風患者新鮮分離株28株の合計40株を用いた. 脂質要求性, Diazonium blue B染色性および尿素分解性, ubiquinone systemなどの性状から全菌株とも好脂質性Malassezia属菌種であることが確認され, その大部分はM. furfurであると思われた. これらの菌株はDixon培地上において特徴的な集落性状を示し, それに基づいて5型 (I, II, III, IV, V型) に大別された. I-IV型とV型の間には, Tween20-85, ammonium sulfate, sodium glutamateの資化性および抗真菌性抗生物質nikkomycin Zとblasticidin Sに対する感受性の点で明らかな相違がみとめられた. また, 各型の代表菌株をウサギに免疫して得た抗血清を用いて行ったスライド凝集反応の結果から, 各型共通抗原と型特異抗原の存在が示唆された. さらに10種の菌体酵素について電気泳動によるallozyme patternの分析を行ったところいくつかのグループに別れる可能性が示された. 以上の実験結果から, 集落性状による型別はM. furfurの生物学的簡易型別法として有効であるものと推察された.
  • 木内 明男
    1993 年 34 巻 4 号 p. 409-412
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    イヌの外耳道から分離されたMalassezia pachydermatisの染色体DNAをパルスフィールドゲル電気泳動法により解析した. M. pachydermatisのゲノムは6本のバンドとして泳動され, それぞれの分子量サイズは, 820, 1,100, 1,400, 1,470, 1,660および1,820キロベースであると算出されたM. pachydermatisは分離株の電気泳動パターンの比較からホモ接合体であろうと推察された.
  • 長谷川 篤彦
    1993 年 34 巻 4 号 p. 413-416
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    Malassezia furfurは主に人の皮膚から分離されるが, 牛, 緬羊, ペリカンなどの動物においても確認されている.
    M. pachydermatisは各種動物の体表に常在しているが, 感染の原因となっていることは極めて稀である. しかしながら著しく多数の本菌が動物の外耳炎や皮膚炎の病巣表面に認められることがある. この場合の病巣形成における本菌の役割を今後明らかにする必要がある.
  • 吉池 高志, 冉 玉平, 小川 秀興
    1993 年 34 巻 4 号 p. 417-419
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    Malassezia furfurのリパーゼは菌体不溶成分に局在しており, 至適pH5.0, 皮表環境と同じ弱酸性である. リパーゼ活性剤であるsodium taurocholate (STC) によって2倍近い活性化を受けた. リパーゼ活性は菌増殖速度と相関し, 活性を賦活するような条件 (酸性pH, STC添加) では, 菌増殖も促進した. しかもその場合, 胞子型から菌糸型への転換が一部で認められた. 以上のことから, M. furfurのリパーゼはその菌増殖および形質転換において重要な役割を担っているものと考えた.
  • 加藤 卓朗
    1993 年 34 巻 4 号 p. 421-424
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    癜風を中心に, 菌学的な検索と色素異常および治療と再発についての統計的な検討を行ったところ次のような結果を得た. (1) 癜風患者からのMalassezia furfurの培養成績は病変部のみならず非病変部でも健常人より高値であった. また菌種ではPityrosporum orbiculare単独ないしP. ovaleとの混合が多かった. (2) 舌からはステロイド剤内服患者を含めて27例すべてが陰性であったが, 頭髪からの検出率は, 健常人でも高値であった. (3) 脱色素斑を生じやすい要因として寒冷, 露光, 治療があげられた. (4) 抗真菌剤による治療後の治癒判定を直接鏡検で行うと2週後には良好であったが, 培養成績は2週以後も40%以上と高値で, より詳細に判定できた. (5) 直接鏡検陰性により治療を中止し, 以後の再発率をみると治療中止時の培養成績により2か月以内で大きな差を認めた. すなわち陰性例では低く, 陽性例では13例中5例に達した. しかしながら両群とも3か月を過ぎると再発率は急に上昇し, 6か月では60%以上に達した. (6) 癜風病変部の毛包内では開口部から毛漏斗上部では菌糸と胞子を認めたが, 毛漏斗下部では胞子のみを認めた. (7) マラセチア間擦疹の自験例では直接鏡検と培養でovale型胞子の他に少数のorbiculare型胞子が混在していた.
  • 松田 哲男, 松本 忠彦
    1993 年 34 巻 4 号 p. 425-428
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    マラセチア毛包炎はMalassezia furfurが毛包内で増殖することにより生じる疾患であり, 1968年にはじめて記載された. 比較的頻度が高くcommon skin diseaseのひとつであると考えられる. 臨床的には上背部, 前胸部, 上腕に多発する紅色丘疹として認められる. 病理組織学的には開大した毛包およびその周囲の炎症細胞浸潤が主体で, 菌要素は主として毛包内に存在する. 稀に肉芽腫を形成する. 診断には苛性カリによる直接鏡検が有用である. 治療にはイミダゾール系抗真菌剤などによる外用療法が行われるが, ときに内服が必要となる.
  • 青山 浩明, 田上 八朗, 六郷 正和
    1993 年 34 巻 4 号 p. 429-434
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎 (AD) の発症, 増悪にダニを始めとする環境抗原が関与することが証明されつつある. 私たちは毛嚢内の常在真菌であるMalassezia furfur (M. furfur) がADに関与していると考え, M. furfurを培養して得た菌体から作成した抗原を用いてパッチテスト, プリックテスト, リンパ球幼弱化試験を行い, AD患者のM. furfurに対する接触過敏症の有無, およびこの接触過敏症に対する即時型反応, 細胞性免疫の関与を検討した. パッチテストの結果, AD患者118名の約6割がM. furfur抗原に対し陽性反応を示したが, 健常人や他の皮膚疾患患者の対照では殆ど陰性であった. 臨床的にも反応が遅発性に出現して長時間持続することなど遅延型過敏反応の特徴を示した. ただし, AD患者の年齢, 性, 皮疹の分布, 痒疹の有無, 乳児脂漏性皮膚炎の既往, 気道アトピーの合併の有無などいずれの事項でも特に高率にM. furfurに対する接触過敏症を示すグループは見られなかった. プリックテストでは, AD患者の約6割が陽性反応を示したが, パッチテストの結果との間に関連性は見られなかった. M. furfur抗原によるリンパ球幼弱化試験ではAD患者のstimulation indexは対照より有意に高値であり, かつ, パッチテストの陽性群は陰性群より高値を示し, AD患者のM. furfurに対する接触過敏症は細胞性免疫の関与した反応であることが確かめられた. また, M. furfurの抗原性は分子量5万以上の高分子分画にあることが推察された.
  • 金 学洙, 張 豁達, 加藤 卓朗, 西岡 清
    1993 年 34 巻 4 号 p. 435-438
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    中国の吉林省にある白求恩医科大学第二臨床学院で患者病変部より分離されたカンジダ属73株を形態学的な方法とともにカンジダチェックを用いて同定した. 結果は浅在性皮膚カンジダ症および口腔粘膜カンジダ症では, 日本と同じくCandida albicansが圧倒的に多かった. 腟カンジダ症ではC. albicansが最多であることは同じであるが, 日本で増加しているC. glabrataを分離しなかった. 呼吸器カンジダ症ではC. albicansの他にC. tropicalisを認めた. 全病型から分離したC. albicansは合計64株であったが, その血清型はA型60株 (93.8%), B型4株 (6.3%) であった.
    以上日本と比較すると腟カンジダ症以外の病型はほぼ同じ傾向であり, C. albicansの血清型がA型が多いのも同じであった.
  • 松村 万喜子, 森 健, 江部 司, 高橋 まゆみ, 礒沼 弘
    1993 年 34 巻 4 号 p. 439-444
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    アスペルギルス感染症の抗体検出用抗原として, 筆者らは以前より培養濾液粗抗原を使用して血清診断を行っているが, 抗原液作製時に不溶物を生じるなどの問題点がある. これらを改良すると共により良い抗原の作製を目的として, 培養期間を変えた10種の粗抗原を調製し, 寒天ゲル内二重拡散法 (DD法) と免疫電気泳動法 (IE法) を行い患者血清との間に形成される沈降線の数と性状を比較した.
    その結果, 培養時間の延長に伴い沈降線数が増加し, DD法では6週間培養粗抗原でピークに達するが, 7週間培養以降の粗抗原では沈降線の形態が変化し, 培養中に成分に何らかの変化が起こっていることが推定された. 一方, IE法では9週間以上培養した濾液で沈降線が一本増しており, これについては今後さらに検討する余地がある.
    以上の事からアスペルギローム患者血清に対しては, これまで用いてきた3週間培養の培養濾液粗抗原より6週間培養濾液粗抗原の方が有用であることがわかった.
  • 野田 徳朗, 市來 善郎, 鹿野 由紀子, 前田 学, 森 俊二, 宇田川 俊一
    1993 年 34 巻 4 号 p. 445-449
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    症例は24歳の主婦. 1985年12月, 裁縫中に右拇指を誤って刺した. 3週間後, 同部の爪下に膿瘍を生じた. 穿刺を数回受け, 抜爪術を受けるも排膿が続いた. 1986年10月, 爪下の膿の直接検鏡で真菌要素を認めた. 膿と爪甲よりの培養で, Aspergillus nigerが分離されたことから, 爪下膿瘍に続発した爪のアスペルギルス症と考えられた.
  • 槙村 浩一, 村山 〓明, 後藤 守孝, 小口 淳, 鎌倉 正英, 木下 忠俊, 山中 正己, 三ッ矢 正安, 和田 佳代子, 鈴木 基文, ...
    1993 年 34 巻 4 号 p. 451-457
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病の診断にて入院加療中であった35歳の女性患者に続発した, Hansenula anomalaに起因する真菌血症症例について報告する. 経中心静脈栄養 (IVH) 管理下にみた高度熱発時の血液およびカテーテル先端部培養から特定の酵母菌種が唯一の病原体としてくり返し分離された. この患者に対して, Fluconazole (FLCZ) 400mg/日の静脈内投与を施行したところ解熱し, 血液培養も陰性化した. しかし, 患者はその後原疾患に併発した起因菌不明 (血液培養陰性) の敗血症に由来すると考えられる播種性血管内凝固症候群 (DIC) により死亡した. 分離酵母菌株の培養形態および, 生化学的性状は, Candida pelliculosa (完全世代: H. anomala) に一致し, H. anomala特有の形態を示す子嚢胞子の形成が確認されたことから, 本菌をH. anomalaと同定した. 各種抗真菌剤に対する本菌の感受性 (最小阻止濃度; MIC) は, Amphotericin B (AMPH); 1.25μg/ml, Flucytosine (5-FC); <0.04μg/ml, Miconazole (MCZ); 1.25μg/ml, Itraconazole (ITZ); 5.00μg/ml, FLCZ; 12.5μg/mlであった.
    H. anomala感染症の報告としては, 本邦で3例目のまれな症例である. しかし, IVH管理下にみられる熱発の原因となりうる日和見真菌症として, 今後注目する必要があると考えられる.
  • 多田 有平, 高橋 伸也
    1993 年 34 巻 4 号 p. 459-469
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    先天性皮膚カンジダ症の発症病理を明らかにする目的で, 第1段階: ヒト羊水中におけるC. albicansの増殖率および形態的変化, 第2段階: 妊娠ラットの羊膜腔内にC. albicansを注入し24時間および48時間後に取り出したラット胎仔皮膚における感染所見の肉眼的および病理組織学的観察, 第3段階: 胎仔ラットの免疫によらない非特異的感染防御機構の1つであるC. albicansに対する好中球の貪食・殺菌能を成獣ラットのそれと比較検討を行った. ヒト羊水中ではC. albicansの増殖率はサブロー液体培地と比較して有意に低下していたが, ヒト血清と比較すると増殖率に有意の差は認めず, 形態学的にはヒト羊水とヒト血清で培養したC. albicansではサブロー液体培地に比して発芽管, 仮性菌糸の形成が顕著で, ヒト羊水中では増殖率は低下しているがC. albicansの病原性が発動された状態にあるものと考えた. ラット胎仔子宮内感染実験では24時間後に組織学的にC. albicansの皮膚表面への付着と発芽管形成による角層内侵入, 48時間後には肉眼的・組織学的にラット胎仔皮膚のカンジダ感染が確認された. ラット胎仔好中球のC. albicansに対する貪食能は成獣ラットに比して有意に低く, さらに殺菌能は低い値を示した. 貪食・殺菌能が低値であることが, 菌液注入48時間後のラット胎仔皮膚で菌が真皮まで侵入し, 真皮での密な好中球の浸潤にもかかわらず菌が活発に増殖していた理由の一つと考えた.
  • Minoru Hirano, Masatoshi Kakushima, Akiyo Takahashi, Masami Tamaoka, H ...
    1993 年 34 巻 4 号 p. 471-476
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    The in vivo efficacies of pradimicin derivatives, BMS-181184 and BMY-28864, and benanomicin A were evaluated comparatively in experimental systemic candidiasis and aspergillosis in cyclophosphamide-treated neutropenic mice. Compounds were given intravenously once daily for 5 consecutive days beginning immediately after the infection of 10LD50 of either Candida albicans A9540 or Aspergillus fumigatus IAM 2034. BMS-181184 was most effective in reducing the mortality among mice infected with C. albicans A9540, giving a PD50 value of 33mg/kg/day, while BMY-28864 and benanomicin A gave PD50 values of 50 and 71mg/kg/day, respectively. Against A. fumigatus IAM 2034, BMS-181184 and BMY-28864 were equally effective, giving PD50 values of 41 and 43mg/kg/day, respectively, while benanomicin A was less effective, giving a PD50 value of 81mg/kg/day.
  • Chien-Ho Chen, Hour-Young Chen, Yuzuru Mikami, Katsukiyo Yazawa, Ming- ...
    1993 年 34 巻 4 号 p. 477-484
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    Orally administered amphotericin B (AmB) induced protective activity against infections due to vaccinia virus and Candida albicans in mice. This activity was also confirmed in immunocompromised mice. Analyses of the kinetics of peripheral blood cells treated with oral AmB indicated an increased ratio of polymorphonuclear leukocytes (PMN). Enhancement of γ-interferon (IFN) production and of NK-cell activity was also observed. The data were considered to indicate that γ-IFN produced by oral AmB has an important part as one of the factors protecting mice against both candidiasis and vaccinia virus infection.
  • 内田 勝久, 山口 英世
    1993 年 34 巻 4 号 p. 485-491
    発行日: 1993/10/30
    公開日: 2010/11/18
    ジャーナル フリー
    モルモット背部皮膚に作成した実験的Trichophyton mentagrophytes感染モデルを使用し, terbinafine (TBF) 経口投与による治療効果を, 皮膚症状の改善度および局所皮膚組織の培養陰性化を指標として検討した.
    TBFの効果は, 25mg/kg/日またはそれ以上の用量では, 対照薬として用いた同じ用量のketoconazoleおよびgriseofulvinを有意に上回る高い有効性を示した.
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